メッツァー様がチート級能力を得て魔法戦士ヒロインたちを手籠めにして無理やりハーレム化する話~RPG式セクハラバトルZERO シナリオパート~ 作:ろむ1000/為五郎
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追加の人物紹介
ココノ・アクア
故人。メッツァーの副官であり、性奴隷だった。
もともとは女神近衛団第二騎士団アップルナイツの副団長だったが、ゼーロウとの戦闘中にメッツァーに捕縛され、性的調教を受ける。それによって彼に忠実な性奴隷となった…………ということなっている。
ゼーロウの刺客からメッツァーをかばって傷を負い、そのまま死亡。
メッツァー様の変更に引きずられる形で、ココノの性格も変更されてます。作中には出てこないのであまり関係ないですが。
◇◇◇
「────悲しいことを仰いますな。まあ、すべては私の甲斐性のなさが招いたこと。自業自得としか言えませんが」
────再び、この声を聞くまでは────
…………はじめは夢かと思った。過去に想いをとばすうちに居眠りでもしてしまったかと。だが、
メッツァー
「お久しぶりです姫。再び壮健なお姿を拝見できたこと、お慶び申し上げます……ククッ!」
ティアナ
「……………………メッツァー……?」
ティアナの胸に様々な──本当に様々な想いが去来する。メッツァー・ハインケルはティアナ・リリアン・トランシルヴェールにとって様々な感情の対象だ。
思慕・憎悪・憐憫・怨恨・尊敬・侮蔑…………やがて最後に残ったのは、警戒心だった。
ティアナ
「…………メッツァー・ハインケル。生きていたのですね…………それで、貴方がなぜここに?」
メッツァー
「…………ほう、これは……………………」
ティアナ
「…………なんですか。何が言いたいのです……!」
メッツァー
「見違えました…………強く、凛々しくなられましたな、姫」
その言葉に高鳴る鼓動…………それを努めて無視し、できるだけ平静を装って答える。
ティアナ
「…………そうですね。貴方が知っている頃の私と比べれば、間違いなく。……すべて貴方のおかげです」
メッツァー
「フフッ、あのお姫様が皮肉まで仰るようになるとは。私も全身全霊をもって世間の厳しさをご教授した甲斐があったというもの。……そう、本当に全身を使って、熱くお伝えしましたね……ククッ!」
ティアナ
「なっ……!? ………………貴方も変わったようですね。以前よりもさらに下品になったような気がします。少なくとも以前は、意味もなく下世話な冗談を言う人ではなかったと思いますが」
メッツァー
「……言われてみれば確かに。正直自覚はなかったのですが…………きっと姫と再会できた喜びに、あの甘い悦楽の日々を思い出してしまったからでしょうね……ククッ!」
ティアナ
「言ったそばからっ……! …………それで……何の用件ですか?」
メッツァー
「はい、それは…………その前に、一つ伺いたいことがあるのですが」
ティアナ
「…………何ですか?」
メッツァー
「私の自意識過剰でなければ、姫の先ほどの独り言……『もう終わりにしないと』というのは、私とのことではありませんか?」
ティアナ
「き、聞いていたのですか……!?」
メッツァー
「はい。久しぶりの再会に、どう声をかければいいか少し迷ってしまいまして」
──その言葉に、先ほど感じた違和感が強くなるのを感じた。だが今はとりあえず──
ティアナ
「……か、勘違いしないでください。この公園を見て貴方に……その、凌辱されたことを思い出し、終わったことで思い悩むのはよくない……そう、思っただけです…………」
メッツァー
「…………なるほど。相変わらず悲しいほどに高潔なお方だ。普通そのような場所からは遠ざかろうとするでしょうに。それすらご自身に許されないのですね」
ティアナ
「……………………」
メッツァー
「……しかし、申し訳ございません。どうやら私の自意識過剰だったようです。てっきり姫も私と同じように、睦みあったあの日々を懐かしんでおられるのかと……」
──その言葉が、揶揄するような響きであればよかった。しかし……どうしても、本心をそのまま吐露しているようにしか聞こえず──感じていた違和感を、ついに無視できなくなった。
ティアナ
「…………貴方は、誰ですか……?」
メッツァー
「………………メッツァー・ハインケルですが…………」
ティアナ
「嘘です…………メッツァーは、そんなこと言わない…………」
