メッツァー様がチート級能力を得て魔法戦士ヒロインたちを手籠めにして無理やりハーレム化する話~RPG式セクハラバトルZERO シナリオパート~ 作:ろむ1000/為五郎
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翌日、ミネルヴァ・ガードのブリーフィングルームにて。
昨夜のうちに最低限の報告は済ませてあり、まとめられた内容をもとに情報共有と対策を会議することとなった。
共有すべき情報として、
・結界にはすべてにメッツァークローンがいた。同じように正面から戦闘となり魔法戦士の圧勝。逃走を許した点も同じ。
・事件規模のわりに人的被害は意外にも軽微。どうやらはじめに魔法による催眠ガスで眠らせ、その範囲外にいた人は脅して追い散らしただけらしく、直接暴力を振るわれた者はいなかった。騒動の中で転んで負傷した者が少数いる程度だ。マナを奪われた人々も、今回は念のため病院に搬送されたが命に別状はない。衰弱はしているが二、三日休養すれば問題ない程度のものらしい。
・ただし、少数の行方不明者が出ている模様。まだ確定ではないが拉致された可能性が高い。
・事件発生の直後からロアとの通信、転移ができなくなっている。タイミングからみてメッツァーの妨害工作の可能性が高い。現在原因を究明中。
以上が挙げられた。
ローズ
「────あれだけのことをしておいてわざと負けてみせるなんて、ひどい侮辱ですわっ」
ライム
「日頃の行いが悪いと大変だね。たまに真面目にやっても、それはそれで悪く言われるんだから」
ローズ
「……………………亜梨子さん?」
ライム
「つ、つまり日頃から真面目にやることが大事だってこと! …………実際、馬鹿にされてたのは間違いないだろうし」
ローズ
「ええ、それに…………女性に対してっ……ふ、不適切なセクハラ発言を連発っ……思い返すだけで不愉快なっ……なんなんですのあの男は!」
ライム
「ひ、ひどいよね……こっちが恥ずかしがるのを面白がってた…………言い回しもなんというか……ねちっこくて、こう……おじさんくさいというか…………」
シュガー
「自分で言った卑猥なジョークにいちいち自分で受けているのはどうかと思いました…………」
ティアナ
「…………すみません…………以前はあんなではなかったのですが…………」
ローズ
「な、なぜティアナ様が謝られるのか意味不明なのですが…………あんなでは、なかった……?」
ティアナ
「はい…………一見変わってないように見えるのですが……会話してみると、違和感を多々感じました。なんというか…………」
記憶を掘り起こしながら言語化していく。
ティアナ
「そう、以前はもっと張り詰めた雰囲気がありました。不敵に見えるよう振舞っていましたが、侮られないよう意識的に演じていたのでしょう…………勝利に終わったあとだから言えることですが」
かつて未熟だったころには気づかなかったことに気づき始めた。
ティアナ
「それに…………私を……その、凌辱するときでも……任務の一環というか、義務的なものを感じました…………性魔術師であるメッツァーにとっては、あれが戦術的に最適だったのかもしれません…………」
ローズ
「…………では、今は」
ティアナ
「信じがたいことですが、魔法戦士との戦いを心から楽しんでいるように見えます…………その、次々出てくる卑猥なジョークも……浮かれた心、もしくは余裕の現れかと……」
ローズ
「…………感情的には認めたくないですし、常識的にも認めがたいですが、相手は実績ある指揮官…………ブラフだと、信じたいですわね……」
ティアナ
「……実は、もうひとつ可能性があると思うんです。それは…………」
再会してからのメッツァーがやたらと情緒不安定であり、ふとしたきっかけでわめき散らすなど、錯乱している可能性を無視できないことを説明した。
シュガー
「──なるほど。たしかに、人格をコピーしたクローンを大量生産して操るなんて前代未聞のことをしているのです。その可能性も排除できませんね」
リリー
「菜々芭ちゃん、そもそもそんなこと本当に可能なことなのかな?」
シュガー
「人間に対するクローン技術は人権侵害に直結する技術ですので、私は専門外ですし、女神近衛団もそもそも研究もしていません。ですので、ゼーロウから押収した研究資料の概要くらいしかわからないのですが、それでよければ…………」
リリー
「おねがい」
シュガー
「わかりました…………ゼーロウでは、早くからクローン兵士の可能性に着目していました。主に魔力の素質を中心に対象人物を選定し、実験を繰り返していましたが、結局はいくつかの課題を克服できず諦めたようです」
シュガー
