よろしくお願いします。
「シュライグっ!! アンタまたそんなに傷を増やして……っ!!」
そんな彼ら
「いつものことだ」
──が、恐怖で震えている者らや、憤怒で震えているフェリジットのことをどこ吹く風、とばかりにシュライグと呼ばれた百舌鳥の青年は無感情。
そそくさと戦闘で負った外傷に消毒液をぶっかけ塗り薬を塗布。それからガーゼを貼ってから包帯を巻く姿は慣れたもの。尤も、かなり乱雑ではあるが。
「いつものことって……! 前線に
「……そんな馬鹿が居るのか? 自分から怪我をしに行って万が一があってからでは遅い。リズ、そいつによく言っておいてくれ」
「そんな馬鹿はアンタよっ!! ア・ン・タっ!!」
キシャーっ! と再び耳を立て八重歯を覗かせながら怒るフェリジット。ピリついた空気になりかねるも、当事者のシュライグは目をぱちくりとさせて数度
「何のことだリズ? オレは自分から怪我をしにいった覚えはないんだが」
「じゃあその腕の切り傷は何なのよ!?」
「これはナーベルが背後から刺されそうだったのを庇ったものだ」
「じゃあその頬の火傷は!?」
「これは仕掛けた爆薬の量を間違えて吹き飛ばされそうになったキットを庇ったものだ」
「じゃあその足の刺し傷は!?」
「これは射られそうになったケラスを庇ったものだ」
「全部自分から怪我しに行ったやつじゃないの!!」
「それは違う。これは庇って負った傷だ。オレは自分から怪我をしに行った覚えはない」
「あっ、アンタって奴は……っ!!」
ああ言えばこう言う、とばかりにシュライグは至極真面目な表情。対してフェリジットは目をピクピクと引き攣らせるに留まらず、顔の熱は上がっていくばかり。
「ルガル!! アンタからも何か言ってよ!!」
「諦めろリズ。シュライグがそうなのはいつものことだ」
「だけど──っ!!」
シュライグほど、ではないが同じく傷を負って帰ってきた狼の獣人──ルガルにフェリジットは援護射撃を要請。しかし既に陥落していたのか望んでいた言葉は放たれず、むしろ白旗を振られる始末。
“始まりの三人”であるもう一人の言葉ならと期待をかけたものの、その期待は既に皆無。
フェリジット自身もシュライグの行動をある程度は理解できるが、それでも胸のモヤモヤは晴れない。ならばせめて怪我をしないようにと口を酸っぱくしても全く聞き入れられる様子はない。
「鳥頭には何を言ってもわからんだろうよ──なぁシュライグ?」
「うん? 確かにオレは鳥の獣人だから鳥頭には違いないだろう」
「ほら、こういう奴だ。まぁ俺も前線に居るから馬鹿な真似はさせないよう目と鼻は利かせるさ」
「ぅぐぐ……!!」
「どうしたリズ?」
「ふにゃっ!?」
そこまで言われてはフェリジットもただ唸るのみ。不満そうにゴロゴロと喉を鳴らしてシュライグを睨みつけるが『喉の調子でも悪いのか?』と思われて顎をクイっと持ち上げられる。突飛な行動に思わず高い声が上がり、顔に別の熱が籠もってしまう。
「き、急に変なことするんじゃないわよ!! あー、もうっ! どいつもこいつも……!」
「おっと、これ以上は雷が落ちるか? シュライグ、落とされては敵わんからひとっ風呂行くぞ」
「ん? よくわからないが、わかった」
「ちょっとまだ話は終わってな──」
「何だ? 裸の付き合いで良ければ続きを──」
「さっさと行け馬鹿っ!!」
がはははは、と男同士特有の馬鹿騒ぎをしながらこの場から離れる男二人。すたこらさっさと逃げる様は狼と小さな猛禽類に流石と言わざるを得ない。
奪還した同胞達はいつの間にかフラクトールやケラスらが別所へと案内。フェリジットは一人ポツンとその場に取り残され──
「絶っ対に、あんの馬鹿にわからせてやる……!!」
──二人が去って行った方へと目を据わらせていた。
