ペンシルベニア州。
1,300万人という全米5位の人口を抱え、ピッツバーグ、フィラデルフィアというアメリカに疎い人間でも聞いたことがあるような大都市を持つ州である。
しかし州全土に渡って都会が広がっているかと言えばそうではなく、のどかな酪農地帯や牧草地帯がかなりの割合を占めている。
僕が降りた、というか降ろされたワイアルーシングものどかな田舎町であり、視界には静かな農場地帯が広がっていた。
アメリカの、広々とした空。
これだけ移動しても未だ国土の果てに辿り着かない広大さにはつくづく呆れるが、僕は割とこの国のことが好きだった。
こんな無茶振りだらけの企画に巻き込まれなければ――だが。
「さすがに無理があるだろ」
広大な大地の上に立ち尽くす。
“ルール違反”という裁定でアレックスさんの車を降ろされた僕は、ふたたび無一文でこのふざけた企画をスタートすることになった。
おかげで半日飲まず食わずだし、メイン州にたどり着く算段はまるっきり立っていない。
この旅の一番きついところは、前の旅のようなヒッチハイクができないことだ。
ヒッチハイクさえできれば飲まず食わずでもひとまず前に進めるし、極貧の旅でも絶食さえ避ければ目的地にはたどり着ける。
しかし今回の旅では、人からの施しは全てSEXの対価でなければならない。
僕とSEXしてくれる女性――しかも白人女性なんてこの世にごくわずかだし、人のいない田舎でそんな奇特な女性を探すのは至難の技だ。
こんなとき、サラやアレックスさんのような助っ人がいれば話は変わってくるが、残念ながらこの場所にいるのは僕一人だ。どこかで僕を監視している黒服たちも、基本的に僕に命の危険が迫らない限りは何も手助けしてくれない。
まさか田舎町の一軒一軒を訪ねて「僕とSEXしてくれませんか?」とお願いするわけにはいかないし、正直旅は八方塞がりだった。一応“例のプラカード”をぶら下げて歩いているが、道行く人に通報されないか不安である。まあこの町ではそもそも道行く人がほとんどいないんだけど。
「いるのは牛と馬くらいか」
道沿いの農場に、馬小屋や牛小屋が並んでいる。当然ながら家畜の匂いも周囲には漂っていた。州や景色は違うが、スタンレー農場を思い出す。僕はあの農場で一週間ほど労働し、土と家畜の匂いに包まれていた。
農場で暮らす母子家庭の母娘、アリシアさんとキャロルとSEXして母娘共々孕ませてしまったことは僥倖というか事故のようなものだったけど、農場という場所自体には何ら悪い思い出はない。
なので牛や馬の匂い=キャロルやアリシアさんの豊満な身体(アメリカンボディ)と記憶が結びついてしまっていることが厄介だった。近くに女性が一人もいないのにも関わらず、僕は股間が少しむずむずしてしまっていた。
願わくは、このワイアルーシングでもアリシアさんのような優しい女性に出会い、SEX三昧の日々を送れないものか――そんなもはや現実逃避レベルのことを考えながら、道を歩いているときだった。
“Are you Daisuke Sakagami?”
突然、背後から声を掛けられた。
まさかアリシアさんみたいな巨乳MILFが馬に乗って?と思ったが、振り返った先にいたのは普通の格好をした普通の白人女性だった。もちろん馬になど乗っていない。
知らない、女性だった。
美人だしおっぱいも大きいが、面識は全くない。しかし彼女は今、間違いなく僕の名前を口にした。こんなアメリカの田舎町に知り合いなどいるはずがないのに、どうしてだか彼女は僕を知っているのだ。
「イ、イエス」
そう答える以外にどうしようもない。
あなたはサカガミ・ダイスケか?と聞かれて、間違っていることは一つもないのだからそうだと答える。
それのどこが間違っているのかと誰かに訊ねたい気分だったが、残念ながらこの国においてそれは不用心な選択だったようで、
“Then I will judge God to you.”
「え?」
次の瞬間、僕は鈍器のようなもので後頭部を思い切り殴られた。
――じゃあ、あなたに神の裁きを下すわ。
そんな意味の英語を頭の中で反芻しながら、僕は意識を失ったのだった。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
以前にも、こんな風に頭を殴られて意識を奪われたことがあった。
たしか場所は、コスタリカ。
ギャングファミリアのボスであるディアナさんに殴られて、気付いたときには地下室の椅子に縛られていた。
今でこそ、僕の第一子を産んでくれたのがディアナさんなので怖い気持ちはないし、自分にとっては奥さんの一人であるので恐怖心はないが、初対面でショットガンを持った彼女と対峙したときは、誇張抜きで失禁しそうなほどビビっていた。
そして案の定、今回も目覚めたときはロープでぐるぐる巻きにされていた。
両手を後ろ向きで縛られ、両足ももちろん縛られ、猿轡まで噛まされている。
埃臭い、場所だった。
場所は窓がない部屋のようなので、またしても地下室だろうか。
そんな僕を取り囲むように、十数人もの白人女性が立ち並んでいた。
床に寝転がっているので下から見上げる形だが、数え間違いでなければ十一人。
ブロンドヘアの若い女性ばかりで、みんなおっぱいがそれなりに大きかった。十一人もいれば個性は様々だが、皆さん美人さんという印象だった。
白人女性ばかりの、強盗集団?
