あれから何度射精したか分からない。少なくとも、十回は確実に膣内射精した。いつもなら二人が気絶しかけて、直刃も更に一度ずつ二人に射精して床に就くのだ。
ところが、今日は違った。これだけエクスタシーに導かれても、紫羽はピンピンしていた。
それどころか、より激しく求める始末。
流石に直刃の方に限界が来るかと思ったが、依然としてペニスは硬さを保っている。
我ながら呆れてしまう直刃だった。
「──はぁ、はぁっ……ね、ねぇっ、紫羽っ、さんっ!!」
「あっ、はぁっん♡♡♡♡」
ぶびゅっ、びゅぶるるるっ。
名前を呼ぶと共に何度目か分からない射精をすると、直刃は数時間ぶりに腰の動きを停止させた。後背位でされるがままに責め立てられていた紫羽が、顔面から前のめりにベッドに倒れる。
大きな乳房がベッドと身体に潰されて、むにゅんと横から顔を出した。
「はぁっ、はぁ……の、喉乾いてない?」
荒い息のまま尋ねると、彼女は声を出さずにコクコクと首を振った。絶頂の余韻に浸って、返事をしている場合ではないのだろう。
直刃は紫羽を仰向けに転がすと、乳房に手を乗せながら落ち着くまでぴちゃぴちゃとディープキスを始めた。
「ん、れろぉ、ちゅ──♡♡」
むっちりした脚が直刃の腰に巻き付く。紫羽の腹筋にペニスの裏筋を押し付けながら、美女のベロキスに身を委ねる。
おっぱいを揉む手が止まらない。直刃の興奮が冷めることはなかった。
暫くして二人が息を整えると、裸のまま廊下に出た。白く染まった愛液が股ぐらからドロドロとこぼれてきていたが、紫羽は気にもとめない。
「じゃあ、やってみよっか。紫羽さん、うまく進めなかったらごめんね」
「いえ、その時は存分に膣内にお出しください……♡」
紫羽は廊下のタイルに四つん這いになる。大きすぎるおっぱいが垂れ下がり、乳首が床を擦りそうだった。
直刃はその後ろに立つと、腰を落として精子まみれの膣孔に亀頭を差し込む。
ぬぷぬぷと車のキーを差し込むように、おまんこの中にペニスを沈める。紫羽が「あんっ♡」とか弱く鳴いた。
「あ、主、準備のほうはお済みに……?♡」
「う、うん。行こうっ」
そして二人の進行が始まった。
紫羽がのっしのっしと前進し、直刃が下腹部を尻に叩きつけながら追いかける。六足で歩くその姿は、なんとも奇っ怪な怪物に見えた。
何をしているのかと聞かれれば、本人達もよく分かっていなかった。いかにセックスし続けながら移動できるかという話になり、紫羽の頭の悪い提案に直刃が何も考えずに同意した結果であった。
こうして誕生したのが、変態キメラのこの形だった。
「よい、しょ、よいしょ……」
「ふっ、く……ん、ぁぁっ、おちんぽ、刺さるっ──♡」
しばらくいい調子で進めたが、呼吸が合わず亀頭が子宮を押し潰す。
「んんぅっ──♡♡♡♡」
「ご、ごめん」
「あ、主、謝る必要はありません……♡」
階段まではまだ距離が少しある。いやらしい水音を響かせて、二人は再び進み始めた。
「紫羽さん、我慢できないっ」
「んぁぁぁぁぁっ♡♡♡♡ ちんぽズボズボされてまたいくぅぅぅぅぅっっ──♡♡♡♡」
ぶびゅっ、びゅっ、びゅるるるっ。
途中、直刃が激しく腰を揺すって一度射精したものの、階段へは難なくたどり着いた。目的地のキッチンに向かうにはこの階段を降りなければならない。ところがこの階段が思いのほか強敵で、直刃と紫羽は我慢できずに揃って二度も絶頂するハメになった。ここは普通に降りた方がいいよねと直刃は何回か思ったが、ここまで来るとヤケになって最後までやり通したかった。
通算三度の射精を経て、たどり着いたキッチン。直刃は蛇口を捻って浴びるように水を飲んだ。
「あはは、大変だったね……」
「申し訳ございません、紫羽があのような事を……」
「いやいや、謝らないでよ。楽しかったよ、紫羽さん」
「……ありがたきお言葉♡」
もう一度言うが、あのようなセックスを提案したのは紫羽だった。直刃も直刃で、紫羽を抱き続けたせいなのか妙なハイテンションでそれに賛同してしまったのだ。
二人とも何処かおかしくなっていた。
