綾小路Zレックス ようこそ少子化対策至上主義の教室へ編 作:チームメイト
3回戦。解答者の堀北が大苦戦する中、オレと幸村は早々と抜けたため、時間があった。
「そろそろ調整がいるんじゃないか」
「不参加者対策か」
「啓誠、今のところ誰が不参加か分かるか?」
一応把握しているつもりだが、2回戦は解答者側に回って女子の相手をしていたため、2回戦の男子で誰が参加していたのかに自信がない。幸村に聞いた方が確実だろう。
幸村はここまで全てのターンで出題者になっているからな。
「男子は高円寺と須藤だ」
「その2人か」
オレの記憶はあっていたようだ。
残り2ターンで2人が不参加。
簡単なようで、ここからが難しい。
幸いなのが、須藤と高円寺の2人は判定しやすいことだろう。
男のチンコのこととかあまり考えたくはないが、試験を優先させて考えよう。
須藤は暫定チャンピオンに輝くサイズで、高円寺はTレックス並だから、どちらも解答者にとっては解答しやすいと言える。
参加さえすれば、出題者でも解答者でもマン棒一致に持ち込めそうだ。
「次のターンで、男子の解答者は須藤が選ばれる」
「そうなのか?」
「恐らくな。女子が不参加者を消しに行くはずだ」
須藤が堀北狙いだったのは、周知の事実だ。
堀北が解答者に選ばれるターンで消えそうならスルーされたと思うが、堀北が解答者に選ばれた以上、須藤が次に誰を選ぶのかは読めなくなった。
つまり、不参加のまま終わる可能性が出たということであり、松下がそれをスルーするとは思えない。
4ターン目で須藤を消しておくために、女子は須藤を選ぶ。
「高円寺じゃなくて須藤なのか?」
「どちらでもよさそうだが、高円寺を強制的に解答者にして素直に参加すると思うか?」
「知るか。高円寺は清隆の方が詳しいはずだ」
「高円寺当番になったつもりはないんだが」
なんとなく高円寺のことを任されることが多くなってしまっている。
まったくもって不本意過ぎる話だ。
振り返って考えてみると、1年の豪華クルーズの部屋分けで、余りものだった高円寺と幸村を平田が引き取ったのが始まりかもしれない。
つまり、本来ならば平田こそが高円寺当番のはずなのに、なぜだ。
同部屋だった幸村も半分くらい面倒を見て欲しい。
「そうだな……高円寺は自分がやると判断したら必ずやるし、やらないと決めたらやらない」
「……お手上げだな」
「ただ、高円寺は投票時にパスはしていない。出題者にはなるつもりだと思う」
そう、パスする男子は出てきているが、射精で燃え尽きた生徒だけだ。
高円寺は意外なことに投票を続けていて、外し続けている。
「そうなのか」
「1回目にパスした生徒は居なかったからな」
「言われてみれば……自分のことでいっぱいいっぱいだった」
童貞が初めてのセックスチャンスを目の前にしたら周りを気にしている余裕はないか。
まあ、仕方ない。
アプリで確認できる1回目の投票結果はこうだ。
女子 櫛田10票 長谷部4票 佐倉4票 堀北1票 王1票
高円寺が投票先を変えるとは、考えにくい。
櫛田、長谷部、堀北は解答者になったが、高円寺は投票していない。
となると、佐倉か
高円寺の好みのタイプとか読めるわけがない。
「とりあえず、4回戦の男子の解答者は須藤だ。高円寺は出題者に回す」
高円寺が解答者になってパスされたら困る。
佐倉とみーちゃんを出題者にすれば、パスしないと思うが、相手は高円寺だ。
念には念を入れて、本人が乗り気の出題者になってもらった方が安全だろう。
「高円寺は出題者か。誰を狙っているのか分かるのか?」
「佐倉かみーちゃんだ。啓誠はどっちだと思う?」
「知るか。そこまで絞れているならローラー作戦しかないんじゃないか?」
「ローラー?」
「4回戦で佐倉、5回戦で王を解答者にすればどっちかは当たる」
「なるほど」
幸村らしい堅実な意見だ。だが、その意見は使えない。
「残念だが無理だ」
「無理?」
「軽井沢がまだ参加していない。4回戦はできれば軽井沢を解答者に指名したい」
