孝太郎は雪乃一人を選んで幸せに暮らしたというのが正規ルートになるので、あくまでIF展開になります。
明日香①
それは僕が全治三ヶ月の全身骨折から復活し、リハビリもそこそこに、社会復帰を目指していた頃のことである。
入院中にあの白瀬雪乃ちゃんが足繁く病室に通ってくれて、三十三歳の成人男性と小学五年生の女の子という関係ながら密かにお付き合いすることになり、まあキスぐらいは人目を盗んで何度もし、肝心の性行為と言えば、僕が雪乃ちゃんの膨らみかけBカップを生で揉んで乳首を吸い、雪乃ちゃんの方は小学生でありながら僕のチンポを手で扱く、ぐらいの進行を見せていた頃である。
退院し、夢の世界の通りに職を失った僕は、本格的な就職活動を前に、リハビリがてら近所を散歩するのが日課になっていた。
もちろんそのときも雪乃ちゃんと付き合っているが、あくまで大人と子供で、救った側と救われた側。恋愛的な関係などおくびにも出していない僕らは頻繁に会うわけにもいかず、ご両親の検閲も恐れて連絡も僕がスマホ、雪乃ちゃんが公衆電話(テレホンカードは僕の支給)というぐらいの隠密ぶりだった。
デートなんて月に一回もできないし、畢竟職のない僕は暇になるのである。
日常生活に支障はないが、まだリハビリが完全ではないので細かい作業には困難が付き纏う。そんな状態で就活というのもハードルが高いので、今は失業保険で生活している身分だ。
お気楽生活。
外からはそう見えるのかもしれないが、職がないというのは実は相当な重圧だ。
独り身ならともかく、僕には将来的にお嫁さんにしたいと思っている小学五年生の女の子、雪乃ちゃんもいる。三十三歳で再就職という時点でハードルが高いが、乗り越えないといけない理由がある以上、僕は僕でそれなりのプレッシャーを感じている。せっかく小学生の女の子と付き合えたのに、僕自身が無職ではお話にならないのだ。
そういう、社会的な重圧があったからというのは、言い訳だろうか。
リハビリがまだ完全には終わらないことへの焦りやストレスがあったことも否定しない。
しかし何より、僕にとってその出会いは、まさに晴天の霹靂だったというのが一番の理由かもしれない。
道の向こうから、小型犬を連れたショートボブの女の子が歩いてくる。その女の子に、僕は見覚えがあったのだ。
「久道……明日香ちゃん……?」
思わず、口をついて出ていた。
向こうから歩いてくる、身長153センチくらいの気弱そうな女の子。
全体的に地味だが、色白で、顔立ちは整っていることは遠目にもわかる。
顔立ちはまだ幼さを残し、小学校高学年くらいであることはすぐにわかった。
犬種はわからないが、茶色いモコモコの小型犬をリードで繋いで、公園前の道を散歩している。
上は黒いパーカーに、下は白のホットパンツ。完全に子供というわけでなく、大人というわけでもない服装。脚がすらっと長いので中学生くらいにも見えるが、あの顔立ちの幼なさは間違いなく小学生である。
初対面。
そう初対面のはずである。
僕と彼女に、“この世界”での面識などない。
しかし僕には、はっきりとした記憶があった。
久道明日香ちゃん、小学六年生、Dカップ。
彼女は夢の世界の銭湯で僕が裸体を目撃し、動揺のあまりおっぱいを揉みしだいた小学生である。
そしてさらに重要なことに、僕はこの子と、夢の世界でセックスをしている。
僕は童貞を、あの子は処女を、それぞれお互いに捧げているのである。
何を言っているのかわからないと思う。僕もわからない。
でも夢の世界で、僕はあの子と数えきれないくらいセックスした。
Dカップのおっぱいも揉みまくったし、薄桃色の乳首も吸いまくった。
