※この作品はR-18です。

傷跡   作:モノクロさん

8 / 8
おまけです。
終局と書いてましたが、これはあくまでおまけです。
おまけですが、感想など書いて頂けたら作者は凄く喜びます。
それでは、おまけ編、お楽しみ下さい。


おまけ(R-18)

 真夏の熱帯夜。肌を伝う大粒の汗が、ゆっくりと身体を滑り落ちていく。

 

 まだまだ暑さは厳しく、零余子の寝巻きもすっかりと汗を吸って少し重くなっている。身を起こした零余子は、隣で眠る〇〇を一瞥した後、手拭いで汗を拭い、一糸纏わぬ姿で部屋を後にした。

 

 向かった先は家の近くにある小川だ。そこの水は夏でも冷たい。火照った身体を鎮めるには丁度良い。川岸に座り、流れる水の冷たさを肌で感じながら、ゆっくりと身体を清めていく。

 

 火照った身体もすっかりと冷え切り、寝巻きを着て、寝室へと戻る。寝室では○○が寝息を立てている。静かに眠るその姿を見て、零余子は少しだけ悪戯心が芽生えるのを感じた。

 

 自身の寝巻きの帯を解いてはだけさせ、そのまま○○の胸に顔を押し当てながら抱き締める。肌と肌が触れ合う感触は何とも言えない幸福感を齎し、零余子は思わず笑みを浮かべた。暫くの間、そうして○○の温もりを堪能していると、不意に背中に腕が回され、零余子は抱き寄せられる。

 

 起こしてしまったな。そう思いながらも、背中に回された腕に力が籠り、強く抱きしめられる感覚に、零余子は気持ち良さげに目を細め、○○の胸に頬を寄せる。

 

 そのままの状態で、零余子は○○に問いかけた。

 

「起きておったのか?」

 

「……あぁ……その、何というか……凄く良い香りがしてな」

 

「ふふっ、そうか。それは何よりだ」

 

 そう笑ってから暫くの間、二人は言葉を交わさなかった。聞こえ来るのはお互いの微かな呼吸音と鼓動のみ。触れ合う肌は熱を帯び、ジワリと汗が滲み始めた。鼓動は高鳴り、身体の密着がより一層強くなる。そして、その沈黙を破ったのは○○だった。

 

「零余子」

 

 名前を呼ばれ、返事をする前に顎を持ち上げられる。その表情は穏やかで、優しく、零余子はただ静かに○○の目を見つめ返す。○○はそんな零余子の肩を抱き直すと、そっと唇を重ねた。

 

 優しく啄ばむ様な口付けが繰り返された後、ゆっくりと唇を離していく。しかし、離れゆく〇〇の唇を逃すまいと、零余子は〇〇の背中に手を回し、そのまま引き寄せながら唇を重ねた。

 

「ん……」

 

 舌を絡ませ合い、貪り合う。蕩けるような口付け。零余子の、瑞々しく弾力性のある唇は、まるで熟した果実の様で、思わず食べてしまいたくなる程に愛おしい。

 

 呼吸を忘れるほどの口付けの後、唇を離して見つめ合う。

 

「○○……」

 

 切なげな表情を浮かべながら名前を呼ぶ零余子の姿に、○○は何も言わず再び唇を重ねた。肩を抱いた手を頬に添え、見上げる彼女に覆い被さる様に、再び唇を塞いだ。

 

 甘い吐息が漏れる。先程とは違い、今度は舌を絡ませない。○○は零余子の口内に舌を這わせていく。歯列をなぞり、上顎を撫で上げれば、零余子はビクビクと身体を震わせる。その反応が可愛らしく、○○は何度も繰り返し同じ個所を舌で愛撫していく。

 

「んっ……ふ……んんっ……」

 

 何度も、何度も執拗に同じ個所を責められ、零余子は次第に息苦しくなっていく。しかし、それでも○○は止めようとはしない。

 

 初めは、倒れない様に身体に力を込め、押し返しながらも〇〇の口付けを受け入れていた零余子だったが、徐々にその力は弱まり、少しずつ〇〇に押し倒される形で背中を布団に預ける形になっていく。

