メッツァー様がチート級能力を得て魔法戦士ヒロインたちを手籠めにして無理やりハーレム化する話~RPG式セクハラバトルZERO シナリオパート~ 作:ろむ1000/為五郎
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補足説明
・(バトル)とあるところは、ゲームではRPGのバトルがあるところです。
自分の担当場所に到着したティアナ。繁華街とまでは言えないが市街地の中央付近であり、本来なら相応に人通りがあったであろうことが容易に想像できる。
結界付近には救急隊や警察、それに小規模ではあるが軍の部隊もすでに到着していた。結界が解除されたあと中がどうなっているのか不明なため、魔法戦士をひと通り支援できるようにということだろう。
そこから少し間を置いて野次馬が見物している。少々近すぎる気がするが、結界の発生個所が多すぎて警官が足りていないのだろう。
早速結界の中に侵入する。この程度の結界、魔法戦士なら何の障害にもならない。結界の内部は侵入することで初めて観測可能になる。内側で始めに見えたものは────
ティアナ
「これは…………」
侵入直後、つまり結界の外縁部内側──そこにに多くの人々が立っていた。なんというか…………非常に不安そうではあるが、かといってできることもなく、時間が解決してくれるのを待っている…………そんな様子だ。
ティアナ
「いったい何が起こったのですか? ここで何をしていらっしゃるのです?」
事情を尋ねる。なんでも、突然街中の一角で人々が意識を失い倒れ始めたという。そこに銀髪の男が魔物を引き連れて現れた。男は魔物を使役して人々を威嚇し、「怪我をしたくなければここからできるだけ離れたところで大人しく待っていろ、そのうちに魔法戦士が救助に来る」と警告した。言われたとおりに現場から離れたが、結界でこれ以上先に進めなくなったので、そのまま救助を待っていたらしい。
ティアナは結界を解除しなければ救助もできないことを説明し、銀髪の男がいたという場所を聞いた。ここから道なりに進むだけでいいらしい。
当たりを引いたのかもしれない──はやる気持ちを抑えながら、注意深く進んでいく。そして…………
メッツァー
「こんばんは、姫…………今夜は月がきれいですね」
たどり着いた結界の中心──市街地の車道の中央に、交通法規など知ったことかとばかりに陣取った、因縁の男の姿があった。
ティアナ
「……そうですか? あまりの惨状に見上げる余裕もありませんが」
妙に楽しそうに話しかけてくるメッツァーを冷たくあしらう。実際、そんな余裕はなかった。
メッツァーの後ろには半径10メートル程度の魔法陣が怪しく輝いている。その中には、所狭しと人が倒れており……ときおり下魔が人を抱えてやってきて、魔法陣の中の人と入れ替えている。これは…………
ティアナ
「マナを抽出しているのですか?」
メッツァー
「その通りです。ゼーロウ伝統の手法ですね……ククッ!」
ティアナ
「…………殺したのですか……?」
メッツァー
「いえ? 二、三日休めば働ける程度にとどめていますよ?」
その言葉にホッとした…………心底ホッとした。
ティアナ
「ロアへ侵攻するためのマナを確保するため、ということですか?」
メッツァー
「フフッ、まさか。これだけのことをしておいてこの程度の実入りでは、間違いなく赤字です。姫をお呼び立てする舞台を作った、行き掛けの駄賃というところです」
ティアナ
「私がここに来ることがわかっていたのですか?」
メッツァー
「いえ? しかしなぜでしょうね。必ず会えると信じられました。運命というやつですかね? ……ところで姫、質問ばかりされて告白への返答がまだなのですが…………やはり通じませんでしたか」
ティアナ
「…………なんのことです……?」
メッツァー
「いえ、ネットで聞きかじった知識で恐縮ですが、この国では『月がきれいだ』という言葉には『貴方を愛している』という裏の意味があるのだそうで」
ティアナ
「なっ……!?」
メッツァー
「それでお返事はどうされます? 気の利いた返事の例文には『貴方とだからきれいに見えるのよ』とありましたが」
ティアナ
「なぜ受け入れる前提なのですか! まったく、この惨状でも戯言ばかり……どうせスイートリップあたりにも、同じようなことを言っているのでしょう…………」
メッツァー
「フフッ、さすがは姫。ご賢察のとおりでございます」
否定してほしかったのだがあっさりと肯定され、若干落ち込むティアナ。
ティアナ