しかし僕は見るからに素寒貧だし、何より彼女たちは僕の名前を知っていた。なんらかの意図を持って僕をここに拉致した可能性が高い。
『今から、あなたに神の鉄槌を下すわ。自分が何の罪を犯したか、ちゃんと理解してる?』
最初に僕に話しかけてきた女性が、物騒なことを言ってくる。罪とか、神の鉄槌とか、アメリカでなくても強い宗教臭、しかもカルトに近いものを漂わせる。よく見ると僕を取り囲むように複数の篝火が炊かれているし、床にも何やら魔法陣めいたものも書かれている。
な、何のことですか?
と答えようにも、猿轡があるので何も言えない。彼女たちは最初から弁明させる気などないのだ。よくわからないが自分たちの正義に従って、僕に神の裁きを下そうとしている。
『これ、あなたがネットに公開している動画よねわ?』
(え?)
彼女たちはどこかからいくつものノートパソコンを取り出し、各々が違う動画を映し始めた。
中身は全て、違うもの。
しかし内容は全部一緒だった。すなわち、
“Ahh!! What a awsome penis this is!!”
僕が白人の女性たちとSEXをする動画だった。何人もの白人女性たちが裸のまま僕に貫かれ、ポルノビデオのごとく喘いでいる。
(こ、公開したのはサラだな!)
サラは僕が白人女性とSEXする動画を販売してお金を儲けていた。僕に男優として価値はないのでみんな相手の女性目当てで買うんだろうけど、まさかこんな数が世に出回っていたなんて。
『もうわかったわね? あなたの犯した罪、何度人生をやり直したところで償える物じゃないわ』
(な、何のことでしょう……)
泣きそうな顔でふるふる首を振って、自分の無実を目で訴える。僕が公開した動画じゃないけど、アメリカでは無修正の動画をアップするのも問題ないはずだ。動画販売もちゃんとしたアダルト動画サイトを使っていると聞いていたから、この動画のどこに問題があるのか、僕にはさっぱりわからない。
『その態度が何より万死に値するのよ』
突然、強い苛立ちを放つ女性。
僕が大罪を犯しているのに何一つ理解していない、と言いたげな顔だ。
周囲の他の女性も全員同じ意見のようだった。
僕が犯したという大罪。
それはつまり、
『あなたは非白人のアジア人でありながら、私たちの同胞である白人女性と性行為をした。それがどれだけ自然の理に反し、許されざることか、少しまともな教育を受けた人間なら誰でもわかるはずだわ』
(はい?)
彼女の主張に、唖然とする。
アジア人と白人のSEXが許されないなら世の国際結婚の多くが破綻するじゃないかと思ったが、そういう当たり前の口答えが許される雰囲気ではない。
要するに彼女たちは、非白人男性と白人女性の性行為を絶対に許さない集団なのだ。
某アルファベット三文字カルト集団の女性オンリー版。
非白人男性と白人女性のSEXを絶対悪だと考える、新興宗教のようなものなのだ。
『なんておぞましいビデオなの。白人の女があろうことか股を開いて、アジア人penisの侵入を許してる。神に与えられた高貴な肉体を、あろうことかアジア猿のザーメン処理に使わせるだなんて』
グロ画像でも見るような反応を示す女性たち。僕からしてみればどれも例外なく幸せで気持ちいい思い出なのだが、彼女たちにとってみればそれこそ天界の女神が地上に降りてきて家畜と交尾するような映像なのだろう。自分で言ってて、失礼だなと思うけれど。
『この女たちも不貞行為に堕落した咎人だけれど、諸悪の根源はお前よ、ダイスケ・サカガミ。二度とこんなことができないように、私たちが神に代わって裁きを下すわ』
(え、ちょっと待って――)
縛られて身動きが取れない僕の一張羅を、彼女たちはハサミでズタズタに切り裂いていく。長旅を共にしてきたジーンズは布切れ同然になり、パンツさえ切れ目を入れられて、はだける寸前になる。
もはや、もっこりを隠すものはほぼ何もない。
縛られて下半身露出という屈辱的な状況のまま、僕はかろうじて上に被さっていただけのパンツの残りを取り払われた。
“Oh, my god...”
まるで、悪魔でも見るかのような反応だった。
悪魔ではなくこれ僕のチンポなんだけど、そんなに忌避する対象でしょうか……?
『こいつが諸悪の根源ね。数々の白人女を孕ませた悪魔。そのおぞましいものを、私が今から処理するわ』
処理と聞いて、パイズリ、フェラ、手コキなどを連想する僕はやっぱりSEX脳の童貞気質なんだと思う。
立場はどうあれこれだけの白人美女に囲まれて、高揚しない部分がないと言えば嘘になった。
しかしそれも、リーダー格の女性があるものを取り出すまでの話だった。
(マ、マジで……?)
女性が取り出したのは、どこからどうみても高枝切り鋏だった。そんなものどうするんですか?という問いが無意味だと思うほど、女性の冷徹な表情……本気だ。彼女は本気で僕のチンポを根元から切り落とそうとしている。
(や、やめてくれ!)
