エピソード1「天使たちの街」
ロサンゼルス国際空港の到着ロビーを出ると、異国の地が広がっていた。
正直、建物の造りや内装は成田とさほど変わらない。
英語表記の電光掲示板も、飛び交う英語のアナウンスも、国際空港ならお馴染みの光景だ。
しかし行き交う人々の姿までは真似できない。
空港のロビーを行き交うのは、白人、黒人を中心とした外国人だ。
無論、中国人や日本人の姿も見られるが、やはり目を引くのは白人の女性たちだ。ここまで大量の白人女性が闊歩する光景は、日本では決して見られない。
「やっぱり、全然違うな……」
英語や異文化よりも、僕がまず圧倒されたのは彼女たちの見た目の良さだった。
個人差こそあるが、白人の女性は美人・美少女が圧倒的に多かった。
背も高くすらりとしていて、何よりスタイルが抜群にいい。
日本なら爆乳と呼べる大きさがこちらでは標準サイズだった。もちろん胸の小さな女性もいるが、平均値で言えば明らかに日本人女性に優っている。
優っているどころか、カップ数で言えば平気で三つや四つは違うだろう。それだけ彼女たちは圧倒的だった。
こちらでは小学生に見える少女でも、十分巨乳と呼べるサイズだった。
食べるものが違うのか、生活様式が違うのか。小学生の女の子がこのスタイルだったら日本ではちょっとした事件だ。
そしてみんなとんでもなく可愛かった。
天使という言葉がピッタリな、ブロンド髪の白人美少女がそこかしこに溢れていた。
Los Angelesとはよく言ったものだ。
「いやいやいや。いったいアメリカまで何しに来たんだよ」
僕は巨乳のお姉さんたちの眼福を拝みに来たのではない。傷心旅行に来たのだ。
世界中の雄大な自然や文化に触れて、自分の悩みのちっぽけさを知りに来たのだ。
そもそも日本でも誰にも相手にされなかったのだ。
そんなアジア人の僕が、アメリカの美女たちとあれこれできるはずがない。
できるとしたら、金銭の授受を前提としたやり取りに他ならない。
しかし英語もわからない僕がアメリカで女性を買うなんて到底できるはずもなかった。
そして童貞を金で捨てるなんて、僕のプライドが許さない。
この世界放浪の旅は、“そういうこと”とは無縁で行こう。
僕が自分の胸に固く誓ったとき、それは訪れた。
“Are you chinese?”
僕の目の前に、白人の少女が立っていた。
高校生くらいだろうか。
ブロンドヘアーのポニーテールで、顔立ちはあどけなくも整っていた。
Tシャツの上に薄手のパーカーを羽織ったスタイルで、胸元の流線は十全だった。
カーキ色のショートパンツからは長く真っ直ぐな脚が伸びており、日本であれば日に三回はスカウトされるであろうスタイルの良さだった。
天使と形容するに何ら差し支えない少女は、翡翠の瞳を僕に向け、簡単な英語で僕に質問してきた。
「ノ、ノー。アイアムジャパニーズ」
僕の英語力は比喩でも何でもなく中学生レベルだった。強いて得意分野を挙げるとすれば、海外のエロ動画サイトで学んだエロ用語くらいのものだ。
要するに会話ができない。
内容がここまで単純でなければ、ほとんど理解できないほどに。
“Follow me.”
付いてきて――と少女は言った。
いったい両親はどこにいるのか。僕が周囲を確認している間にも、ポニーテールの少女はテクテクと歩き始めている。
彼女が天使のような美少女でなければ、おそらく付いては行かなかっただろう。
ここは日本ではなくアメリカだ。犯罪率は圧倒的に高いし、一般人の銃所持も許可されている。
それでも僕が少女に付いて行ったのは、ここがロサンゼルスというアメリカでも比較的な安全な観光地であることと、少女の笑顔があまりにあどけなかったからだ。
初めて訪れた海外で気分が高揚していたのもあるだろう。
僕はいつしか、ひと気のない路地裏にたどり着いていた。
“Put out your penis“”
「え?」
僕は最初、何を言われているのかまったくわからなかった。
英語が苦手なせいもある。
しかしそれ以上に、少女の発した言葉が、あまりに予想外の内容だったからだ。
ひと気のない路地裏で地面に膝をついたポニーテールの少女は、僕のズボンに手をかけ、パンツごとずり下ろした。
とたんに、僕のイチモツが野外に露出される。
ここがひと気のない路地裏でなければ、間違いなく通報されるであろう情景だ。
“So strong...”
