※この作品はR-18です。

セックスは最高の異文化交流   作:かしわもち@ハーメルン

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女性視点 “Ena Claus”

 私の国エストニアでは、女は家庭に入るものという考えの人がとても多い。

 私のお母さんも専業主婦だし、そんな母に育てられた私も、少なからず家庭に入ることへの美徳や憧れを備えている。

 

 いつか素敵な人に出会えたら。

 

 そんな考えが、脳裏に過ぎらないわけではない。女としての幸せ、母としての幸せなんてものは、べつにこのエストニアでなくても万国共通で存在するものだ。

 

 しかし私には、もう一つの夢があった。

 

 それはすなわち、画家になること。

 

 何もゴッホやルノワールみたいになりたいわけじゃない。適度に絵を描いて、それを一定の人に良いと思ってもらえるような、最低限の絵描きに私はなりたかった。

 

 絵だけで食べて行こうだなんて思わない。

 

 君は絵のセンスはあるけれど、それだけで食べていけるようには思わない。

 非情だけど、お父さんを含めた何人かの人間に実際に言われた言葉だ。

 その中にはかつての恋人も含まれるし、みんな私の将来を心配して言ってくれた言葉だとは理解してる。

 とくに女性は家庭に入るべきという考えが色濃いこの国では、私のような芸術家を目指す女は稀だ。

 

 私は人を描くのが好きだった。

 風景画も楽しいけど、人物画の方がその人を内面を覗き見れるような気がして、どうすれば絵具や鉛筆でその人の内面を描けるか試行錯誤するのが好きだった。

 

 芸術系の大学を卒業して、私は自分自身に試練を課した。

 

 タリン旧市街で一人暮らしをして、観光客相手の絵画収入で生計を立てる。

 貯金はあるけれど、それが底を尽いたらチャレンジは終了。

 大人しく就職するか、結婚相手を探す。

 

 まず一年、自分が絵描きとしてやっていけるか試してみる。

 ダメなら未練は残さない。専業画家としての道はすっぱり諦める。

 そういう挑戦を、私、エナ・クラウスは夏から始めている。

 

 最初は、思ったよりも好調だった。

 世界遺産でもタリン旧市街。風景画を売る絵描きは路上にたくさんいたけど、人物画に焦点を当てた描き手は一人もいなかったからだ。

 

 でも、思った通り徐々に飽きられる。

 タリンを訪れる人の多くが観光客で、全員が一見さんであることを加味しても、私の“商売”は上手くは進まなかった。

 

 そのうち、€300払うから一晩どう?とか、とんでもないことを言う男たちも現れた。

 私が母譲りの美人であるという自覚はいくらかあるけれど、そんなデリカシーのないことを言う男性とは是が非でも一緒にはなりたくなかった。

 そもそも結婚を見据えず、一晩だけの身体の関係って何?

 どうしてそんな不誠実なことを考えられるの?

 物事の考え方がまるで異なるナンパ男たちに、私は疲れ果てていた。

 こんな男たちのせいで夢を諦めるなんて、死んでも嫌だったけど、それでも路上に座ってお客さんを待つ生活に、否定できない疲れが蓄積し始めたある日、

 

「……え」

 

 私は、ダイスケ・サカガミに出会ったのだった。

 

「どうですか……?」

 

 その人と目が合ったとき、私は思わず声をかけていた。

 似顔絵に興味がありそうな人に片っ端から声をかけるのはいつものことだけど、それとはまったく別の理由で、この人を帰らせてはダメだという感情が私の中に生まれていた。

 

 その人は、有色系、アジア系の身体の大きな男の子だった。

 背は多分、178センチある私より低いけれど、ガタイの大きさというか、見た目から来る印象の逞しさが、桁違いに大きい。

 黒髪で、いわゆる坊主頭に近くて、服装は質素というか粗野。彼がバックパッカーであることは明らかで、このタリン旧市街にはそういう人たちも多数訪れるから、これと言って特筆する点はないなずだった。

 

(なんて……綺麗な目をした人だろう)

 

 しかし私は、その男の子に釘付けになっていた。

 黒い瞳。小動物のように可愛らしく、邪念の何ひとつないその瞳は、私がこれまでの人生で出会った誰よりも純粋な瞳だった。

 