『動くな! 的が絞れないでしょ!』
リーダー格の女性の指示で、周りの女性たちが寄ってたかって僕を取り押さえる。ロープで縛られていたとしてもジタバタすることは可能なので、僕は全力で体を動かして彼女の“処刑”を阻止する。
『ちょ、動くなって言ってんでしょ!』
高枝切り鋏をチョイスしたせいで、彼女は幸いにも狙いを定めるのに苦戦している。僕を殺す気ならそれでも構わず下半身ごとジョキジョキ行けばいいのだが、あくまで狙いは“諸悪の根源”の切り落としであって死刑ではないようで、殺人者になりたくない彼女はジタバタと暴れ回る僕に狙いをつけられずにいた。
『かくなる上は』
一向にペニスを切り落とせないことに痺れを切らした彼女は、今度は別の武器を取り出した。
それは高枝切り鋏ではなく、単なる枝切り鋏。
長さが無い分狙いはつけやすいが、おそらく「触りたくない」という理由でチョイスした高枝切り鋏の利点は失われる。
『動くんじゃないっての!』
狙いがつけやすくなった分、僕は余計に下半身をジタバタさせる。少しでも動きを止めればジョキっとやられそうだからだ。
とはいえ体力の限界などたかが知れており、しばらく待たれれば動きが止まることは目に見えている。
しかし彼女は「さっさと切り落としたい」を気持ちを優先させたのか、捨て身覚悟の最終手段に出る。
『これより、神の裁きを加えるわ、っ!』
呪文のように叫びながら、暴れ回る僕のチンポを直に手で掴む彼女。
こうすれば僕は万事休すだ。暴れ回る余地を失った僕は、難なく彼女に根元からチンポを切り落とされる。
(や、やめろおお!!)
しかし僕も最後の力を振り絞って抵抗する。こんなに簡単に一生SEXできない体を受け入れてたまるか。竿を失えば男性ホルモンの関係で心まで女の子になっちゃうかもしれないじゃないか!
『う、動くんじゃないわよ!』
女性にチンポを掴まれたまま、必死に動く。
生きたいという欲望。これからも女性とSEXしたいという切実な願望。
それらが全て合わさって、僕は火事場の馬鹿力を発揮する。
その結果、
生存欲求が限界まで高まった結果、
『う、嘘でしょ』
僕は自分でも驚くくらい、勃起していた。
彼女に触られていた影響もあって、かつてないくらいに高く、硬く勃起している。
切り落としたいなら切り落としてみろ。
俺は石のように硬くなり続けてやる。
まるで自分のチンポが自分とは違う意志を持ったように、凄まじい威圧感を人種差別主義者の女性たちに放っている。
『みんな見て。これが悪魔のpenisよ』
白人女性十一人が、一同に息を呑むのがわかった。
生きたいという僕の執念に圧倒された結果だろうか。僕を押さえつけようという力も止んでいる。
『これ……ハサミで切れるの?』
衆目の中の誰かが言う。金属刃と肉体なのだなら切れないわけがないと思うが、僕が執念のフル勃起を見せていたので、それが難しいように見えたのだろう。
願わくはこれで諦めて欲しいと思うが、このまま未来永劫フル勃起状態を保てるはずがなく、時間が経過して収まってきたところを「じゃあ切りましょう」という事態になりかねない。だから僕はできるだけ長い間、このフル勃起状態をキープする必要があった。
(なにか、勃起の材料になるものは……)
少しでも興奮状態を保つために辺りを見回す。そこにいるのは合計十一人の白人女性たち。全員がブロンドヘアで、年齢で言えば二十代前半から三十代前半までの白人女性たちが集まっていた。
アメリカの女性は、どうしてみんなこうなのか。そう思えるほど、一様におっぱいが大きい。目鼻立ちも全員整っているし、背も高く脚も長いからやはり人種そのものが違うんだなと実感する。
『なんておぞましい姿なの……』
また衆目の誰かが言う。僕がその“おぞましい”勃起状態を保っていられるのは、この場にいる十一人全員とのハーレムSEXを妄想しているからだ。元童貞の妄想力舐めんなと言いたくなるくらい、僕は白人のお姉様方とあられもないことをする姿を妄想していた。
“Ahh!! OH MY GOD! OH MY GOOOD!!”
そんな中、開かれたままのノートパソコンが僕と白人女性とのSEX映像を再生している。白人女性たちの喘ぎ声と肉体と肉体がぶつかり合う乾いた音が、幾重にも重なって密室に響いている。その映像も相まって、僕はさらに勃起の精度を高めていく。
『大きすぎない……?』
『こんな硬そうなの見たことないわ……』
『袋も見て。この中に何ガロンの精液を溜め込んでるのかしら』
『こんなので犯されたら……間違いなく妊娠するわね』
『アジア人って、みんなこんな凄いのを持ってるの?』
『やば……私いろいろ想像してきちゃった』
白人女性たちがどよめき出す。物凄く異様な空気だった。僕は女性たちに下半身を観察され、BGMには僕に突かれて喘ぐ白人女性たちの声が流れている。
『まさに悪魔のpenisね。みんな騙されちゃダメ。いくら凄くてもこれはアジア人のpenisなのよ』
リーダー格の女性が周りの女性たちに訴えかける。悪魔呼ばわりされているが遠回しに認められているような気がして複雑な気持ちになる。
しかし忘れてはいけないのは、この女性たちが僕のペニスを切り落とそうとしていることだ。
『でもメリッサ、このままじゃ切り落とせないわよ、どうするの』
他の女性の呼びかけで、リーダー格の女性の名前がメリッサであることを知る。女性たちはなお僕のペニスを切り落とすつもりだが、この勃起状態では歯が立たないと判断しているらしい。
『かくなる上は……みんな、この男の手だけを自由にして。絶対に足のロープは解かないでよ』
チンポフル勃起状態のまま、手の自由だけが解放される。そうであれば逃走可能のように思われるかもしれないが、足を縛られている状態ではとてもじゃないが立ち上がることはできない。僕はジャッ◯ー・◯ェンではないのだ。
『あなたのモノを切り落とすために、あなたが自分で射精なさい。それがあなたに許された唯一の贖罪よ』
(はぁ!?)