「まず、魔力の大きさがクローンでは再現されません。およそ三分の一程度になってしまうそうです。それでも天才をコピー対象にすれば普通に才能ある人を探すよりは効率的ですし、禁止薬物の投与によって無理やりに本物レベルまで魔力を強化することも可能だったようで、これだけでは諦めませんでした」
シュガー
「けれど、次に教育面でも課題が出てきました。生産時に精神系魔法で脳に技術や知識をインプットすることは可能だったのですが、それだけでは精神的にあまりに未成熟で非常に使いづらかったようです。生産時に植えつけられたゼーロウへの忠誠心だけでは細かい状況変化にまったく対応できず、度々暴走を起こしました。それを克服するためには、普通の人間と同じように時間をかけて教育する必要があるのですが……」
シュガー
「そこまでするとコストも相当なものになります。しかも薬物による魔力強化を行っていた場合、寿命が非常に短いものになるそうで、さらにコスト効率が悪くなり…………最後は『だったら今まで通り魔物を使ったほうが安上りだ』という結論となり、研究は終了となりました…………中には戦場で討ちとられた魔法戦士から鹵獲した聖涙石を使用して、魔法戦士のコピーを作った研究者もいたそうですが、戦場で何回か目撃情報があるくらいなので、やはりこのあたりの課題を理由に挫折したのでしょう」
リリー
「…………そうだとすると、メッツァーの人格をそのままコピーするというのは……」
シュガー
「精神系魔法による人格の複写…………理論的に不可能ではないのでしょうが、凄まじい難易度です。自分自身という、素材としてはもっとも扱いやすいものであることを考慮しても。メッツァーの得意魔法は性魔術──精神系魔法と密接な関係にある魔法ですが、それでも本当に可能なことなのか、と疑いたくはなります。けれどああして見せられれば、できるのかも? という気も…………すみません、これくらいしか……」
リリー
「ありがとう、菜々芭ちゃん――――とりあえず今のところメッツァーの言うとおりである以上、できるものとして考えたよさそうですね。そのうえでそれほどの難行なら、精神に異状が出ていても何もおかしくない、と」
ライム
「錯乱してるからって、戦略眼を失ってるとは限らないけどね」
ローズ
「なにか新たな情報が入らない限り、結局は『用心する』以上のことは言えませんわね……」
ティアナ
「…………あの、クローン技術による異状も疑わしいのはたしかなんですが、もうひとつ心当たりがあって……」
シュガー
「……ああ、錯乱している原因についてですか?」
ティアナ
「はい、実は…………」
──そう言って、ココノのことを語り始めた。ティアナとしては、メッツァーを捕らえたときなんとか死刑だけは回避できるよう、少しでも情状酌量の余地を感じられる情報を伝えておきたかった。
シュガー
「──なるほど。最愛の女性を失ったことによる錯乱、あるいは複合的な要因による可能性もありますね」
ローズ
「…………けれど、ココノさんという方はメッツァーに……その、調教や洗脳をされていたのですよね。自分でそんなことをしておいて、身勝手が過ぎますわっ……」
ティアナ
「それもわかりません。ゼーロウではそういうことになっていましたが……監禁されている間に見た実際の二人の様子からは、とてもそんないかがわしい雰囲気は感じられませんでした…………その、ぎくしゃくしている感じはありましたが、それも互いが互いをかばいあってすれ違っているだけだったようで…………」
──正直、羨ましかった──
そこまでは口に出せなかった。
ライム
「噂通りの変態さんとは限らないってことか…………とはいえ、私たちがやるべきことに変わりはないんだけど……」
ローズ
「亜梨子さんの言うとおりですわ。その……少しは弁解の機会を与えてもいいとは思いますが、すべては勝ってからの話。まずはそちらに集中すべきですわ」
◇◇◇
その夜、再び警報が鳴り響いた。
二日連続の異常事態。内容も同じく、場所は異なるが昨夜と同じ数の結界発生が観測された。
魔法戦士たちは、やはり同じように単独行動で結界への突入を敢行する。
内部の状況まで同じ。救助を待っている人々に状況を確認。起こっている事態まで同じ──ティアナは迅速に結界中心へ向かっていく…………
メッツァー
「────二日続けてのお呼び立て、誠に申し訳ございません、姫……ククッ!」
マナ抽出用魔法陣を解除しながら笑いかけるメッツァー。
ティアナ
「私などより、救助や警備にあたっている方々に詫びてください…………もちろん、被害にあった方々にもです」
メッツァー
「私が気に病むのは愛しき姫のご機嫌のみ。虫にも等しき有象無象の迷惑など、気にしたことすらありませんな」
ティアナ