英語に何かを囁いて、ポニーテールの少女はあろうことか、僕のペニスを咥え込んだ。
「え――」
あまりに突然の出来事で、僕は状況が理解できなかった。
少女が上目遣いで僕のペニスをしゃぶっている。
生温かい口の中が僕の陰茎を刺激するたび、ゾクゾクっとした感覚が脳髄を駆け抜けた。
これが、フェラチオ――。
オナホールのオナニーなどとは全然違う。
これまで経験したことのない極上の快楽だった。
人生初のフェラチオは、まさかの白人美少女によってもたらされた。
しかもまだ年端もいかない、十歳そこそこの女の子に。
一分と経たず、僕の男根はガッチガチに勃起していた。
野外。相手がブロンドヘアーの美少女。しかも初めてのフェラ。
いくつもの状況が相まって、僕は人生で最大の興奮を覚えていた。
まるで夢でも見てるみたいだ。
こんなに可愛い女の子が僕の勃起チンポを熱心にしゃぶってるなんて。
「すごい……気持ち良すぎるよ」
予期せぬフェラテクに、僕は人生で初めて、他人によってもたらされる射精を経験しようとしていた。
それを察知したのか、少女もフェラチオのペースを早める。
ジュボジュボといやらしい音が路地裏に響き、小さな手で肉棒まで扱かれる。
あまりの快楽に僕は失神しそうだった。
手コキフェラチオがこんなに気持ちいいものだなんて、アダルト動画ではまったくわからないことだ。
「イク! イクよッ!!」
情けない声を上げて、僕は少女の口の中で果てた。
飛行機に乗っていてオナニーできなかった分、溜まりに溜まったザーメンが可憐な少女の口を汚す。
本当に気持ちいい。
女の子の口の中で射精するのがこんなに気持ちいいものだなんて、正直予想外だった。
まるで人生の全てが報われたような気分だった。
ネットでよくセックスよりもオナニーの方が気持ちいいなんて書き込みを見るが、とんでもない。白人美少女のフェラチオの方が、自分でするオナニーの一万倍気持ち良かった。
少女は僕の放出した大量の精液を、ごくんと一気に燕下した。
まるでアメリカを征服したような気分だった。
白人の少女を犯すことが、ここまで心地よいものだとは。
“How are you?”
だがその瞬間、僕の背筋は凍りついていた。
それは男の声だった。
いつの間にか僕の背後に、数人の黒人男性が立っていたのだ。
どこからどう見ても、ワルの集まりだった。
ヒップホップ風の服装に、チャラチャラと金のアクセサリーが施されたスタイル。
絵に描いたようなストリートの不良たちが、僕を取り囲んでいた。
「ハ、ハイ……」
気さくに挨拶してみるも、返事はない。
それもそのはず。陰茎を露出したまま挨拶してくる男に、挨拶を返す人間はいないだろう。
そう言えば聞いたことがある。
ロサンゼルス市内には5thストリートという、特別治安の悪い区画があると。
僕はその5thストリートに迷い込んでしまったのだ。
“Good job, Sarah.”
男の一人が少女に語りかける。
その瞬間、僕は全てを理解した。
これは白人の少女を使った美人局《つつもたせ》だ。
空港でお金を持っていそうな外国人旅行者を捕まえ、美少女に性的奉仕をさせる。
その現場を男たちが押さえ、口止め料として金銭を要求するのだ。
額はおそらく――有り金全部。
僕は戦慄した。
今、僕の財布の中には十万円を超える大金が入っていた。
防犯のため、空港に着いたら小分けにして身体中のあちこちに配置する予定だったが、突然少女に声をかけられたので忘れていた。
――大金持ち歩いちゃダメだからな。
今さらになって、親友の言葉がリピートされる。
こんなことなら、出国前に財布の中を小銭だけにしておくべきだった。
それ以上に、僕は有り金の譲渡だけで済まされるのだろうか。
男たちは屈強な身体つきで、格闘技未経験の僕ではどうやっても敵いそうもない相手だった。
もしこんなところで命を失ったら両親に顔向けできない。
拓真にも申し訳が立たない。
こんなところでペニスを露出したまま死ぬなんて嫌だ――。
握りこぶしを作り、僕が玉砕覚悟の特攻を試みようとしたその瞬間、再び僕のイチモツに例の感触が蘇った。
ポニーテールの少女が、何故か僕にフェラチオしていたのだ。
こんな状況下でも、再び硬くなり始めたイチモツを、少女は一心不乱にしゃぶり始める。
“Please cum again.”
少女は高揚していた。
まるで麻薬でも打たれたかのように虚ろな目で、ペニス中毒者のごとく僕の男根を咥えている。
これにはさすがの黒人たちも戸惑っていた。
もう美人局は終わったのだ。少女が僕に奉仕する必要はないはずなのに、彼女はフェラチオをやめようとしない。
再び訪れた気持ち良さに、僕は思わず身を委ねそうになった。
それだけの価値がこのフェラチオにはある。
しかし今はそんなことをしている場合じゃない。
“Oh! Please wait!”
男たちが呆気にとられている今が千載一遇のチャンスと見て、僕は少女の口からペニスを引き抜いた。
それからすぐさま踵を返し、半ば陰茎を露出したまま、ひと気のある表通りへと全速力で走り出した。
少女の声に後ろ髪を引かれるが、さすがに自分の命とフェラは天秤にかけられない。
幸い、男たちはスタートが遅れていた。それだけ自分たちの仲間である少女の行動が意外だったのだろう。このまま表通りに出てしまえばこっちのものだ。
“Oh my god!”