 この人は多分、私と一夜限りの関係――だなんてカケラも思わないのだろう。

 純粋な心で世界中を旅して、純粋な目で、ありとあらゆる美しい風景を見てきた。

 

 年齢は多分、私と同い年くらいだけど、それこそ十歳の少年のように透き通った瞳だと私は思った。

 

 是非とも、この人の姿を描きたい。

 絵描きを目指す私がそう思っても、何ら不思議なことはないだろう。

 彼の純粋な瞳には、私たち表現者を突き動かす何かがあった。

 

「楽にしてて」

 

 男の子の返答を聞かず、私はスケッチブックの上に鉛筆を走らせ始めた。

 わざとだという自覚はある。少しばかり強引でも、この人を帰らせてはいけないと思った。

 少なくとも私が、納得できる似顔絵を描くまでは。

 

(微動だにしないわ)

 

 私が鉛筆を走らせると、男の子は蛇に睨まれたかのように硬直してしまった。

 多分、似顔絵中は一切動いてはいけないと思っているのかもしれない。

 百年前のカメラじゃないんだからそんな必要はないんだけれど、アジア人は私たち欧米人と違って真面目だという印象を、私は改めて感じることになった。

 

(なんて、混じり気のない瞳をしてるんだろう)

 

 美醜というものは、顔立ちやスタイルで決まるものではない。むしろ私は、内面に重きを置きたい。

 少なくとも絵描きという私の目を通して見る彼の姿は、この世の何よりも純粋で、透き通っていた。

 アジア人の男の子全員がそうなのか。

 いや、そんな風には思わない。これまで私をナンパしてきた男の子たちの中にはアジア系もたくさんいたし、人種によって心のうちが決まるだなんてまったく思わない。

 

 すべては、その人固有によるもの。

 この人が透き通っているのは、この人自身透き通っているからに他ならない。

 

「……できたわ」

 

 私の目の前には、私が見たありのままを描いた彼の似顔絵があった。

 まさに私の見た彼の印象、そのもの。

 疑いようもなく、私が人生で描いた人物画の中で一番の出来だった。

 

 もし生涯に渡ってこの人だけを描き続けたら、本当に専業の画家になれるんじゃないかと思えるほどに、スケッチブックの上で最高傑作が踊っていた。

 

 しかし、

 

「気に入らない……?」

 

 期待に反し、似顔絵の主は憮然とした表情を浮かべていた。

 気を遣って、態度には出さないようにしてくれてるけど、明らかに「気に入っていない」という顔だ。

 どうして?

 こんなにそっくりに描けてるのに!

 

「もう一回描かせて!」

 

 間髪入れず、私は次の似顔絵を描き始めた。

 本人が気に食わないというのなら、気に入る絵が描けるまで、何度でも。

 

 何度でも。

 

 何度でも。

 

 何度でも。

 

 何度でも……。

 

 “O, O.K... It's exactly me...”

 

 何枚も描き続けて、その果てに出た明らかな妥協OKに、私は逆にカチンと来てしまった。

 私がこんな完璧な似顔絵を描いてるのに、美しいあなたをありのままの姿で描いてあげてるのに、どうして心の底から良いって言ってくれないの?

 

「まだよ。まだ終わらないわ」

 

 気付けば私は、彼の手を引いて自分の家に帰って来てしまった。

 今になって考えると、お持ち帰り。

 自分の部屋に男の子を連れ込んだ形になるけど、頭に血の上った私はそんなことは露ほども考えなかった。

 

「さあ、始めましょう」

 

 その証拠に、私はそんな事実には目もくれず再び似顔絵を描き始めた。

 ここなら日が沈んで暗くなることもないし、お腹が空けばキッチンでご飯を作れば良い。

 相手の迷惑などまるでお構いなしに、私は彼の似顔絵を描き続けた。

 そして、

 

「――どう?」

 

 渾身の自信作を、彼の前に叩きつけた。

 これまでのどの絵よりもクオリティは高いし、彼の美しさをこれ以上なく表現できてる。

 これまで何枚も彼の絵を描き続ける中で、少なくとも彼限定の似顔絵において、私は世界一の画家である自信があった。

 まだ出会って間もないのに、もっと言えば互いの名前すら知らないのに、一人の人間の絵をここまで描き続けたのは初めてだった。

 しかし、

 

(これも……ダメなの?)