「──って、言ったけど何にも思い浮かばない……」
はぁ、と消沈気味に鍋の中身をかき混ぜるフェリジット。男達がわいわいガヤガヤと浴場で清めている間、こうやって食事を作るのが
言葉で──言っても聞かない。
物理で──殴っても敵わない。
これは困ったぞ、とフェリジットは鍋底が焦げ付かないに気をつけながらうーんうーんと尻尾を左右に振って思案するも良案は出ず。
「どうしたのリズ姉ちゃん? そんなに悩んで」
「──キット」
そんな悩めるフェリジットに調理台を挟んだ向こうからひょい、と顔を出す影が一つ。
フェリジットを一、二回りほど縮ませたような身の丈と容姿にして、
「いやね、シュライグっていっつも怪我して帰ってくるじゃない?」
「うんうん」
「抗争だから怪我を負うのはわかるんだけど、それにしたってあの馬鹿は自分を省みずに誰かを庇って怪我ばっか。大怪我じゃないからまだ良いけど、あんなこと続けてたら体がもたないわよ」
「そうだよねー、私も抱きしめ庇ってもらったけど、毎回あんなことしてちゃ危ないもんね」
「ん゛んっ! ──そ、そうそう。だけどいくら言っても聞かないし、かと言って力じゃ敵わないしでどうしたものかなーって」
「ふむふむ、なるほどなるほど。そうだね──」
うんうんと頷くキット。姉であるフェリジットの言も尤も。現にキットも今日の戦闘でシュライグが身を挺して庇われたこともあり、さらっと姉の目の前に爆弾を設置するようなことを言いつつ、フェリジットと同じように少しばかり思考の渦へと意識を集中。
キットは
するとキットは
「──ヤるしかないねっ!!」
「お馬鹿っ!!」
「ふにゃんっ!?」
間髪入れずにスパァンっ! と平手を最愛の妹であるキットのピンク色の髪と脳髄へ一撃。
叩かれたキットは目尻に薄っすらと雫を溜めつつ、何で怒られたのか理解できない幼子のような顔を浮かべる。
「はぁ……あのねぇキット。あんな朴念仁の権化みたいなシュライグがそういうことをやるイメージある? ないでしょ? だからその案はなし」
「えぇー? でもリズ姉ちゃんは美人でスタイル良くて色っぽくて世話焼きで意外と奥手で初心っぽいからイケると思うんだけどなぁ」
「そ、そう? ありが──待って。途中褒めてないわよねそれ?」
「だからね、リズ姉ちゃんの妖艶さと生娘感が混ざったギャップエロで堕とせない男はいないよっ!!」
「話を聞きなさい発情期」
何ということだ、妹は思春期──ならぬ発情期。おそらくあの髪色と同じ色で脳内が一杯になってしまったのだろうとフェリジットは別の問題で頭を抱える。怒るどころか呆れてしまい手をあげることすら諦め、はぁと深いため息を一つ。
「はぁ……キット、何度でも言うけどシュライグよ? そういう、その……ぇ、えっちぃことには興味も関心もないし、それでわからせるって言うのも──」
「できるよっ!! ほら、このドラグマの御禁制の薄い
「あいつら馬鹿なの?」
何ということだ(二回目)、妹がこうなってしまったのは仇敵のいかがわしい本の所為──呆れると同時に妹の性教育に多大な悪影響を与えたことにフェリジットは静かに怒りを覚える。
「それにねリズ姉ちゃん。女が攻めても良いと思うんだ」
「……上になるってこと?」
「そういうことじゃなくて──はいこれ」
怪訝な表情のフェリジットにキットは愛用の鞄から薄い本を差し出す。一見するとお堅い文字が表紙に綴られている立派な装丁。
渋い表情のまま受け取って、ページをめくると──
「ひゃっ──!!」
「こういうことでシュライグをわからせればイイんだよ!!」
──赤熱した鉄の如く赤面。顔全体どころか首元まで朱に染まり、書かれている内容と描かれている挿絵を高鳴る胸の鼓動をBGMに読み進める。
