※この作品はR-18です。

アリスダンジョン   作:uyr yama

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12話目

祝福

 

それは女性との性行為時に任意で発動する希少技能(レアタレント)である。

その名の如く、異世界人レベルの数だけ様々な恩恵を自身と相手の女性に与える効果は、実に凄まじい物があった。

 

1.相手の女性の経験値UP(次レベルまでの必要総経験値3分の1)

2.自らのパラメータ1UP(女性に対してそれぞれ上がるステータスが違う)

3.相手との最初の性交時に特定スキル入手。及び、相手女性が処女の場合、同じく特定スキル入手

 

 

これだけ凄まじい効果を発動させる技能を持てば、いずれ世界最強とて夢ではない。

次から次へと女をとっかえひっかえ抱きまくり、ヤッテヤッテヤッテヤッテ………

気づけば凄まじい数の技能とスキルを所持し、更にはレベルに見合わないステータスまで手に入る。

おまけとばかりに、ヤラレた女の方まで経験値と言う名の恩恵が入り、しかもそれは女のレベルが高ければ高い程効果が上がるのだ。

まさに祝福と呼ばれるに相応しいスキル。

 

それなのに。

 

 

持ち手は、ヘタレであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

武器だけでなく、防具すら一般的な初期装備だけなのかよと、ガックリ肩を落とす和馬は、香にあれこれ慰められながら冒険者ギルドへ向かった。

目的は、システム屋に行き、和馬の謎スキルの効果の解明である。

ボーダーから貰った財布の中から、なけなしの50Gを取り出して調べて貰った固有スキル『祝福』の効果は前述したとおりであった。

 

ついでに言えば、和馬なんていう凡人が祝福などというレアスキルを持つ理由は、技術レベル『異世界人』を持つからであり、山本和馬の魂を世界になじませるのが真の目的らしい。

女性とセックスすることは、この世界の魂と繋がることと同意である。

簡単に言えば、積極的に女性とセックスするための環境……それが祝福らしい。

地味に厨二……ていうか、その、とってもエロゲ主人公っぽいくだらない喜劇や悲劇が起きそうな設定である。

 

 

「和馬さん? どうかしましたか?」

 

「いや、なんでもないよ。なんでも……」

 

 

と、嫌な予感に背中を汗でぐっしょりさせながら、和馬は不意に気づいた。

 

そういやここってエロゲの世界っぽいよね。

だとしたら、このエロゲ臭い設定も頷けるというものだ。

 

出会った女性と片っ端からナンパしてセックスし、技能レベルや固有スキルを増やし、上げたいステータスに合わせて継続的に抱く女性を決めていく『ヤリ込みゲー』の主人公。

 

なるほどなるほど。

 

山本和馬は、言うまでもなくエロゲの主人公的存在ということか。

 

なるほどなるほど。

 

と言うことはだ、武器や防具がヘボイ分を、エロでカバーすればいいわけか。

あと、レアスキルくれたりステータス2UPとかする隠しヒロインがいるに違いない。

……うん、よ~くわかった。

というか、もう考えるのはやめよう。バカになる。

 

だいたいナンパして即セックスに持っていける自信なんて和馬にはなく。

それよりなにより、今の彼には香ちゃんがいる。

 

だから先の不埒な考えを振り払った和馬が、次に考えたのは……

 

(上がるステータスは力か守備がいいよな)

 

であった。

彼にとっての不安があるとすれば、

 

(香ちゃんに嫌われて、デキなくなったら人生即終わりか……)

 

であって、結局他の女に目はいかない。なんとも純愛臭い男の子だ。

ようするに山本和馬という少年は、良くも悪くも唯の高校生であり、どこぞのエロゲ主人公みたくモテまくりのフラグ満載なんて多分なく、事実、今まで彼女が居た試しなどなかった。

 

こんな彼が、『祝福』などという能力を使いこなせるワケがない。

 