急いで表通りに出た僕を襲ったのは、道を歩く女性の悲鳴だった。追いかけてくる黒人たちを見て驚いたのかと思ったが、女性の視線は明らかに僕の下半身に向けられている。
「しまった! チンポ出したままだった!」
僕は慌てて股間を隠し、すぐさま別の路地へと逃げ込んだ。
道行く人に事情を話せばいいのだが、英語を話せないという不安が僕を逃げ腰にさせてしまった。またひと気のない路地に入ってどうするんだ!
心の中で自分への文句を叫んだ後、僕は辺りを見渡した。
道の先は行き止まりだが、運良く隣のビルから階上への梯子が伸びている。
「ジャッ◯ー・◯ェンじゃないんだから」
僕は往年のアクションスターを思い浮かべながら、ジャンプしてギリギリ届くか届かないかの梯子に飛びついた。
普段ならまず無理だろう。
しかし火事場の馬鹿力とは凄いもので、僕は凄まじい早さで梯子を登ることができた。
下では例の黒人たちが、必死になって僕を探していた。
まさかに上に逃げるとは思わなかったのだろう。路地の角で僕を見失い、彼らは右往左往するしかなかった。
「た、助かった……」
僕はホッと胸を撫で下ろし、梯子を最後まで登り切った。
ちょうどビルの二階と三階の間ぐらいの高さだ。剥き出しだとそれなりに目の眩む高さだが、万全を期してビルの中から逃げよう。
そう思い、建物外の連絡通路に足を下ろそうとした僕は、
「あ……」
うっかり足を滑らせて、その場から転落してしまった。
ズボンが半脱ぎであることを忘れていたのだ。
空がどんどん遠くなる。
この高さから落ちたら、下手すれば死ぬだろう。
あまりに間抜けな状況に辟易する暇もなく、転瞬、僕は気を失ったのだった。
◆ ◆ ◆
どれぐらい気を失っていただろう。
朦朧とした意識の中、僕はゴミの臭いと共に目を覚ます。
どうやら僕は、ビルの側面に設置された巨大なゴミ捨てコンテナの中に落ちたようだ。
堆く積まれた段ボールやゴミ屑がクッションになって、落下した僕を守ってくれたらしい。
不幸中の幸い。落ちた場所が巨大なゴミ箱というのは残念だが、ともあれ悪漢たちからは逃れられたので良しとしよう。
(ん?)
起き上がろうとした僕に、確かな抵抗があった。
僕の上に、一人の女性が跨っていたのだ。
ずっしりと重い感触。
一人の人間が跨っているのだから当たり前だ。
巨大なゴミ箱の中、ロサンゼルスの赤みがかった空の下で、一人の女性が仰臥した僕に跨っている。
ブロンドヘアーの美女だった。
ここが日本ではなくアメリカだと一瞬で思い出させてくれる、鮮やかな金髪と、映えるような白い肌。
透き通ったエメラルドグリーンの瞳に、くっきりとした鼻筋。あまりに瑞々しい花唇。
開いた口が塞がらないとは、このことを言うのだろう。
彼女はとんでもない美人だった。
喩えるならスクリーンの中から飛び出したらハリウッド女優のような、もっと言えば、二次元の世界から召喚されたヒロインのような、とんでもない華やかさを持っている。
白人女性に華があることは、ロサンゼルス国際空港に降りた時点で実感していた。
無論、一般的な容姿の女性もいるが、思わず二度見してしまうような美人・美少女の比率が日本とは桁違いに多い。
しかし彼女の美貌は、そんな次元を遥かに超越し、僕を物言わぬロボットに変えてしまった。
ロサンゼルスは天使たちの街だ。
まさか本物の天使に出会えるなんて。
“Holy shit.”
天使が何やら汚い言葉を吐いていた。
たとえそれがスラングだったとしても、その音色に僕は魅力された。なんて美しい響きなんだろう。高さといい、声音といい、まさに理想的な美女の声だった。
“What a day!”
天使は何やら悪態を吐いていた。
天界から降りて来ていきなりゴミ箱では、さすがの天使様も悪態ぐらい吐きたくなるだろう。
彼女は、僕の存在には気付いていないようだった。
僕が何も言わずに固まっているから、ゴミの一部だと勘違いされたのかもしれない。
実際問題、落下した先のゴミ箱に先客がいるとは誰も思わないだろう。
僕だって、間抜けな形で落下したゴミ箱に次の客が来るなんて露ほども思わなかった。
(どうしよう……)
僕は正直途方に暮れていた。
覚えている方もいるかもしれないが、僕はズボン半脱ぎという実に間抜けな格好でゴミ箱に落下した。彼女が僕の上に落ちてくるまで気を失っていたのだから、当然今もズボン半脱ぎのままだ。
彼女は、そんな僕の上に跨っていた。
彼女はジーンズを穿いているが、パンツ越しの股間に、彼女の下半身が密着している。
そして下から見上げる彼女のバストは、これぞ白人と言わんばかりの迫力だった。
健全な男子がよからぬことを想像しても、誰も責められないはずだ。
“What⁉︎”
案の定、僕のパンツは隆起を始めた。
こんな金髪美人に下半身を押し付けられているのだ。大きくならない方がおかしい。
当然、彼女も目を丸くしていた。
突然自分の股ぐらで何かが動いたのだ。ネズミか何かが潜んでいたのだと思ったのだろう。
しかし次の瞬間、ゴミ屑に埋もれた僕と目が合った。
僕も彼女も硬直する。
彼女にしてみれば、ゴミ山に突然誰かの顔が現れたように見えただろう。
場所柄、死体と勘違いしたかもしれない。
しかし彼女は悲鳴を上げなかった。
悲鳴を上げたところで、誰もゴミ箱の中に助けになんて来ないだろうが、彼女は不思議と落ち着いていた。
綺麗な瞳でつぶさに僕を観察し、やがて冷静なトーンで呟く。
“Alive?”