チンポだって何度もしゃぶらせたし、生のおまんこに生の勃起チンポを何度も挿入し、何度だって中出しした。
今でも目を閉じれば、あの子の生膣壁の感触と、吸い付くようなモチ肌のDカップの感触が蘇るようである。
たかが夢。
そうたかが夢である。
事故で眠っている間、僕はとてもリアルでハッピーな夢を見ていた。
その世界で僕は五十人近い小学生女児とセックスし、中出ししまくっていた。
その世界にロリコンという性癖は存在せず、逆にそのせいで女の子たちの欲望は抑圧され、反動で僕は小学生の女の子たちに身体を、具体的にいうとチンポを求められ続けた。
そういう夢のような日々を、文字通り夢の中で送っていたのである。
しかしそれはあくまで夢。
白瀬雪乃ちゃんとの関係は現実になったが、それ以外は全て都合の良い夢の中の出来事だと割り切っていた。
だがこの瞬間、目の前に現れた久道明日香ちゃん本人を見て、僕の頭は至極混乱していた。
だってそうだろう。
白瀬雪乃ちゃんは、僕は事故に遭う前にも会って(正確には見て)いたし、下の名前くらいは聞いていた。
その女の子のことを夢で見ることも、不思議ではないだろう。
でも明日香ちゃんとは、僕はこの世界で一切面識がない。
久道明日香ちゃんなんて女の子、僕は“知らない”のである。
しかし今僕の目の前にいる女の子はなんだ?
これが久道明日香ちゃんじゃなくて何だと言うんだ?
実際には会ったことない女の子を僕は夢で見て、そして夢ではない現実の世界で、その彼女と再会(正確には初対面)する。
僕からすれば、夢の中の住人が現実世界に飛び出してきた感じだ。むしろまだ、あの夢の世界が続いているような感覚に陥った。
しかしほっぺたをつねってみても頬を叩いてみても一向に夢は醒めない。そうこうするうちに明日香ちゃんは近づいてきて、僕のすぐ数メートルの至近距離に来ている。
彼女があの久道明日香ちゃんなのか、僕にはわからない。
他人の空似というか、そもそも顔が似てるだけの別人かもしれない。
というより夢の世界の明日香ちゃんが現実世界に存在する保証自体がどこにもないのだから、この問い自体もまったくの無意味だ。
だが彼女が近づくにつれて、僕の中に一つの問いが生まれるのは、僕の性癖を考えれば無理からぬことだった。
僕の中の問い。
雪乃ちゃんがいる今、言うのは憚られるが、どうしても生まれてしまった問い。
それはすなわち、
――この現実世界でも、僕は久道明日香ちゃんとセックスできるのか?
である。
★ ☆ ★ ☆ ★
目の前から近づいてくる女の子が、本当に久道明日香ちゃんなのか。
それを確かめる方法は、簡単だ。本人に名前を尋ねればいい。
しかし注意しなければならないのは、この世界が僕が見ていた夢のような、ロリコンにとって非常に都合がいい世界ではないということ。
成人男子が見ず知らずの女子小学生に声なんて掛けたら一発で「声かけ事案」だし、不審者認定間違いなしだ。
向こうの世界と違って小学生の警戒心は高いし、この子たちは「ロリコン」という、成長途中の自分たちを性的な対象として見る変態の存在を認知している。
僕は明日香ちゃんに、声を掛けることはできないのである。声を掛けただけで、犯罪者扱いされる可能性があるのだから。
だが明日香ちゃんはどんどんこちらに近づいて来る。まあこちらに近づいて来るというか、単純にワンちゃんのお散歩コース上に僕がいるだけの話だ。
明日香ちゃんが飼っている犬の名前は、たしかビスケット。犬種は、なんだったかな。茶色の毛むくじゃらで、そうだトイプードルだ。実は一度だけ明日香ちゃんが僕のマンションに散歩がてら連れて来たことがある。
