※この作品はR-18です。

姉とエロいことがしたい弟のセカンドライフ   作:ユキシア

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二十年前の世界

中小企業で働く僕――柴田優斗(しばたゆうと)には誰にも言えない秘密がある。

それは僕が幼い頃、小学生くらいだった頃に一度だけ姉とセックスしそうになったということだ。

僕より五つほど歳が離れた姉――柴田愛美(しばたまなみ)は身内贔屓抜きでも美人だ。

今はもう結婚して三人の子供がいる三十代のおばさんだけど、知らない人から見れば二十代前半ぐらい若々しく見える。

長く艶のある黒髪に絹のように白い肌、健康的なスタイルに大きな胸。そして三人の子供を産んだとは思えないほどの腰回りはほっそりしている。

今でもその美貌は衰えるどころかむしろ大人の色気が増して魔性が増したようなそんな人と僕は子供の頃にセックス、近親相姦しかけたことがある。

一見、清楚な人に見えるお姉ちゃんも中身は結構、たぶん、思春期の中学生男子に匹敵もしくはそれ以上にエロいことに興味津々で、それが発展して近親相姦になりかけたと今では思う。

まぁ早い話、若さゆえの過ちというやつだ。

だけど当時の僕はまだ子供で性知識というのにも乏しくて未遂で終わった。

後になってお姉ちゃんは僕とそういうことをしようとしていたという事実に気付いたのだった。

それに気付いて僕は惜しいことをしたと心から思った。

もし、僕が性知識を少しでも齧っていれば、いや、それを知ってからでもお姉ちゃんに頭を下げてお願いすればお姉ちゃんとセックスできたのではないかと今でも思う。

もう一度言うけど僕のお姉ちゃんは身内贔屓抜きでも美人だ。その美人な姉を持つ弟の僕から見てそれ以外の女の人は姉以下としか思えず、正直、勃たない。

だから三十代になった今でも僕は童貞を拗らせたままだ。

というかお姉ちゃん以外の人で抜くことができない。オナニーのオカズもいつもお姉ちゃんだし、たまに甥や姪に会いに行くことを口実にお姉ちゃんの家に遊びに行ってこっそり下着を拝借しているほどだ。

お姉ちゃんはどこか抜けているところがあるから下着がなくなっても子供のイタズラ程度しか思わないだろうし、僕がそんなことをするとは露にも思っていない筈だ。

だからこそ今でも思う。

もし、あの時セックスしていたら何か変われたのかもしれない。

いや、少なくともこの後悔と童貞は消すことができるか……。

まぁ、過去に戻れる方法なんてあるわけもないし、どうすることもできないけど。

今更ながら仕方がないことだと、思いながら僕は仕事に励むのだった。

 

 

「んん~~終わった~~」

うちの会社はたまに残業はあるけど基本的は定時で帰れるのはいいところだな。

明日は休みだし、たまには家で一日ゆっくりするのもいいかもしれない。

「優斗」

「え? お、お姉ちゃん? どうしてここに?」

仕事帰りに声を掛けられ、振り返ったらお姉ちゃんがいた。

「ちょっと欲しい調味料が売り切れてて少し遠出してたの。そしたら優斗がいてね」

ほら、と買い物袋を見せるお姉ちゃん。

変わらずに主婦を続けているようだ。

「優斗は仕事帰り? せっかくだし途中まで一緒に行きましょう」

「うん」

僕はお姉ちゃんと一緒に歩く。

見る人から見れば仲睦まじい姉弟に見えるだろうか? もしくは夫婦に見えるかもしれない。けれどお姉ちゃんは僕を家族として見ているけど、僕はそうではないという事実に気付いている人はきっといないだろう。

今だってお姉ちゃんを人気のない場所にまで連れて行ってその身体を好き放題したい衝動を必死で押さえているのだから。

「そういえばうちの子達、優斗に会いたがっていたわよ」

「そうなんだ。また近いうちに顔を出すよ」

他愛のない会話。

二人だけでこういう風に話すのは子供の頃以来かもしれない。

大人になってからはお姉ちゃんの旦那や今では子供達も必ずいたから二人だけでこうして一緒にいるのは少なくなってきた。

本当に惜しいことをしたよな、僕は……。

そんなこんなでお姉ちゃんの家に近づいていき、お姉ちゃんは横断歩道の信号が青になったことを確認してそこで別れた。

「それじゃあね」

「気を付けて」

「優斗もね」

背を向けて横断歩道を歩くお姉ちゃんを見て僕も住んでいるアパートに帰ろうと思ったその瞬間、不意に僕は嫌な気配を察知して思わず振り返る。

すると信号が赤になっているにも関わらず、スピードをおとさない車が真っ直ぐお姉ちゃんに向かっていたことに気付いた。

そしてお姉ちゃんはまだそれに気付いていない。

「お姉ちゃん!!」

頭より先に身体が先に動いた。

全身が総毛立ち、一目散に駆け出す!

間に合え間に合え間に合え間に合え間に合え間に合え間に合え間に合えッッ!!

久しぶりの全力疾走。

学生の頃に比べて遅く、筋力も衰えて息もすぐに上がる。

それでもお姉ちゃんを助けたい一心で僕はお姉ちゃんを横断歩道の先に突き飛ばすことに成功した。

その代償に僕の眼前には車が迫っている。

これは避けられない。

見れば運転手はうつ伏せで倒れていた。持病か発作かはわからないけどもう二秒もしないうちに僕は車にはねられるのは確定だ。

だって走馬灯が見えるんだもん。

ああ、こんなこともあったな、と死を間際だというのにそんな暢気なことを思ってしまう。

「優―」

お姉ちゃんが僕に向けて手を伸ばそうとしている。

それを見て僕は笑った。

よかった。死ぬのがお姉ちゃんじゃなくて僕で。お姉ちゃんが死ぬなんて僕には耐えられないし、なによりお姉ちゃんにはもう家族がいる。きっと僕がいなくてもその家族がお姉ちゃんを支えてくれるに違いない。

というか支えやがれ。特に旦那。

甥よそして姪たちよ。頼んだぞ。

そうして僕は後悔と童貞を捨て切ることができず、強い衝撃と共に意識を手放したのだった。

……せめて童貞は卒業したかった。

 

 

 

死んだ。そう思った僕が目覚めたのは見覚えのある天井だった。

「……天国?」

随分と日常的な……いやここってもしかして実家、か? どうして死んで実家で目を覚ますんだ?

アレかな? 実は事故は夢でしたとかそういうオチか?

起き上がると僕はふとある違和感に気付いた。

なんか、随分とすんなり起き上がれたな……いつもなら起き上がる度に肩や腰の骨がバキバキなるんだが……。寝て身体の調子もよくなった、とか?

「あれ?」

手を見る。

それは三十代のおっさんの手じゃない。若い子供のような小さな手。僕は指や腕を動かしてそれが自分の腕だと確認すると窓の外、正確には窓に映る自分の姿に目を見開いた。

「若返ってる……」

見た感じ小学生ぐらいの頃に身体が若返っている。いやこれはもしかして……。

咄嗟に今日の日付を確認する。

僕があの日、仕事が終えて帰った日は2022年6月21日。だけど今は2002年6月21日。

つまり僕が知る日付よりも二十年も前のもの。

これってつまり……。

「タイムリープ、したのか……?」

衝撃な事実に僕は言葉を失った。

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