その問いに、僕はこくんと頷いた。
否、頷くことしかできなかったのだ。
彼女は僕が今まで出会った中で断トツの美人だった。
失礼な話だけど、僕の告白を断った西園さんや山中さんなどお話にならない次元だ。
そんな彼女が、不可抗力とはいえ僕の上に跨っている。
声など出るはずがない。
“What are you doing here?”
こんなところで何してるの?
当然の問いだった。しかしそれは彼女に対しても言えることだった。
こんなずば抜けた美人が、どうしてこんな路地裏のゴミ箱に落ちてきたのだろう。
美女が空から落ちてくるなんて、それこそ漫画やアニメの中でしかありえない。
「サ、サイトシーイング」
僕は苦し紛れにそう答えた。
本当はここに至るまで様々な紆余曲折があるが、それを表現するだけの英語力が僕にはない。
僕は観光をしにアメリカに来た。答えられるのはそれだけだ。
“Are you chinese? Korean?”
「ジャ、ジャパニーズ……」
職務質問のような質問が続いた。
僕がどこの誰かなんて彼女には関係ないと思うが、どうしてそんなことを聞くのだろう。
“Do you know who i am?”
私のこと知ってる?
僕はますます意味がわからなくなった。今この瞬間に出会った彼女のことなど、僕が知るわけがない。
かといって、そのまま答えるのも角が立つ。だから僕はできるだけ彼女が機嫌を損ねないよう、精一杯のトンチを利かせて、
「エ、エンジェル」
僕としては、全力でユーモアを利かせたつもりだ。
彼女が天使に見えたのは事実だし、正直に知りませんと答えるよりよほどいいだろう。
しかし彼女は途端に呆れたような表情を見せた。
つまらないジョークも程々にしろ。そんな感じだ。
“O.K.”
一体何がオーケーなのか、彼女は英語で何やら呟いてから、僕の上から離れようとした。
しかしその瞬間、恐れていた事態が起きる。
“What's this?”
彼女が僕の股間の膨らみに気付き、あろうことかその綺麗な手で掴んでしまったのだ。
まさかの刺激に、僕の股間が硬さを増す。
さすがの彼女もこれが何なのか気付いたようで、あからさまに不機嫌な表情を作った。
“Fuck off, JAP.”
天使の顔が、静かな怒りに満ちた瞬間だった。
自分から触ったとはいえ、僕のような冴えないアジア人の股間を掴むなんて、白人美女の彼女には我慢ならない屈辱だろう。
言葉がわからなくとも、心の声は伝わってくる。
実際問題、僕が空港からこの路地に来るまで、白人から侮蔑に似た視線は感じ取っていた。
公民権運動が始まって半世紀が過ぎ、人種差別が悪いことだと世間に認識されてもなお、至る所に差別の匂いは残っている。そんな感じがした。
「アイムソーリー、ベリーベリーソーリー」
拙い英語で、僕は必死に謝った。
謝ったところで許してもらえるとは思えないけど、白人様に無礼を働いたことを僕は心の底から詫びた。
その想いが伝わったのかは定かでない。
“Good boy.”
まだ侮蔑の色は残っているが、彼女は笑って許してくれた。
誠心誠意謝ったのが奏功したのだろうか。
しかし英語で何か言った後、彼女はあろうことか僕の男根をパンツの上から摩り始めた。
名も知らぬ白人少女に続く、人生二度目の手コキ。
僕はまた美人局に遭ったのだと後悔した。
しかしそれがわかっていても、あまりの気持ちよさに逃げることができない。
たとえ全財産失っても、彼女にこのままペニスを扱いて欲しかった。
“So big...”
完全に勃起した僕のペニスは、狭いパンツの中を悠々と飛び出し、肉棒の半分と亀頭を完全に露出させていた。
やがて彼女は、半脱ぎになった僕のパンツをゆっくりと脱がし、玉袋やお尻の穴までも露出させる。
まさか野外で、二度も美女にパンツを脱がされるなんて、ロサンゼルスは美人局や娼婦だらけの街だったのだろうか。
“You are cute.”