『わ、わぁ……!』と顔を真っ赤にしながらもその眼差しは真剣。記述と挿絵を血走った目で走らせ、興奮する様はさながら思春期男子の如く。
「そしてそんなリズ姉ちゃんに朗報。何と今日までの戦果でこれとこれとこれが今手元に」
夢中になるフェリジットに囁くように顔を近づけ、キットは徐に鞄から三つの小瓶を取り出す。
一つは錠剤が詰まった小瓶。
一つはピンク色一杯の小瓶。
一つは無色透明一杯の小瓶。
小瓶に貼ってあるラベルと、本に書かれている項目にフェリジットは視線を交互。
「どうするリズ姉ちゃん? 今日の食事当番は私たちだけど、次はいつになるか……やるなら、今日しかないよ?」
続けてキットは姉の耳元で囁く。その囁きはまさに
「珍しいなリズがこんな時間に整備するなんて」
「今日は食事当番だったから。あとシチュー焦がしちゃって片付けが遅れたのよ」
食後。倉庫内にてシュライグとフェリジットは二人並んで装備の整備をしていた。
シュライグはもちろん愛用の銃と、普段使いの機械翼を分解。細かな汚れを拭い傷の補修。加えて古くなった部品を取り換えたり、オイルの交換等を慣れた手つきで行う。
一方のフェリジットも同様。愛用の
フェリジットもいつもと同じように整備しつつも、どこか普段と異なる様子。やたらめったら
そんなフェリジットの様子を見てシュライグはどこか引っ掛かるものの『そういえば女性獣人が夜遅くまで起きるのは美容の大敵と言っていたな。寝る時間を気にしているんだろう』と特に気にせず作業を続行しようとし──
「むっ……」
──
流石にこの場で寝てしまっては作業しているフェリジットに対して気が引ける。残りの作業を明日の朝イチで済ませれば何も問題はないなと逡巡し、シュライグは片付け始めようと手を伸ばし──
「ぐっ……!」
──その手がボヤけて見える。まるで水中に居る時のような視界にとうとう睡魔が本気を出して襲ってきたかと、見えない敵に対して強い敵意を向ける。このままではフェリジットに迷惑をかけてしまう。
(負けない……! 睡魔になぞ負けてなるものか……っ!!)
シュライグは
「……ぉゃ……ュ…ィ……」
「ぁ……あ……」
──その意志は瓦解する。頬にムチムチと張りと柔らかさが絶妙に同居した感触。それでいてどこか安心する香りが鼻孔をつく。強く持ったハズの意識は崩れ落ちる砂のように儚く壊れ、シュライグの意識は夢の中へ羽ばたく。
最後に聞こえてきた同胞の心地よい声色が彼の意識を刈り取る呼び水となり、安堵の表情を浮かべたまま彼は眠りについた──
「──これで、よし」
──数分後。フェリジットは強張った表情のまま、額の汗を拭った。
現在、倉庫内にはフェリジットとシュライグの二人のみ。シュライグは夕食時にキットとフェリジットが一服盛った遅効性の睡眠薬の所為で意識は夢の中。意識が完全になくなる寸前にフェリジットが内心であわあわと赤面しながら膝枕で受け止めたが、残念ながら知らぬまま。
それからそっと頭を床に置かれフェリジットは胸を高鳴らせながら淡々と準備を進めていた。
先ずシュライグの両手首をロープで縛り、それを天井の梁と繋げて吊るし上げる。百舌鳥が自分が狩った獲物を木の枝に吊るすのと同じこと。シュライグの巨躯を吊るすのには少し手こずったが、キットが気を利かせて梁に滑車を用意。非力な女性の力でもシュライグの両腕を上げた状態で吊るすことに成功した。ただし流石に浮かせるほどの力はなかったため、地に足はついたまま。
(……中々いい眺めね……)
その恰好でスヤスヤと静かな寝息を立てながら眠るシュライグにフェリジットの下腹部に熱が籠る。寸前までは花も恥じらう生娘のように大きく心臓を鳴らしていたが、睡眠薬を食事に盛った時点で彼女の覚悟は決まった。
「しまった、先に脱がせるべきだったわね」