香は、和馬のモテ事情など知りはしないが、これでも彼の唯一の『女』である。

当然のように、彼のヘタレ具合など分かり切っており、彼がナンパして女引っ掛け、祝福大全開! なんて展開が起こり様筈がないと確信していた。

ただ、そのことに、ちょっとした不満はある。

これでも彼女はJAPANの大大名の姫である。

側室・愛人など当たり前の世界で育った彼女にとって、この程度で力を得る機会を容易く逃すのは口惜しく感じた。

ここで自身に祝福を使いまくって貰い、一気にレベルカンストして以降の冒険を楽にしようと思わない辺り、まだまだ香はアマちゃんではあったが。

それでも、ここで和馬の目に見える強化は、長い目で見れば香のレベルを一気に上げるよりも有益であると判断したのだ。

 

(だって、いつまでも私が和馬さんの傍にいられるとは限りませんから……)

 

表情を悲しみに曇らせながら、それでも和馬に気取られぬよう顔を俯かせると、そっと彼の袖口を掴んだ。和馬は香に袖を掴まれていることに気づきはしなかったが、ボソリと小さく漏らした言葉が、香の心を浮き立たせる。

 

「上がるステータスは力が守備がいいなぁ。あっ、でも、囮的な意味では守備が上がった方がいいのか?」

 

(主語は抜けてるけれど、私としたら……って、意味ですよね……?)

 

「でもなぁ、やっぱ攻撃力が欲しいし、だけど命がかかってる的な意味ではやっぱ守備か……?」

 

どこまでも真剣に悩んでる。

そんなの、悩んでも意味無いのに。

だって、私で上がるステータスなんて、実際してみないと分かりませんし、変えられませんよ。

 

クスっと小さく笑ってしまったけれど、

 

「……って、その前に、香ちゃんが相手してくれるのか?」

 

遂にはこんな事までぼやき始めた彼に、今度は少し呆れ気味。

 

だっていまさらなのだ。

 

嫌なら朝にあんなことしません。

どうしてこんな簡単なこと分かってくれないんでしょう?

 

香は、ふぅ……と息を吐き出すと、掴んだ袖口を引き、

 

 

「和馬さんっ」

 

 

とやや強めに彼の名を呼んだ。

だけど和馬は、

 

 

「香ちゃんに嫌われたら終わりとかなんてマゾゲーだよクソが。でもなぁ、んなマゾゲーのおかげで香ちゃんと……だったらマジ神ゲーだろ」

 

 

意味不明なことをくっちゃべって香の呼びかけに気づきもしない。

香の唇が、ツン、と尖った。

 

 

「か・ず・ま・さ・んっ!!」

 

 

香は、一音、一音、怒りを込めて言いながら、ギリリッと和馬の脇腹を思いっきり抓った。

 

 

「いだぁーっ!?」

 

 

和馬の悲鳴に、ほんのちょっぴり気分が良くなった香であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まるで鏡合わせみたいに巨大な2つの門。

これこそが、アリスダンジョンとAL教団大聖堂の入口らしい。

 

「ああ、なんだろうな? これ見たら、はっきりとここが異世界なんだって分かるよ」

 

雲を抜け、天を突くほど巨大な門は、だがしかし、不思議な事に双門のある大広場から少し外れだけで視界から完全に消え失せる。

 

まったく、マジで『神様』ってヤツが創ったんだなと、嫌でも理解させられた。

ああ、本当に、俺の知るルドラサウムみたいな神さまじゃないことを祈るしか出来んわ。

もしもそうなら……間違いなく、俺のこの先の人生はお先真っ暗だぜ……

 

和馬は、はぁ~、と心底辛そうに肺から息を絞り出す。

 

なんだかすんげームシャクシャする。

これで香ちゃんがいなかったら、間違いなく絶望していたよ。

 

不吉すぎる『あったかもしれない未来』を思い浮かべ……得も言われぬ感情が胸の奥から湧き出てくる。

 

はぁー、ともう一度和馬は息を吐き出した。

苦しい感情を吐き出すみたいに。

 

「和馬さん? どうかしたんですか?」

 

そんな和馬の様子に気づいた香は、眉を潜めて声をかけた。

つい一時間ほど前に、おもっくそ脇腹を抓ったとは思えないぐらい、本当に心配そうな声色だ。

和馬は慌てて、

 

「あ、あーと、ちょっとカッコ悪いんだけどさ、少し歩き疲れたよ。どっかで休まない?」

 