先程は大きいと褒めておいて、今度は可愛いサイズだと罵られる。
白人男性や黒人男性に比べて、やはり僕のサイズは小さいのかもしれない。
パンツ越しではなく直接、彼女はペニスを扱き始める。
何が起こっているのかまったくわからない。
あまりの気持ちよさにすぐ射精してしまいそうだ。
どうせ美人局か娼婦なのかもしれないけど、先程の少女も、この女性も、あまりに美し過ぎる。
「あぁ、出るっ!!」
情けない声を上げて、僕はそのまま射精した。
何の予告もなかったせいか、彼女は避けることもなく、一身に僕の精液を浴びてしまった。
“What a cumshot.”
予期せぬ事態だったのだろう。精液まみれになった彼女が悪態を吐く。
透き通るようなブロンドヘアーや、清冽な顔立ちが白濁液のシャワーを浴びる。
いくらお金目当てとはいえ、さすがに怒られると思った。
予告もなく、こんな美人に顔射するなんて、日本人で冴えない僕には許されない行為だ。
しかし、
“Not yet.”
彼女は構わず手コキを続けた。
半ばヤケクソのようにも見える。
射精したばかりで、本来なら勃つはずもないのだが、性経験のない僕にその刺激は強過ぎた。
“Oh my god...”
僕のペニスはすぐさま大きさを取り戻した。
こんな美人相手なら何度射精してもすぐ硬くできる自信があった。それだけ彼女が魅力的なのだ。
負けじと彼女は手コキのストロークを深くした。右手と左手を交代で、時には両手を使い、僕の肉棒を刺激していく。
“Haven't you finished yet?”
そんな状態が二十分ほど続き、彼女は痺れを切らしたように言った。
僕は救いようのない遅漏だ。
オナニーのときも一回目こそすぐに出るが、二回目の射精には一時間以上かかる。
“I'm tired.”
手コキのし過ぎで疲れてしまったのだろう。
いくらお金目当てだと言っても、ここまで射精しないのでは割に合わない。
僕はこれで彼女の行為が終わってしまうのだと思った。
「え?」
一瞬、何が起こったのかわからなかった。
絶世の美女である彼女があろうことか僕の股間に顔を埋め、僕のペニスを丁寧にしゃぶり始めたのだ。
人生二度目のフェラチオ。
しかも、とんでもなく気持ちいい。
白人女性ならではのジュポジュポという激しいフェラチオの音がゴミ捨て場に響く。
激しいのは音だけではなく、ストロークや舌使いもだ。
オナニーとは比べ物にならない快感が僕の股間を襲い、二度目の射精感を引きずり出す。
「ああっ!! また出るっ!」
彼女の口内にも関わらず、僕は激しく射精した。
ひょっとしたら一度目より多いかもしれない精液が、白人美女の口内に注ぎ込まれる。
“So huge...”
あまりの寮にむせ返りそうになりながらも、彼女はほとんどすべてを飲み干した。さすがは娼婦の鑑である。高いプロ意識のなせる技だ。
(白人美女に、口内射精してしまった……)
その事実が、僕を途方もない罪悪感と背徳感をもたらす。
無断で行う口内射精の、なんと気持ちいいことか。
“Oh...”
その高揚感が、すぐさま僕の股間を元気にさせる。
あれだけの射精をしてもなお、僕の肉棒と睾丸は衰える様子がなかった。
さすがにもうサービスは終わりか。
そう諦めた僕の目に、今度も信じられない光景が飛び込んでくる。
「え?」
あろうことか彼女は上着を脱ぎ捨て、これぞ白人女性という爆乳を露出させた。
大人っぽい黒のブラジャーに、HカップやIカップはありそうな爆乳。
思わず拝みたくなるような乳房を、彼女は何の躊躇いもなく曝け出した。
ブラのホックを外し、ストンと地面に下着を落とす。
途端に、隠すものの何もないバストと、神々しいまでのバストトップが顔を出した。
今まで見たどの洋物動画よりも美しいバストがそこにあった。
白い肌とほとんど見分けがつかないくらい、色素の薄い乳輪と乳頭。
ど迫力の大きさなのに張りや形を保ったままの爆乳。
男なら誰もが夢見る、理想のオッパイがそこにあった。
“How do you like it?”
彼女は勝ち誇ったような顔で僕を見ていた。
正直、それぐらいの顔をしていいバストだった。
何もかもが完璧。
たとえ貧乳嗜好の男でも、彼女のバストの前では泣きながら平伏するに違いない。
僕が見惚れていたことに気を良くしたのか、彼女はご機嫌な表情で僕の男根をしゃぶり始めた。
上目遣いで僕の反応を確認する姿が、小悪魔的で可愛いとすらと思った。
おそらく僕よりも年上なのに、そう思えてしまうのもまた彼女の魅力なのかもしれない。
“Feel good?”
「イエス……」
僕の恍惚に満ちた表情を見て、彼女はますます上機嫌になった。
そして今度はあろうことか、そのバストで僕の男根を挟み始めたのだ。
「あぁ……すごい……」
人生初のパイズリは、アメリカの爆乳美女だった。
弾力と柔和さが混じり合う膨らみに挟まれて、僕の息子が悲鳴をあげる。
彼女の豊満な谷間から僕の亀頭が出たり入ったりする様は、どこかグロテスクであり、最高に厭らしかった。
“Are you coming?”