思わず叫びそうになったが、猿轡は健在なのでできない。彼女たちは僕にこの場で公開オナニーをしろというのだ。しかもその理由は、チンポを鎮めて切り落としやすくするため。まったくもって狂っている。しかもこんな衆人環視の中オナニーしろだなんて、無茶振りにも程がある。
『でないとまず指を切り落とすわよ』
(ま、待って!)
ハサミをジョキンと言わせる脅し文句。指を切り落とせる勇気があるならいっそ勃起状態のまま切り落としてくれよと言いたかったが、それも嫌なので何も言えない。というか猿轡があるのでそもそも喋れなかった。
(わ、わかりましたよ……)
衆人環視。ハサミを持った白人お姉様たちに囲まれた中、僕は自らの竿をシゴき始めた。以前にも女の子の前でオナニーをさせられたことはあるが、こんな多人数に見つめられる中でのオナニーは初めてだった。
当然ながら、全然興奮などできない。シゴいているのに逆に萎えてしまいそうだった。
でも、そのままではまずい。萎えたらその場ですぐにハサミを入れられるのだ。僕はなんとしてでも勃起状態をキープしなければならない。
(白人のみなさんっ、僕に力を――)
目の前にいる総勢十一人の白人美女たちを見回して、全身全霊で想像力を働かせる。
メリッサさんたちが僕のチンポを、玉を、乳首を、お尻の穴を全て舐め、白人らしい豊満なおっぱいを手や足や太ももにこれでもかというくらい押し付けてくる。まさに全身おっぱいづくし。白人美女のたわわな乳房に埋もれながら、竿や玉をこれでもかというくらい奉仕される。
その光景は、彼女たちの思想を考えれば冒涜だ。
しかしこれだけの白人美女に囲まれ、豊満な谷間を見せつけられ、妄想しない男がこの世にいるだろうか。童貞気質の人間なら絶対、この場にいる美女全員に種付けしたいと思うだろう。
白人こそが至高と考える美女たちと次々と貫き、感じさせる。今の現状を考えれば絶望的な未来妄想だが、どうせチンポをちょん切られるなら精一杯夢のような光景を妄想してから執行されたい。人種や国の壁さえ取り除けば、この場にいるのは一匹のオスと残り十一匹のメスなのだから。
『なんて荒々しいマスターベーションなの……?』
僕の精一杯の手コキを見て、白人美女たちが呆気に取られている。
見られてもなお興奮できる僕に呆れているのか、それとも生きたい(切られたくない)という僕の執念に圧倒されているのか。いずれにせよこの場にいた女性全員が、シゴかれる僕の怒張ペニスに視線を奪われていた。
(ああっ、出るっ!!)
半ばヤケクソで手コキしたのと、白人のお姉様方にオナニーを見守られるという特異シチュエーションに興奮したのか、僕はかつてないほどの量の精液を、空中へとぶちまけた。
何射も何射も、それこそ噴水のように、僕の子種が何もない中空への射出されていく。
『ありえないわ……』
その量を見て女性たちがドン引きしている。
僕自身も正直引いていたが、最後の冷静さで誰かにぶっかけるということはしなかったので、女性たちの怒りを買うということはなかった。
しかしここで安心してはいられない。射精をしたことでチンポが萎めば、今度こそイチモツを裁断されてしまうからだ。
僕はなお周囲の女性を見回して、再度自分が彼女たちに覆い被さられる想像をする。先程よりは緩慢だが、それでも僕はまたも硬さを取り戻した。
『このpenis、無尽蔵なんじゃないの……?』
女性の中の誰かが言った。その言葉で他の女性たちもざわついている。本当の意味で無尽蔵ということはあり得ないが、それでも彼女たち相手なら僕は最低十回は射精できる自信があった。
『そんなわけないでしょ。あと二回も出せば萎むわよ』
無尽蔵などありえないと周囲の考えを一蹴したメリッサさんは、『もう一回射精なさい』と僕にオナニーを命令する。
その言葉に従うしかない僕は、再び白人女性たちの前で公開オナニーをすることになった。
自らの手で竿を持ち、まだ硬いままの竿を上下にシゴき始める。
二回目だから、時間はかかる。
でも、このシチュエーションに独特な快感を抱いているのも事実。
オナニーの間もお姉様たちは僕のチンポを凝視していて、その開放感がかえって僕の興奮を倍化させる。
(また、出そうだっ――)
我慢できなくなった僕は、再度お姉様たちの前で鈴口から白濁液を放出する。その羞恥心は最たるもので、あられもない姿を白人女性たちに観察される屈辱と高揚感が、交互に僕の股間に襲い掛かる。
『なんて勢いなの……?』
『こんなので子宮犯されたら……』
『メリッサ……本当にあと一回でおさまるの?』
見られることで余計興奮した僕は、さらにペニスを硬く勃起させていた。このお姉様たちの前ならあと十回は射精できそうな高揚感。その“余裕”のようなものを察知したのか、彼女たちの何人かが、メリッサさんにとある提案をする。
『なっ、そんなことできるわけないでしょう! あなたたち何考えてるの!』
メリッサさんは狼狽えた様子で他のお姉様たちを叱責している。どうやら彼女たちに何かとんでもないことを言われたようだ。
『でも、これしか方法はないんじゃない? ここにいる全員が私たちと同じ考えだと思うわ』
『え?』
ここに来て、メリッサさんと他の女性たちとの意見が割れる。どういう経緯でこうなったのかはわからないが、この場を逃れたい僕としてはこのいざこざに乗じるのが一番だった。
『今から私たちは、アジア人であるあなたに直接罰を与えるわ。後悔してももう遅い。こんなものを私たち白人の前で見せびらかしたあなたが悪いのよ』
(え?)
