※この作品はR-18です。

前世露出狂が"透視"を悪用して全裸で日常を送るようになる話。   作:ゆめのせかい

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見切り発車でGO!


"透視"の活用法 By露出狂

 皆は魔法をご存知だろうか。

 

 気の遠くなる程昔に発見された、人間の新たな機能の総称。

 

 総称という通りに魔法には様々な能力が存在する。有名所だと現国王の"光速化"や、王太子の"光の剣"だろう。昔から人間に発現しやすい『属性魔法』という括りの能力だ。他には闇炎水土風があり、特に多いのは属性+物質化の能力。"炎の杖"や"風の羽衣"、変わりどころには"闇の掃除道具"なんかもある。国王が発現した魔法には物質化がされておらず、珍しい方の魔法だ。

 

 だが『属性魔法』にも当てはまらない『理外魔法』も極稀に発現する。確率としては『属性魔法』の人間が一万人だとすると、『理外魔法』の発現者は一人いるかもしれない程度の人数だ。

 公にされている『理外魔法』としては、現王妃の"癒しの月"や原初の魔法発現者が発現したらしい"創造"程度。

 

 しかし公にされていない『理外魔法』の発現者も当然の如くいる。

 そう、スパレット伯爵家長男のクリア・スパレット。つまり"透視"の能力の発現者である俺も当てはまるのだ。貴族の間に『理外魔法』の発現者が生まれた場合、公爵家か王家の養子に入る代わりに爵位を一つ上げると取り決められいたのだが、両親は取り決めを破った。

 表向きには俺は"闇の瞳"という暗いところが見えやすいだけの能力、ということになっている。実際に暗い所も見通せるのだから、偽装も簡単だ。

 

 両親に何故養子に出さなかったのか聞いたことがあるのだが、帰ってきた答えは「爵位が上がる程度で我が子を手放せる訳ない」という嬉しい返答が帰ってきた。俺はその時に親孝行をするとボロ泣きしながら決めた。

 

「だけど、露出してみたい」

 

 親孝行のためにと伯爵へ花束をプレゼントするため、わざわざ花屋に来ていた。変な思考をしてしまったのは、以前、俺は自身の記憶を"透視"してしまい、前世をうっかり見てしまったことが原因である。

 

 記憶の中の俺は露出狂をしていた。全裸にロングコートのみの姿で街を徘徊し、人目の少ない路地裏で女性を待ち構え、コートを突然広げて局部を見せつけて性的満足を得るという最低な行いをする男だった。

 彼は同様のことを繰り返し、最後には徘徊中に鉄の馬車と事故にあって死んだらしい。

 

 見た時には考えもしなかった発想に驚き、時間が経つにつれドン引きしていった。そこで終わるならまだ良かったのだが、王太子の誕生パーティの際に思い出してしまう。

 そして「ここで突然脱いだら何が起こるのだろうか」と考えてしまった。一度抱いた興味は止まることを知らず、馬車の中や領地の視察へ行った際にも記憶の片隅から這い出てくるように。

 

 邪悪な思考が今、ここでも行われてしまった。

 前世でも今世でも、公共の場での露出はダメだと決まっている。しかし記憶の中にある全裸コートで徘徊している時のスリルや、見せつけた際の驚いた表情を思い出してしまう。まるで、あの甘美な感覚をもう一度、と呼びかけられているかのように。

 

「カ、カーネーションなんてどうでしょうか。

 桃色だと花言葉もぴったりで、えっと……なんだっけ」

 

 目の前で、緊張しながらも丁寧に花の解説をする店員は男性である。

 正直なところ、俺は前世とは違い男女どちら相手でも興奮できてしまう。だから「男だしいいや」などという歯止めが効かない。しかも彼は年若い好青年で、今世基準でも好みの男性なのだ。

 

 もう少し華やかな男性がいいが、かといって全然アリの範疇に入ってしまっている。

 "透視"を使用し、彼のエプロン姿の下を覗き見、執事とのぎこちない会話の最中に彼は裸を俺に晒した。

 肌は色白で胸も腹筋も軽く溝が見える程度だ。しかし腕は太めで血管も浮き、気弱そうな顔に反して雄を感じ取れた。乳首は弄ったことがないのか桃色のまま。健康的な太腿の間には、玉袋の上へ男根を被せるようにぶら下げ、なお今は緊張からか小さく縮んでいる。

 

「あっ! その、あちらの赤いガーベラも良いと思います!」

 

 彼は慌てるように斜め奥にある棚へ移動し始めた。

 突如後ろを向いたため、男根らの代わりに引き締まった尻が主張をする。俺たちが移動先へ急いでついていくと、飾り棚の花を取り出すためか、中腰になっていた。その間に彼は割れ目の奥から赤い襞穴を見せつけてくる。取り出すのに苦労しているのか、右に左へと揺れる動きが誘いのようでいやらしい。

