メッツァー様がチート級能力を得て魔法戦士ヒロインたちを手籠めにして無理やりハーレム化する話~RPG式セクハラバトルZERO シナリオパート~ 作:ろむ1000/為五郎
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・ゲームの試作版 01-09話までが収録されてます。ゲーム内での話数とは別ですのでご注意ください。試作版とは、前作をひな形にイラストとテキストだけを入れ替えたものです。
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言うまでもないであろうが。
ココノの脱走は実行されなかった。
いや、中途半端には実行されたというべきか?
────その夜。
ココノを性接待に送り出し、俺はじりじりとした時間を過ごしていた。
己の進退を賭けた事態が離れた場所で進行しているわけで、落ち着けるわけがない────というわけではなく。
それでも俺の胸中は、ココノのことで占められていた。
────なぜ、傷つけるとわかっている言葉をぶつけてしまったのか。
おそらくあれが、今生の別れとなるというのに。
後悔ばかりが思い返される。せめて、笑って別れることができなかったのかと。
それ以外にも。
無事に逃げおおせているだろうか、不測の事態で本当に犯されたりしていないか、などと。
ココノにほかの男の手が伸びようとしている────想像するだけで吐き気がこみあげ、頭が焦燥感でどうかしそうになる。
そんな気持ちを抱いたことはそれまでなかった。
性魔術師である以上多くの女を抱いて修練を重ねてきたが、ほかの男のように女に執着したことなどなかった。交尾そのものにはあまり関心がなかった。
情交でマナを吸収することには快楽があったが、それは特定の相手に執着するようなものではなく、一夜限りの関係だった。
そんな俺が、一人の女のことで頭がいっぱいになっていた。
そんなことを考えている場合ではなく、後から怒鳴りこんでくるであろう上役にする言い訳を考えねばならないだろうに。
そうして悶々とした時間に耐える俺の執務室の戸に、控えめなノックがあった。
────催眠魔法が完全に効いていれば、発覚は朝になってからのはず。失敗したか?
ゾクリと悪寒が走るのを感じながら、平静を装い入室を許可する。
────失礼、します…………
おそるおそるというふうに入室してきたのは、ここにいるはずのない人間────ココノだった。
メッツァー
「…………なぜ、ここにいる」
ココノは恐々といった様子で答える。
作戦は順調に進んだらしく、上役の寝室で催眠魔法を使い寝かしつけてきたとのこと。
ならばあとは脱走を敢行するだけのはずだが────
ココノ
「でも……………………私がいなくなったら、メッツァー様は一人きりになっちゃうじゃないですか…………」
────その言葉が、なぜか俺の感情を撃鉄となって爆発させた。
メッツァー
「────そんなことは当たり前だっ! この世に一人きりでない人間がどれだけいるというのだっ…………家族だろうと、夫婦だろうとっ……真に信頼できる人間がいる者などそうそういるものかっ……いちいち同情されるようなことではない……!」
ココノ
「……………………」
メッツァー
「いい加減赤の他人に同情して、感情で動くのはやめろ……! この世は、特に戦場はっ……それで生き残れるほど甘くはないっ…………そんなだからっ……今そんなザマを晒しているんだろうが……!」
────赤の他人に同情し、組織に不正をはたらいてまで助けようとしたのは、さて誰だったか────
メッツァー
「帰るべき場所があるのだろう……!? 家族か、仲間か、立場かっ…………それが本当に信頼できるのか、暖かいものなのか、俺にはわからん。だが、信じているのだろう……!? なら、優先順位を間違えるなっ……それ以外のものなど、誤差のようなものだろうが……!」
────溜め込んでいた感情をぶつける。