そう言って誤魔化した。

まあ、実際疲れてはいたのだ。

現代日本に生きる和馬にとって、バスや電車を使わない長距離の移動は殊の外疲れる物だ。

せめて自転車があったなら……

葵屋から30分の距離にある冒険者ギルドに行く途中や、そこから更に30分の距離にあるアリスダンジョンとAL教団大聖堂に行く途中で、散々にそう思ったのだから。

だから、まあ、ウソではない。

 

 

 

(全部がウソ、ってわけじゃないみたいですけど……)

 

でも、やっぱり全部が本当でもないのだろう。

香はスグに和馬の違和感を見抜いたけれど、

 

「そうですね……どこか適当なお店にでも入りましょうか?」

 

何も気づかないフリをした。

和馬という人は、よくよく分かりやすい性格をした善人よりの人間だ。

でも、考えてみれば出会ってまだ丸一日程度でしかない人でもある。

今更和馬の人間性を疑う気持ちなど欠片も無い香ではあったが、彼の心の内側に、どこまで踏み込んで良い物か少し迷う。

 

でも、それはどうやら杞憂であったようだ。

 

「うん、そうだね。ッて言うかさ、気を使わせちゃった?」

 

「えっ? は、はい、まあ……」

 

「もしも香ちゃんに拾って貰えなかったらどうなったんだろうな~って考えたらさ、マジで怖くなっちゃって。俺ってほんとーに幸運だった」

 

和馬はそれだけ言うと、照れ臭そうに頬を数回かき、「あんがと、香ちゃん」と小さくボソリと呟いた。

 

(不意打ちは卑怯です!)

 

ほんのり頬を染めながら、どうやら心の内の内まで踏み込んでも大丈夫みたいだと、香はたったこれだけのやり取りで判断する。

 

「休む場所さ、そこにしよっか?」

 

大聖堂から少し離れた場所にあった公園を指差す和馬に、香はそう確信しながら、

 

「そうしましょうか」

 

と答えると、親愛の情を示すようにスリリと彼の腕に頭を押し付けた。

傍から見れば、仲の良すぎる兄妹にしか見えないんだろうなぁと思った香ではあったが、実の所、どんなに仲の良い兄妹だろうと、んなんするのはマズいない。

矢張り地味に世間を知らない香は、そんなことにも気づかずに、和馬にはやくはやくと急かしながら公園を目指して駆け足を始めた。やや遅れた和馬も慌てて香の後を追いかけて……

 

「ちょーっ!? 急に走んなーっ!」

 

「急じゃないですよーだっ! 和馬さんがウダウダしてただけだもんっ」

 

アハハーっ! と実に楽しそうな香は、ただの年相応の少女にしか過ぎなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

公園内にちらほらあった屋台で適当な昼食を終わらせた2人は、噴水前にあったベンチの腰を掛けて、しばしまったり。2人とも無言でいるのだが、別段嫌な空気は流れておらず、むしろゆったりとした穏やかな雰囲気に包まれていた。

 

ただ、疲れがどっと押し寄せてきたのか、香がうつらうつらし始め、いつしか、すぅ、すぅ……と、静かな寝息を立てていた。

 

JAPANからシャングリラまでの長い旅路。

疲れを癒さぬまま試験ダンジョンでの戦闘。

昨夜の情事と、それに続く朝の(和馬的な意味での)蹂躙事件。

葵屋から冒険者ギルド、AL教団大聖堂とその向かいにあるアリスダンジョンまでの徒歩。

 

未だ幼さが抜けきらない彼女では、疲労困憊しても可笑しくはない。

それでも普段から鍛えてたお陰なのだろう。

そんな素振りを一切見せはしなかった。

 

「でも、やっぱ疲れてたんだな……」

 

香を起こさぬよう、口の中でそう呟き、和馬はベンチの背もたれに深く腰を沈める。

いつしか和馬の肩には小さな頭がよりかかり、少女特有の甘酸っぱい匂いがふわりと鼻をくすぐった。

 

「なんだ……すんげえ、気持ちいいな……」

 

ぽわぽわ陽気に、微かに髪を揺らめかせる程度の風。

噴水から聞こえてくる水音と、公園ではしゃぐ子供たちの声。

 

「ここが異世界なんだって、忘れてしまいそうだよ……っていうか、忘れちまいたいな……」

 