とたんに場の空気は一変する。これまで傍観者に過ぎなかったお姉様たちが、一様に僕を取り囲んで、近づいてくるのだ。
彼女たちは真剣な面持ちで僕の股間を見つめている。メリッサさんが過激派でそれ以外のお姉様が穏便派だと勝手に思っていた僕は、それが大きな間違いだと気付く。
穏便派はむしろ、メリッサさんの方。お姉様たちはメリッサさんがなかなか僕のものをちょん切ろうとしないから、痺れを切らして自分たちがやると言い出したに違いない。
まさに、万事休す。
今度こそ、僕のか弱きチンポを切り落とされてしまうのだ。
四方八方、僕に群がる白人のお姉様たち。ペニスを切り落とすだけじゃない。彼女のたちはそもそもの僕の息の根を止めようとしている。そう確信してたまらず目を瞑ると、僕の口の自由を封じていた猿轡はふっと何者かの手によって外された。
「んっ――」
何者かが、僕の口を覆う。
温かで、柔らかな感触。そして不意をついて挿入される生舌の感触に、僕は思わず瞼を上げた。
(な、なんで……)
『んっ、あっ――』
僕に罰を与えると宣言していたお姉様が、あろうことか僕とキスをして舌を絡めている。それどころか濃厚な唾液交換まで開始して、事態は一気に肉欲の気配を漂わせ始めた。
「ああっ……」
誰かの手が、ザーメンつきの僕の竿をこねくり回し始めた。二人……いや四人だ。四人の白人女性がいっぺんに僕の竿を同時手コキしている。
『硬すぎるわ……大理石に触ってるみたい』
『ねえこのカリを見て。すごい凶悪な形してるわ』
『太さが旦那の二倍以上ある。こんなペニスってあるの?』
『火傷しそうなくらい熱いわ……こんなの挿れられたら……』
続いて、他の女性二人が僕の胸元に潜り込む。シャツを脱がせ、男の乳首を露出させた二人は、そのまま僕の左右の乳首に吸い付いた。
「あっ、そこはっ――」
口の中と乳首とチンポ、それを同時に攻められる。まさかの展開に思考がついていかない。僕は今、人種差別主義者の女性たちに何をされている?
『あなたたち正気なの!? こいつはアジア人なのよ!』
一人だけ平静なメリッサさんが僕に群がる女性たちを制止している。当たり前だ。これはまさしく、彼女たちの“教義”に反する行為なのだから。
『アジア人だからこそよメリッサ。この男は私たち白人の仲間を“こいつ”で犯し、従僕に仕立て上げた。だったら今度は私たちがコイツを従僕に仕立て上げるのよ。ここにいる全員で犯して、射精もさせて、私たち白人には二度と勝てないと思い知らせるの』
『な、何言ってるの? それだと私たちもこの男とセ、セックスすることになるでしょ?』
『致し方ないわ。私たち白人の優位性を示す為だもの。それともメリッサ、この男のpenisが怖いの? たかだかアジア人のpenisなのよ? 私たちがこんなので気持ちよくなるわけないでしょ?』
『ほ、本気で言ってるの……?』
女性たちによってたかって嬲られ(この時点では舌まで使われている)、ギンギンに反り返った僕のチンポを見つめるメリッサさん。
たしかに白人女性にしてみれば、僕のチンポなど大したことないのかもしれない。
しかしここで僕の侵入を許せば、そもそもの彼女たちの“教義”に明確に反することになると思うのだが、そのことについてはなぜか議論されない様子である。
『だったら、私が証明してあげるわ。こんな男のpenis大したことないって。SEXしても全然気持ちよくないって。たかがアジア人の男だって。この私が身をもって証明してあげるわ』
『アリサ!』
メリッサさんにアリサと呼ばれた女性(ブロンドセミショートの姉御系お姉様)は、その場で着ていた衣服を全て脱ぎ捨て、僕の上に跨った。服の上からでも十分大きかったのに、どうやら着痩せしていたらしいアリサさんのバストは、どんでもない迫力とボリュームで僕の視界の半分近くを覆っていた。
『んっ、ああっ――』
そしてアリサさんは、pussyに僕のペニスを躊躇いなく沈めていく。
とたんに絡みつく白人女性の膣壁とエロ襞。白人至上主義の衆目に見守られる中で、彼女はアジア人である僕と繋がったのだ。
『んっ、んっ――』
そのままアリサさんは激しく腰を振り始める。温かで水気を帯びた膣壁が僕のペニスを包み、奥の方で子宮口が僕の亀頭にキスをしている。
『アリサ……大丈夫なの?』
『あ、当たり前でしょっ、こんなcock全然大したことないないわっ――』
『本当なの?』
『ええ、少し硬くて長いけど、こんなアジア人のdick全然気持ちよくないっ――』
激しく腰を振り、大きなバストをゆさゆさと揺らしながらも、彼女は僕のチンポなど全然大したことないという。
それはそれで事実なのかもしれないが、やはり男としては傷つくものだ。だから僕は少しでも彼女を気持ちよくできるように、海老反りの要領で大きく彼女を突き上げた。
『ああっ!!』
途端に彼女が嬌声を上げる。そのチャンスを逃さないように、僕はここぞとばかりにアリサさんを突き上げた。カリ首で彼女の奥を引っ掻くようにして、僕の知り得る女性が一番気持ちよくなる部分を重点的にピストンする。
『あっ! だめっ! 私そこ弱いのよっ!』
『この男、なんでこんな体勢で動けるのよ……』
『やっぱり悪魔だわ。悪魔じみたpenisしてるじゃない』
『なんて凄いSEXなの……こんなことされたら、私十秒も保たないわ』