「そうなのか? 男子の最初の解答者は平田だ。その時に出題者になっていないのか?」
「なっていなかった」
軽井沢が初回に誰に入れたのかは分からないが、2回目以降は不自然に博士に入っている票が怪しい。
熱狂的な博士ファンがいるかもしれないが、だったら1回戦から入れるだろう。
1回戦で平田が選ばれるのは誰でも読める。オレに入れたのか三宅に入れたのかは分からないが、外すのは簡単だろう。
そして、1回戦をパスして2回戦以降は、票が集まらないであろう博士に入れている可能性が高い。
このままいけば『投票してたけど無理だった』と逃げられてしまう。
博士に女子票を集める手もあるが、博士に集めたところで博士がマン棒一致できるのかどうかが怪しい。
参加したけど、マン棒不一致者で残られるよりは、解答者になってもらうのがベストだろう。
あとは拒否されないかどうかだが、ここで拒否できるのなら最初からパスを選んでいるはずだ。
参加しているけどダメだったという立場を取りたいわけで、参加しなかった生徒という評判は避けるに違いない。
軽井沢には虐められていたという過去がある。虐めにつながりそうなことは受け入れないだろう。
「意味が分からない」
「目の前で彼氏が自分以外の相手に手を出すのを見たくなかったとかじゃないか」
櫛田が池とか山内とかを抱いているのに抵抗が一切なかったとは言わないので、気持ちは分からなくもない。
なお、現在進行形で、堀北が他の男に抱かれているが別に何とも思わない。
「わがままだな」
「過ぎたことを責めても仕方がない。軽井沢が残っているのをどうするのかだ」
「……解答者にするしかないだろ」
啓誠との意見は一致した。
あとは票を集めることが出来るのかどうかだ。
今この場にいる男子は、次に参加できないだろう。
堀北から直接、入れてる状態で入れて欲しい宣言をされた南を中心に、堀北によって心を折られてしまった。
「啓誠は次はいけそうか?」
「クラスのためだ。問題ない」
「そうか」
幸村は、櫛田に2回、長谷部に2回、堀北に2回と3時間で6回射精しているが、まだまだ性欲が旺盛らしい。幸村と軽井沢とか水と油の関係だが、クラスのために覚悟を決めたようだ。
幸村は、単にやりたいだけ説もあるが、きっと気のせい。
これでオレと幸村で2票。他をどうやって固めるのか。
一応平田が残りを意識してくれているはずなので、待機組で票をまとめてくれていることを願うしかないか。
平田の場合は、参加したくない軽井沢の意思を尊重しそうな怖さもあるが、そうなってしまった場合は、ラストターンの女子票を軽井沢が指名する生徒に集めさせて出題者になってもらおう。
4ターン目の待機中に、直接話せば逃げられなくなるはずだ。
できれば4ターン目で解答者になって欲しいところだ。
で、4ターン目は、暫定的に須藤と軽井沢で決定として、最後のターンの調整までしておきたい。
5ターン目の女子の解答者は、高円寺が指名する相手だとして男子の解答者をどうするのか。
ここまでマン棒一致していない男子生徒は、須藤と高円寺を除いて6人いる。
そのうちの1人を解答者として潰しておきたい。
1番厳しそうな生徒を解答者を選ぶべきか。
「南、大丈夫か?」
「俺はもうダメかもしれん」
「生きろ。最後にマン棒一致してもらわないと困る」
男としてのプライドをズタズタに切り裂かれた南は、復帰できるか怪しそうだ。
できる限り協力するしかないだろう。
「無理かもしれん」
「提案がある。最後のターンで希望する女子2人と出来るとしたら誰がいい?」
苦しんでいる南だが、相手が好みのタイプならどうだろうか。
「誰でもいいのか?」
「希望通りできるかは保証しないが」
「なんだよ」
南は食いついてきた。
頼んではみるつもりだが、断られたらどうしようもない。
「前園と市橋」
「マニアックだな」
「ほっとけ、俺は身の丈を知ってるだけだ。高嶺の花を望んだらこれじゃないか」
堀北は、中身は残念だが見た目だけなら美少女だからな。