明日から本格的な試験ダンジョンの探索を始める。

ダンジョンに潜り、モンスターと言う名の命を刈り取り、下手を打てば逆に刈り取られる、命がけの戦いの探索を。

 

ぶるりと、一瞬身体が震えた。

……一瞬ですんだのは、やはり昨日の経験のお陰なんだろう。

人が一番恐れるのは、未知の出来ごとだ。

言ってみれば、和馬にとって最早モンスターとの死闘は未知ではない。

もちろん、怖い。怖くて怖くてたまらないけれど……肩の重さが、その恐怖を薄れさせてくれる。

そうだ、

 

「香ちゃんがいてくれるなら、俺は……戦える……」

 

和馬は、眼をつぶった。

大きく息を吸い……そして吐き出す。

何度かそれを繰り返し心を落ち着かせると、気づけば和馬も、すぅ、すぅ、と静かに寝息を立て始めた。

 

和馬と香は、互いに寄りかかりながら、静かに、静かに、寝息を重ね……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~~♪ ~~♪ ~~♪ ~~♪ ~~♪ ~~♪

 

噴水の音に混じって、どこからともなく歌が聞こえてきた。

初めて聞くのに、なぜか懐かしく、とても優しい旋律の、歌が……

 

誰が歌ってるのかな?

 

そう思いながら、何やらとても心地の好い感触がする後頭部をゴロリと横にし、歌声の聞こえる方に顔を向ける。

すると、ふにふにする感触が頬に当たり、それがまた何とも言えない気持ち良さ。

思わず押し当てた頬をスリスリしてグリグリしてポフポフむにむに。

すると、

 

「やぁんっ!」

 

可愛い悲鳴が上がった。

未だ夢心地のままの和馬には、その悲鳴が何なのか理解不能。

そのままグルリと顔を更に90度回転させ、ナニかの布の中に潜り込ませる。

 

「ひゃあっ! か、かずまさん……ちょっと、ダメ……で、す……」

 

そして、すぅっと深呼吸するみたいに大きく息を吸った。

……なんか、とっても好い匂いだ……と思った瞬間、

 

「そんなトコの匂い嗅ぐのやめてくださいっ!」

 

パシンと後頭部と叩かれた。

意識が急速に覚醒し、ドクンと心臓が跳ね上がる。

和馬はおそるおそる目を開ける。

最初に目に飛び込んだのは、青い水玉模様の三角の布。

 

(そういや、今日の香ちゃんの着てる服って、上着がJAPAN製 (?)の独特な着物っぽいので、下は普通にスカートだったっけ? じゃあ、これって……もしかして……香ちゃんの、ぱんつ……?)

 

「────────────ッ!?」

 

思わず出そうになった悲鳴めいた何かを、何とか喉で食い止めた和馬。

だが、状況は何一つ好転していない。

 

(やばい、どうしよう!?)

 

おバカな頭を必死に回転させ、この緊急事態を何とかしようとするも、な~んも思いつかん。

それよりも、香ちゃんのパンツに固定したまま離せない視線をどうにかした方がいいだろう。

 

うん、どうにかしないと、とは心の底から思ってる。思ってるはずだ。

でも、妙にもっこり膨らんでる香ちゃんの股間の付け根から目が離せないんだっ!

 

変な部分で漢らしさを見せつける和馬であったが、どこか冷静な部分が気づいてしまった。

股間の土手の盛り上がりが、昨日見た時よりも大きい。

 

あれ? もしかして……腫れてんのか……?

しかもパンツの上からでも分かるぐらいに?

 

そう言えばと思う。葵屋でも、冒険者ギルドへの道すがらでも、時折ガニ股歩きになっていた。冒険者ギルドを出てからは、慣れたからなのか昨日と同じ、姿勢正しい歩き方になってはいたが……

 

申し訳なさで胸が一杯に……なりかけたその時、

 

 

「か ず ま さ ん ? 起 き て ま す よ ね ?」

 

 

感情を抑えた様な声が、和馬の鼓膜を震わせた。

香ちゃんのもっちりとした、それでいてすべすべな太ももが、何故だかぷるぷると細かく震えている。

しかも、じっとり汗ばんできた気もする。

 

和馬の生存本能とも呼ぶべき警鐘(アラーム)がけたたましく鳴り響き、

 

 

「返事はどうしたんですか?」

 

「ひゃいっ!」

 

 

でも、逃げ場はなかった。

 

 

「じゃあ、いい加減、そこから出ましょうね?」

 

 

まるで子供をあやすみたいな、とても優しい言い方だった。

でも、決して優しさから言ってる訳ではないだろう。

なにせ背筋がゾクゾクするのだ。恐怖的な意味で。

和馬はおそるおそる香ちゃんのスカートの中から顔を出す。

 

「おはようございます。もう夕暮れ時ですよ」

 

そう、スカートの外の世界は、真っ赤だった。ってか、夕方?