────そう、言葉や態度の端々から、ぬぐい切れない違和感がにじみ出ていた。以前のメッツァーなら絶対にこんなことは言わない。
ティアナ
「もし貴方が本当にメッツァーだというなら…………私のことを、馬鹿にしているのですね……?」
メッツァー
「……っ!? …………なぜそのように思われる?」
ティアナ
「だってそうでしょう!? ……貴方は結局、ココノのことしか見ていなかったくせに……!」
────そうだ。まるで本当に愛した女性に再会したかのような意味合いを、言葉の節々に感じた。何よりメッツァーが自分を見つめる視線──露骨に情欲が混じった、熱っぽい視線──以前は、実際に辱めている最中ですらここまでではなかった。もっと……作戦の中の一手段として、義務的なものを感じた。
そんな扱いだった自分に対し、監禁されている間に見たココノとの関係は────
メッツァー
「…………………………………………そう、ですね…………そうでした…………」
対するメッツァーの反応は、どこか奇妙だった。まるで、本当に忘れていたかのような…………
ティアナも、ココノの名を出したことで重要なことを思い出した。女神近衛団の王女として、気にかけなければならないことを。
ティアナ
「…………そうです、ココノ……! ココノ・アクアはどうなったのですか!」
ココノ・アクア。元、女神近衛団の第二騎士団アップルナイツの副団長にして、女神近衛団初の裏切者、しかも性的調教を受けて性奴隷となった淫売…………ロアでの風評は、そういうことになっている。
だがそれはメッツァーに性的調教、洗脳を受けた結果であり、そもそも戦場に出なければそのような目に遭うこともなかったのだ。魔法戦士は皆それを理解しており、その身を案じていた。
──ただティアナが監禁中に見たメッツァーとの関係は、とてもそのようないかがわしいものには見えなかったが──
問いかけに対し、メッツァーは……メッツァーの反応は、劇的だった。
メッツァー
「……………………死にました」
恐ろしいほどに平坦な表情。あらゆる感情が抜け落ちたかのような……もしくは、すべての感情を混ぜ合わせるとこのような表情になるのか。
メッツァー
「ゼーロウの上層部が粛清のため送り込んできた刺客から私をかばい、死亡しました。遺体は埋葬しましたので返却はできません…………今は、まだ」
ティアナ
「……………………そう、ですか…………」
互いに忙しい身の上であり、そこまで親しかったわけではない。だが、それでも交流は度々あった。ココノ・アクアは深い慈愛と正義感をもった、魔法戦士にふさわしい人物だった。
──その、女として妬ける部分がなかったと言えば嘘になるが、それでも…………それが永久に失われたことが悲しい──素直にそう思える、そんな人間だった。
遺体についても仕方がない。彼女は良家の令嬢ではあったが、世間的には悪名高い裏切り者だ。返却されても、果たして受け取ってもらえるか…………受け取ってもらえたとしても、正義感やゼーロウへの恨みに駆られた誰かに暴かれるのは目に見えている。
それよりは…………彼女を心から愛していた、メッツァーが埋葬すべきだ。
そして……ティアナは、メッツァーが変わった理由を理解した気がした。心から愛した女性を失えば、変わることもあるだろう。どこかおかしな反応も、悲しみゆえに情緒不安定になっているのか…………
メッツァー・ハインケルという男に対し、思うところはある…………大いにある。
だがそれでも、戦争は終わったのだ。もう傷つけあうのは終わりにしたい。
ただ女神近衛団におけるメッツァーの扱いは、言うまでもなく最悪だ。純潔を重んじる女神近衛団の魔法戦士たちを幾人も凌辱、果ては王女であるティアナまでもだ。初の裏切りを犯させたのもメッツァーである。
さらには「魔法戦士は体を強化している分、性感も敏感だから、性的に責めるのが効果的だ」……最近そのような風説がある原因も、当然メッツァーの所業が原因だ。敵対組織は、実際に戦術として研究しているとも聞く。
まさに女神近衛団の宿敵というしかない存在、それがメッツァー・ハインケルだ。当然、投降したところで許される見込みはない。誰か、被害関係者が減刑を嘆願でもすれば別かもしれないが……メッツァーの場合、そんなことをすれば関係を疑われかねない。「おまえもココノ・アクアのように洗脳されたか」と。
ティアナ自身もその一人だ。ただでさえ凌辱を受けたことを公表した際には『廃嫡にすべき』との声も上がったのだ。最終的には信任を受けることができたが、次期女王として余計な危険を冒すことは許されない。