まあそのときも明日香ちゃんとはセックスしまくったわけだが、もしこの世界でも小学生とそんな懇ろな関係になれるとしたら、僕からの積極的な働きかけは不可欠だ。この世界の小学生は決して男湯に入らないし、自分から「おちんちん触らせてもらっていいですか?」なんてにじり寄って来ることもないのだから。
「よし」
意を決して、僕は明日香ちゃんとビスケットの方を向き直った。
トライするだけなら、タダだ。
もちろん逮捕されたらせっかく築いた雪乃ちゃんとの関係もおしゃかになるが、いきなりおっぱいを触ったりしない限り大丈夫なはず。とにかくまずは、彼女が本当に“久道明日香”ちゃんなのか確かめなければ。
――犬好きに、悪い人はいないんです。
夢の世界で、明日香ちゃんはそんなようなことを言っていた。
僕は内心、犬を飼っている犯罪者も山ほどいると夢のないこと言いかけたが、実際に今大事なのは、犬好きに悪い人間がいないかどうかではなく、犬好きに悪い人間はいないと、彼女本人が信じていることだ。
「こんにちは」
僕は三十代前半のサラリーマンにできる最高の爽やかスマイルで、ビスケットに話しかけた。明日香ちゃんにではない。リードに繋がれているトイプードルにである。
僕はすぐさま膝をついて犬と近い目線になり、ビスケットの首の裏と、両前足の間を軽く撫でた。
このポイントは、夢の中で「ビスケットが撫でられると喜ぶ場所」として明日香ちゃんに教示された場所だ。
この犬も果たして例のビスケットと同一かはわからないが、僕は一縷の望みにかけて、初対面の犬と最大限のコミュニケーションを図ろうと心掛けた。
「あ、すごい。この子初対面の人には慣れないのに」
幸いなことに、ビスケットは夢の世界と同様僕にすぐ懐いてくれた。鼻をくんくん鳴らして手のひらをぺろぺろ舐めて来ている。
犬好き=悪い人ではない、という思い込みがあるのか、明日香ちゃんも警戒せず僕に感心している。
膝をついてビスケットを撫でる僕。
その様子を、明日香ちゃんは膝に両手を着く前屈みの姿勢で観察していた。
その姿を、ほんの一瞬だけ盗み見る。
黒いパーカーの胸元が開いているが、当然のように中シャツがあり、中の様子は伺い知れない。しかしこのボリューム。小学生にしては大きい。目測でDカップはあるだろう。僕の知る明日香ちゃんのおっぱいと同じだ。
「僕も実家でトイプードルを飼ってたんだよ。懐かしくてつい撫でちゃった。名前はクッキーって言うんだけど」
「え、奇遇ですね。うちの子はビスケットです」
犬の名前が“近い”ことで、一気に打ち解ける明日香ちゃん。ここでビスケットと同じ名前を使わなかったのは、同じだと途端にストーカー臭がするのではないかと感じたから。
結果それは功を奏し、僕と明日香ちゃんの“共通点”を作るのに一役買った。
「お菓子つながりだね。抱っこしてもいい?」
「もちろんいいですよ」
本音ではビスケットより明日香ちゃんを抱っこ、もとい駅弁したかったが、今は堪えてトイプードルを持ち上げる。
ビスケットは少しキョトンとしていたが暴れ回ることはせず、僕と飼い主の円滑な関係構築を促した。
もちろん、これだけだと「じゃあさよなら」でお終いである。でもそうは問屋が下さない。
「おっとっと……」
「だ、大丈夫ですか?」
ちゃんとビスケットを飼い主に返した後、僕はわざと後方に尻餅をつく。できるだけ違和感なく、かつあまり格好悪くないように。
「あ、ありがとう」
そこまでは期待してなかったが、明日香ちゃんが手を差し伸べてくれたので、その手を借りて起き上がる。夢の中ではチンポも触らせた滑らかな手のひらだが、今は手と手で触れ合うだけで精一杯だった。
「ごめんごめん、まだリハビリの途中で」
「リハビリ、ですか」
事情を知る人間には白々しく聞こえるかもしれないが、割と自然に持って行けたと思う。