葵屋からここまでの距離を考えたら、もう帰んなきゃマズイ時間である。

 

これは……まずい……と思いきや、

 

「怒ってませんよ」

 

香はスカートの端を伸ばして露わになりかけていた太ももを隠して、ぽんぽん、と叩く。

多分、これって、『そういう』意味だよな?

和馬はおずおずと頭を香ちゃんの太ももの上にのせる。

スカートの上からでも分かる香ちゃんの太ももの柔らかさは、とても心地が好い。

それに……

 

「きれいな、歌声ですね……」

 

先程から聞こえてくる歌声が、とても心を穏やかにしてくれる。

なんていうか、天使の歌声というのは、こういうのを言うんじゃないだろうか? などと本気で思わせるくらい、凄く、凄く……

 

その天使は、噴水の前で歌っていた。

年の頃は香ちゃんと同じくらいの少女。

教会関係者なのだろう。独特なシスター服を身にまとい、背にかかる髪を夕日の色に染め上げて、何とも神聖な雰囲気を醸し出していた。

 

ああ、今、凄いことに気づいた!

多分、今の俺って無敵なんじゃなかろうか?

だってそうだろう?

香ちゃんに膝枕をして貰いながら、香ちゃんに負けない位の美少女の歌を聞く。

 

ほら、無敵じゃんっ!

 

だが、和馬の無敵時間はあっけなく終了してしまう。

大柄の金髪美女が少女を迎えに来てしまったからだ。

 

 

「マリーシア、こんな所で歌っていたのか?」

 

「あっ、ジャンヌさま」

 

「そろそろ好い返事を聞かせて貰いたい所なんだが……」

 

「申し訳ありません。でも、私はただ歌が好きなだけなんで……」

 

「フッ、そんな貴様だからこそ、我が聖炎騎士団(ホーリーフレイム)に欲しいのだがな。まあいい、今は無理強いしないさ。それよりも、聖歌隊の責任者がお前を捜していたぞ?」

 

「えっ? 本当ですか? なんだろう……ジャンヌさまがわざわざ捜しに来る程だなんて……」

 

「はははは、私が来たのはたまたまだよ。それに、君に対して点数を稼いでおきたかったからな」

 

「もうっ、ジャンヌさまったら!」

 

きっと2人は仲が良いのだろう。

とても和やかに会話しながら、ゆっくりとした歩調で公園から去って行った。

ただ気になるというか……

 

 

「おお、ジャンヌさまのお尊顔を拝し奉れるなんて、今日は好い一日であったわい」

 

 

などという爺さん婆さんが多数見られたことか?

黙って話を聞いていると、どうやら先程の迫力美人はAL教団の次期法皇候補らしく、とても偉い人のようだ。

 

 

「ま、俺らには関係ないけどね」

 

 

和馬は最後に軽く頬を太ももにグッと押し付けた後、「よっ」と勢い立ちあがった。

頬に残る太ももの柔らかさを名残惜しく思いながら、

 

「帰ろうか?」

 

と言って、香に手を差し出す。

香は、

 

「そうですね」

 

と言って、頬笑みながらその手を握った。

 

「なんか、ごめん」

 

「なにがです?」

 

「寝ちゃったせいでさ、あちこち見て回れなかったじゃん」

 

「ふふ……気にしなくてもいいですよ? だって……今日だけじゃありませんから」

 

ですよね? と微笑む香に、

 

「そうだね。明日はダンジョンだから、明後日かその次か……今度はさ、一般住宅街の方に行ってみようか」

 

「はいっ」

 

本当に嬉しそうに笑みをこぼす香に、和馬もまた、嬉しそうに笑った。

 