 

「店員、その姿勢は腰を悪くするぞ」

 

 衝動を止められず、俺はそれらしい言葉を発しながら彼の尻を撫で回す。

 滑らかであろう生尻の感触は得られず、ゴワゴワとした布地から輪郭を辿ることしか出来ない。わし掴むように揉めば満足は出来るだろうが、彼からしたら貴族からのセクハラなど恐怖でしかないだろう。そんな罪悪感が欲望と混ざり合い、結果的には彼の尻の腰に近い部分を強く擦るという行動に至った。

 

「ひゃっ! あ、ありがとうございます……」

 

 悲鳴のような声を聞いて俺は正気に戻った。何やってるんだ俺は。欲望に突き動かされるなんて前世と同じ過ちを犯してしまっている。けれども"透視"を使った欲望の解放はこれが最初では無い。正直なところ、欲望に突き動かされてしまう原因は何となく予想がついている。

 

 おそらくは露出が出来ていないからだ。

 元々の性欲は強くないはずなのだが、前世の影響が出てしまっているからだと考えたら納得はできる。興味本位だなんだと言い訳をし、目線を逸らしていただけなのだろう。

 

 だからといって解決策は思い付かない。実際の露出は社会が許してくれないだろう、やりたくも無いし。代替の案があれば良いのだが、そう簡単に見つかるとは思えない。俺を"透視"してくれるのなら擬似的に露出できるはずだが、もう一人"透視"持ちが出てくるなんて、確率的な考えて有り得ないし。

 

 ああ、"透視"が他人に付与できる魔法なら良かったのに。

 

「これです! 赤いガーベラ! 遠くから取り寄せ……え?」

 

 彼は俺の顔を見上げるように首を動かして、なぜか固まった。

 瞬時に頬が赤く染まる。視線は顔からゆっくりと下へと降りていき、最終的には眼前の腰へと突き刺さった。いや腰というか股間部分の皺を見ているような気がする。なんか様子がおかしいな。

 

「でかい」

 

 意味が分からず首を傾げてしまう。だが推測はつく、ついてしまう。

 俺の柔らかな玉袋と肉棒を見て言っているのであれば、想定の中で最高の状況である。しかし何か違和感がある。魔法を初めて使った子どもみたいな動揺の仕方に。

 

 状況は確定はしていない。俺の裸が見えているのか確認をして、その後に原因を特定しよう。集中するために"透視"を一度解除し、茹だった頭を冷やした。最初にやるべきはどこまで、何が見えているのかだ。内臓とかまで見えているのか、はたまた下着までという可能性すらある。

 

「ガーベラ、いいな」

「はひっ、はい。そ、そうですよね」

 

 反応を伺うように声を掛け、動揺を誘うため俺もまた中腰になり両手を丸ごと握って、ガーベラを鑑賞するフリをする。より距離が近くなったことで、裸が見えていたのなら彼は視界に占める肌色の面積が増えたはずだ。瞳は顔と胸元を忙しなく移動し、さらに顔を赤くさせている。

 

 今は少しラフな格好をしているが、流石に身体のラインが見えるような服装では無い。距離が近すぎて顔を赤くした可能性もあるが、それにしたら視線の挙動が不自然だ。彼が"透視"を行っていることは確定情報ということで間違いないと思う。ならば論点は変わる。彼は今どんな方法で"透視"しているのかだ。

 

 彼が"透視"を持っているという線は状況や確率からして有り得ない。明らかに突然見えるようになったという動揺であったからだ。可能性としては二つある。一つは俺が触れている間だけ見えるということ。先も今も、俺は常に彼の身体に触れているからな。もう一つの可能性は俺が見てほしいと思ったから、見えたという可能性。思考の中で「全裸を見てほしい」と考えてしまったことから、彼が見えてしまった可能性。

 

 二つの可能性を同時に確認する方法が今、この場にある。

 

「だが、白が夫人には似合いそうだ」

 

 手を離して最下段にあるガーベラを探すように、後ろ向きにしゃがみ込む。

 彼の立ち位置からでは背中と尻の割れ目が見える程度だろう。だがここに「俺のいやらしい場所を見て欲しい」と願望を入れ込む。この時点で手を離した時点で見えなくなっているか、後ろ姿の裸が見えているのか、それとも……どうだ?

 

「白であれば色白な夫人の雰囲気にも合うと思うのだが。

 いやしかし、赤や桃色も白い肌に紅一点ということで際立たせる事が出来る。

 ……店員、君はどちらがいいか分かるか?」

 

 

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