…………本来、ティアナの立場としては見逃すことはできない。しかし、捕らえれば死刑が待つのみの相手を捕らえるのは良心が咎める……まして愛した人を失い心を病み、すでに無害な状態だというなら、なおさらだ。
──見なかったことにして、別れよう。それが一番いい──
そう心に決めたところで…………気づいた。ではなぜこの男は、いまさら自分の前に出てきたのか。
ティアナ
「…………それでメッツァー、どういう用件で再び私の前に現れたのです?」
メッツァー
「……ああ、そうでした。危うく本来の用事を忘れるところでした……フフッ、まったく、私としたことが」
話題が移り、メッツァーの顔が再び色を取り戻す。驚くほどの変わりようだ。
メッツァー
「いえ、これから忙しくなるのでね。しばらくは落ち着いて話もできなくなるでしょうし、以前に親交のあった相手には、せめて事前に挨拶をと思いまして。姫だけでなく、スイートナイツの面々のところにも行っていますよ」
──自分だけではなかった──そのことに胸がちくりと痛んだが…………すぐに気づく。他の者に知られたら……もう、見逃すこともできない。
ティアナ
「なっ……!? なぜそのような愚かなことをしたのです! それではもう、本当にっ…………」
やはり錯乱しているようだ。ココノ・アクアが命を捨てて守った相手がこのような形で失われるのは……あまりに悲しすぎる。
必死に知恵を絞る。なんとかスイートナイツに口裏を合わせてもらえないか──スイートリップは特に、メッツァーに対する雰囲気に自分と似たものを感じた。彼女なら協力してくれそうだ。二人で頼めばほかの面々も──
そこまで考えたところで、また気づいた。おかしい……スイートリップをはじめほかのスイートナイツの面々と、ティアナは今日も会っている。特に異状は感じられなかったが……
ティアナ
「……いつスイートナイツと会ったのです?」
メッツァー
「今、まさに会話している最中です。この程度の距離ならリアルタイムでリンクできるので、タイミングを完全に合わせることができました」
ティアナ
「…………メッツァー、お願いです。わかるように話してください。貴方の命に関わることなのですよ……?」
メッツァー
「…………おまえという奴は…………無理やり手籠めにした男の心配までするのだな……」
心底あきれたようにつぶやくメッツァー。
ティアナ
「メッツァー……!」
メッツァー
「ククッ、姫。どうかご安心ください。……雌伏のときは終わりました。今宵こそ、再びメッツァー・ハインケルの名を世に轟かせるとき……!」
ティアナ
「……………………まさか…………」
メッツァー
「はい。……今夜、この国の政府に向け宣戦を布告します。我が前にひれ伏せ、とね」
ティアナ
「…………メッツァー、お願いです…………もう、やめてください。もう…………そんな時代ではないのです」
メッツァー
「……………………」
ティアナ
「戦争の時代は終わりました。これからは互いに協調し、手を取りあう時代です…………その、女神近衛団は…………地上世界やそのほかの異世界とも交流し、新たな技術と力を獲得しました…………貴方では、勝てません」
具体的な名称はぼかしたが、機密レベルの情報だ。言い淀みながら、それでも伝えざるを得なかった。
…………失意の中で隠れ潜んでいる間に時代に取り残された、哀れな敗残兵。これも戦争が生んだ犠牲者といえる。
だがそうだとしても、武力蜂起などしてしまえば今度こそ見逃すことはできなくなる。お願いだから、どうか思いとどまって──
メッツァー
「ええ、よく存じております。レムティアシステム──地上の科学技術やパレキシアのエンシェリウムカード、メタモライズまで取り込んだ変身システム──新たなる正義の刃、といったところでしょうか」
ティアナ
「…………え……?」
メッツァー
「女神近衛団だけでは生まれなかった発想ですね。異世界との協力がもたらした新たな力……それを開発した霧沢瑠々香や甘樹菜々芭を擁するミネルヴァ・ガードは人材の宝庫……時代の最先端といえるでしょう。ですがそれも聖涙石がもたらす膨大な魔力がプラットホームとなってはじめて可能なこと。やはり聖涙石を擁する女神近衛団……いえ、トランシルヴェール王家は特別な存在なのでしょう」
メッツァー
「ただ、これをもって協調の時代となったという解釈は、あまりに早計と言わざるを得ません。協調といえば聞こえがいいですが、内実が伴っているかは結局は誰がやったかによります。都合のいい相手と組んで、邪魔者を潰す……そう表現したほうが正確です」