「そうですか? 死者が出ないよう気を遣っているように見えますが。中央で催眠ガスをまくのも、倒れた人々が逃げる群衆に踏まれないようにという配慮でしょう?」
メッツァー
「…………たしかにそうですが、配慮はこ奴らのためではありません。私が恐れるのは無闇に人々を害することで、今度こそ姫に愛想を尽かされること…………まったく理解に苦しむのですが、たとえ無理やり手籠めにしようとも、そこさえ気を付ければ姫は許してくださるようですので」
ティアナ
「……そう思うのなら、かどわかした方々を返してくださいませんか」
メッツァー
「あの者たちは比較的マナの保有量が多かったので、アジトにてじっくりと抽出させていただいております。健康状態くらいなら多少の気は遣いますが、返却までは、ねぇ? ただでさえ姫をお招きするこのステージのために出費がかさんでおりますのに…………ククッ、このように、自粛するからこそ交渉材料にできるということもあります」
ティアナ
「くぅ…………私に何を求めるのですか……?」
メッツァー
「…………何かいかがわしいことを要求されると思っていませんか?」
ティアナ
「お、思っていませんっ! 仮に思っていたとしても、すべて貴方の前非の数々のせいでしょう……!」
メッツァー
「フフッ、あまり急かさないでいただきたい。今はまだ、凛々しく成長された姫の勇姿を堪能させていただきたい…………ベッドの上で愛を確かめあう時間は、後日たっぷりとってありますので……ククッ!」
ティアナ
「…………くぅ…………まだ返してはもらえないということですか?」
メッツァー
「後日です、後日。今は私とのダンスの時間です。他の者のことなど気に留めてはなりません。私は嫉妬深いのですよ?」
ティアナ
「……いいでしょう、私の力を見るのが望みというなら見せてあげましょう。そのような戯言、二度と口にできなくしてあげます……!」
剣を構えるティアナ。対するメッツァーの構えは…………魔法を唱えるための呪印を組む構えだ。
ティアナ
「……ようやく本気になりましたか」
メッツァー
「魔法戦士相手に騎士の真似事はさすがに荷が勝ち過ぎました。あっという間に終わって、楽しむにもさすがに費用対効果が低すぎます。次は魔導師として正々堂々と戦うとしましょう…………まあ、正々堂々なので事前の仕込みも何もしておりません。自前の魔力だけでは上魔は召喚できませんが」
ティアナ
「ふざけているのですかっ!?」
メッツァー
「これをふざけていると仰るなら、姫には以前の発言の数々を無礼なものとして取り下げていただかなければなりません。正々堂々とはこういうことです。そうでないからといってなじることは、力のない者は何も成せないまま死ねと言っているのと同じです」
ティアナ
「…………わかりました。お詫びして訂正します。貴方がそれでいいと言うなら、これ以上言うことはありません。あとは全力でぶつかるのみです……」
メッツァー
「ククッ、ご安心ください。正々堂々とは言いましたが無策とは申しません。姫が退屈なさらず済む程度には盛り上げてみせましょう……!」
(バトル)
メッツァーB
「──そこまでです!」
別のメッツァークローンが、倒れた人々に攻撃魔法を展開した手を向けて告げた。
ティアナ
「……………………くっ……」
仕方なく剣を下げる。
メッツァーとの戦闘は、下魔を召喚し盾にして逃げ回る彼をひたすら追いかけ続ける形となった。ときおり攻撃魔法をとばしてくるが、倒された下魔を補充するために召喚もしなければならないので大した頻度ではない。
この程度なら苦もなく……と言いたいところだが、正直疲れた。メッツァーの言った「策」を警戒し続けたためだ…………結局何も起こらなかったが。
魔力の尽きたメッツァーの懐についに踏み込もうとしたところで…………再び人質をとられた。
ティアナ
「…………まさかこれが策ではありませんよね?」
メッツァーA
「フフッ、耳が痛い……お察しの通り、これは無事に逃げおおせるための単なる保険です。策は……なくはないのですが、使う余裕がありませんでした。……ククッ、私を蛇蝎のごとく嫌う女神近衛団に追い回された日々を思い出しましたよ。おかげで初心に帰ることができました。まったく、理不尽なほどの力の差だ…………」
ティアナ
「……………………メッツァー…………」
メッツァーA
「フフッ、そんな顔をなさらないでください。別に不公平とも思いません。姫たちは、代わりに余計なものをあまりに多く背負っている。それを守り切ろうとするなら、その力でさえ甚だ不足でしょう…………思うに、女神というのは本当にいたのかもしれませんね。姫たちには、その志の気高さに応えて相応しい力を授けたわけです…………ですがそれが公平というのなら、私には他人を傷つけても痛まぬ心を武器にする権利があるともいえる。女神はそのことに気づいていたのでしょうか……」