『見て、男の竿がアリサの中を出入りしてるわ。こんなので奥突かれたら……』
『この男のザーメンの匂い嗅いでると、私までこの男に貫かれたくなってくるのよね』
『あなたもなの? 私もずっと、こんな風にこれに犯される妄想が頭から離れなくて……』
『みんな、どうして……?』
僕がアリサさんとSEXしている間に、メリッサさんを除く他の女性全員がなぜか裸になっいた。
全員が全員、白人スタイル。
形のいい見事な白人おっぱいが合計二十個もさらされて、僕のピストンもさらにギアが上がる。
『ああ凄いっ!! アジア人の長くて硬いpenisが、私の奥を、犯してっ、ああっなんてSEXなの! こんなのイかない方がおかしいわよっ!!』
半ばヤケクソになったアリサさんが、自らも激しく腰を振っている。もはや完全に、同意の上でのSEX。互いに互いの性器を貪り合った僕らは、ついに快楽の極点を迎え、
『ああっ!! イクっ!!!』
煽情的な背中を弓なりに反らせて、アリサさんが絶頂する。白人のおまんこが僕のチンポを締め付けて、ゴムなしの射精をおねだりしてくる。そして、
「ああっ! 僕も出ますっ!! 行くよアリサ!!」
『あぁんっ――!!』
やや遅れて、アリサさんの子宮にザーメンを放出する。彼女の下半身がびくんびくんと震えて、柔らかな尻肉がいやらしく揺れていた。
『アジア人の男がアリサに中出ししてるわ!』
『なんておぞましいの。見て、射精した男のpenisがどくどく脈打ってる』
『悔しいけど、凄いわ。アリサは妊娠したわね。ピル飲んでるなんて言ってなかったもの』
『アジア人のくせに、なんて逞しいSEXなの……これ、私たち全員分の精液残してくれてるのよね?』
『アリサ、感想はどうなの?』
息も絶え絶えのアリサさんに他の女性が訊ねる。アリサさんは僕のペニスをおまんこで咥えたまま、何かを観念したように、
『……間違いなく、人生で最高のSEXよ。こんな男らしいpenis、これを逃したら未来永劫出会えないわ……私、メリッサについてきてよかった』
『そんなに凄いの?』
『やっぱりアジア人のSEXって凄いのよ。アジア人の彼がいる友達がたまらないって言ってたもの』
『あなたそんな友達がいて黙ってたの?』
『仕方ないじゃない。私も学生の頃アジア人の男とSEXしたことあるもの』
なぜかはわからないが、彼女たちの結束が音を立てて崩れていくのがわかった。おそらく彼女たちの中にも温度差があり、白人至上主義に人生をかけて傾倒する覚悟のある人間はそう多くはなかったのだろう。要は知人同士に声を掛け合ってできた小さなコミュニティ。理念の崩壊も意外とあっけない。しかしそれを良しとしない人間が、少なくともまだ一人いる。
『みんな正気に戻って!! この男はアジア人なのよ! アジア人のペニスが気持ちいいだなんて、まともな人間の思考回路とは思えないわ!』
必死に彼女たちを説得するメリッサさん。しかし他の女性たちはみんな乳首どころかおまんこまで丸出しで、既に臨戦体勢に入る気満々だ。
『だったら、あなた自身が証明してみせてよ。このアジア人とSEXして、気持ちよくなったら組織は解散。気持ちよくならなかったら私たちも考えを改めるわ。それでどう?』
『ど、どうして私がそんなこと』
メリッサさんはあり得ないと拒否するが、もう後には引けない空気だった。
結果、自らが束ねていたはずの女性たちに追い詰められた彼女は、
『これは……神が私に与え給うた試錬よ。アジア人のチンポに貫かれるなんて、絶対あってはいけないことだけど』
裸になった彼女は、僕の上に跨っておまんこにペニスをあてがった。
なぜか既に濡れていたメリッサさんのpussyは、僕の竿を意外とたやすく飲み込んでしまう。
『んっ、ああっ――!!』
抜けるような、嬌声。
それと共にチンポが膣壁に包まれる。アリサさんとはまた違った気持ちよさに、僕の竿がさらに硬くなるのがわかった。
『ま、待って、そんなにすぐ動かないでっ』
『ダメよメリッサ。彼には最初から全力でSEXしてもらうわ』
『え?』
何を思ったのか、他のメンバーが僕を拘束していたロープを全て切り落とした。おかげで自由になった僕は、自分が思う通りにメリッサさんを攻めることができる。
『あっ! だめっ!』
手始めに下から突き上げると、メリッサさんがバストを押し付けて僕にしがみついて来た。無抵抗な彼女の腰を両手で押さえつけて、僕は思い切りのピストンを彼女の最奥部にお見舞いした。
『あっ! ダメっ! アジア人のペニスなのにっ、カリが凄いとこ擦れてっ――ダメっ! こんなの絶対っ、これはアジア人のチンポなのにっ!』
必死に抵抗するメリッサさんだが、その頬は真っ赤で、少しずつ自ら腰を振り始めている。僕はこんなメリッサさんの白人巨乳に顔を埋め、拘束されたお返しに思い切りのピストンを披露した。
『ああっ! 凄い! アジア人の硬いチンポっ、私の中でこすれて、おかしくなるっ、こんなので種付けされたら、私絶対っ、この男のことが好きになるっ!』
『メリッサ、アジア人のチンポはどう?』
『あっ♡ 気持ちいいっ、気持ちいいわっ♡ アジア人のズル剥けチンポが世界一気持ちいいっ!!』
ついに陥落したメリッサさんが、全体重を僕の胸板に預けてくる。それを粋に感じた僕は、対面座位のままさらに彼女のおまんこを攻め立てた。