僕の首肯を見て、彼女がパイズリの速度を早くする。それでもまだ僕がイケないと見るや、同時に亀頭を咥え、夢にまで見たパイズリフェラに切り替える。
彼女自身の手で柔和に変形するバストは物凄く厭らしく、彼女の白い指の間から垣間見える薄色の乳首は、この世でもっとも神聖な部位に思えた。
彼女の中で射精したい。
人生初のセックスを、童貞を彼女に捧げたい。
その瞬間、僕の中で眠っていた雄が鎌首をもたげ、僕を獰猛な獣へと変質させた。
“Hey, stop it.”
僕はパイズリを続ける彼女のズボンに手をかけ、自分でも信じられないくらい器用な手つきでずり下げた。
露わになった彼女の真っ白で大きなお尻を撫でながら、ブラと同色のショーツにも手をかける。
彼女は抵抗しようとしたが、パイズリも続けたいという中途半端な姿勢しか見せなかった。
結果として彼女は、天使のように美しい彼女は、冴えない日本人童貞という僕の前で、一糸纏わぬ女性器を晒すことになったのだ。
「美しい……」
思わず感想が声に出ていた。
初めて生で見る女性器は、話に聞くグロテスクさは一切なく、むしろ神聖さを抱くほどに美しかった。
バストトップと同じく薄桃色の割れ目。
ピンとしたクリトリス。
おそらく脱毛しているのだろう、幼女のごとく綺麗なデリケートゾーン。
バストが完璧ならば、女性器はもはや神秘だった。
このまで美しい女性器は、おそらく他に存在しないだろう。
巨大なゴミ捨て場の中で、僕は天使を裸にひん剥いていた。
天使は天使と形容するに相応しい裸体を擁しており、僕の肉棒を更に硬く勃起させた。
たとえ相手が娼婦であっても、ここまで来るとレイプである。
彼女がここで抵抗したら、僕も彼女の身体を諦めなければならない。
しかし。
“You're gonna regret this.”
彼女は何故か乗り気のようだった。
その証拠に、彼女は再び僕をゴミの山で仰向けにさせ、今度は自ら僕の上に跨った。
女性器の入り口に僕の亀頭に押し付け、ゆっくりと腰を落としていく。
「あ……」
“Ah!!”
二人の喘ぎ声がシンクロする。
僕はセックスはパートナーとの共同作業という言葉を思い出した。
そう、これはセックスなのだ。
僕は人生で一度も経験したことのない生殖行為を、故郷とは遠く離れたアメリカで経験しようとしている。
“Ahhh!!”
硬く膨らんだ亀頭が、彼女のヴァギナを浸食していく。
女性器は想像よりもずっと柔らかかった。
そして想像よりもずっと湿り気がある。
彼女が半分ぐらい腰を落とすと、同じく僕の肉棒も半分ぐらい彼女の膣に飲み込まれた。
まだ半分とはいえ、膣壁の中は信じられないくらい気持ちよかった。
生き物のようという表現がよくあるが、本当にそれ自体が男根を取り込むための別の生き物のように、これ以上ないくらい的確に、男の敏感な部分を刺激し、包み込んでいく。
(これがセックスなのか……?)
僕は頭の中で自問した。
想像よりも何億倍も気持ちいい。それがセックス全般に言えることなのか、彼女個人に言えることなのかはわからないが、巷で聞く「セックスよりオナニーの方が気持ちいい」という噂が一瞬で消し飛ぶくらい、彼女のおま◯この中は気持ちよかった。
僕のペニスを咥え込んだおま◯こが、生き物のようにひくひくと動いている。
正直、その感触だけで果ててしまいそうだったが、そんな勿体無いことはしたくない。僕は今、白人美女とゴム無しセックスをしているのだ。
“Ah...Oh, my god...”
僕も余裕はなかったが、同じく彼女も余裕がなさそうだった。
経験豊富な娼婦の人でも、やっぱりゴム無しセックスは気持ちいいのだろうか。
「アーユーオーケー?」
彼女が苦しそうに見えたので、僕は気遣いの心を見せた。お金目的とはいえ、セックスはパートナーとの共同作業。相手が苦しいのに無理に続けるわけにはいかない。
“All right! I'm O.K!!!”
かなり苦しそうだが、彼女は強気だった。
相手はプロなのだ。たかが童貞の日本人である僕が心配する必要はないのかもしれない。
だったら。
欲望に任せて突き込むだけだ。
“AHHHH!!!”