 

 彼の表情は変わらない。一向に心からのOKサインが出ない。

 それでも私は諦めない。彼が心の底から納得する、完璧な似顔絵が描けるまでは。

 

 “I'm not beautiful.”

 

 ――僕は美しくない。彼は片言の英語でそう言った。そして続けざまに、自らを否定する言葉を連発する。

 

 “I'm not pure. I'm not precious. This picture is not correct absolutely.”

 

 僕はピュアじゃないし、プレシャスでもない。この絵は絶対に間違ってる。

 

 自らを否定する言葉を、彼はこれでもかというくらい吐き連ねる。

 

 こんなに美しい人が、自らを美しくないと言っている。

 アジア人にありがちな、謙遜?

 

 いや違う。

 この人は自分の尊さを自覚してないんだ。

 だからありのままの私の絵を見ても納得しなかった。

 彼自身が、自分の姿を正しく見られていないのだから、私の絵に納得なんでできるはずない。

 

「あなたは美しいし、純粋で尊い。私の絵は絶対に間違ってないわ」

 

 だから私は、彼の言葉を否定する。

 それがたとえ画家としてのエゴであっても、否定せずにはいられなかった。

 

 だってそうでしょう?

 

 私が人生において最も美しいと思ったものを、本人に否定されたんだから。

 

「あなたは、ラブリーよ」

 

 可愛らしい。

 いや、愛するに値するもの。

 そういう意味で私は言った。

 

 目の前のあなたが何よりも美しいと、理解して欲しかったから。

 

「それと可愛い」

 

 そこまでして自分を卑下する男の子のことを、私は素直に可愛いと思ってしまった。

 

 まるで、歳の離れた弟を持ったかのよう。

 

 もしこんな弟がいたら、私はきっと姉として、この子に自信を付けさせてあげただろう。

 

 そうしたいと思える相手。

 家族でもないのに。

 今日会ったばかりなのに。

 

 その時点で私は、彼のことしか考えてなかったのだ。

 

「自信を持って。あなたはとても素晴らしいわ」

 

 戸惑う男の子を頭を撫でながら、私は自分自身も顔が熱くなっていることに気付く。

 

 これ以上は抗えない。

 私が彼にしたいこと。それは――。

 

「ん……」

 

 優しさと慈愛に満ちたキス。

 それだけだった。

 

 男の子の唇に唇を重ね、目を閉じる。

 厚い唇から彼の熱が伝わってくる。

 いきなりキスなんかして、エストニアの女としてはしたないと思われるかもしれないけど、そもそも私は画家志望の変わり者だから、そんなことも気にもしない。

 

「あら――」

 

 しかしゆっくりと瞼を開けて、彼の股間が予想以上に膨れ上がっていたときは、さすがの私も顔を赤くした。

 

 ああ、私は男の子を自分の部屋に連れ込んでしまったんだ。今さら私は自覚する。

 こんなこと人生で一度もないのに。

 もしお母さんに知られたら、エストニアの女なのにはしたないと怒られてしまうかもしれない。

 でも、

 

(こんなに……大きくなってる)

 

 はち切れんばかりの股間を見て、私はゆっくりと彼のズボンを下ろしていた。

 女として、はしたない行為。

 そうは思うけれど、彼のズボンがあまりにもキツそうで、早く解放してあげたいと思ってしまった。

 しかし、

 

(なに、これ……)

 

 外気にさらけ出された彼のpenisを見て、私は自らの行為を後悔し始めていた。

 

「信じられないわ」

 

 さらけ出された彼のpenisは、信じられない大きさだった。

 逞しく反り返ったその男根は、太さも長さも、これまで付き合って来た恋人のそれとは桁違い逞しさだった。

 こんなものがズボンの中に収められてたの?と思うほど、彼のpenisは荒々しく、己の存在感を主張している。

 アジア人の男の子って、みんなこうなの?