僕は小学生を助けるために事故に遭い、全治三ヶ月の大怪我を負ったことを説明した。
「それは、大変でしたね」
「まあ命は助かったから御の字だよ。仕事復帰するまでこうしてリハビリがてら近所を散歩してるんだけど、今日は少し歩きすぎたかもしれない」
「わ、私でよかったら手を貸しますけど!」
僕は正直全然歩けたのだが、あえて歩けなくなった振りをして明日香ちゃんの善行を促した。
「そうしてもらえると有り難いけど、今日会ったばかりなのに」
「い、犬好きの人に悪い人はいませんからっ!」
向こうから言い出す。その口実が欲しかった。
事故の理由を話すことで、悪人ではないと印象付け、同時に大人なのに昼間から公園前を歩いている事情を説明する。
一石二鳥の方法+飼い犬の懐柔で、僕は明日香ちゃんの中で「不審者ではない」というお墨付きを得たのだ。
「じゃあせっかくだから、すぐそこまで肩貸して貰えるかな」
「は、はい!」
僕は小学六年生、身長153センチの身体に、もちろん半身以下だが体重を預けた。自分から言い出したこととはいえ、急に男の人と密着することになった明日香ちゃんは、明らかに頬を紅くしている。
「ビスケットのリードは僕が持つよ」
「そ、そうして貰えると助かります」
顔を真っ赤にして、明日香ちゃんは飼い犬のことをどうこうする余裕がない。
夢の世界では結構積極的にセックスしてきたけど、思えば彼女は奥手でシャイなタイプ。親友の楓ちゃんや夢乃ちゃんに促されてようやく僕のチンポに触れていたくらいだ。
だから急に男の人とくっつくことになって、ドキドキしているに違いない。
多分今Dカップのおっぱいを鷲掴みにすれば、彼女の心音が面白いくらい感じられるだろう。
もちろんそんなことはしないが、突然の出来事で不可抗力とはいえ、見知らぬ男に密着を許してくれるこの状況。
ひょっとしたら、ひょっとするかもしれない。
第一印象が悪ければ、普通拒否される。
単純に彼女が親切な女の子で、断れないというのもあるだろうが、それでも嫌な場合はもっと嫌悪感を滲ませるはず。
でも、今の彼女にはそれがない。むしろあからさまに心臓をドキドキさせて、緊張している様子だ。
もしかしたらもしかすると、僕はこの子を、口説けるかもしれない。
歳の差は置いておく。
もしもの仮定の話だからこの際雪乃ちゃんのことも考えない。
第一印象は、悪くない。
警戒心は薄い。
ここは夢の中の改変世界ではないから、小学生の女の子の方から、僕の身体を求めてくることはない。
でも逆に、僕の方から行けば、そういう可能性もあるのではないかと思った。
もし彼女が、本当に久道明日香ちゃんだという仮定の上での話だが、僕にはかなりの情報アドバンテージがある。
まず彼女のプロフィールも自宅も知っているし、性格や趣味嗜好も熟知している。
その上で二十歳近い年齢差があれば、口説くのは結構、わけない。
このくらいの年頃の女の子は多くが大人の世界・大人の男に憧れているものであり、夢の世界での明日香ちゃんもそうだった。
あとは上手くきっかけや共通点さえ作れれば、どこまで周りに――とくに僕の場合は雪乃ちゃんにバレないかということだけ気をつければいい。
虫が良すぎる話なのはわかっている。
白瀬雪乃ちゃんという、まさかの小学五年生の彼女が出来て、おっぱいまで触って、その上別の子のおっぱいまで触りたいのかと、突っ込まれる状況なのはわかっている。
でも考えてみて欲しい。
あの久道明日香ちゃんだ。
地味目ではあるが顔立ちは端正で、膨らみかけのおっぱいはDカップ。
改変世界と一緒であるならば抱き心地は最高の小学六年生。