しかしここでうっかりフェリジット。両手首を縛り吊るし上げてから凡ミスに気付く。仕方ないかと気持ちを切り替え、ならば局部だけでも露にすれば良いかとシュライグの衣服に手をかけ──
「あっ、あれ? ちょ──キツ……!」
──ようとするも、中々上手く脱がせない。身体にフィットしている材質という理由もあるが、シュライグのその立派な胸筋にファスナーが止まり、そこから下へ降ろせない。『ぐぬぬぬ……!』と相手の衣服をスムーズに脱がせられない童貞のようなムーブ。
「この……! デカいのよ、アンタ──あっ」
瞬間、パキン、と軽い金属音が響く。力任せに下げようとした所為か、ファスナーは胸より下へ降ろせたが破損してしまった。丁度ヘソの辺りで止まり、シュライグの精悍かつ頑健な胸と、六つに分かれた腹の筋。そして普段から日光に晒されないように肌を隠しているお陰か、白毛のオオカラモズを彷彿とさせる白い肌。
「──っ、」
刹那、フェリジットの理性は砂上の城が如く崩壊した。顔をシュライグの立派な胸へと押し付け、深く深呼吸をしながらスリスリと。まるで猫のマーキングの行動だがそれを咎める者はこの場に皆無。すぅーはぁーすぅーはぁーと鼻からだけでなく口からもシュライグの匂いを取り込まんとする様は完全に盛った獣そのもの。
するり、と彼の衣服の内側へと手を潜らせる。鍛え上げられた逞しい腹筋を下から上へと撫で上げてゴツゴツとした感触を堪能。すーっ、とそのまま指先を上半身へ。脇腹から上へとなぞり、それを前面側──胸へと移行。胸囲だけであればフェリジット自身を上回るその鳥胸を下から掬い上げるように触れると、腹筋とはまた違った硬さに加えて上部には張りと柔らかさも兼ねている。フェリジットはその硬さと柔らかさが同居している部分に幾度も指を這わせて愉しむばかりか、大口を開けて吸付く。ピチャピチャと水音を鳴らしつつ、猫科獣人特有の長い舌を蛇のように動かしてむしゃぶりつく。氷菓子を大事に大事に舐める幼子のように、何度も何度も愛おしそうに舐めしゃぶる姿はさながら赤子のよう。
そして赤子ならば口に含むのは胸の頂点。フェリジットが長い舌で頂点の周りをなぞるように動かすと、無意識のハズのシュライグの身体がビクンっと僅かに跳ねる。それを見て『ふーん……』と小悪魔的な笑みを浮かべると、今度は舌を上下や左右にチロチロと動かして頂きを刺激。その度に苛めている身体は本人の意志とは関係なく反応し、悶えるように小刻みに震えるほど。
(かわいい……)
いつもは生真面目で仏頂面な
左手で彼の右胸をなぞったり揉んだり、口は左胸全体とその頂点への刺激に夢中。右手は背中へと這わせ、真ん中あたりから下へ下へとゆっくりとなぞり、尾骶骨にまで到達。そこからさらに下へと動かし、強靭な下半身を根本となる尻へ。筋張って胸ほどの柔らかさはないが、それでも胸よりは揉み甲斐はある。右手の平を大きく開き、彼の左尻を何の躊躇もなく鷲掴みするフェリジット。それぞれの指をウネウネと蠢くミミズのように動かしては尻の部位それぞれを堪能。はぁはぁと呼吸を荒くしつつ、左手の胸を揉む手も止まる気配はない上、匂いだけのマーキングのつもりがシュライグの胸や脇腹、首筋へヴァンパイアのように吸付いては赤い花を咲かせていく。
力一杯吸付いて咲かせた赤い花を一瞥し、自分のモノであると印を付けたことに彼女の優越感はさらに高まる。さて次は、と右手を下半身のもっと下へと動かそうとした時──
「──何を、していりゅんだ。リじゅ……」
──
まだ意識がハッキリと戻っていないのか眠たげな幼児のような眼差しで、呂律も回ってはいない。普段は
「何って……アンタが言ってもわからないから、身体でわからせてあげるのよ」
「にゃにを……言ってりゅ……?」