 もしそうなら、アジア人旅行者の声かけを断ってきて良かったと思った。あの人たちがみんなこんなに凄いなら、私はとっくにどうにかされていたかもしれない。

 

 とはいえ、ここまで来て「大きすぎて怖いから中止させて」なんて言えない。

 それこそ失礼の極みだし、ここまでなった男の子が自力で収まりがつかないことぐらい知っている。

 

 でもそのあまりのギャップに、私は心臓をドキドキさせていた。

 あんなに可愛いらしい、純粋な男の子だったのに、下半身は私の知るどの男性よりも逞しい。もしこんなのと繋がったら、私は本当にどうにかなってしまうかもしれない。

 

「あなたの名前を、教えて……」

 

 動揺を悟られないように、私は彼に名前を尋ねる。

 何でもないように彼の熱いpenisに触れて、あまりに硬いそれをゆっくりと手のひらで擦り始める。

 

 違う。

 これまで触れてきたpenisとは何もかもが違う。

 こんなに大きいのに硬いなんて、やっぱりアジア人の男の子はどうかしてる。

 

 “Daisuke...”

 

 ダイスケ。

 聴き慣れない響きに、何だか胸の奥が熱くなる。この逞しいpenisを持つ男の子の名前は、ダイスケ。

 その名前を、手のひらから伝わる熱く、硬く、そして逞しい感触と共に、心の中に刻みつけた。

 

「エナよ」

 

 だから私も知って欲しい。

 あなたの逞しいpenisを扱き上げている女の名前はエナだと。

 あなたの純粋な心に魅力されて、下半身の逞しさにも魅力されてしまった女の名前はエナ・クラウスだと。

 頭の片隅でもいいから、留めて欲しかった。

 

 “B, blow job...”

 

 咥えてくれと、ダイスケは拙い英語で言った。

 多分、このpenisを見て咥えたいと思う女は数えきれないほどいるだろう。

 私もまたその中の一人。この逞しい棒を、直接舌で味わいたい。そういう感情が、私の中にも確かにある。

 

「私には大きすぎるわ……」

 

 しかし照れ隠しなのか、私はそのお願いを断る。

 いや、照れ隠しなんかじゃない。これを咥えたら、自分が自分でなくなる確信があった。

 自分自身でも知らないはしたない私を、彼に見せるわけにはいかないと思った。

 

 “Ena...”

「ダイスケ……」

 

 フェラチオを断っても、私が逞しいpenisに魅力されていることに変わりはない。

 名前を呼ばれると胸の奥が熱くなって、頬が赤く染まるのがわかる。

 私はダイスケのつぶらな瞳を上目遣いで見つめながら、その逞しい男根を必死に擦り続けた。

 

「んっ……」

 

 すっかり高揚した私の胸を、ダイスケがブラ越しに揉みしだく。

 決して乱暴なわけでも激しいわけでもないのに、彼におっぱいを触られるとどうしようもなく発情してしまう私がいた。

 

(ダイスケ……)

 

 そのまま当たり前のようにブラを外され、彼の前で胸を露出してしまう。

 何の抵抗も起こさせずに、さもそれが当たり前かのように。

 彼はきっと、SEXに於いては百戦錬磨なのだろう。女の心を開かせる術を、過不足なく知り尽くしている。

 22歳にもなって四人の男の子としかSEXしたことない私とは、経験もテクニックも比べものにならない。

 

「あぁ……」

 

 そのままの流れで、股ぐらに指先を這わされてしまう。あまりに自然な行為に、私は拒むという選択肢を取りようがない。

 そうこうするうちにショーツを脱がされ、私は自分の身体で一番恥ずかしい部分をダイスケに観察されてしまう。

 

「だめ……」

 

 ダイスケの舌が、私の秘部に伸びる。割れ目に沿って舌先が這い、案の定クリトリスを捉えると、私の身体は小さく跳ねていた。

 

「あっ! ダイスケっ!」

 

 そのままリズミカルに、ダイスケは私の割れ目やクリを舐めていく。

 洗練された、舌の動き。

 これまでの彼氏たちとは全然違う、的確に的確を重ねたようなクンニリングスに、私ははしたなく声を上げてしまう。

 

「だめ、ゴムを着けて……」

 

 ダイスケが逞しいpenisを私の入り口にあてがう。股ぐらはすっかりずぶ濡れで、身体はダイスケのモノを欲しがっていたけど、本当を言えば怖かった。

 ゴムを着けなければ妊娠の危険性がある。

 そんなことはわかり切っていたし、これまでの彼氏に全員着用を強制してきたけど、多分私が言いたかったのはそうじゃない。

 

 あなたを受け入れる覚悟をさせて。

 多分そういう意味の言葉だった。

 

 ゴムを着けるか着けないかは関係ない。

 ただ心の覚悟を決めるために、一拍間を置きたかった。

 彼の逞しいpenisを受け入れる。

 すなわちそれは、私が未知な世界を経験すること。

 

 それこそ、人生で初めてSEXをした高校生の夏を思い出す。いや、感覚としてはそれ以上だ。初めて男の子を知ることよりも、この逞しいものを受け入れるということの方が、私にとってはずっと恐怖だ。

 

 “I want to feel you directly.”