「って、よ~く考えてみたら、最初に寝たの香ちゃんだったよね? 確かに俺だけが謝るのはおかしかったぜ……」

 

「もぉー! 膝枕してあげたじゃないですか! そんな意地悪言うんでしたら、もうしてあげませんよ!」

 

「えっ!? それはダメじゃね? だって、俺無敵じゃなくなるよ?」

 

「……意味分かりませんよ、和馬さん」

 

昨日とは違い、悪戯っ子のような顔で楽しそうに話す和馬さん。

やっぱり突然の理不尽に苛まれてたんですね……

でも、今はとてもリラックスしてるのが分かります。

 

だから、よかった……

 

と、香はひっそりと胸を撫で下ろした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ああ、そうでした。今日もがんばりますねっ!」

 

と、小首を傾げて下から覗き込むようにして話しかける香。

口元は、何故だかとっても意地悪だ。

和馬はイヤな予感に、ヒクッと頬が引き攣った。

 

「……なにを?」

 

「祝福です! 私で何が上がるんでしょうね? 楽しみです!」

 

にこにこと地味に爆弾発言する香に、ぶふーっと吹き出す和馬。

いやいや、そりゃしたいし知っときたいけれども……

 

「香ちゃん、腫れて痛いんでしょ? 明日のこともあるしさ、今日は、その、しない方がいいんじゃない……?」

 

「大丈夫ですっ!」

 

「あのさ、ときどき痛そうにガニ股歩きになってたくせに、大丈夫も糞もないと思うよ?」

 

この発言の後、デリカシーのない和馬が再び脇腹を抓られたのは言うまでもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ステータス

 

 

山本 和馬  18才

クラス 学生

Lv3(才能限界Lv∞)

経験値(152/200) 

HP 35/35

MP  2/ 2

力  17

守備 12

魔法力 2

魔抵力16

回避  7

速度  7

 

武器:なし(ロングソード)

防具:なし(アーマー)

アクセサリー:なし

GOLD:117

攻撃力 17(27)

守備力 13(21)

魔法攻撃力  2

魔法防御力 16

 

技能レベル

異世界人 Lv3

冒険者  Lv1

剣戦闘  Lv1

 

固有スキル

攻撃

戦術的撤退

祝福 弾数 3/3

財テク

 

 

 

 

織田 香  13才

クラス 姫 

Lv4(才能限界Lv40)

経験値(20/200)

 

HP 30/30

MP  0/ 0

力  12

守備 23

魔法力 0

魔抵力18

回避  3

速度  1

武器:なし(家宝の朱槍)

防具:なし(織田家伝来姫鎧)

アクセサリー:青いの印籠(被ダメージ30%減少)

GOLD:1900

攻撃力 12(87)

防御力 23(68)

魔法攻撃力  0

魔法防御力 18(38)

技能レベル

槍戦闘 Lv1

護身術 Lv2

国政  Lv1

毒料理 Lv1

姫   Lv1

固有スキル

攻撃

かばう

叱咤激励

戦術的撤退

 

 

 

 

PTステータス

 

織田香:リーダー:中衛

山本和馬:サブリーダー:前衛

 

所属ギルド:なし

ホーム:葵屋

 

共有GOLD:2

 

 

 

 

 

 

 

 

シークレットパラメータ

 

 

山本 和馬 Lv1(経験値 40/100)

 

精力  50/60

 

キス Lv 1 

愛撫 Lv 0 

正上位Lv 0 

 

 

 

人物リスト

 

 

織田 香 

 

妊娠度 5/100

 

相性 Lv10

愛情 Lv 7 ↑new!

 

仲間 Lv 2 

 

祝福:守備+1

処女ボーナス:剣戦闘Lv1

初性交ボーナス:財テク

 

 

 

竜胆 沙耶

 

相性 Lv 6 

 

後輩 Lv 0 

 

 

葵 咲良

 

相性 Lv 8

 

お客様Lv 1

 

 

琴月 円

 

相性 Lv 4

愛情 Lv 0

 

お客様Lv 1

 

 

蓮間 香苗 

 

相性 Lv 9 

 

お客様Lv 1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジャンヌ(ホーリーフレイム総長)

マリーシア=ノルアーディ(ホーリーフレイム聖歌隊)

 

双方共に大番長のキャラです。

 

 

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