メッツァー
「戦争が終わったことは確かですがそれは戦争の愚かさに気づいたのではなく、単に睨みを利かせる魔法戦士陣営が戦力において抜きんでていたから、裏でやりあうようになっただけのこと。そのアドバンテージも、平和ボケしている間にずいぶんと蚕食が進んでいるようです。ご自慢のレムティアシステムも、完成というにはほど遠い。あまりに実戦データが足りていない。ベテランの兵士ほどカタログスペックで優越する新型より、使い慣れた信頼性の高い旧式を愛するものですが……その点、新人のお嬢さん方はどうでしょうね?」
ティアナ
「…………なぜ、それを…………」
メッツァーが語ったことは、どれも事実である。それも、極めて機密性が高い情報……決して、敗残兵が隠れ潜みながら得られるようなものでは、ない。
メッツァーは苦笑する。
メッツァー
「どうも姫は、私の頭がおかしくなったのではないかと心配してくださったようですね。……まあ、おかしくなっていないかといえば、そうとも言えないのが情けないところですが…………ただこれだけは言えます。以前の私より、遥かに強いですよ?」
ティアナ
「…………そうであろうと……! …………お願いですからやめてください。やっと……やっと平和になったのです。戦争の時代に逆戻りすれば、また多くの命が失われます…………なんの権利があってそんなことをするのですか……!」
メッツァー
「平和とは、単に勝者が確定し敗者が逆らえなくなった状態をいうのです。それを神聖視するのは上位にある者の傲慢であると、まだおわかりにならぬか。そんなものに遠慮する義理も義務もない…………姫の気遣いには感謝しますが……」
ティアナ
「……………………ココノも…………ココノも、決してそんなことは望まないはずです……彼女が望むとしたらそれは……貴方が生き永らえ、幸福になること……それだけのはずです…………」
メッツァー
「………………………………ココノは、望まない…………?」
ティアナ
「そうです…………それすらわかりませんか……?」
メッツァー
「…………………………フフッ……フッ……フハッ……ハッ、フハッ……フハッハッ、……フハーーッハッハッハッハァッッ!」
ティアナ
「……………………メッツァー……?」
メッツァー
「クッ、ククッ、クッ…………ぇ、ええ、そうでしょうね……魔法戦士の考えることなど基本わかりませんが、それくらいはわかりますとも…………ココノはそんなことは望まない…………間違いなくそうでしょう」
ティアナ
「……………………」
メッツァー
「ククッ……では私よりも魔法戦士の気持ちがわかるであろう姫に伺いたい…………ココノが望まないなら、しなくてよいのですか?」
ティアナ
「…………それは……?」
メッツァー
「……………………これだから…………」
意図が理解できず答えかねていると…………メッツァーの顔が、急激に憤怒に染まっていく。
メッツァー
「これだから魔法戦士はっ! 周りの者の気持ちも考えずっ、自分の言動が矛盾していることに気づきもしないっ……!」
ティアナ
「そんなっ……!? ど、どういう意味ですか……!?」
メッツァー
「…………ククッ、だがそれはそれで美しい。ただし、人を動かし世を変える美しさではなく、額に飾って愛でるための美しさですが…………その場合、価値がわかる者が所有してこそです」
ティアナ
「……っ!? …………くぅっ……」
再び強い情欲の視線を感じる。まさに視姦と呼ぶしかない、絡みつくような視線だった。思わず自分を守るように両腕で肩を抱く。
メッツァー
「誰がその価値を真に理解しているのか、姫にはおわかりになりませんか? …………それは最も多く、最も近くで、最も長く、最も真摯に、時に憎み、時に愛し、命を懸けて体ごとぶつかり合い、鎬を削った者……すなわちっ……この俺以外にあり得ない……!」
その狂気と情欲に気圧されながらも、負けじと反論する。
ティアナ
「なんという傲慢! 所有などと、女性をなんだと思っているのです……! 私たちの価値は私たち自身で決めますっ。貴方に理解してもらう必要などありません!」
メッツァー
「違うな、価値とは他人が決めるもの。それを理解できぬ者は生涯地を這うっ…………まさに、ココノのようにっ…………それでも守ってやりたいならっ……所有でもするしかなかろうがっ……!」
ティアナ