 

 しかしダイスケはその透き通った表情を崩さずに、私へのお願いを突きつけてくる。

 そんな目で見つめられたら、

 そんな逞しいpenisで入り口を擦られたら、

 抵抗なんかできるはずがないじゃない。

 

「今夜……だけよ……」

 

 精一杯の強がりで、大人のお姉さんの威厳を保ってみせる。

 でももう心は限界だ。さっきのキスの時点でこの人に心を開いてるのに、直接感じたいだなんて面と向かって囁かれて、拒める理由はどこにもない。

 

 感じて欲しい。

 私のすべてを。

 ダイスケのpenisに。

 

「ああっ!!」

 

 ダイスケのモノが私の中を掻き分けて侵入してきたとき、私は自分でも信じられないような甲高い声を上げていた。

 

 苦しいとは思わない。

 でも信じられないような圧迫感がある。

 太さも硬さも、これまでの恋人とは比べ物にならない。

 逞しい亀頭が私の膣内をこじ開けて、信じられないほど奥へと侵入してくる。

 

 “I love you, Ena.”

 

 卓越したオスからの囁きに、身体中が熱くなる。

 ダイスケのモノに貫かれて、今なお連結している状況に、彼の顔を見られないほど顔中が熱くなる。

 

「あなたは……美しいわ……」

 

 ダイスケの美しさ。

 それは逞しいpenisも込みだった。

 ダイスケの逞しい形が、私の肉襞を押し広げている。

 心もpenisも、なんて美しい人なんだろうと思った。こんなことを言うと、きっと怒られると思うけど、ダイスケがpenisを露出した全身像を、私は緻密なデッサンで描き写したいと思った。

 

 それだけ、ダイスケのpenisには価値がある。

 こんなに美しいpenisは、誰がなんと言おうと芸術だ。

 

 “Ena...”

 

 ダイスケがpenisを出し入れするたび、私の身体がびくんと跳ねる。

 なんて男らしさ、なんて気持ち良さなの?

 信じられないくらい硬い張り出しが私の奥を引っ掻くたび、これまでの恋人とのSEXがまるで嘘みたいに、私は新世界へと連れ込まれていく。

 

 これがSEX?

 これが本当のpenisなの?

 

 わずかな腰の動きでこんなにも気持ちいいなんて、彼が本気を出したら私はどうなっちゃうの?

 

「ダイスケ……」

 

 彼にとってはそんな前哨戦のようなSEXでも、私にとってはかつてない快楽の大波だ。

 ダイスケの優しいに満ちたSEXで、私はかつてないレベルの絶頂を迎えようとしていた。

 

(あっ、イクっ――)

 

 声に出さないように口を押さえて、私はダイスケのpenisで絶頂する。

 全身に伝播する快楽の波は、やったことはないけどもはや非合法のドラッグと大差ないレベルだった。

 まるで抑えの効かない快楽の波が、私の全身を包んで押し流していく。

 

 これが、私とダイスケの初めてのSEX。

 SEXをしていて、この人以外にはもうあり得ないと思ったのは生まれて初めてのことだった。

 相手の男性に、明らかに加減されていると感じるSEXも初めてだ。

 彼はまだ、まったく本気を出していない。

 

「もっと本気を出していいわよ」

 

 ソファの上で甘々なピロートークをした後、私はダイスケをけしかけた。

 私自身はさっきのSEXで十分すぎるほどの快楽を味わった。でも当のダイスケが全然気持ちよくなってないのなら、好きなようにして貰うのがフェアだと思ったのだ。

 

 しかしダイスケはそれでも気が進まないようだった。

 下半身はこんなにも野性的なのに、彼自身の内面は小動物のように優しい。

 だからこそ普段の可愛らしさと下半身の荒々しさとのギャップに、こんなにも私は戸惑っているのだけれど。

 