『どうしてこんな凄いのっ!? アジア人のくせにっ、アジア人のチンポのくせにっ、こんなので生ハメSEXされたら、もうアジア人の順位覆るでしょっ、断トツ一位でアジア人のチンポって、経典の一番上に書かないといけなくなるっ、あっ、もう無理っ、アジア人の生ハメ種付けチンポでイっちゃうっ――』
くんずほぐれつ、僕とメリッサさんは互いに激しく腰を振って、全身全霊でセックスする。メリッサさんのおっぱいや乳首が顔に当たっても彼女は何も言わない。むしろ自分から積極的に押し付けて来て、これはあなたのものよと囁く。
『もうイクよメリッサ!』
『ああっ! 来てぇっ! アジア人のズル剥けデカチンポで、いけない思想の白人おまんこお仕置きしてぇっ!』
『メリッサ! 出すぞ!』
ありったけの精液を、メリッサさんの子宮に放出する。それを待ってましたと言わんばかりに、彼女も激しく腰を振って、
『ああイクっ♡♡ アジア人のチンポで白人女イクっ!! アジア人の劣等ザーメン叩きつけられて、白人おまんこ中イキしちゃうっ!!』
おまんこを強く締め付けて、僕のザーメンを搾り出すメリッサさん。
それを皮切りに、傍観者だった他の白人女性たちがSEXに参加する。自体は一気に、男1対白人女性11のSEXハーレムの様相を呈した。
『あっ! 思ってた通り凄いっ! 思ってた以上に凄いわっ!』
『なんなのこのペニス、何回出したら大人しくなるの!?』
『ねえ、次は私よ! 早く私の白人おまんこにお仕置きして!』
たくさんの白人おっぱいを身体中に押し付けられて、まさに夢のおしくらまんじゅう状態。その間も後背位でのSEXは進んでいて、僕は総勢十一人の白人女性を順繰りに、もうローテーション二周目で犯している。
『ねえメリッサ、新しい団体作りましょうよ。アジア人の凄いSEXを世界中の白人女性に布教するのよ。そしたらきっと、アジア人以外の男とSEXする白人女はいなくなるわ』
『それ名案! またメリッサがまとめてよ。そしたら私たちついていくから』
『また裏切らないでしょうね……』
『このアジア人チンポがある限り絶対裏切らない』
『私も裏切らない。神のペニスに誓って』
『不敬よ、アリサ』
『あらごめんなさい。でもダイスケのペニスは、まさしく神のペニスだと思わない?』
その言葉に、誰も反対しない。
ただ無言で同意の雰囲気を漂わすだけである。
僕のペニスやセックスに、果たしてそこまでの価値があるのかはわからないけど、
『あんっ! またイクっ!! アジア人のチンポで中イキするわっ!!』
彼女たちのおっぱいやおまんこは、僕にとってはまさしく女神のおっぱいとおまんこだと、不敬なことを思うのだった。
# エピローグ
『ああっ! ダイスケっ! ダイスケっ! あなたどうしてこんなに凄いのっ♡』
四つん這いの白人女性を後ろから突き上げ、張りのあるバストと豊満な尻肉が揺れる姿を堪能する。チンポには日本人女性より容量の大きなおまんこの襞が絡みつき、射精を求めるかのようにいやらしく締め付けてくる。
いま僕が貫いているのは、名前も知らない白人女性だった。
初日にSEXした白人女性十一人の名前と顔とおっぱいの感触は全員覚えた。というか一人一人に積極的に覚えさせられた。なのになぜ名前の知らない女性とSEXしているかと言えば、日に日にその人数が増えていったからだ。
初日は、十一人。二日目は十三人、三日目は十六人と、どんどんSEXの相手が増えていく。その全てが巨乳の白人女性で、もともとメリッサさんの指揮していた人種差別団体のメンバーなんだろうけど、誰が連れてきたのかどんどん増えていって、全員が例外なく僕とのSEXに勤しんでいた。
そんな彼女たちと、僕は一日も休まずSEXした。夜は睡眠を取って、起きたら十人以上の白人女性とSEXして、水や食料は提供されたからいいものの、僕は半ば軟禁されるような形で白人女性たちとのSEXを強制されていた。まあ彼女たちのおまんこは最高に気持ちよかったからいいけど、それでもいつまでもここにいては身体が保たないのではないかと僕は思い始めていた。
それでもメリッサさんたちに引き留められ、結局僕は五日間も複数人の白人女性とのSEXを強いられることにやった。
そりゃ、二十人近くの白人女性のおっぱい身体中に押し付けられたのは夢のような体験だったけど、一日に二十回や三十回も白人女性に中出ししていたら、そろそろ休みたいと思うのも無理はなかった。
『あの……そろそろ旅を再開したいんですが』
六日目の朝、おそるおそるそう切り出す。
僕が遂行中の企画についてはそもそも全員が知っていたので、一から説明する必要はなかったが、それでも僕とSEXしたいと言ってくれる白人女性たちから離れるのは、僕にも並々ならぬ勇気がいることだった。
『まあ……もともとそういう人間を勝手に拉致したんだから、仕方ないわね。でも一筆、私たちのために署名してもらうわよ』
『署名?』
まさかここにいる女性が妊娠したら全員分認知するとか、養育費を支払う、みたいな覚え書きを書かされるのかと思ったが、事態は予想の斜め上を行っていた。