溜め込んでいたといっても別に今初めて言ったわけではなく、これまで折に触れ伝えてきたことだ。
今日まで一切反省の色が見られなかったが、さすがにこれだけ強く言えば────
ココノ
「……………………」
────だが。
俺の怒声は、かえってココノの迷いを払拭したようで。
ココノは、戦場で出会ったときのような凛とした瞳で、迷いのない足取りで。
────俺に歩み寄り、力強く抱きしめてきた。
メッツァー
「……っ……!? な、なにをっ…………!」
ココノ
「……………………だって、思ってしまったんです…………」
メッツァー
「……………………」
ココノ
「クイーングロリアには、すばらしい騎士がたくさんいます…………本当に、たくさん…………」
メッツァー
「……………………?」
ココノ
「だったら、嫌われ者のメッツァー様にも私ひとりくらい……いてもいいんじゃないかって…………」
メッツァー
「……っ………………」
────受けいれては駄目だ。
だって彼女のためにならない。
突き放し、今からでも仲間のもとへ走れ────そう諭すべきだ。
けれど、温かくて。
迷いなく抱きしめてくる彼女の腕が、柔らかな体が────どうしようもなく温かくて。
結局、俺は────最後まで、突き放すことができなかった────
◇◇◇
────ここから先は、以前に話したことがあるな。
せめて責任を取りたかった俺はココノに求婚した。
だが「性奴隷と結婚してはメッツァー様の立場が悪くなる」と断られた。
ココノに全てを捨てさせておいて責任も取ってやれない。
自分の甲斐性のなさに嫌気がさした俺は、つい、見栄を張ってしまった。
「俺や妹のような浮浪児がいない国を作りたい。歴代の女王でもできなかったことだが、俺のような経験を持つ者ならこれまでとは別のやり方ができると思う。そのためにもまずは、ゼーロウの頂点に立ってやる」
ココノを喜ばせたくて、でっちあげた夢の話。
もちろんそういう気持ちがゼロだったわけではないが、本当にそんなことを志すなら、己の全てをそのために捧げ尽くす覚悟が前提となる。
俺はそうではなかった。
少年のころ、人に、社会に絶望し、「自分が王だったらこんな国にはしないのに」と、ただ空想で遊んでいただけのことで。
ゼーロウで立場を持つようになってからは、それすらほとんどしなくなっていた。
あまりに軽い、中身のない話。
けれど、ココノが。
あまりに嬉しそうに笑うものだから。
「この夢が叶えば、自分でもココノを幸せにできる」、そう勘違いした俺は。
ひっこみがつかなくなってしまったわけだ。
人生に、後悔があるとして。
けれど人間である以上、常に最善の選択をすることなんて不可能だ。
知識の、経験の不足。若気の至りなんて言葉もある。
感情の、人間関係のこじれ。
時間的、金銭的余裕のなさ。
結果として間違っていたとしても、じっくりとその当時のことを振り返ってみれば。
ほかにどうしようもなかった────そういうことがほとんどだ。
それでも、そうだとしても。
「なぜ、あんな馬鹿なことを」────そう、後悔することがあるとするならば。
俺にとってはこれだった。
なぜ、素直に。
「おまえさえいれば、ほかに何もいらない」
そう、言えなかったのだろう────
────以前にも話したことはあるが、このあと俺は、幾度も判断ミスを重ねることになる。
対魔法戦士戦で。
組織内の立ち回りで。
個人的な身の振り方で。
その根底にあったのは、このときの発言なわけだ。
ゼーロウ内での栄達を目指しながら、ココノに遠慮して非情になりきれず。
中途半端に罪を重ねて、近衛団に投降する機会も逸した。
二人だけで逃亡するという手もなくはなかったはずだが、魔法戦士を────聖涙石を甘く見たまま対スイートナイツ作戦を続け、抜本的な対策を打たなかった。
その結末は、おまえたちも知っているとおりだ。
ほかにまだ語っていないことは…………そうか、あとは……ココノの最期くらいか────
◇◇◇
────スイートナイツは監禁用結界を破ったのち、アジト内を派手に破壊しながらティアナ姫を救出。