 

 零余子が抵抗しない事を良い事に、○○は執拗に同じ個所を愛撫し続け、やがて零余子の身体の力が抜け始めると、ようやく唇を離して身体を起こした。

 

 零余子は荒い呼吸を繰り返しながら、蕩けた表情で○○を見上げる。その表情に、そして、帯が解けて乱れた寝巻き姿の彼女が月の光に照らされて扇情的に映る。

 

 汗に濡れた肌に張り付いた艶やかな髪。朱色に染まった白い肌。慎ましやかだが、寝巻き越しに分かる女性的な身体が、荒い息で上下に動いている。

 

 名前を呼べば、潤んだ瞳で見つめ返される。その表情には、言葉にせずとも、続きを求める彼女の想いが、手に取る様にわかった。

 

 首筋に伝う大粒の汗に唇を這わせる。その行為は、まるで彼女が〇〇の首筋に歯を突き立て、血を啜るかの様に。

 

「……っ、んぅ……」

 

 くすぐったい様な、焦ったい様な、もどかしい感覚。〇〇の唇が、首筋から徐々に下へと降り、鎖骨へと移り、はだけた寝巻きから覗く零余子の乳房へと近付く。

 

 唇と同様に、張りのあるそれは、押せば跳ね返す弾力性があり…高揚する〇〇の感情とは裏腹に、行き着く先の快感を思い浮かべた零余子は、甘い声を漏らしながらも、思わず〇〇から離れようと、身を捩って抵抗する。

 

 しかし、身を捩る事で布団と背中との間に出来た隙間に〇〇は腕を回して逃げられない様に動きを封じ、そのまま零余子の身体を引き寄せ、乳頭へと唇を這わせた。

 

 瞬間、零余子は身体を大きく仰け反らせた。これまでに昂っていた感覚が一気に押し寄せたのだろう。軽く気をやった零余子は、〇〇の後頭部にしがみつき、身悶える様な快感に耐え続ける。

 

 零余子の乳房に何度も口付けをし、舌を這わせていく。その度に漏れる甘い声が愛おしくて堪らない。舌先で乳首を転がし、吸い付けば、零余子はより一層甘い声を漏らし、身体を反らした。

 

 間髪入れず、再び気をやった零余子。身体を痙攣させた彼女の寝巻きを肌蹴させる。汗ばんだ身体から立ち上る香りは、まるで媚薬の様に感覚を狂わせる。

 

 一糸まとわぬ姿となった零余子に覆い被さり、○○は口付けをする。その行為が再開の合図だ。

 

「んっ……はぁ……」

 

 何度も何度も唇を貪る。舌を絡ませ、口内を蹂躙する。零余子は苦し気に声を漏らすが、その声色に拒絶の色はない。

唇を離すと、追い縋る様に小さく開いた口から舌先が覗き、二人の間に唾液の橋がかかっていた。

 

「零余子」

 

 名前を呼べば、切なげな表情で見つめ返される。その表情に、○○は何も言わず再び唇を重ねる。

 

 互いの舌が絡み合い、熱い吐息と甘い声が漏れ出す。そうして口付けを交わしながら、○○は彼女の下腹部に手を這わせると、濡れそぼった蜜壺がじゅくりと音を奏で、〇〇の指に絡みつく。

 

「○○……指、を」

 

 震える声で、零余子は懇願する様に言った。指に絡みついた蜜壺は、彼女の期待の表れだろう。指を蜜で馴染ませ、ゆっくりと沈み込ませれば、零余子は声を漏らして身体を跳ねさせた。

 

 指を軽く曲げ、膣壁を擦り上げる。指を動かす度に溢れ出る蜜は量を増し、淫らな水音が室内に響き渡っていく。

 

 膣内のざらついた部分を擦り上げれば、零余子は背中を仰け反らせ、それと同時に膣壁が〇〇の指を千切らんばかりに締め上げた。

 

 受け入れる準備は整った。寝巻きを脱ぎ、外界に晒された〇〇の陰茎を見た零余子は、かつて自身の純潔を散らしたそれに、息を飲んだ。

 