彼女の細腰をがっしり掴んで、僕は彼女の腰を最後まで落とした。
途端に彼女が激しい嬌声を上げる。
彼女の奥で亀頭を挟むような感触があった。これが話に聞くポルチオ――子宮口の感触なのだろうか。
「すごいな……」
僕は思わず感心してしまった。
肉棒を包む膣壁の感触だけでも信じられないくらい気持ちいいのに、先っぽをコツンと刺激する子宮口は絶妙な興奮を僕に与えた。
触れている面積で言えば膣壁の方が圧倒的に多いのに、わずかに触れただけの亀頭への感触がこんなに気持ちいいなんて、セックスは実に奥が深い。
よく見ると、彼女の綺麗な目が潤んでいた。
勢いよく突き過ぎただろうか。僕は初めてだから、痛い思いをさせてしまったかもしれない。十分に気を付けないと。
しかし気をつけようにも、とんでもなく大きな快楽が僕を襲い、理性が消し飛びそうになる。
セックスがこんなに気持ちいいものだなんて。
ただでさえセックスする機会なんて皆無なのに、癖になったらどうしよう。
「いいですか? 腰、振りますからね?」
もはや片言の英語を使う余裕もなかった。にもかかわらず彼女は首を縦に振った。もしかして彼女は日本語がわかるのだろうか。
プロの娼婦として僕のような日本人を相手にすることもあるだろう。そのときに覚えたのかもしれない。
“AHH! Wait! Wait!!”
本人の許可を得た僕は、思うがままのピストンを開始した。
彼女の細腰を持ち上げてスペースを作り、下から思う存分ペニスを打ち込む。騎乗位は女性優位の体位だと思っていたが、男の側が攻めることもできるみたいだ。
カリ首で膣壁を抉り、亀頭で子宮口をノックする。
抜くときも突き込むときも、とんでもない快楽が僕を襲った。
挿入しただけでも信じられないくらい気持ちよかったのに、いざ腰振りを始めると筆舌に尽くしがたい快感が押し寄せた。
ペニスごと意識を持って行かれそうになる。
有り体に言うと、最高だ。
“Stop! Stop it!”
彼女が何か叫んでいるが、僕の腰はもう止まらなかった。
これだけの快楽を前にして、セックスを止められるわけがない。
“AHH! AHHH!‼︎”
彼女の膣壁が幾度となく収斂している。
セックス中にここまで締め付けてくるなんて、彼女はとんでもない名器なのかもしれない。さすがはプロだ。
「そろそろイッてもいいですか?」
相手がイッてないのに、自分だけ射精するのが失礼なのはわかっている。
でもさすがの僕も限界だった。彼女のヴァギナは気持ちいいという次元を超えている。
日本語での問いかけに、彼女はまたもこくんと頷いた。本当に日本語が通じているみたいだ。
この場で許しが出るということは、中で出してもいいのかな?
相手はプロだし、やっぱり避妊薬とかで避妊してるんだろうな。
「じゃあ、思いっきりイかせてもらいますね」
たとえ相手をイかせられなくても、せめて全力で気持ちよくさせるのが男の義務だ。
僕は自分が射精するその瞬間まで、彼女を今までの何倍も激しく突くことに決めた。
“AH! AHH!!”
僕は彼女をゴミの山に押し倒し、正常位で何度も子宮口を突き上げた。
激しい喘ぎ声が路地裏に響き渡る。
ここまでの大声なら往来にも聞こえているかもしれないが、まさかゴミ箱の中でセックスしている白人女性と日本人男性がいるとは思わないだろう。
彼女の端正な顔が快楽に歪んでいる。
こんな僕でも、童貞の僕でも、少しは彼女を気持ちよくできているだろうか。
“Oh! l'm coming!!”
僕が激しく腰を打ち付けると、彼女が細く綺麗な脚を僕の腰に絡めてきた。
まるで恋人同士のセックスのようで、勘違いしてしまいそうになる。
相手は名前も知らないプロの娼婦で、これは金銭によると関係だ。
しかし彼女の物欲しそうな顔を見ると、勘違いしてしまう。
彼女が僕に恋していると。
彼女が僕に、激しいキスをねだっていると。
「んっ……」
“Ah...”
激しい腰振りはそのままに、僕は彼女と舌を絡めた。
あまりにも激しい舌同士の絡み。
濃密な唾液交換を繰り返しながら、僕はこれが自分のファーストキスであることを思い出した。
彼女が僕の背中に腕を回してくる。
本当に恋人同士みたいだった。
上では舌の感触を。
下では膣壁の感触を直接感じながら、僕は本当に彼女と恋人同士になった気分で、白人美女との生ハメセックスを続けた。
やがて、
「ああっ! 出る! 中で出すよっ!」
意識が消し飛びそうな射精感を抱きながら、僕は彼女に宣言した。
年上の女性に上から物を言うなんて普段なら絶対しないけれど、自然とそんな物言いになった。
“Oh! Coming! Coming!”
膣内の締め付けが強くなる。
彼女もまた射精の気配をペニスから感じ取っているのだろう。
「ああ! すごい、気持ちよすぎる!」
玉袋が彼女の股ぐらにぶつかり、パンパンと小気味良い音を立てる。
僕ももう限界だった。
このまま彼女の中でぶちまけたい!
「ああっ! 出るっ! 出るよっ!」
“Oh, Fuck! Fuck me JAP!!”