ティアナ
「……………………」
ティアナには何も言えなかった。「それでも争いを終わらせ、正義と慈愛を持った者が勝利するためには聖涙石が必要だった」……以前ならそう言えただろう。しかし、女神近衛団の治世下でも救われない者たちから生まれたのがこの男であり、そういった者が自身を救おうと立ち上がることまで否定できるほど傲慢にはなれなかった。
メッツァーA
「……失礼、負けた言い訳を長々と。とんだお耳汚しでしたね。男とは、勝ち続け、他者より優越してこそ価値があるもの。子を産むことができる女とは違います。最優の一人がいればいい。男の泣き言などに何の価値がありましょうか」
ティアナ
「…………そんな、ことは…………」
メッツァーA
「ククッ、勘違いなさらないでください。その最優の一人とは私のことであると確信しておりますので。姫も他の魔法戦士も全員、足元にかしずかせてご覧にいれます…………本日はご期待に沿えず申し訳ありませんでした。それでは失礼、また後日……」
そう言って、2人のメッツァーは転送魔法の光の中に消えていった。
◇◇◇
翌日の日中、ミネルヴァ・ガードのブリーフィングルーム。昨日と同じようにメッツァー対策会議が行われている。
共有すべき情報として
・それぞれの結界の中では、やはりティアナの担当場所と同じようなことがあったらしい。
・違いとして、ティアナは最後まで慎重さを最優先し決着まで40分以上かかったが、途中で速攻すべきと判断した者もいて、そちらは15分前後で勝利していた(そのあと結界の基点を捜索して破壊するため多少の時間がかかるので、ほかへ援護に行けるほどの余裕はない)。
以上が挙げられた。
ローズ
「──今回もずいぶんとふざけた真似をしてくれましたわね。とはいえ向こうの思惑どおりに逃げられてしまった以上、侮られても仕方がないのかもしれませんが…………」
ライム
「市民を人質に取られるとどうしてもね……とはいえ結界一か所に一人じゃあ、撤退支援のときまで隠れてる奴を探し出すのも無理だし…………そもそも見つけられても二人とも健在じゃあ片方を追いかけてる間に多分……」
ローズ
「まったく…………正面から来てくれればあの程度の相手、2人同時だろうと叩いてみせますのに」
ライム
「向こうもそれがわかってるからああいう立ち回りになるんだろうけどね。現状では、勝つ気のない相手のお遊びに付き合い続けるしかないのかな…………悪ふざけでこんなことするなんて、ひどすぎるよね……今のところ死者は出てないけど、こんな規模でこんなこと続けてたら、いつ出てもおかしくないよ…………」
シュガー
「向こうが躊躇なくテロリズムに訴えてくる以上こちらは受け身とならざるを得ません。ことが起こってから現場レベルでできることは被害の拡大抑止と現場での犯人の確保……ですが戦力不足で犯人確保までは不可能、と」
リリー
「こちらが主導権を握るにはどうしても敵拠点の情報が必要なんだけど、今のところ百合瀬財団や政府の情報網にも有力な情報はないの。現場でクローンのひとりでも押さえられればいいんだけど…………」
ローズ
「そのためには追加の戦力が必要ですわね…………女神近衛団との通信は、まだ回復しませんの?」
シュガー
「はい。どうやらジャミングのようなものを受けていることはわかるのですが、発信源はロアのようでして。ジャミングを解除するにはロアでの発信源をどうにかするしかないのですが…………その、ロアの技術は逆探知などの情報系はこちらに比べかなり弱くて…………時間がかかるかもしれません……それに、通信の確立は転移にも必要な要素なので、直接行くということもできません」
ライム
「つまり現状打てる手が見当たらないっていうことか…………」
05話 完
・魔法戦士シリーズでクローンといえば、やはりダークリップとかを連想します。こんなのが簡単に作れるなら魔法戦士本人はいらないんじゃ? みたいなことをつい考えます。なんとか自分なりにそれじゃダメな理由を作ってみました。
・△の悪役主人公がどの程度まで悪いことをするかって、結構曖昧なんですよね。やりすぎると感情移入しづらくなるし。市民が逃げ惑うシーンは頻繁に出てくるのに、はっきり殺すシーンはめったにないんで、なんとなくソフトな印象だったんですけど。でもシナリオ書くために久々にプレイしなおしてみると、稀にですが「死屍累々」って感じのことをやらかしてることがやっぱりある。
大義名分なしの殺人は嫌いな人が多そうだし、ダークヒーロー主人公が悪事を働いたうえでかっこよく見えるにはどうすればいいか、というのを長年考えた結果がこのメッツァー様です。最低限でも大義名分があるとだいぶ許される感じがします(気のせい?)