「こういうこと──よっ」
「んぎぃっ!?」
瞬間、フェリジットの細く長い指がシュライグの秘穴に侵入。突然の感覚にシュライグは悲鳴と嬌声が交じり合った声を上げ、フェリジットの興奮がさらに加速。秘穴の中へ挿入した指を暴れ狂う大蛇のように縦横無尽に這わせるとシュライグが腰が前後に震える。その執拗な攻めを避けんとするのか、はたまた任せようとしているのか。どちらにせよシュライグは苦悶の表情のままであり、むしろ彼女の嗜虐心をそそるだけ。
しかし、フェリジットも鬼・悪魔ではない。指の動きを緩慢にさせ、シュライグに耳元へと顔を近づけて囁く。
「シュライグ。今ここでもう自分から馬鹿みたいに怪我をしに行かないってアタシと約束できるんなら、
「にゃ、にを……!」
「アンタは庇い過ぎなのよ。庇うなとは言わないけど、もう少しやり方を考えなさい。それか──」
「しょれ、は……! でき……にゃい……っ!!」
「……そう、できないのね」
そうフェリジットは冷たく反芻すると、ゆっくりとシュライグの秘穴から指を引き抜いた。
ぜぇぜぇと肩で息を整えようとするシュライグを横目に、倉庫内に予め置いていた桃色の小瓶を手に取り──
「じゃあ──約束できるまでって言うまでアタシも辞めないわ」
「んぐぅっ!?」
──シュライグの鼻を摘まむ。突然、呼吸口の一つを潰されたシュライグは目を見開くも、それだけでフェリジットの手が離れることはない。荒い呼吸をしていたところに空気の通り口を封じられては堪ったものではない、と身体は否応がなしに口から空気を取り入れようと大口を開こうとし──
「がぁっ──ぐっ──っ!?」
──その瞬間、フェリジットが桃色の小瓶に入った液体をシュライグの口内へ強引に流し込む。未だ鼻を摘ままれているシュライグにとって呼吸を確保するためには口内の液体を嚥下せざるを得ない。彼自身の意志とは無関係に、身体は反射的に妖しい桃色の液体を飲み込んでしまう。
小瓶の中身をあらかた飲み込んだのを確認したフェリジットはそれを乱暴に投げ捨て、続けて腰に下げていたナイフを取り出す。それをシュライグ──の下半身局部に向けると、器用に局部部分だけが露出するように切り裂いた。下衣も下着も無残に裂かれ、シュライグの愚息が露になる。
既にフェリジットの苛烈な攻めでモノは膨張済み。心臓の鼓動と呼応するようにビクビクと震えており、それを見た彼女は悪戯な笑みを浮かべて、モノに指先を這わせる。
「ぐっ……!」
「ねぇシュライグ。ここ──辛いでしょ? 楽になりたかったら、さっきの約束守れるわよね?」
「
「そう」
フェリジットの淫魔のような囁きに屈さないとばかりにシュライグは断固拒否。それをフェリジットは冷めた目で見るなり、懐からヘアゴムを取り出す。それを自分の髪──
「んぎぃっ……!」
「じゃあこれはお預け」
──ではなく、シュライグのモノにキツく結わえた。あと少しでも刺激を加えれば解き放たれてもおかしくはない状況だったモノの根本を縛られ、シュライグのモノは血管が浮き出るほど激しく膨張。
またそれだけではなく、何故か竿の下部──陰嚢も肥大化。それも普段からは想像ができないほど──片方が両手拳分ほどの大きさになっている。それが二つともなれば相当な重量だ。一体何が起きているんだ、と熱に浮かされているシュライグに再びフェリジットが囁く。
「さっき飲ませたのは強制的に繁殖期へ促すクスリよ。身体も熱くなってきたし、それにオスの鳥の獣人は繁殖期に
「ひゃ──」
ゾクリ、とシュライグの背に悪寒が走る。精巣が百倍まで巨大化となれば恐怖しかない。とは言えシュライグ当人としては『こんなものをぶら下げて戦闘に行くのか?』という心配なのだが。