 大きい。零余子の腕程に大きく聳り立つ魔羅は、あの時と同じく…否、あの時以上に己を主張していた。

 

「……はは、あの時もそうだったが、やはり凄いな。〇〇、お主のそれは……大きい……な」

 

 零余子は〇〇の魔羅に手を伸ばし、そっと手で包み込む様に握り締める。脈打つその感触と熱量。片手では包み切れない程の大きさに、零余子は興奮のあまり、息を荒くさせながら、〇〇の陰茎を自身の蜜壺へと導く。愛液で濡れた亀頭が、零余子の割れ目に口付けをする。

 

 早く欲しい。そう言わんばかりに亀頭に吸い付く蜜壺だが、果たしてその全てを納める事が出来るだろうか。少し不安に思ったが、〇〇に目で訴えかけると、それに応える様に、彼の陰茎がゆっくりと沈み込んだ。

 

 狭き膣内を拡張させ、陰茎が少しずつ埋まって行く。亀頭を飲み込み、カリ首を過ぎて竿の半ば手前まで入った所で、〇〇は零余子の様子を窺う。彼女は、押し広げられる感覚に耐える様な表情を浮かべていたが、しかし、その表情の中に確かな悦びが混じっているのが分かった。

 

 ならば問題ないだろう。〇〇は少しずつ沈ませていき、陰茎の凡そ七割辺りまで進めた所で、亀頭がこつりと何かに当たった。

 

 子宮口。○○の陰茎は、零余子の子宮口まで到達していたのだ。〇〇の亀頭が子宮口に触れていると分かると、零余子は小さく声を漏らして身体を震わせる。

しかし、ここで止めるつもりはない。〇〇は一気に腰を前に突き出した。その瞬間、子宮口を押し上げられた零余子は目を見開いて身体を硬直させ、声にならない声を上げた。

 

 ○○の陰茎が、子宮口を押し上げた衝撃は凄まじく、零余子は呼吸すらままならない程の快楽に全身を支配され、○○もまた、亀頭を包み込まれる様な感覚に身を震わせていた。

 

 膣内は〇〇の陰茎に絡みつき、子宮口は亀頭を受け入れんと、先端に吸い付いて離さない。ぼこりと膨らんだ腹部は、〇〇の陰茎の形が浮かび上がり、結合部からは愛液が滴り、布団を濡らした。

 

 膣内の痙攣が落ち着くのを待ってから、〇〇はゆっくりと腰を動かし始めた。初めは小さく、ゆっくりと。しかし、亀頭が子宮口に口付けを繰り返す内に、その動きは徐々に激しくなっていく。

 

 陰茎が零余子の膣内を往復する度に、子宮口が亀頭に突き上げられ、その度に零余子は声にならない声を上げる。

 

 〇〇もまた快楽に溺れそうになっていたが、必死に耐えながら腰を振り続けた。〇〇が腰を動かす度に、結合部からは卑猥な水音が鳴り響き、肉と肉がぶつかり合う乾いた音が室内に響く。

 

 突き上げられる度に肺の中から酸素が吐き出され、酸欠状態となった零余子は、朦朧とする意識の中で『フーッ‼︎ フーッ‼︎』と短い呼吸で無理やり酸素を取り込もうとしながら、身体全身に広がる怒涛の快楽の波の中、〇〇の身体にしがみつく事で精一杯だった。

 

 ふとした瞬間、ふわりと血の香りが鼻腔をくすぐる。甘美な香りに朦朧とする意識の中、吐き出される酸素を取り込もうとしていた口が小さく開き、〇〇の肩に歯を突き立てた。

 

 声が聞こえた。〇〇の声だ。しかし、口の中に広がる血の味と鼻腔に広がる香り。そして打ち付けられる度に足の爪先から脳天にかけて走る快楽なる刺激に思考は低下するのを、朧げな意識の中、実感した。

 

 自分の身体が、内側から作り替えられていく。膣内は〇〇の陰茎が納まる鞘の如く形を書き換えられ、出し入れされる度に膣壁の天井が抉られて嬌声が漏れ出る。

 