「……本当にわかっているのですか? これだけのことをして…………もう戦争犯罪ですらない、ただのテロリストとされてしまうのに」
メッツァー
「ごく自然な上から目線、ありがとうございます。裁くのは常に自分たちであるという前提ですか。私が勝利すれば裁かれるのは姫のほうであるということ、想像すらできませんか?」
ティアナ
「それは…………」
言われてみればその通りだった。メッツァーに敗北し、自身や仲間が凌辱される……そのイメージはあるというのに、自身が戦争犯罪者として裁かれるほどの全面敗北というのは、ついぞ想像したことがなかった。
メッツァー
「秩序とは上が入れ替われば変わらざるを得ない、その程度のもの。そんな当たり前のことをすぐに忘れてしまうから同じ過ちを何度も繰り返すのです。私が王となったあとの秩序は私が決めます。……姫の罪状はさしずめ、王である私をその美しさで誘惑した罪、というところですかね。刑罰は、生涯私のそばに侍ること……どうです、妥当なところでは? ……ククッ!」
ティアナ
「……っ…………たとえそうだとしても、そうやって上位層が入れ替わるたびに争いで血が流れることになります。己の都合だけで動く貴方に、そんな重大な責任を担う資格はありません!」
メッツァー
「フフッ、まったくもって耳が痛い。では相応しき者が現れるまで何も変えなくてよいと? そうやってロアでは数千年、現在と変わらぬ体制が続いてきたのですが。…………地を這いずる者たちより出でて、その者たちを救おうとする志を抱き、それを実現できる力を備えた者がついに現れたのです。たとえ上辺だけの理想、本心は女のことしか考えておらぬ俗物であろうとも、いないよりはましである…………私などはそう考えますがね」
ティアナ
「…………否定はできませんがその場合、まずは大言壮語に相応しい力を証明してもらう必要があります」
剣を構えるティアナ。
メッツァー
「そのとおり。……ククッ、結局やるべきこととは力で押し通ること…………ただそれだけなのです……!」
メッツァーも構える──ただし魔法を唱えるための構えではなく、格闘家のような──
ティアナ
「…………なんのつもりです」
メッツァーの本職は魔導師、後衛を得意とする。以前の戦い方はアジトで備蓄したマナを用いて下魔、上魔を召喚して戦場に向かい、後衛から自身の魔力で支援するというものだった。
メッツァーほどの一流の魔導師ですら、そこまで物資を投入して事前準備しなければ渡り合えないのが魔法戦士……聖涙石に選ばれた者たちだ。
そんな相手に格闘戦を挑むなど自殺行為に等しい。相手が弱ってきてからは、ときおり魔物の影から意表を突く形で踏み込んでくることはあったが……その魔物も見当たらない。後ろで作業している下魔は黙々と働き続けるばかりで、こちらに関与してくる様子はない。
メッツァー
「ククッ、申し上げたでしょう? 新たな力を披露すると」
……新たな力とは、近接戦に関係するものなのか。今のところ、強い魔力のようなわかりやすい異状は感じられないが…………
メッツァー
「では姫。正真正銘、正々堂々の決闘です…………参りますよ!」
──メッツァーの正々堂々ほど信じられないものはない。新たな力も気になるが、周囲への警戒を怠ることもできない…………まずは様子見が賢明か──
ティアナ
「いいでしょう…………かかってきなさい!」
(バトル)
ティアナ
「……………………結局、何がしたかったのです……?」
仰向けに倒れたメッツァーを見下ろすティアナ
戦いはあっさりと終わった。ティアナの圧勝……3分はかかっていまい。
ティアナとしては様々なことを警戒し、防御を最優先に戦ったつもりなのだがそれでもこれだ。
メッツァーが弱い……わけではない。ティアナが、魔法戦士が強すぎるのだ。レムティアシステムによってさらに磨きがかかったのもあるが、聖涙石による魔力の増幅はそれほどに大きい。むしろ一対一が苦手な魔導師にしてはかなりがんばったと言える。ロアの達人級剣士ならばもう少しねばれたかもしれないが、それでも誤差の範囲。そもそも、魔法戦士にそうでない者が挑むことが無謀なのだ。
だからこそかつてのゼーロウの主力は魔物たちだった。特に上魔と呼ばれる者は魔法戦士を超える者も決して珍しくはない。それで魔界にいるときより大幅に力を制限しているというのだから恐ろしい。
むしろ……そのような魔物たちから人々を守るために、女神は聖涙石を王家に与えたのかもしれない。
メッツァー
「ククッ、姫もかつてよく仰っていたではありませんか。『正々堂々と勝負してください』と。遅ればせながら実行してみたわけです。ご満足いただけましたかな……?」