「私、激しい方が好きなの」

 

 嘘ではない。全力のSEXより、遠慮がちのSEXを好む女なんていない。

 ダイスケの本気は、はっきり言って怖いけれど、それ以上に彼自身に気持ちよくなって欲しいという気持ちの方が優った。

 私の身体にそこまでの価値があるかどうかなんてわからないけど、せめてダイスケに射精のひとつでもさせてあげないと、女として生まれた意味をひとつも完遂できない。

 

「自信を持って」

 

 身体の全てを捧げながら、ダイスケに精一杯微笑みかける。

 これだけの逞しさを持ってなお自信が持てないのなら、失礼だけどこの世のほとんどの男性は自信過剰だ。

 逞しいとはダイスケのpenisのようなものを指す言葉なのに、これで自信を持てないだなんて贅沢が過ぎる。

 だから私は、

 

「愛してるわダイスケ。あなたのものを私に頂戴」

 

 嘘でもなんでもなく、私はダイスケに愛の言葉を告げた。

 言った瞬間、全身が熱くなる。恥ずかしいけど、pussyが高揚するのも感じる。

 

 この人のpenisが欲しい。

 

 それは紛れもなく、私自身の本心だ。

 

「ああっ!!」

 

 先程とは比べ物にならない程奥に、ダイスケの逞しいpenisが入ってくる。

 子宮口をつつかれるというレベルじゃなくて、その奥にさらに入り込むような圧迫感。物理的に子宮に直接penisが入るなんてあり得ないけど、その奥にまでpenisを突き込まれたような非現実感。この人は本当に同じ人間なの?

 

 “Ena! Ena!!”

「ああっ! 信じられないっ!!」

 

 痛かったのは最初だけ。とめどなく溢れる透明な液と膣壁の収斂する動きが、逞し過ぎるものからの圧迫感を緩和する。

 その結果待っているのは、想像を遥かに超えた快楽だ。

 ダイスケのカリが私の膣壁をこそぎ取り、逞しい亀頭が子宮を容易く押し潰す。反り返った棒が膣内の天井を擦って、ほとんど失禁レベルの愛液を分泌させる。

 

「これは何!? こんなSEXがあるの!?」

 

 至上の快楽。

 そう言い表すしかない。

 もはや私はダイスケのpenisに穴を差し出すだけ。

 無防備に無抵抗に無遠慮に、ダイスケの荒々しい打ちつけ身を預けるだけだ。

 

「ああっ! ダイスケっ!! あなたやっぱりすごいわ! こんなセックス、私全然知らなかったものっ!」

 

 騎乗位の体勢で、私はダイスケとSEXを続ける。女が上のはずなのに、主導権は完全にダイスケだ。私はただダイスケの逞しい腰つきに悶えながら、その度に背中を逸らせて淫靡な声を叫ぶしかない。

 

「ああっ! 凄いっ♡ 内面だけじゃなくて、あなたSEXも凄いのねっ♡」

 

 自分でも信じられないほど乱れながら、私自身も知らない自分が解放されていくのがわかる。

 

 強いて言えばこれは、全ての女が持つ本能。

 逞しいオスに死ぬほど突かれまくりたいという、誰もが備えた本能をダイスケによって解放されているのだ。

 

 多分、これまで彼に抱かれた子はみんなこうなっただろう。

 好きな人がいようと、恋人がいようと、旦那がいようと、彼のpenisに突かれたら、女はその本能を開花させるしかない。

 

 だってそれが私たち女にとって、これ以上ない幸せなのだから。

 

「ああっ♡ おっきいっ!!」

 

 penisの大きさを比べるのが、失礼なことだってことはわかってる。

 だけど全然違うから。

 これまで付き合って来た恋人のpenisとは、何もかもが違うから。

 

 だから純然たる差を叫んだところで何も罪悪感がない。

 この人に貫かれて、果たして幸せを感じない女がこの世にいるのか、私は何の確信も持てない。

 

「ああっ! ダイスケっ! もうイクわっ! ダイスケのpenisで私イっちゃうっ!!」

 

 これまで他の人とのSEXで、イクなんて叫んだことは一度もなかった。

 これがはしたないことだと思っていたし、そんなのはポルノビデオの世界だけだと、本気で信じ込んでいた。

 