『初日に言ってた通り、私たちはアジア人男性とのSEXを世の中に広めることにしたの。ダイスケにはその象徴および頂点として、Asian Dick Promotion Committeeの名誉パートナーになって貰うわ』
『はい?』
メリッサさんの言葉を思わず聞き返す。
Asian Dick Promotion Committee
アジア人のチンポを推奨する会。略してADPC。メリッサさんが立ち上げたのは、当初の白人至上主義団体とは真逆の活動をする団体だった。
『め、名誉パートナーって、いったい何を』
『あなたがアメリカに来た際には、私たち会員全員と最低一週間SEXしてらもらうわ。もちろんゴムなし中出し。こっちのメンバーはあらかじめ書類選考して、あなたの好みの白人女性を集めるから安心して』
『あ、安心してって、言われても……』
『署名しないといつまでもずっと私たちとSEXしてもらうわよ。私はそれで大歓迎だけど』
『わ、わかりました』
もはや、断れる雰囲気ではない。
僕はADPCの名誉SEXパートナーとしてしっかりとサインして、ようやく地下室から解放された。定期的に会報を出すから三ヶ月に一回は渡米するように念を押されて、僕はようやく六日ぶりの太陽を拝むのだった。
「ここ……どこだ?」
どうやらビルだったらしい建物の地下室を見ると、見たことのない都会の風景が広がっていた。
背の高いビルが林立し、何車線もある道路にひっきりなしに車が行き来している。少なくとも僕が気を失うまでにいたはずのワイアルーシングとは似ても似つかない大都市だった。
“It's Boston here.”
「はい?」
見送りに来たメリッサさんの言葉に、耳を疑う。
彼女は今、ボストンって言ったか?
ボストンといえばマサチューセッツ州にある大都市。僕のいたペンシルベニア州からは経路にもよるが二、三個の州を通過したところにある東海岸沿いの街だ。
僕はてっきり、ワイアルーシングでメリッサさんたちとSEXしていたと思っていた。ワイアルーシングでなくても、少なくともペンシルベニア州のどこかに拉致されたものと思っていた。それがまさか州を跨ぐほどの移動を強いられていたなんて、いったい僕はどれぐらい気を失っていたのだろう。
『これ、あなたに頼まれた“SEXの謝礼”よ』
メリッサさんに手渡されたのは大きなリュックだった。そこには結構な理由の食糧と水が入っている。ハサミでズタズタに切り裂かれた一丁羅も、彼女たちに新調してもらった。
これが、メリッサさんたちからの今回のSEXの報酬。なぜ金銭ではなく現物支給かというと、実は車とアレックスさんを没収されたタイミングで、サラから追加のルールを言い渡されていたのだ。
すなわち、金銭の受け取り禁止。
なんて無慈悲な、と思ったが、目的地のメイン州もすぐそばまで迫り、そのタイミングで少しでもまとまったお金が手に入ったら、全額を交通費に費やして即ゴールが可能となってしまうから、とのことだった。
サラはこの企画の動画で間違いなく収益を得ている。それを最大限に高めるための新ルールというわけだ。がめついサラらしい決定だと思った。本当に十四歳かよ。
『ありがとう、ございます』
『これぐらいならお安い御用よ』
とても頼りになるメリッサさん。ちなみに今回の僕とのSEXで仮に金銭授受ができるとしたら二十数人全員でいくら払えるかと聞いたところ、現実的な路線で、という前置きの上でヒアリングしたら、総額28万ドル(約3600万円)だったとのこと。やっぱりみんな相当な上流階級だったようだ。偏った思想に傾倒するのは、意外と上層の人間が多い証左だろう。
『あなたの旅の無事を祈ってるわ。それと、ちゃんと三ヶ月に一回は私とSEXしてね』
私たち、ではなく、私。
それが新団体のリーダーとしてではなく、ごく個人的なものだったことを察しつつ、僕は別れ際にメリッサさんの抱擁&ディープキスをして、活動内容すら変わってしまった地下団体を後にする。
ここがマサチューセッツ州ということは、ゴールのメイン州はニューハンプシャー州を挟んで二つ隣だ。
いよいよ企画の終わりが近づいていることを実感しつつ、しかし金銭授受禁止のまま果たしてどこまで行けるのかと、かなり不安になってしまう。
果たして僕は、この旅を終えることができるのだろうか。
メイン州にたどり着くまでに何人の白人女性とSEXしなければならないのか。
僕は何一つわからぬまま、見知らぬ大都市、ボストンの街を闊歩するのだった。
ペンシルベニア州
SEXした相手
Melissa Granderson(25)
Alissa Westergaard(27)
その他白人女性22名
報酬
旅行バックいっぱいの水と食糧
旅の衣服一式
15日目
ワイアルーシングでメリッサたちに拉致される
16日目
気絶中(移動日)
17日目
謎の地下室で11人の白人女性と一日中SEX
18日目
謎の地下室で13人の白人女性と一日中SEX
19日目
謎の地下室で16人の白人女性と一日中SEX
20日目
謎の地下室で21人の白人女性と一日中SEX
21日目
謎の地下室で24人の白人女性と一日中SEX
22日目
ボストンの街で解放される
残金 なし
所持品 リュック、水、食糧
ルート
ワイアルーシング→ ボストン
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