小学五年生Bカップの白瀬雪乃ちゃんの他に、別のオプションを持って置きたいというのは男の性ではないだろうか。
だって僕は、明日香ちゃんとのセックスがどれほど気持ち良くて、どれほど背徳感に満ちているか、既に知っているのだから。
タバコを吸ったことがない人間が、ニコチン切れで禁断症状は起こさない。
でも僕は目の前のこのDカップの張りと柔らかさ、ボリュームを知っている。
薄桃色の綺麗な乳輪と、つんと自己主張する可愛らしい乳頭を知っている。
細腰の下の綺麗な割れ目と、男を知らない膣壁の咥え込みを知っている。
半体重をかけて彼女に密着したその瞬間から、僕の頭は彼女をハメ倒すことしか考えていなかった。
もちろん、葛藤はある。
僕には白瀬雪乃ちゃんという彼女がいる。
まだまだプラトニックに乳揉みと手コキくらいしかしていないが、将来は結婚したいと思っている小学五年生の女の子だ。彼女への愛は揺るがない。
でもリハビリの期間だけ、職が見つからない不安がある間だけ、少しだけ火遊びをしたい気持ちもあった。
親の目も気にしているせいで、僕と雪乃ちゃんのデートは月に一回だ。つまり、僕が雪乃ちゃんのおっぱいを触ったり、手で抜いてもらうのも月に一回ということだ。
つまり、性欲が溜まりに溜まっているのだ。
早くあの改変世界で見たピンク色の綺麗なすじまんこにチンポをぶち込みたいという気持ちはあるが、というか溢れんばかりに凄いが、あの子とは本気で結婚したいから、おまんこを堪能するのは、あの子が中学生になってからと決めている。我慢に我慢を重ねるからこそ、最高のセックスになるという予感もしている。
でも時に、ガス抜きは必要だ。
実際問題、夢の世界ではあるが、僕は女子小学生のおまんこの感触を知っているのだ。
張りのある膨らみかけおっぱいに顔を埋める充実感を知っている。
小学生の可愛いらしい口に、怒張したチンポを突っ込む快楽を知っている。
こんなの、我慢できるわけがない。
もし実際に、僕が改変世界でセックスした小学生たちが目の前にいて、そしてそれが可能な状況であれば、僕は迷わず小学生のおまんこにハメるだろう。
彼女たちとのセックスは中毒みたいなもの。
成人女性や風俗嬢では得られない、特別なものを享受できるのだ。
年齢十歳と少しの子と繋がっているという背徳感。あれはもう、本物の小学生とのセックスでしか得られない。
だが問題は、そんな“据え膳食わぬは”という状況に僕と明日香ちゃんがないこと。
単なるファーストコンタクトだ。彼女に至っては僕の名前すら知らない。僕の方も本当に彼女が久道明日香ちゃんだという確信もない。
でもその気になれば、結構行けるのでは?という感覚もある。
先程も言ったように第一印象は悪くなく、警戒心も薄い。
あとは彼女が歳の差恋愛を有りと考えているかどうかと、小学六年生の時点でのセックスをどう考えているか。
改変世界での知識が正しいなら、彼女は真面目ではあるが、むっつりではある。
状況さえ整えば大人とのアバンチュールを受け入れる可能性は十二分にあった。
問題なのは、自分からその状況を整えに行くことが浮気に当たるかどうかだ。
仮にそういう状況になれば、僕は自分を抑えるのは無理だ。生粋のロリコンがDカップの小学六年生とセックスできる状況に出くわして、セックスしないわけがない。この場合僕には免責が生じる。致し方なし。不可抗力だ。月に一回しか会わない彼女なのだ。黙っていればいい。
でもその不可抗力を僕から自分で作り出せば、それは浮気と言われても仕方がない可能性がある。雪乃ちゃんへの不義理はできるだけ避けたい。
あとはもう、偶然に頼るしかない。
偶然僕が明日香ちゃんとセックスするような状況になっても、それは浮気にならない。僕はそう都合よく解釈した。