階段の件を含め、何度も冷静になる事はあった。けれど、目の前でぷるんぷるんと揺れる淫乳を見ると、あっけなく直刃は性欲に流されてしまうだ。こればかりは持って生まれた男のサガというか、自分の力ではどうにもならない。いやむしろこれは死神の王として務めでありどーたらこーたらと、直刃はなんとか己を正当化させようと努力した。
もっとも、そんな事を考えながら紫羽の乳房を揉みほぐしている時点で、手遅れだろうが。直刃はそんな事実からは目を背け続けた。
「紫羽さん、休憩しようか」
「はい」
二人はソファに腰掛け、セックスを中断した。
そう、中断である。彼らはまだ続行するつもりなのだ。そしてその中断ですら、ペニスを手で扱きながら、或いは乳肉をこね回しながらである。いかに二人の性欲が凄まじいかを物語っていた。
デカパイをこね回しながら、直刃は紫羽を見つめた。
「凄いね、紫羽さん。ここまで気絶しなかった人は初めてだよ」
「ええ、紫羽も初めてでございます♡♡ 主のように素晴らしいマスターに仕える事ができて、紫羽は幸せでございます」
「あはは、素晴らしいって、大袈裟だよ」
直刃は笑ったが、彼女は大真面目だった。性欲が満たされないというのは、紫羽にしてみれば死活問題だったのである。だからこそ、これだけ出して今なお男根を硬くしている直刃に対して、紫羽は鋼鉄とも言える忠誠を誓うのだ。
「主、もう一度申し上げますが、紫羽は初めてなのです♡ こんなに心から愛するマスターに出会えたのは──仮にこの先、主がマスターで無くなったとしても、紫羽は主に一生涯お仕え致します」
「あはは、ありがとう……」
直刃は、セックスしただけでここまで惚れられて、複雑な気持ちだった。しかし、今や紫羽は恐怖の対象ではない。これから生活していくうちに、彼女もまた心から愛せる時が来るのかもしれない。
「なにせ紫羽さん美人だしね」
「……?」
「いや、なんでもない。こっちの話。それより……僕がマスターじゃなくなるなんてことあるの?」
話を変えるため、先ほど紫羽が口にしていた事を尋ねた。
紫羽はありえないと首を振る。
「王の証を奪われない限り、主がマスターでなくなる事はありません」
「あれ、その言い方だと、結構簡単にマスターじゃなくなりそうなんだけど……」
「ご安心ください。王の証は選ばれた者にしか、触れられないのです」
「セキュリティはばっちりって事か。それで、その王の証って何処にあるの?」
「主が持っておられます」と答えられて、直刃は血の気が引くのを感じた。そんなご大層な物は手にした記憶がない。けれども、彼女の口ぶりからして確実なのだろう。まさか知らないうちに紛失したり。それともゴミの日に手違いで出しちゃったとか。直刃は必死で思い出そうとした。
「落ち着いてください、主。何か十字架のようなアクセサリーはご存知ありませんか?」
「十字架? ……あ、あれか。今持ってくるよ」
ペニスをブラブラさせながら全裸で階段を駆け上がると、直刃は自室に飛び込み、ある物を手の取って紫羽の元に戻ってきた。
「これのことかな?」
「魔力が込められていますね……恐らくこれかと」
紫羽に見せたのは、なんの装飾も施されていない、シンプルな金の十字架だ。サイズは手のひらにちょっと収まりきらないぐらいで、見かけよりも大分ずっしりしている。
「でも確かこれ……あれ?」
「どうしました、主?」
一瞬、直刃はこれを何処で手に入れたか思い出せなくて、困惑した。
「えーと……あ、そうだ。母さんに貰ったんだ。なんでこんな大事な事忘れてたんだろ」
「紫羽には分かりかねますが、王の証は自然と主の手に入るように運命付けられていますので……」
「手に入るって……でもこれは他の人には触れないんだよね?」
「主が王としてお目覚めになるまでは、ただの貴金属でございます」
「目覚め?」
「はい。氷室か朱雀に魔力を注がれた筈なのですが……」
そういえば拉致された際に、氷室が王として目覚めさせるなどと言っていた。寝ていた最中にその目覚めとやらをさせられたに違いない。
「ちなみに、魔力を譲渡するには粘膜接触が不可欠です」
「粘膜接触って?」
紫羽はおもむろに直刃に顔を近づけると、チュッと口同士を重ねた。それで終わりかと思いきや、紫羽は舌で顎をペロンと舐め、それから首、鎖骨をつたって直刃の乳首に。年齢相応の可愛らしい乳首をちゅぱちゅばと舐め回し、顔を離す。