 子宮の入り口も、幾度となく打ち付けられ、押し広げられ、圧迫されて形を変えられ、自身の身体が自身のものではなくなっていく様な感覚に、ぞくりと身を震わせた。

 

 自分の身体が〇〇を受け入れる為だけに作り替えられている事に悦びを感じている。あの時、一方的に終わった行為と違い、今は互いの快楽に従い、その上で受け入れる悦びを享受しながら、昂る感覚が強くなるのを感じた。

 

 波が来る。それも、今までに体験した事がない様な強い波だ。〇〇も同じだろう。陰茎が震えて、何かに備えているのを膣越しに感じる。

 

 それが何か、知らぬほど無知ではない。子を成す為の行為。それが快楽的な行為として成り立つ事も理解している。〇〇が腰の動きを速めた。同時に、零余子もまた、無意識に〇〇の腰に足を絡めて逃がさない。互いの動きと呼吸が一つとなり、共に果てようと、腰を打ち付け、打ち付けられ、そして、子宮口を突き破らん勢いで打ち付けた後に、〇〇は己が欲望を全て吐き出した。

 

「っっっっっっ‼︎」

 

 溶岩の如く熱き精が、零余子の子宮に流しこまれる。子宮内に収まりきらなかった〇〇の精が逆流して、体外にまで放出される感覚に、零余子は深く長い快楽の海に投げ出され、視覚を暗転させ、何度も身体を痙攣させながら、精を受け入れた。

 

 子宮の中が満たされ、下腹部が僅かに盛り上がる。受け入れた精が子宮を満たし、膨れ上がった結果なのだろう。精を出し切った〇〇は、息を荒げながら零余子の上に覆い被さった。汗ばんだ身体が触れ合い、互いの体温と鼓動を肌で感じながら、絶え間なく続く絶頂に、二人は抱き合ったまま身を委ねていた。

 

 互いの荒い呼吸だけが室内を支配する中、〇〇は膣内の痙攣が収まるのを待ってから陰茎を引き抜こうとした。しかし、零余子は繋がったままでいたかったのだろう。〇〇の腰に絡めていた足に力を入れた。

 

 零余子の行動に気付いた〇〇は、腰の動きを止める。そのままの体勢で見つめ合う中、零余子の視線が自身の肩へと向けられている事に気付いた。

 

 そういえば、交わっている最中に肩を噛まれたな。そう思いながら、僅かに出血している自身の肩へと視線を外すと、まだ固まりきっていない血を少し舐め、そのまま零余子に深く口付けをした。

口内に広がる血の味と、互いの唾液が混ざり合うのを感じながら、零余子は〇〇の首に腕を回して抱き着いた。

 

 暫くの交わりの後、名残惜しそうに唇を離すと、漸く落ち着きを取り戻したのだろう。息を荒げながらも、零余子は汗に濡れた顔で、〇〇に笑みを向けた。

 

 そして、視線を下腹部へと向け、膨らんだ子宮辺りを愛おしそうに撫でると、蕩けた瞳で見つめながら、熱い吐息と共に言葉を口にした。

 

「凄いな…こんなに出すとは。鬼でなかったら孕んでいるのではないか?」

 

 人と鬼だ、交わったとて、孕む事はないだろう。仮に孕んだとしても、鬼が人の子を孕めば、孕んだ子を食糧と誤認して胎内で消化するかもしれない。その逆の場合は、鬼に必要な栄養を摂る事ができず、胎内で死ぬかのどちらかだろう。

 

 それでも、交わりの果てに注ぎ込まれた〇〇の精に、零余子は深い幸福感を得ていた。

 

 そんな彼女の心境を知ってか知らずか、何かを言いかけた〇〇を遮り、零余子は蠱惑的な笑みを浮かべて想いの内を投げかけた。

 

「〇〇、私は孕みたいな。お主の子を。無理と分かっていても、孕みたいな。だから…」

 

 零余子は〇〇の耳元に口を寄せ、小さく囁いた。

 

「もう一度……な?」

 

 その言葉に逆らえる筈もない。〇〇は再び硬くなり始めた陰茎を、零余子の奥深くに再び押し込んだ。

 

