性に無知な美聖女が淫蕩サキュバスに捕まり、おち○ぽ生やされて精液を絞り尽くされたり、淫紋刻まれてえちえちにいじめられたり、らぶらぶになったりする話 作:sunaa
アリシアが転移したのは玉座の間だった。
アリシアは冒険者として各地を旅したが、アルビルの王宮と似ていた。
高い天井に金の柱、壁面にあしらわれたステンドグラス。
アルビルでは垂れ幕や床に敷かれている飾り絨毯の色が青だが、この場所では深紅だった。空間全体ではその色の印象が強い。
そんな周囲の光景に目移りすることを許さないのは玉座に座る存在のせいだ。
ダンジョンマスターなのだから、魔族なのは間違いない。
間違いないはずなのに、アリシアが心に抱いたのは『美しいひと』という印象だった。
ここがダンジョンの最奥部でなかったら、アリシアは女神だと思っただろう。
すらっとした顔立ちに大きな深紅の瞳。
流れるような長い銀髪の上部を瞳と同じ深紅のリボンで留めている。
パーティードレスのような装いだが、その装いでパーティーに行くなどありえないほどに肌の露出が多い。肩や脚はほとんど露出しており、胸でさえ半分は露出したように横から乳がこぼれている。
はしたない。
そう思う気持ちと同時に、今まで感じたような感情を抱いたが、その感情の名前をアリシアは知らなかった。
「あなたがここのダンジョンマスターですか?」
アリシアはできる限り強い口調でそう訊ねた。
そうしないと戦う意志を奪われそうなほどに相手は美しかった。
「そうよ。リリィ・シェルク。あなたのことは知っているわよ、聖女アリシア」
一音一音がはっきりとして、それでいてどこか妖しさを感じさせる美声だ。
「かわいい子ね。お茶なんかどうかしら? 美味しいのを煎れてあげるわよ」
「魔族と戯れるつもりはありません。リリィ、わたしはあなたを倒します」
「そう。残念ね」
アリシアは構えを取るが、リリィは玉座に座って脚を組んだままだ。
(その余裕、後悔させてみせる)
「黄昏を暁に。混沌を秩序に。全き光よ、槍となれ。『光槍』」
光を槍の形状として放つ初級魔法だ。
ただアリシアのそれは威力と量が桁違いだ。
一つの槍に桁違いの魔力を込め、それを五〇〇〇もの数作り出す。
アリシアが単独でダンジョンに攻略するのが、仲間が必要ないからだ。
彼女一人で王宮の抱える魔術師全員の魔力量を上回り、攻撃魔術の威力も桁外れに高い。パーティーを組むと、かえって仲間を巻き込む危険性があるのだ。
アリシアは、アリシアの祝福は、それほどまでに強力だった。
アリシアは決意とともに、その槍をリリィに向かって放つ。
この魔法で決める。
そうしなければいけないと、心が告げていた。
これまで感じたことのないような焦りを感じていた。
すべての槍を玉座へと、リリィへと、向かわせる。
この魔法でドラゴンや巨人さえも倒してきた。
アリシアにとってそれは必勝の魔法であった。
リリィは脚を組んだまま、向かってくる数千の槍を恐れる様子もなく、右手をまっすぐに伸ばした。
王女のようなゆったりとした動作だった。
リリィの右手が赤紫色のオーラを纏う。
そして、光の槍はすべてリリィのその赤紫色のオーラによってかき消された。
「とんでもない魔力量ね、アリシア。祝福による底なしの魔力かしら?」
リリィがなんでもなさそうに言うのを、アリシアは恐れなかった。
どんなに超然としたことが起きても、相手を恐れないこと。
戦いは恐れた方が負ける。それが師の教えだった。
「あなたの方こそとんでもないことを。それも祝福ですか?」
アリシアはできる限り焦りを隠してそう問い返した。
「ええ。この右手はどんな魔力も打ち消す。無効の効果を持つ祝福。あなたがどれだけの魔力を持っていても私には効かないわよ。だからやっぱり、お茶でもしましょうよ」
リリィの言葉からは少しの焦りも感じられなかった。
その口調がかえってアリシアをさらに焦らせる。
リリィの言葉が真実なら、いや真実でも、自分ができることするしかない。
心を落ち着かせ、詠唱をする。
「黄昏を暁に。混沌を秩序に。全き光よ、流星となれ。『流光星』」
光を何層にも凝縮し、流れ星のように上空から落とす、それはアリシアが使えるなかでも最上級の攻撃魔法だ。
最大限の出力で、最大限の密度まで練り上げる。
一〇万の兵士を集めてもその一撃の威力には及ばないだろう、絶対の攻撃魔法。
アリシア自身さえも目を開けてはいられないほど、光はまばゆく明るい。
アリシアは全身全霊を込めて、リリィに星を落とした。
「物騒なことをするわね」
けれど、先ほどと同じ結果になった。