 でも違った。

 気持ちいいときは本当にイクって声が出るんだ。

 ただ私が知らなかっただけで。

 本物のpenisと本当のSEXを、私がただ知らなかっただけで、世界中の幸せな女は、今もどこかで自らの絶頂を叫んでいるだ。

 

 最愛の人の、最愛のpenisに貫かれて。

 私にとってはそれがダイスケだ。

 ダイスケのpenisも、ダイスケ自身も、もう無しでは生きられない。

 

 それを確信しながら、私はダイスケの上で絶頂する。

 

「ああっ! ダイスケ来てっ!!」

 

 自らの絶頂と同時に、相手の絶頂も望む。

 それが自分勝手な願いだと知りながらも、望まずにはいられない。

 だってこの後の絶頂と同時に中出しされたら、信じられないほど気持ちいいだろうから。

 

 ダイスケの唇を自らの唇で塞ぎ、腰を振る。

 もう中で出さないなんて許さない。

 中出しなんて人生で一度もされたことないけど、ダイスケ相手なら中出し以外ありえない。

 

「ああっ♡ イクっ――!!」

 

 気を失いそうになるほどの快楽に、私はダイスケの身体にしがみつく。

 二、三秒遅れて私の膣内に放たれた精液は、私の思考を真っ白な快楽で染め上げていく。

 

 ダイスケのpenisは確実に私の子宮口を捉え、確実に大量の精液を注ぎ込んでいく。

 信じられないことに、私は射精のたびに絶頂していた。

 彼の逞しい射精が子宮の奥に叩きつけられるたび、私は女として生まれたことへの幸せを感じながら、かつてないほどの大きさ、頻度で、女にしか味わえない絶頂の快楽を貪っていた。

 

 “Ah......”

 

 いったいどれぐらい続いただろう。

 ダイスケが逞しいpenisを引き抜いたとき、私は体感で一分以上の時間経過を感じていた。

 

 それぐらい長い射精。

 とんでもない量の中出しだった。

 

 penisが抜かれても、私はダイスケから離れない。

 強く強く、大柄な身体を抱きしめて、おっぱいも乳首も、全部大切な人に押し付ける。

 

 マーキングという言葉は、私の中に大量の種を吐き出したダイスケが使う言葉なのだろう。

 でも私はダイスケの身体に自分の匂いを押し付けるように、ひたすら彼の体温を感じていた。

 彼の中で、私が無数にいる女の一人でしかないのはわかっていたから。

 だからせめて、今だけは彼の女でいられるように、私は片時もダイスケの側から離れなかった。

 

 

「電話、待ってるから」

 

 翌朝の別れ際、私はダメ元の願いをダイスケに告げる。

 旅が終わって、彼の母国である日本に帰ったら、まず真っ先に私に電話して。

 それが叶わぬ願いだとわかっていても、そう告げずにはいられなかった。

 

 だって私は、すでにどうしようもないくらい、ダイスケのことが好きになっていたから。

 

「え?」

 

 ダイスケが日本の言葉で告げた言葉に、私はただキョトンとした表情を浮かべることしかできなかった。

 

 推察するに、多分「もうここには来られない」とか「君以外に好きな人がいるんだ」とか、そういう言葉。

 

 私を傷つけないように、あえて日本語で言ったのだろうけど、私はその言葉を聞かなかったことにした。

 

 だって今さら、諦めるなんて選択肢はないから。

 彼が電話しなくても、聞き出した日本の住所に乗り込むだけの覚悟があるから。

 

 エストニアの女は家庭に入りたがる。

 

 その遺伝子が、私の中にも流れているのだとわかった。

 

 だって私もダイスケと一緒にいたいから。

 画家の夢を諦めても、ダイスケのことだけは諦めたくないから。

 

「待っててね、ダイスケ」

 

 去りゆく彼の背中を見送りながら、私は旅支度に必要なものを考える。

 パスポートは、実家に置いてきたかしら。

 貯金はまだある?

 日本への片道切符ってどれくらい?

 ビザなしでいつまで日本にいられるの?

 

 すでにない、彼の背中を見据えながら、私は覚悟を決める。

 画材道具は持っていかない。

 だって私は――。

 

「まあ待ってなくても、私の方から押しかけるけど」

 

 だって私は、ダイスケ・サカガミを心の底から愛してしまったんだから――。

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