ノエルのブースを離れ、ウェイターたちと挨拶を交わしながらホールを抜けていく。
おかゆところねがクソデカマンガ肉を一緒に運んでいるところを見送ったとき――牛柄コスを着て、パンパンに張り詰めた乳房をビキニの上から手で隠していた白上と遭遇した。
「んッ……おやおや、オーナー君ではないですかっ。どうだい?お仕事の調子はいかがかね?」
それなりに大変であることを伝えると、白上は「それでも昔よりはマシだと思いますけどねぇ」と苦笑し、どたぷん……♡と胸を重そうに持ち上げる。
それにしても……記憶にある白上の姿からは想像もできないぐらいアンバランスな乳房の膨らみ具合だ。耳に着けているピアスが、今日は乳牛の耳標風味のものになっているのもなかなかにインモラルだ。
「白上のお乳は、そんなに量が出ないんだけどねぇ……。今日のお客は、どうしても白上を『乳牛』にしたいらしいんだ……まったく、困ったもんだぜ……!」
ふぅ、と本気のため息を漏らした白上。ほとんど同じ位置にある顔には、確かな憂鬱と……同量の興奮が浮かんでいた。
「むぅっ!なにやらシツレイな視線を感じますが……もしかして、オーナー君も白上のおっぱいが飲みたいんですか?」
白上が「にひひっ♡」と小悪魔チックに笑ってからかうものだから、こちらも意地になって『飲みたい!』と返してしまった。ミオには危ないと言われていたが、一口ぐらいなら大丈夫だろう。
しかし、言い出しっぺの白上は一瞬だけ言葉に詰まって、恥ずかしそうに隠していた胸をギュッと抱える。
「…………うん、やめとこっか、ごめんよ。白上のおっぱいは……ねっとり系で、中毒性があるぐらい甘いらしいし……。それに、オーナー君に飲ませたら……ミオが怒るだろうから……」
白上とミオの、どこかワケアリに感じる関係性が気になりながらも……あまり突っ込まない方がいい気がしたため、自分も静かに頷いた。
「……っと……私はこれからVIPにこもっちゃうので、『ぎゅうぎゅう♡タイム』には参加しないんですが……オーナー君もしっぽりと愉しむ予定ですか?」
聞き慣れない単語に首を傾げると――白上が「…………ミオ……やっぱり……」と悩ましげに呟いた。
「……こほんっ! まあね、きっと大丈夫ですよ、うん! ネット社会が壊れても私たちはこうして存在し続けているぐらいだし! オーナー君もね、白上に負けないようにお仕事がんばりたまえ~♡」
白上は手をひらひらと振って、VIPの前でソワソワとしていた男と合流し……乳繰り合いながら、闇の世界へと入り込んでいった。