リリィは玉座に座ったまま右手を掲げたことで、赤紫のもやに、アリシアの最大限の魔力は打ち消された。
「相性が悪いわね。あなたの魔力がたとえ無限でも、無効には勝てないわよ」
リリィの言うとおりだ。
どうやらアリシアとリリィは相性が悪い。
アリシアは物理的な戦闘力が高くない。
無限の魔力によって攻撃魔術と防御魔術を最大限に駆使する魔法使いだ。
これまでそれを打ち破ったものはいなかった。
初めて自分の魔力が通用しない相手に出会った。
でも、それでも対策がないわけではない。
アリシアはローブの腰周りに刺していた短剣を引き抜く。
短剣には刃がない。
師から譲り受けた秘宝『明滅』。
それが短剣の銘だ。
祝福であれなんであれ、刺した相手のあらゆる加護を数日間は消滅させる。
それを使うのは初めてだ。
だが躊躇する状況ではなかった。
アリシアの他のどんな魔法も、目の前の相手には通用しないのだから。
「エルフの秘宝『明滅』ね。おもしろいものを持っているのね」
「余裕でいられるのは今だけです」
アリシアは全身に防御魔術を張り巡らせ、リリィに向かって駆け出す。
決してスピードは速くはないが、相手がどんな攻撃をしても、アリシアの防御を貫くことはできない。
それゆえに相手の攻撃をよける必要がない。
これもまたアリシアの強さの一つだ。
アリシアが至近距離まで迫っても、リリィは身じろぎひとつしなかった。
「ねえ、アリシア」
飛び出したアリシアをまるで宥めるようにリリィが囁いた。
花の蜜のような甘い香りがする。
その深紅の瞳に吸い込まれそうになる。
花火のような、夕焼けのような、木漏れ日のような、アリシアがこれまで感じた美がその瞳にぜんぶ詰まっているようにさえ思えた。
(だめだ)
アリシアは瞬間的にそう判断した。
この瞳をずっと見ていたらだめになる。
魔法?
祝福?
わからない……けれど。
見つめてはいけない。
それがわかって、目をそらすと、今度は服から零れるような白い肌が覗く。
雪丘のようなふくらみに目をとられる。
なぜだろうか。
アリシアの意志が挫けていくのがわかる。
その雪のように白い肌に目が奪われる。
それに触れたいと思う。
そんな今まで感じたことのない感情にアリシアは戸惑う。
戦いのさなかに感じるような感情に……。
「あらあら、アリシアはここが好きなのかしら?」
「そんなこと……」
アリシアは図星をつかれて言葉を続けることができなかった。
代わりにリリィを睨み返す。
それでも大きな深紅の瞳は動じることもなく、小ぶりな唇が妖しく微笑んだ。
その挑発に応えるように、アリシアは抱いている感情をすべて振り払って、手にした短剣でリリィを貫いた。
はずだった。
それなのに、アリシアは握っているはずの短剣をいつの間にかリリィが握っていた。
「戦闘中にあんなに目をそらしちゃだめじゃない」
リリィの微笑みながら、ふわっと左手のもので、『明滅』で、アリシアの胸を薙いだ。
「それに自分の弱点の武器を持ってきちゃ、だめよ」
アリシアがまとっていた防御魔法が、その根源となる祝福が消失した。
いまこの瞬間、アリシアはただのアリシアだった。
英雄でも、勇者でも、聖女でもないただのアリシアだった。
それがすなわち敗北を意味することにすぐ気づいた。
だが、それでも――
「黄昏を暁に。混沌を秩序に。全き光よ、刃となれ。『光刃』
祝福がなくともアリシアが魔法使いであることにかわりはない。
もともとのアリシアに宿る魔力量も決して少なくはない。
その魔力を使って光の刃を放つ。
打ち消されるのがわかっていても、戦うことを諦めてはいけない。
諦めたらそこで終わりなのだから。
「立派ね、アリシア」
リリィは右手でアリシアの魔法を打ち消した。
「暁を黄昏に。秩序を混沌に。全き闇よ、拘束せよ。『闇縛』」
リリィの唱えた魔法は闇の捕縛の魔法だ。
祝福のあるアリシアならそんな魔法に捕まえることはない。
だがいまのアリシアはその魔法に抵抗する術がなかった。
闇の光が輪の形になり、アリシアの体を拘束する。
両の手足が大きく開いた状態で、空中で張り付けになったように拘束された。
手足の先を動かしても、びくともしない。
「アリシア、あなたを気に入ったわ。ちょうどそろそろ食事がしたかったところだし」
食事と聞いて、アリシアは自分の運命を知った。
敗北は終わりだ。
死だ。
だから決しては負けてはならない。
師からそう教わっていたはずなのに。
自分はこの女神のような魔族にこれから食べられるのだ。
「ああ、安心してそういう意味じゃないわよ。言ってなかったかしら、わたし、淫魔族なの」