堀北を希望した結果が『入っているのか分からない』だとこうなってしまうのか。
全部、堀北が悪いな。
心の底から同情しかできん。
それにしても市橋と前園か。
どちらも気が強い系の女子だ。堀北にズタボロにやられた結果、Mに目覚めたのか。
いや、そんな悲しい成長あってたまるか。
南に幸あれ。
これだとオレがペットの不始末の後処理をしているようで、非常に不本意だがクラスのためには仕方ない。せめて希望の2人が南の出題者になりますように、オレはそう願わずには、いられなかった。
「次の投票、オレは待機する」
「軽井沢への投票はいいのか?」
平田を信じるしかない。
「そっちは啓誠に任せたい。別れて最終ターンの調整をしよう」
市橋と前園の説得だ。
南の状況を考えれば、最終ターンに出題者は、2名までで絞りたい。
余計な投票をしないように、他の女子にも根回しが必要だ。
そして、男子の票もまとめておきたい。
「分かった。それで最終ターンの男子の投票は、誰に集めるんだ?」
佐倉かみーちゃんか。
高円寺が選ぶのはどちらか。
「そうだな……みーちゃんで頼む」
「分かった。高円寺に詳しい清隆を信じよう」
そういわれると外れて欲しくなるからやめろ。
6対4くらいの予想でしかないが、きっと正しいはずだ。
啓誠との打ち合わせが終わったところで、3ターン目が終わり待機場所へと戻っていった。
「大変だったみたいだね」
「男子の方はどうだったんだ?」
「正解は1人だけ。厳しい結果だったよ。でも三宅くんを責めないで欲しい。9回射精しているんだ」
13人から指名を受けて1人正解か。
マイナス55ポイント。堀北と合わせて3ターン目はマイナス60ポイントか厳しい結果だ。
トータルだとプラス55点まで減ってしまった。
「次の投票は、軽井沢」
「うん……綾小路くん、彼女のことを任せてもいいかな?」
「任せる?」
「君にしかできないと思うんだ」
という会話までで、茶柱から投票の指示が入り、相談は打ち切られた。
4ターン目の投票。
予定では、オレの投票はパスだったが、変更するしかないか。
軽井沢さんのことを任せたいってのは、投票して欲しいってことだろう。
不参加で済ませようとしていた軽井沢。
虐められていた過去は知っているが、それ以上の事情があるんだろうか。
平田に頼まれた以上は、投票するしかないか。
4ターン目の投票結果。
「投票結果を発表する。男子の解答者は、須藤。女子の解答者は軽井沢だ」
「なんで!?」
軽井沢が声をあげて平田を睨むが、平田は静かに首を振った。
男子 須藤5票 宮本1票 外村1票 リタイア13票
女子 軽井沢3票 佐倉2票 王1票 リタイア14票
リタイアの多さは調整がうまくいっていることを意味している。
結局、高円寺の投票先は佐倉か王かは、はっきりせずか。
「パスするかどうかを選べ」
「やるに決まってるだろ。ここまで参加できなかったんだ。絶対に一致させてみせるぜ」
「…………」
須藤は、やる気に充ち溢れている。
ここまで投票に失敗し続けて、同級生がセックスするのをずっと見守るしかなかった。
ようやく自分のターンが回ってきたんだから、今までの分も、うっぷんと性欲を果たそうとするだろう。
問題は軽井沢だ。茶柱の命令も無視して黙り込んでいる。
顔色が悪い。
「軽井沢さん、頑張って」
「そんな……洋介くん」
「どうした軽井沢。パスは認められた権利だ。パスしたいのならパスしろ」
動かない軽井沢に茶柱から更に指示が飛ぶ。
クラス中の注目が軽井沢に集まっている。
プレッシャーは相当なものだろう。こんな状況でパスできるはずない。
お腹を手で押さえるようにしながら、軽井沢はゆっくりと首を横に振った。
「パスしないんだな。準備に入れ」
「よっしゃー、いくぜ」
須藤が走り出す勢いで、プレイルームへと入っていく。
それに続いて参加者が移動していくが軽井沢は動かない。
仕方ない、平田に任されたしオレが動くか。
「軽井沢、行くぞ」
オレは軽井沢を支えながら導くようにしてプレイルームに入っていった。