「ここが僕の部屋だから、ありがとう。助かったよ」
「い、いえいえ! 人として当然のことをしたまでですからっ」
顔を真っ赤にして両手を振る明日香ちゃん。
僕は彼女の親切心に甘えて、最終的にアパートの部屋の前までたどり着いていた。その間ずっと明日香ちゃんとは密着していたし、触りはしないが、少しずらせば明日香ちゃんのDカップに触れられそうな位置に手があった。
そういう危うさも感じられるくらいの密着感だったためか、彼女も平静さを保つ余裕がないのだろう。耳たぶまで真っ赤だ。
「でも本当に助かったよ。僕は吉野孝太郎。恩人に名前も聞かないのは失礼だから、教えてもらってもいいかな?」
さりげなく、名前を聞き出す。
これで本当に彼女が久道明日香ちゃんなら、頭の中の妄想のあれこれが現実味を帯びてくる。
だが見た目が似ているだけの赤の他人であるなら、彼女とのセックスは再考しなければならない。
「え、えっと……」
ここに来て、僕はしまったと思った。
意図せず密着で昂ったせいで、つい改変世界のノリで名前を聞いてしまった。
しかし現実の世界では、サラリーマンが小学生女子に名前を聞くことすら事案だ。
一期一会で終わるならまだ自然なのに、名前まで聞くのは君に興味があると自白しているに他ならない。
自己紹介の仕方も白々しいと、自分なりに反省していたのだが、
「私は、久道明日香です。久しいに道と書いて久道。明日(あした)の香りで明日香。まだ小学生なのでできることは限られますけど、こんなことでよろしければいくらでも力になりますのでっ……」
余裕がなくてテンパっているせいもあるだろうが、予想の百倍の情報が返ってきて驚いた。
久道明日香。学年はわからないけど小学生。おそらくこの背丈で育ち具合なら六年生が最有力。
改変世界の知識と相違がなさ過ぎて、拍子抜けする。
この子は僕の知る、明日香ちゃんだ。
どうして夢の中の世界でしかない情報が現実世界とも一致するかは不明だが、この子は正真正銘の明日香ちゃんなのだ。
ということは、このパーカーの中の膨らみのサイズも――。
「いや、今思い出すのはダメだろ」
丸みを帯びた例のアレを思い出しそうになり、必死にかぶりを振って打ち消す。いくら彼女のおっぱいが小学生にしてはボリューミーでも、今現物を目の前に思い出すのはダメだろ。
「ど、どうしたんですか?」
その不審な動きに明日香ちゃんはきょとんとしていたが、警戒心までは至らなかったようで、相変わらず見ず知らずの男の部屋の前を離れようとはしない。
その理由が半分は、未だ握ったままのトイプードルのリードにあると気付いた僕は、リードの持ち手を彼女に返そうとしたが、
「え?」
ここでまさかの、後遺症が出た。
先程明日香ちゃんに肩を貸して貰ったのは演技込みだったが、実際にまだリハビリ中の僕は、松葉杖無しではふらつくことがたまにあった。
それがよりにもよって、この瞬間に出た。
バランスを崩した僕はリードの手綱を握ったまま、それを返そうとした持ち主に覆い被さるようにして倒れてしまったのだ。
「だ、大丈夫ですか!?」
視界が真っ暗なのは、何か黒いものに顔を埋めているから。
小学生である彼女を押し潰さないように全体重掛けないように踏ん張ったが、身体が言うことを聞かず先程の半身以上のものを彼女の身体に預けることになった。
「だ、大丈夫だ。ごめん急にバランスを崩して――」
そして程なくして、僕はとんでもない事態に気がついた。
僕が顔を預けているのは、彼女の上半身。
視界が真っ暗になったのは彼女の黒いパーカーのせい。そのパーカーの中の、他とは違いボリュームのある場所。つまりは、久道明日香ちゃんのおっぱいだ。