「──古い言い方をすれば、接吻です♡」
「あれ、僕の知ってる接吻とだいぶ違うなぁ」
わざとらしく直刃が言うと、紫羽はほんの少し考えるような素振りをすると、目をつぶった。
「では主、この紫羽めに接吻のご教授を……」
「あ、なるほどね。分かった、頑張るよ」
ソファに紫羽を優しく押し倒すと、つきたてのお餅のような乳房を弄びながら彼女の口内に舌を滑り込ませる。ねっとりとした唾液を互いの間で行き来させ、変化をつけるために紫羽の歯茎を舌先で舐めたりした。
「んふっ、ふぁ、ちゅ……主♡」
「紫羽さん……」
直刃の鎮火していた性欲がまた起き上がる。無意識のうちに、亀頭を紫羽のへそに擦り付けていた。カウパーがヘソの穴に溜まって、それを亀頭でほじくり出す。
紫羽はそんなペニスの竿の部分に指を這わせると、体を動かして秘所へと先端を導いた。
「主、このペニスケースをお忘れですか♡」
「あ、ごめん」
「ささ、主の性器がお風邪を召しては困ります、お早く膣内で暖をとってくださいませ♡♡♡♡」
感謝の言葉の代わりに、ズブリと肉壺に怒張を差し出した。
「いくよ?」
「はい……♡♡♡♡」
乾いた音がリビングに響きわたる。二人の交わりは、夜が明けても終わる事はなかった。
ーーーーーーー
「や、やっと帰ってこれたー……」
朱雀はエレベーターの中で、グッと背を伸ばした。ついでにスーツの中に仕舞われた巨乳が、アピールするように前に突き出る。直刃が見ていればすぐにでも襲われそうな行為だが、あいにくとこの狭い鉄箱には氷室しか居なかった。
「早くマスターにパコパコしてもらいたいよぅ……」
「……重症ね。すっかり中毒じゃない。下品な女はマスターに嫌われるかもしれないわよ?」
「マスターはエッチな私が好きなんですー。だからノープログレムー」
氷室は朱雀をなんとも言えない表情で見つめた。その顔は、朱雀に対してというより、何か別の事を思案しているような。そんな顔だった。
「何その顔。なんか忘れたの?」
もしかしてここまで来てまた仕事かと、朱雀は身構える。氷室は違うと否定したが、やはり浮かない様子だ。
「そんな顔してると、マスターに心配されちゃうよ?」
「今まさにそのマスターの事を考えていたのよ……」
「どゆこと?」
「……貴方が前に言っていた事を、ふと思い出したのよ」
「前に言ってた事?」
「紫羽とマスターって、確実に相性良いじゃない? それに紫羽なら耐久性も高いでしょう」
「……そ、そうね」
「朱雀、貴方どうする? 玄関開けたら何処からともなく水音がきこえてくるの。恐る恐るリビングに足を踏み入れると、そこは一面真っ白の精子プール。その中心で二人が……」
「やめて! もう私ライフゼロだから!! 帰ったらすぐマスターとエッチする気満々だったのに!!!」
げんなりとして耳を塞ぐ朱雀。氷室は「冗談よ」と笑う。
やがてエレベーターのドアが開いて、玄関の前にたどり着く。氷室の言葉が頭から離れない朱雀は、そろりそろりと中に入る。今のところ水音は聞こえない。
油断はできない。朱雀は氷室に促されるまま、リビングへ続く扉を握り締めた。視界にうっすらとでも白くべたつくなにかが映ったら、朱雀は泣き叫ぶ自信があった。
「ええいっ、ままよ!!」
勢い良く扉を開け放つ。刹那の間に白いソファや白い壁が目に入って背筋が凍るが、幸いそれは元からだ。
良かった。
朱雀は安堵した。
「あら? 帰ってきたのね」
紫羽の声がキッチンから聞こえてきた。ここで彼女が精子まみれの全裸だったら、朱雀は発狂する自信があった。
睨みつけるようにそちらを向くと、メイド服の紫羽がそこに立っていてた。
「良かったわね、朱雀。あの様子だと」
「待って氷室」
氷室の言葉を遮って、朱雀は紫羽を凝視した。
数秒の睨み合いの後、ぽたりと紫羽の股から何かが落ちた。朱雀は今頃になって、リビングに嗅ぎなれた精子の臭いが充満している事に気がついた。
「紫羽さん、何かあった……あ、おかえり二人とも」
そんな時、階段の上から顔を出したのは、体中をベトベトに濡らした裸の直刃だった。「ただいま」の一言さえ言えず、朱雀は立ち尽くす。
「うぅ、やっぱり氷室の言う通りだったぁ……!」