ティアナ
「…………なぜ、そんなことを……?」
メッツァー
「なぜとは酷いですね。たしかにクソ真面目な魔法戦士を罠で陥れ、悲痛に歪む顔を見るのも楽しいのは楽しいですが。……私とて男……正々堂々と戦う騎士の物語に憧れるような気持ちも、ないではないのですよ…………」
ティアナ
「……………………」
メッツァー
「……正々堂々など、負けても後がある者の贅沢品です。私の人生では、これまで一度も縁がありませんでしたが…………なるほど、これはこれで悪くない…………それに、相手が好いた女性であるのもまたいい…………ククッ、クッ……ごほっ、ごほっ……」
ティアナ
「…………メッツァー、お願いです……罪を認めてください」
メッツァー
「……………………む……?」
ティアナ
「罪を認めてくれるなら…………私が弁護に立ちます。女神近衛団の皆を説得して回ります。貴方はこれまで魔法戦士を一人も殺さなかった…………そう言えば、皆も強くは責められないはずです。外部からの追及までは防げないでしょうが、死刑だけは避けられるはず……」
メッツァー
「……………………そんなことをすれば、おまえは…………」
間違いなく、王家に敵対的な貴族派閥によるセカンドレイプが始まるだろう。「洗脳され、心まで性奴隷に堕ちていたか」と。廃嫡の話が再び持ち上がる可能性もある。
ティアナ
「構いません。私には貴方の言を否定した責任があります。……きっと、これは試練なのです。力が足りないことを言い訳に、これまで見ないふりをしてきた救われない人々……そこに踏み込むときが来た、と…………聖涙石が私に求めている、そんな気がするのです……」
女神近衛団は清廉を良しとする。だが、慈愛の心を持たない者がその部分だけを真似すれば、貧しい者や生活のために汚れざるを得なかった者を迫害する、という形で現れる。王家もそのことに気づいていないわけではなかった。
だが社会がそうなっているということは、大半の人間はそれでいいと認めているということだ。消極的に、仕方なくかもしれないが、逆に積極的にそう思っている者もいる。
たとえば犯罪組織に関連する者などはそうだ。弱者とは彼らにとって搾取しやすい飯のタネであり、都合よく使える道具なのだ。
そして……そんな者たちと繋がっている公職者も、残念ながら多数存在している。現にゼーロウの母体は、大きな貴族派閥だった。
そんな社会の中で、それでも争いを起こさず調和を保っていくためには、触れてはならない部分もある。たしかにその通りだが…………それに甘んじている時間が、あまりに長すぎたのではないか?
メッツァー・ハインケルという存在は、まさにそのことを糾弾するために生まれたように思う。救われぬ人々の中から生まれ、女神近衛団の信条をことごとく嘲笑い弱点として突いてくる。
今のままの女神近衛団では第二、第三のメッツァーが現れても、また同じように翻弄されるだろう。メッツァーほどの才能はそうそう現れるものではないだろうが、すでにその手法は広く知れ渡ってしまった。ならば、足りない才能を別のもので補い、同じことを狙ってくる者がこれからも確実に現れるだろう。すでにその足音のようなものはたしかに聞こえているのだ。
ならば……今こそ現実と向き合い、より良くしていくための一歩を踏み出すべきだ。確実に多くの反対意見と向き合うことになる。ときに心無い言葉の刃を向けられるだろう。陥れようと謀略の的にもなるだろう。
だがそれでも……恋した男の命を救う一助になるのなら──たとえ結ばれることがないとしても──自分は戦いぬける、そう思えた。
だが、
メッツァー
「………………………………ふざけるな…………」
その想いはメッツァーには届かなかったようだ。
メッツァー
「……ふざけるな、ふざけるなっ、ふざけるなっっ……!!」
──あるいは、届いたからこその反応なのか。
メッツァー
「おまえもかっ、おまえもかっっ……!? 誰がそんなこと頼んだっ、こっちの気持ちも知らずにっ、わかったような顔で勝手に大事なものを捨てるな……っ!」
ティアナ
「……っ!? で、ですがそうしなければ貴方の命がっ……」
メッツァー
「……っ! それはっ…………それは……………………」
ティアナ
「……………………メッツァー……?」
メッツァー
「……………………フフッ……申し訳ございません、姫。お見苦しいところをお見せしました…………やれやれ、これでは錯乱していると言われても何の反論もできませんね……」
ティアナ