Dカップならカップ付きのブラをしている。
先程も見たようにブラの上にはTシャツかキャミソールもある。露骨におっぱいの柔らかさを感じる状況ではない。
しかし女子小学生の胸に顔を埋めているという事実が、さすがにヤバいだろという心境にさせる。
僕の日頃の行いから「わざとだろ」と思う人間も多いかもしれないが、今のは正真正銘の事故だ。
人生初めてのラッキースケベ。
それがよりにもよって、小学生女子の胸へのダイブだなんて。
さすがに終わった――そう思った。
ごめん雪乃ちゃん。
僕が束の間の出来心であらぬことを考えたばっかりに、とんでもない犯罪行為をロリてしまった。
もし捕まるなら、君との生ハメセックスがご両親にバレてお縄になる方が何百倍もマシだった。
でも現実は、ブラカップ越しに軽くDカップの弾力を感じるか感じないかの程度。
改変世界では出会い頭に生乳を揉んでも許されたのに。
両方揉んでもいい?聞いたら自分から反対側の胸を差し出して来たのに。
やっぱり小学生とのセックスが許されていない現実世界は理不尽だ。
「だ、大丈夫ですからっ、ゆっくり起き上がって下さいっ」
しかし明日香ちゃんは悲鳴を上げることなく、僕が上体を起こすのを待っている。
僕も僕で、変に動くとバランスを崩してさらにおっぱいに触れそうで動けない。
僕が上手く起き上がれないと判断した明日香ちゃんは、
「わかりましたっ、私が先に起き上がるんで」
僕の下で自ら身を捩って、下から抜け出そうとする。ただ、下から抜ける動き。だが結果的に、僕に思い切りおっぱいを押し付ける格好になってしまう。
先程はブラカップで感触がわからないと言ったが、さすがにこの距離で押し付けられると、おっぱいの柔らかさも弾力もわかる。僕は今、小学生のおっぱいに顔に押し付けている。
これは紛れもなく、僕の知るDカップのおっぱい。久々に知る明日香ちゃんのおっぱいは、やっぱり雪乃ちゃんの膨らみかけより立派だった。
「だ、大丈夫ですか……?」
やっとのことで僕の下から這い出した明日香ちゃんが、立ち上がって僕に手を差し伸べる。さすがにおっぱい接触のアクシデントは彼女も気付いているだろうが、真面目な明日香ちゃんは僕の救助を優先した。僕が立ち上がるまでの間、愛犬のビスケットがきゃんきゃん吠えていたが、それが飼い主の危機を警戒した上での行為なら大正解だ。胸の押し付けがあと数秒長かったら、僕は間違いなく明日香ちゃんを押し倒していた。
「ほ、ほんとごめん、怪我とかしてない?」
さすがにやってしまったという意識が強い。
この反応なら大丈夫そうだが、時間差での通報も十二分にあり得る事態だった。
「け、怪我は、してないのでっ……」
それを聞いた明日香ちゃんは顔を真っ赤にして、大人の僕の体を必死に引き起こす。
怪我「は」ということは、やっぱりそれ以外の事態は自覚しているということだ。
顔を真っ赤にしているという反応から見ても、僕がおっぱいに触れたという意識があるのだろう。
これは完全に、終わったかもしれない。
僕のロリコン人生も、雪乃ちゃんとのプラトニックデートも、出来心がゆえの明日香ちゃんとの生ハメも。
すべてがご破産。
僕の人生は今度こそ終わった。
「じゃ、じゃあ私は帰りますのでっ」
ビスケットのリードを引き、逃げるようにマンションを去る明日香ちゃん。
これは完全に終わった。
住所もしっかり知られている。これは明日にでも警察が僕の玄関をノックするかもしれない。そう思ったのだけれど――
当日も次の日も、一向に警察は訪れなかった。
とはいえ午後イチかもしれないと、日課のリハビリもせず家の中でビクビクしていたのだが、それもない。
もしかして、明日香ちゃんは通報しなかったのか?