その後は姫の安全を優先したようで、俺への直接襲撃は行わず脱出していった。やはり完調とはいかなかったのだろう。
奴らに設備を大きく損壊されたアジトは警備、防衛能力を大きく毀損していた────そこを突かれた。
アジトを監視し俺の任務失敗を直ちに察知した上層部は、すかさず粛清の刺客を送り込んできた。
そしてココノは、俺をかばいその攻撃をまともに受けて────
────アジトの廊下。血に塗れ倒れたココノの頭を膝に乗せ、かき抱く。
刺客はなんとか打ち取った。だが失敗したとわかれば、そう遠くないうちに今度は数をそろえて討ち入ってくるだろう。
だが今は、そんなことを考えることはできなかった。
完全に致命傷。胸を穿たれたココノに、無駄とわかりながら治癒魔法をかけ続ける。苦痛を長引かせるだけだろうに。
だが、その苦しみの中でもココノは、優しい笑みを浮かべた。
胸の傷に治癒をかけ続ける俺の手に、自分の手を重ねて。
────大きな手…………固くて、少し骨ばって、でも温かくて…………この手に、自分の手を重ねて眠る夜が、私の一番好きな時間でした────
しゃべるなと言いたくて。でもどちらにしろ、もう手遅れで。
ココノの言葉を、少しでも聴いていたくて。
もうわけがわからなかった。
────フフッ……メッツァー様ったら、なかなかお声をかけてくださらないから、すごくやきもきしたんですよ? 捕虜のときは自信たっぷりにいじめたのに、それで気持ちよくしたくせに。自分のものになったら、あんなに大切に扱うなんて。ひどいじゃないですか────
…………ああ、あのことか。
脱走の機会を窺っている間は、必要なければ一切触れなかった。
性奴隷というのはあくまで表向きで、実際は俺のわがままに付き合わせていたのだ。当然のことだろう。
────もう、私からお誘いするしかないかもって。でも、はしたないと思われたらどうしようとか。本当に困ったんですから────
それはこちらだって同じだ。
ココノが本当の忠誠を誓ってくれたあと、俺はいろいろと難儀した。
おそらく、いやほぼ間違いなく、ココノも求めてくれていると察してはいたのだが。
大切すぎて。傷つけるのが、本当に恐ろしくて。
この性魔術師が、まるで童貞の少年のように。
どのように、どこに触れたらいいかを探した。
────だから、メッツァー様から求めていただいたとき、本当に嬉しかったんです。ひょっとして、私は妹君の代わりで。女の子とは見られてないのかも、なんて…………そんなことまで考えちゃったんですから────
それも同じだ。
ココノは優しいから、貧しい生まれの俺を憐れんだだけで。
男として求めてなんていないんじゃないか、そんなことも考えた。
そういうものに依存するように仕向けたのは俺だというのに、どこまで臆病だったんだろう、俺は。
────フフッ……おんなじです、ね────
ああ、同じだ。
────じゃあ…………いいかな────
…………?
────メッツァー様…………ココノに、指輪をいただけますか?────
…………っ…………あ、あぁ…………ああ、もちろんだっ…………
ココノの首元にいつもある、チェーンを通してネックレスとなっている指輪。
それを震える指で、外して。
彼女の血に濡れた左手薬指に。
同じく血に濡れた俺の指で、ガクガクと震えながら────はめた。
────フフッ…………すてきな指輪……ありがとうございます────
……………………
────これで、晴れて性奴隷は卒業…………お嫁さん……ですね……?────
……ああ、ああっ……そのとおりだっ…………おまえが……おまえだけがっ……俺の、妻だっ…………
────嬉しいです……メッツァー様…………私…………幸せでした……よ……?────
……本当に…………本当に……?
────メッツ……様……は…………なにも…………まちがって…………わた…………いえな…………────
────そこから先は、もう、言葉にならなくて。
その数分後────ココノは、息を引きとった────