そんな見当違いな心配をしているシュライグを横目にフェリジットは無色透明の小瓶を取り出し、その中身をシュライグの下半身へとぶっかける。下半身をスライムのような粘性を持った液体で浸されて不快感が出るも、拘束されたシュライグでは打つ手はない。
「今度はここね」
「り、りじゅ……ゃ、やめ──」
「ダーメ」
「ぅぎゅっ!?」
粘性のある液体──所謂ローションをぶちまけられ、再度シュライグの秘穴にフェリジットの指が侵入。今度はローションで滑りが各段に向上されており、秘穴の中も滞りなく蹂躙される始末。
さらに今度は秘穴内に留まらず、生殖器と秘穴の間──前立腺をフェリジットの親指が突く。ゴリゴリとなぞる様は乱暴・乱雑としか言いようがないが、繁殖期と同じ状態になっているシュライグにとっては快楽でしかない。
弄ばれる度に身体はビクンと跳ね、モノも早く解き放てと言わんばかりに小刻みに震える──が、根本をヘアゴムで結わえられているために解放は許されない。
「ふふ、良い表情ねシュライグ。どう? アタシとの約束、守ってくれる?」
「んっ、ぐっ……ら、らめらぁ……!」
「はぁ……アンタも強情ね」
やれやれ、といった表情でフェリジットはシュライグから一旦離れる。小鹿のようにプルプルと足を震わせるシュライグは少しだけ休憩できるのかと淡い希望を抱き──
「もうこれでわからせるしかないわね」
──一瞬にして絶望に変わる。
フェリジットが手に持っているのは彼女の愛用の
「ゃ、やめりょ、りじゅ……しょんなの──」
「何言ってんの? アンタが嫌々言うからアタシも仕方なく──そう、仕方なくやるのよ?」
フェリジットは演技がかったようにそう言うと、シュライグの両手を縛るロープの長さを調節し──彼の背中を蹴り飛ばす。
全身に力が入らないシュライグは無抵抗のまま前のめりに倒れ、両膝を地につける。両手も同じように地についており、その姿勢は四足動物──つまり、四つん這いの状態。
背後から見れば彼の秘穴がフェリジットに弄られてヒクヒクと震えている上、ローションでテカテカと輝いている。
「じゃ──
「ゃ、ゃめ──んごぉっ!?」
刹那──シュライグは下半身に圧迫感。フェリジットの45口径
挿入された瞬間、シュライグの愚息は快楽の熱を放とうと暴れ狂うが
気持ちいいのに気持ちよくない──天国と地獄の狭間に居るかのような感覚に、大の大人であるにも関わらずシュライグは大粒の涙をポロポロと零す。
「ほぅらシュライグ。素直に『もう自分から怪我しに行きません』って言えば許してあげるわよ」
「ぉあっ! ごっ!!」
しかしそんな状況でもフェリジットは攻め手は緩めない。
またフェリジットが耳元で囁いてもシュライグは到底答えられる状況ではない。囀る嬌声で啼くしかできない憐れな百舌鳥と化した彼は、上気した表情でフェリジットを眺めるのみ。
そんな弱々しい姿のシュライグを見て、フェリジットは加虐心がそそられ、同じように上気した顔を彼のすぐ真横に近づけ──
「どうシュライグ? ただ私と約束するだけで良いのよ?」
「ぁお、あっ、あぁっ!!」
「ん? ──んむぅっ!?」
──その唇を貪られた。雛鳥が親鳥からエサをもらうように、何度も何度も小さな口付けたるバードキッスを交わし、僅かに口内に残っていたクスリもフェリジットの口内へ。
突然の行動にフェリジットも最初は面食らうが、必死に何度も唇を求めるシュライグの姿に庇護欲に近いものが芽生え、応じるように唇を重ねていく。またそれだけに留まらず、彼の口内をフェリジットの長い舌が毒蛇のように這い回り、蹂躙。シュライグの歯列の表・裏、舌の裏側や上部など余すことなく全てを貪る姿は猫科肉食獣のそれ。
「んっ──もう……でもダメ。アンタが約束するま──」
「しゅるっ……! もうにろろ、やららいか、ら……!