「……いえ、驚きましたが私の立場を心配してくださっているのは伝わりました……ですが貴方のためだけではなく、今後を見据えて必要なことだとも思うのです。そこまで想ってくださるなら、貴方も大人しく協力してください」
そういって微笑み、手を差し伸べるティアナ。
メッツァー
「いえ、そういうことではなく…………まったく、かつてとは違うというのに勝手に過去と重ね合わせて取り乱して…………今の私なら、どうとでもなるというのに」
しかし、メッツァーが手を取ることはなかった。
ティアナ
「……………………メッツァー……?」
メッツァー
「…………では姫、そろそろ約束の新たな力をお見せしましょう」
…………一瞬、意味が理解できず…………理解した瞬間、反射的に剣を構えながら一歩引く。そこへ────
「グゲーーッッ!!」
背後から一匹の下魔が踊りかかってきた。
ティアナ
「くっ…………このっ……!」
驚きはしたが回避は間に合った。淀みなく反撃し斬りすてる。
ティアナ
「……っ………………メッツァーッ!」
しかし、目を離した隙に倒れていたはずのメッツァーが消えていた。
ティアナ
「どこにっ…………!?」
急いで周囲を見渡す…………いた。なんのことはない、不意を打ってくるでもなく離れたところに退避しただけだ。マナ抽出の魔法陣のそばまで下がっていた。だが、
ティアナ
「……………………え……?」
…………メッツァーが2人いた。片方がもう片方を横抱きにしている。
メッツァーAB
「「ククッ、いかがです姫。これが私の新たなる力…………クローン技術です」」
2人のメッツァーが完全に同時に喋った。二重に響く声に、なんともいえない不気味さを感じる。
ティアナ
「…………ど……どういうことですかっ……?」
メッツァーAB
「「どうもこうも、見たとおりです。自身を増殖させて戦力とできる。これが新たな力というやつですよ。申し上げたでしょう? 正々堂々とは負けても後がある者の贅沢品と。このとおり、後があったからできたわけです。なにしろ、最悪死んでも構わないんですから………ククッ、クッ」……ごほっ、ごほっ……」
ティアナ
「……抱えられているほうが本物ですか」
メッツァーB
「いえ? どちらも本物であり、偽物ともいえます。オリジナルはここには来ておりません。ですが……ククッ、人格や記憶もほぼ完全に同期しており、私の発言はオリジナルの発言と思っていただいて構いませんし、私の経験は同期されて他の個体の経験ともなります。姫に頂いた先ほどの温情、確実にオリジナルにも伝わります。ですが…………」
ティアナの驚きを楽しむように浮かべていたいやらしい笑みが、急に真顔になる。
メッツァーB
「完全なるありがた迷惑です。最終的には私が勝利する予定なので問題ありませんが、そんなことを実行されるおつもりであれば、もし私が敗北したとしても姫だけは刺し違えてでも止めなければならなくなります…………どうかご自重ください」
ティアナ
「そんなっ!? な、なぜですか……!」
メッツァーB
「……………………そうですね…………私が勝利したあとでじっくりと語って差し上げますよ。寝物語にね……ククッ!」
そう言ってマナ抽出用魔法陣を解除すると、転送魔法を発動させようとする。
ティアナ
「ま、待ちなさいっ!」
メッツァーB
「動くなっ! …………この者たちがどうなってもいいのですかな?」
抱えられたほうのメッツァーが、倒れた人々に向けて手を向ける…………攻撃魔法が発動しかけているのを感じた。
ティアナ
「くぅ…………卑怯ですっ…………」
メッツァーB
「いまさらです…………ククッ、別れを惜しんでくださるのは嬉しいですがご安心ください。再会のときはすぐです。単に、愛する魔法戦士たちとのダンスパーティーをたった一夜で終わらせてしまうのはもったいない、そう思っているだけです」
ティアナ
「なにをっ……!」
メッツァーB
「場を盛り上げるための仕掛けを複数ご用意しております。姫も御心はともかく、体はこの再会を悦んでくださっているのでしょう? その欲求不満、必ずや満たして差し上げますのでどうか身を清めてお待ちください…………いえ、汗のにおいや味も嫌いではないので気になさらなくてもいいのですけどね……ククッ!」
ティアナ
「……っ…………く、うぅ…………」
2人のメッツァーから同時に邪な視線を向けられ、思わず自身を守るように身をすくめ肩を抱く。
メッツァーB
「ではな、ティアナ……大丈夫、もう何年も女を待たせるような、野暮なことはせんさ……ククッ!」
そう言い残して、転送魔法の光の中に消えていった…………
04話 完