そう思うのが希望的観測なのはわかっている。
でも小学生にわいせつ行為を働いた男が二十四時間近く野放しにされるとは考えにくい。
おそるおそる、外に出てみる。
ドアを開けたらその瞬間刑事さんが顔を出す可能性も考えたが、それもない。
下手に外に出ない方が、という意識もあったが、今朝から何も口にせず冷蔵庫の中の空だし、出ないわけにもいかなかった。
見逃された?
警察に、ということはないだろう。
ということは明日香ちゃん本人にだ。
初犯だからなのか、本当に事故と思ったのか、明日香ちゃんは警察にもご両親にも知らせなかったのだ。
それを知る術は彼女の信頼を失った僕には最早ないが、警察が来ないという事実がその成否を物語っていた。僕は小学六年生のDカップおっぱいに顔を埋めたにもかかわらず、見逃されたのだ。
その事実には、正直胸を撫で下ろすところ。
逮捕はない。
雪乃ちゃんとの将来的なセックスも保証されている。
しかし喉元を過ぎれば、明日香ちゃんとセックスできる可能性を自ら摘んでしまった事実には後悔しかない。
改変世界と同じように、あの子のパイパンすじまんこで童貞を捨てられたら、本当に感無量だったのに。
そんなゲスなことを思いながら、いつものリハビリコースを歩く。
それは奇しくも昨日の明日香ちゃんの散歩コースで、時間帯も同じだが、さすがにあの事件の後で彼女が同じ場所を歩くこともないと思い、油断していた。
先に気付いたのは、犬だった。
キャンという小型犬の高い鳴き声。
その声の先から、茶色い小型犬、トイプードルが走ってくる。
飼い犬が単独で走ってくるわけはない。その先のリードを手に持つのは紛れもなく昨日の久道明日香ちゃんだった。
「こ、こんにちは」
自分から来たという感じではない。飼い犬に導かれたという感じだ。
しかし本当に嫌なら、犬が気付いた瞬間踵を返すはず。
そもそも昨日と同じ場所、同じ時間に、飼い犬の散歩をするわけがない。
警戒されているというより、気まずい空気。
彼女の足取りは重く、できるなら昨日の今日での会話は避けたいという感じだったが、彼女自身も飼い犬に身を任せたいという雰囲気だった。
要するに、会話はしたいけど、自分からきっかけは作れない。だから犬に任せた。そんな感じだ。
「こ、こんにちは」
僕も似たようなぎこちない挨拶を返した。
さすがに、昨日はおっぱい触ってごめんねと言うわけにもいかず、自然とぎこちない空気が流れる。
まずい。
ここは大人の方から会話を繋がないとと思ったが、昨日の明日香ちゃんを押し倒した光景が頭から離れない。なんであんなことがあったのに、思い切り顔でおっぱいを触ったのに、よりにもよって同じ場所にいるんだよ。
そんな言葉にならない沈黙を破ったのは、僕の生理現象だった。
生理現象と聞いて僕の下半身が反応したと思った人は、僕はロリコンのオオカミか何かと勘違いしてるんじゃないだろうか。この場合の生理現象は、僕のお腹の音だ。
「あ」
朝から何も食べていないせいか、かなり大きな腹の音が鳴り響いた。
正直大人としてかなり恥ずかしかったが、彼女との気まずい空気を、腹の音が緩和してくれたのは事実だった。
「お腹、空いてます?」
「朝から何も食べてなくて。冷蔵庫も空っぽだから、コンビニ弁当でも買おうかと」
あけすけな事情を話す。大の大人がコンビニ弁当という告白は避けるべきかとも思ったが、これが一人暮らしの男の実態なので隠しようがない。
しかしそれを聞いた明日香ちゃんは少しだけ思案して、とんでもないことを言ってきた。
それは、
「あの、よかったら、私ごはん作りましょうか?」
昨日おっぱいを触られた相手とは思えない、とんでもなく無防備で無警戒な提案だった。