「──っ、やっと素直になったわね……!」
シュライグが涙目で懇願する顔にフェリジットはより一層下腹部を熱くさせる。彼の弱く情けない顔に征服感を覚えながら器用に
「ら、らんれ……りじゅっ」
「んふふ、シュライグが可愛いからちょっと意地悪したくなっちゃって」
そう囁きながらフェリジットはシュライグのモノをしなやかな指先でツーとなぞり刺激を加える。我慢の臨界点は既に超えている中、シュライグの顔はすっかり上気した蕩け顔。普段も鋭利な眼差しは垂れ下がり、その双眸からは涙が止まらない。
早くこの地獄のような天国から解放されたい──シュライグは押し寄せる快楽の中でフェリジットに
「りじゅっ、りじゅっ、」
「ほら、出しちゃいなさいシュライグっ!! その溜まったものを全部っ!!」
「あっ、あっ──んぉああああぁぉあっ!!」
──瞬間、シュライグのモノから白い欲望が斉射。クスリの影響もあり、排出される白濁液は壊れた蛇口のように止めどなく流れ出す。倉庫の床の一部を汚していき、十秒、二十秒と経過してもその奔流が治まることはない。
シュライグは腰を上げた四つん這いの状態のまま、腰をヘコヘコと上下に激しく振るい、足はピンと真っ直ぐ伸びる。
一分が経過した、といったところでようやくシュライグの熱が治まっていく。我慢を強制された解放感からか、シュライグはひとしきり熱を放出した後に、白濁液の水溜まりに自ら顔面から堕ちる。凛々しく端正な顔立ちは見る影もなく、その顔を自らが吐き出した白濁液で彩りを。繁殖期の雄の濃厚な臭いを頭の先から足先まで被りつつ、ぜぇぜぇと肩で息を切らす。
「おつかれ、シュライグ。アタシとの約束、ちゃあんと守ってね──」
そんな堕落したシュライグの姿を見て、フェリジットは妖艶かつ満面の笑みを浮かべる。
彼の全身に纏わりついた白濁液を掬い、それを──シュライグの口内へ。アルカリ性の不味い苦みを舌で味わいながら、
「ちょっとシュライグ!!」
後日、
今日も今日とて抗争に向かった
「アンタまたこんなに傷を増やして……!」
「いつものことだ」
──いつも通り、シュライグは生傷を増やして帰還した。当然、フェリジットもいつもと同じようにプリプリと怒り、シュライグも同じ返答。他の面子も『相変わらずだなぁ』と笑いつつ、彼女の雷が落ちる前にその場をそそくさと退散。
「全くアンタねぇ……それじゃあ──」
──図ったように二人っきりになるや否や、フェリジットは
シュライグはフェリジットの手技に身を悶えさせ、先日の痴態を想起すると体温が上がる。
そんな彼の状態を視認した途端、フェリジットは下半身に伸ばしていた手を首元へ。グイっ、と無理矢理自分と同じ顔の高さまで下げると、乱れた衣服から肌が露出。純白の肌に映える真っ赤な花を一瞥すると、フェリジットは長い舌でピチャリ、とシュライグの耳裏を舐めて呟く。
「──また『わからせる』しかないわね」
「ぁっ……」
瞬間、グンっとシュライグの愚息が反応。その光景を見るなりフェリジットは舌なめずりし、後ろ手で倉庫の鍵をかけた。
(あぁ……)
また『わからされる』──シュライグは頬を上気させ、フェリジットの愛撫する手に身を委ねる。
鉄と油──そして濃厚な
満足頂ければ幸いです。