 そうして再開される行為の最中、〇〇は考える。鬼が孕む事はないだろう。あくまでも方便だ。もっと長く、深く交わりたい。もっと激しく、それこそ、獣の様に。一度とは言わず、いくらでも、それこそ、精魂尽き果てるまで交わりたい。そう暗に告げる彼女の言葉に応えるべく、〇〇は腰を動かし続けた。

 

 〇〇の精をその身に受け入れながら、零余子は快楽の海に溺れる。幸福感と絶頂に思考が真っ白になり、意識が途切れそうになりながらも、ここ幸せを噛み締めたく、歯を食いしばって〇〇の首に抱き着き、彼を受け入れた。

 

 二度目の射精。最初のそれですら、子宮を満たした量と同等のものが子宮を圧迫し、耐えきれずに逆流して体外に噴き出る。〇〇の精だけではない。愛液とも小水とも違う液体も吹き出しながら、尚も〇〇を求めて繋がり合う。

 

 四つん這いにされ、後ろから獣の如く突かれた。正面からの交わりと違い、打ち付けられる角度や、膣内を削られる感覚が変わり、布団に顔を埋めながらはしたなく漏れる嬌声を必死に抑える。

 

 だが、〇〇がそれを良しとしなかった。無理矢理上体を起こされながらに打ち付けられれば、恥も外聞もない乱れた声が部屋に木霊する。手で口を塞ぎたくとも、両腕共に拘束された状態では、それも叶わず、イヤイヤと首を振りながら、放たれた精により、零余子は背中を大きくのけ反らせながら深く達した。

 

 涙と涎で顔がぐしゃぐしゃになりながらも、それでも〇〇は止まらない。再びの正面からの交わり、思いつく限りの体位を試行錯誤しながら、零余子の身体を…零余子の内側を、〇〇の陰茎が納まる鞘として教え込ませた。

 

 精を放つ。何度も絶頂しながらも、泣きながらに受け入れ愛を交わした。

 

 再び精を放つ。荒い息と焦点の定まらぬ視線でありながらも、必死に縋り付く。親鳥から餌を強請る雛鳥の如く、小さく開いた口からはおずおずと舌先が顔を出し、〇〇は零余子に噛まれた傷跡から固まった血を舐めとり、唾液に混ぜてから口付けで流し込んだ。

 

 その頃には夜も明け、朝日が顔を出し、陽の光が暗がりの部屋を明るくしたが、その間も交わりは止まらなかった。陽の光が当たらぬ以上、問題ないだろう。

 

 月夜の明かりだけでは分からなかった乱れきった零余子の姿は、普段の彼女からは想像がつかない。

 

 取り付く島もなく、突かれては上下に身体が揺れ、吐き出される息と共に声が漏れ出る姿は、後に平静な状態に戻った彼女からすれば、顔を覆いたくなる出来事だろう。

 

 再び精を放つ。この頃には言葉を発する事すら出来なくなっていた。『ア"ッ…ヴッ…』と〇〇の動きに合わせて短い嬌声が喉から搾り出される程度だ。

 

 意識があるかどうかすら定かではない。それでも、精を放つ瞬間の締め付けや、注がれていく最中の苦しそうでいて嬉しそうな笑みに〇〇は行為を止める事はなかった。

 

 朝日が昇り、昼時となり、日が暮れて夜の帳が下りる頃、汗と愛液、そして収まりきらずに吹き出した精で布団がぐちゃぐちゃになって尚、二人の交わりは続いていた。

 

 とはいえ、一日中交わり続けたのだ。流石の〇〇も、精魂尽き果て、この交わりが最後の交わりとなるだろう。

 

 座った姿勢のまま、正面から零余子を抱きしめながらに繋がる。僅かな振動によって揺れる零余子は、喉が枯れて声すら発せなくなっていた。

 

 やりすぎた。そう反省しながらも、胸に顔を埋め、投げ出された両腕が、力無く背中へと回そうとしている姿に、これまでにない背徳感を感じながら最後の一絞りを放った。

 

 僅かに揺れる身体に、まだ反応する力が残っていたのだと実感し、優しく抱きしめる。

 