「それを傲慢だと言っているのです! 誰がそんなことを頼みましたか……!」
メッツァー
「それはおまえたちも同じだろうが……! 『罪なき人々を守る』……誰がそんなことを頼んだ? おまえたちの献身を真に理解できる者が見たとき何を思うか、考えたことはないのか? …………理解できる者にとっては、おまえたちも十分に傲慢だよ…………そして大半の理解できぬ者に、感謝もなく使い捨てられる…………」
ティアナ
「…………感謝など求めません。それこそが聖涙石に選ばれた者の……魔法戦士の使命……その使命に殉じることこそ、私たちの望みなのですから」
メッツァー
「だからっ…………対価もなく己を差し出し続ければ、いずれ全てを失うっ。……そんな簡単なことがどうして理解できん……!」
ティアナ
「…………もし、本当に必要であれば……それも仕方がないと思います…………そう簡単に、全てを奪わせはしませんが」
メッツァー
「ほう、言ったな……では使命以外のものであれば、力で奪ってしまって構わない……そういうことだな?」
ティアナ
「そうですね……可能なら、ですが」
メッツァー
「……………………」
ティアナ
「……………………」
メッツァー
「…………フフッ、あのお姫様がこの俺に啖呵を切ってみせるとはな…………本当に、ずいぶんと凛々しくなったものだ。地に潜っている3年の間に変わったのは、俺だけではなかったか」
ティアナ
「…………メッツァー…………」
メッツァー
「そんな顔をするな。なに、これはこれで有意義だった。分かり合えぬことが分かり合えた…………これで何の迷いもない。あとは力で押し通るのみ」
──それは貴方のほうだけです──
その想いは、言葉にできなかった。
メッツァー
「それに…………ククッ、俺たちは男と女。分かり合えずとも愛することはいくらでもできる……それをおまえはもう、十分に理解しているはずだがな。小憎らしいきれい事ばかり吐きだすその口も、口づけで塞いでしまえば気にならん。俺好みのお姫様の完成、というわけだ……ククッ!」
ティアナ
「……っ!? メ、メッツァー!」
メッツァー
「ではまた後でな。レムティアシステムに勝るとも劣らぬ、この俺の新たな力を披露しよう…………情けをかけようとしてくれたことには、礼を言っておく」
そう言うと、事前に準備していたであろう転移魔法を発動させようとする。
ティアナ
「ひとつだけ聞かせてくださいっ……先ほど言ったことが、貴方の目的なのですか……?」
その言葉に、再びメッツァーの表情が能面のように平坦になる。
メッツァー
「………………いや、先ほどの言はあくまでついでの話。俺の目的は昔ベッドで語った通り、変わりはしない。……ロアの王となること…………すでに意味も情熱も消え失せたが、それでも……だからこそ、交わした約束だけは消え去ってはくれぬ。それを清算すること…………それだけが、今も生き永らえている理由だ」
そして最後に付け加えた。
メッツァー
「だから…………そのためならば、おまえを…………殺すことさえ、ないとは言い切れん。それだけは覚えておけ……」
……そう言い残して転移魔法の光の中に消えていった…………
私はハーレムが大好きです。ギャルゲーでヒロインをひとり選べと迫られるとストレスを感じます。ですがひとりを選べない主人公はカッコ悪いと叩かれがちです。いろんな作品を見ながら、「ではどういう主人公ならハーレムにしても受け入れられるか」と昔から考えていました。
その解のひとつが「死んだ女性をいつまでも想い続けている」です。社会的に受け入れられるかは別として、これならあっちにフラフラ、こっちにフラフラという印象からは逃れられます。悲劇の主人公って感じでかっこよく見えますし。
魔法戦士シリーズのメインは当然ながら魔法戦士なんですが、プレイヤーの分身たる主人公は全員が副官に一途です。それはそれでとても好感が持てるんですが、魔法戦士に恋愛方面で動きを持たせる場合すこぶる邪魔です。
そこで副官に先立ってもらうことで、愛する女性を失った悲劇の主人公としてかっこよさがアップしつつ、メインの魔法戦士が恋愛方面で目立てるというわけです。たぶん公式ファイナルのノエルとマリエラもそういうことだったんじゃないかな?
メッツァー様の場合は丁度いい感じのイベント絵つきエンドがプリンセスティアにあったわけで、「ならここを分岐点にすればいい」と思って考えた話がこれです。思いついたのは小説版が出るより前。形にするまでにずいぶんと時間がかかったもんです…………