「ああっ!!」
すべてが消し飛びそうな、射精感。
頭が真っ白になりそうだった。
朦朧とする意識の中で感じ取れるのは、男根を締め付ける膣の感触と、抜けるような彼女の嬌声。
そして発射された精液が彼女の子宮をノックする、この世のものとは思えない多幸感だけだった。
中出しの快楽は続いている。
射精がこんなに気持ちのいいものだなんて、初めて知った。
“Oh, my god...”
快楽に歪んだ彼女の顔を間近で観察しながら、僕は中出しの感覚を堪能していた。
中出しはかれこれ十数秒続いていた。
第二波、第三波と、とどまるところを知らない。
僕がこれまでセックスできなかったのは彼女に中出しするため。
そう思えるくらい、長い長い射精だった。
“Ah...”
彼女の膣から男根を引き抜くと、中からだらりと大量の精液が溢れてきた。
この量を全部自分で出したとは信じられないくらい、大量の白濁液だった。
Cream pie.
英語ではそう言うそうだ。
確かに濃い精液はクリームのようだ。こちらの人はよく言ったものだ。
彼女が英語で何か言った。
息も絶え絶えという様子で、よほど僕のセックスが激しかったと見える。もっと女性を優しく扱うことを覚えないと。
すると何を思ったのか、彼女はゆっくりと起き上がり、再び僕の肉棒をしゃぶり始めた。
さすがはプロ。自分がイクまで終わらせないつもりなのかもしれない。
こんな美人が甲斐甲斐しくご奉仕する姿に、僕もまた元気を取り戻す。
正直、彼女相手ならあと五、六回は射精できそうな気分だった。
「わかりました。こうなったら是が非でもあなたをイかせますからね」
“Wait!!”
僕は見よう見まねで、彼女を四つん這いにさせてみた。
後背位。バック。
英語ではドッギースタイルとも言う。
人間ではなく獣のための体位だ。
「行きますよ」
“Ahh!!”
再び元気になった男根で、僕は後ろから彼女を突き立てた。
彼女の真っ白な背中が弓なりに反り返る。
無論初めて経験したが、この体位は女性に対して男側に優位性があり、とても興奮する。
女性は男に対して女性器もアナルも剥き出しだし、何より完全に無抵抗になる。
犬みたいに四つん這いになるのもいい。
“Ah, fuck me. Fuck me guy.”
真っ白なお尻に何度も腰を打ち付けながら、今度も後ろからおま◯この感触を堪能する。
真逆の角度から入れるだけあって、肉棒や亀頭に当たる感触も変わってきて新鮮だ。
しばらく後ろから突いていると、何やら彼女が英語では叫び始めた。
言葉の内容はわからないが、何かに観念するような、そしてヤケクソ混じりの言葉のように聞こえた。
それから先も、僕は彼女を犯し続けた。
あの叫び声から何か変わったとすれば、それは彼女の態度だ。
それまでされるがままだった彼女が自分から腰を振るようになり、自分からキスも求めてきた。
挙げ句の果てにはお尻の穴まで舐めるという、白人女性としては屈辱的であろう行為まで自ら進んでしてきた。
さすがはプロ。お金を貰うためならなんでもする。
その辺りのプロ根性は僕も見習わないといけないかもしれない。
しかしそのときだった。
“Look at!”
聞き覚えのある男の声が路地裏に響き渡った。
下を見ると、美人局の少女を使って僕からお金を巻き上げようとした黒人男性がこちらを見上げていた。
「ヤバいヤバいヤバい!」
いったい何時間探していたのかはわからないが、運悪く奴らに見つかってしまったらしい。
僕は慌ててパンツとズボンを履き、梯子を使ってビルの二階へと登った。
幸い、彼女は奴らに見つかっていないようだ。このまま放っておいても大丈夫だろう。
というか、僕とこの場にいる方が危険だ。急いでこの場を離れないと。
“Please wait!”
彼女が何かを叫んでいる。
しかし僕にも時間がなかった。こうしている間にま奴らがビルの中から回り込んで、こちらに向かってきてしまう。
僕は一度だけ振り返り、彼女の端正な顔を見た。
相変わらず、ハリウッド女優みたいは美人だ。
こんな美人が僕の初体験の相手だなんて、後世にまで誇っていいかもしれない。
“Thank you!”
その言葉だけは聞き取れた。
ありがとう。
一体彼女が何を感謝しているかはわからないが、僕もまた彼女に感謝の言葉を告げて、その場を後にしたのだった。
奴らに追われ、街中を全速力で逃げる途中、彼女にまだお金を払っていないことを思い出したが、今さら戻ってお金を払う余裕などあるはずもなく、僕は夕暮れの下、ロサンゼルスの街を死ぬ気で駆け抜けたのだった。
2日目 ロサンゼルス国際空港→ロサンゼルス市内
【移動距離】2km(通算2km)
【手段】徒歩
【両替】119,165円→$1,048
【所持金】$1,048
【支出】
ESTA -$14
【残金】$1,034(+803,567円)
【これまでの経験相手】
Catherine McBride(27)
【補足】大介は5thストリートと勘違いしてますが、5thストリートはロサンゼルス国際空港と10km以上離れてるので、実際は何でもないただの路地です。