 暫くして、濡れた布団の上に横にさせるのは申し訳ないのと、汗と涙と鼻水でぐちゃぐちゃになった零余子の身体を清めるべく、〇〇は陰茎を抜いた後、彼女を抱き抱えて立ち上がった。

 

 陰茎という栓が抜けた事で、子宮内に溜まっていた精液が溢れ落ち、床を濡らす。更に、独特の匂いが鼻腔を撫で、精液と共に小水も漏らしたのだと思いながら、〇〇は家を出て小川へと向かった。

 

 熱気の籠った室内と比べて、外は幾分かマシだった。蒸し暑くはあるが、風が肌を撫でて心地良い。

 

 抱き抱えていた零余子を下ろすと、手拭いを水に浸し、顔から首筋へと身体を拭い、最後に秘部を清める。

 

 『あ……う……』と、小さく声を漏らしながら身動ぐ零余子に、〇〇は申し訳なさそうな表情を浮かべながらも、手拭いで清めていった。一通り拭き終えた〇〇は、次いで自身の身体も拭おうと水に浸した手拭いで身体を拭うも、背中に触れた途端、顔を僅かに歪める。

 

 背中には無数の引っ掻き傷の跡。零余子が無意識に爪を立て、皮膚が裂けたものだ。そこから出血し、意識が朦朧とする中に血の匂いを嗅いだ彼女が、肩に歯を立て血を啜った。

 

 零余子と深く交われば交わる程に、身体に彼女のつけた傷跡が残る。そう思うと、背中の傷も、肩の傷も、そして、初めて交わった後に残した傷跡も、全てが愛おしく感じる。〇〇はそんな気持ちを抱えながら身体を拭い、着替えを済ませると、零余子を抱き抱えて帰路に就いた。

 

 布団は明日、陽のあるうちに洗って干すとしよう。換気をして、新しい布団を敷き直した〇〇は、疲れ切って意識が定かではない零余子を布団に寝かせると、彼女の隣に横になった。

 

「……〇〇」

 

 ふと、零余子から言葉が漏れる。〇〇が彼女の手を握りながら視線を向けるも、やはり殆ど無意識の中での言の葉だった様だ。それでも、彼女から名を呼ばれた事が嬉しかった〇〇は、零余子を抱き寄せてから眠りについた。

 

 翌朝、〇〇は小鳥の囀りで目を覚ました。腕の中にいた零余子は、まだ寝息を立てている。昨晩までの乱れた姿からは想像がつかない穏やかな寝顔に、〇〇は思わず笑みを浮かべながら、彼女の頭を撫でた。

 

 暫くして、零余子の目がゆっくりと開くと、〇〇はそっと頭を撫でるのをやめた。まだ眠いのだろう。ぼんやりとした表情で〇〇の顔を見つめる零余子は、ややあってからハッとした表情を浮かべると、布団に潜って顔を隠す。

 

 昨晩までの乱れっぷりを思い出したのだろう。そんな零余子の様子に〇〇は布団の上から優しく彼女の頭を撫でた。そうしていると、もぞもぞと顔を出した零余子は、気恥ずかしそうにしながらも〇〇に微笑みかける。

 

 〇〇もまた笑みを返すと、零余子がゆっくりと上体を起こした。まだ眠そうにしながらも、どこかスッキリとした表情を浮かべて伸びをする零余子は、〇〇に向けて手を伸ばすと、口を開く。

 

 その声は、普段の彼女らしい澄んだ声だった。零余子の口から発せられた言葉はたった一言。

 

「ーーーーーっ」

 

 ただ、その一言が〇〇の心に深く沁み渡った。




ここまで見て頂き感謝です。
今後も、様々な作品を書いていきますが、もしも、このキャラを書いて欲しいなどありましたらお気軽にご相談下さい。
※尚、作者がその作品を未読や未視聴だった場合、書く事が出来ませんのでご了承ください。作者はFate関連やブルアカなどのアプリ関連をこよなく愛してますので、もしかけるとしたらこの辺りでしたら頑張れます。
それでは、失礼します。
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