※この作品はR-18です。

NTR同人誌の世界で竿役を始末しながら人理を救う   作:成間饅頭(旧なりまんじゅう)

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第四話

 

 現代に甦った退廃の都、カルデア。今日もどこかで誰かが無理矢理手籠めにされており、その数日後には堕ちてアへ顔で腰振ってる最悪の施設だ。人理修復されたら国連に解体してもらってくれ。お前らの給料が回り回ったら俺たちの血税から出てるってマジ? もはや税制に対する侮辱だろ。

 

 毎度毎度サーヴァントが寝取られて聖杯がポップしてくる、この地獄のようなカルデアについてご紹介させて頂こう。

 

 まず、職員たちについて。

 

 前にも言ったと思うが、カルデア職員の数は非常に多い。というかカルデア自体がなんかデカい。理屈は分からんが、竿役がヤる場を確保しやすくするために不思議な力が働いたんじゃないだろうか。そりゃそうだよな。竿役と竿役がヤってる最中に鉢合わせしたら気まずすぎるだろ。―――その日、少年は運命に出会った。ってか? ふざけんなお前らが少年って歳かよ。竿役と竿役が交差するとき物語が始まらないだろ。

 

 カルデア職員は大多数のモブと少数の竿役で構成されており、いくら竿役を潰してもモブの中から竿役がポップしてくるシステムになっている。こんなキモいもぐら叩き嫌だ。

 竿役のタイプは大きく分けて、チャラ男職員、陰気デブ職員、セクハラ種付けおじさん職員の三種類だ。なお、他にも型にはまらない多種多様の竿役がいる。なんでこんな奴らがカルデアに入所できたんだろうな。全員酔っぱらいながら面接したのか?

 

 特に最後のセクハラおっさん職員は、なんか普段からサーヴァントの尻を撫でまわしたりしているので見ててかなり不快だ。サーヴァントってお前の数十倍の筋肉の持ち主だぞ? 範馬勇次郎とタイマンできる奴によく絡みに行けるな。

 こういう場合、サーヴァントもサーヴァントで「ちょっと困った人なんですよね……」と頭のおかしな鈍感力を発揮していたり、「くっ、アイツはカルデア内でもかなりの権力者、逆らえない……!」などと、これまた頭のおかしな勘違いをしていたりする。

 

 カルデアに俺とサーヴァント以上の権力者なんていねぇよ。いないから俺が必死で人理修復のために駆けずり回る羽目になってるんだろうが。

 つまりたいていの場合「おっと、儂はカルデア内でもかなりの権力者じゃぞ……?(自称)(ただの平職員)(実家の権力をひけらかすな)(人理もお前の実家も崩壊してんだよ)」って感じで、キャバクラで話を盛るおっさんと大して変わりはない。それに騙される英霊がいるってんだから悲しくなってくるよな。そのおっさん、お前がちょっと小突いたら死ぬんだぜ。

 

 こういう奴らはどんどん廃人にして休眠装置にブチ込んでいる。倉庫は中世の奴隷船なみにギチギチだが、ウチのカルデアは広いので倉庫の数には困らない。やったね。

 

 次、サーヴァントについて。

 

 全員寝取られている。今寝取られてない奴も後で寝取られるし、寝取られた奴がもう一回寝取られたりする。何故かその場合もNTRビデオレターは俺の所に来る。なんで? 元竿役の所にも送ってやれよ。

 サーヴァントの平均NTR率は驚異の150%(寝取られた後、半数がもう一度寝取られるため)超えだ。把握していない物を含めるともっと増えるかもしれない。知りたくない。

 

 あ、あと男のサーヴァントも少数ながらいる。いるが、まあ……。いたから何だよというか……。いない方がマシだったよっていうか……。

 中性的なサーヴァントは寝取られるし、性に奔放なサーヴァントは竿役になる。極々まれに来てくれる、中性的でないかつ理性的なサーヴァントは、他の女サーヴァントといい感じになった後に寝取られて鈍感な寝取られ主人公になっている。他には女体化魔術(本当に何?)をかけられて性転換した後に寝取られたりもする。本当に救いが無い。魔術師って全員根源を目指して研究してるって聞いたんですけど、その魔術は何の役に立つんですかね。

 

 一度、まだマシだなと思える理性的な男サーヴァントと一緒にレイシフトしたことがある。彼は寝取られ主人公ではあったが、まあ戦闘には関係ないやろ、ガハハ! と思ったからだ。

 しかし、彼はなんと現地の権力者的おっさんやゴブリンみてーなガキにセクハラ(!?) され、輪姦(!?)され、なんか雌堕ちしたあとに寝取られていた。

 俺が無学なもので寡聞にして知らなかったが、どうもBL界隈にも寝取られという文化は存在するらしい。へ~。勉強になったな~~。

 

 という事で、このやけに広いカルデアの中で俺の心が休まる場所はない。本当に、誇張抜きで一切ない。

 

 マイルームなら安全じゃんって思っても、「オラオラ、マスターくんのベッドでヤっちゃうよw?」「ダメ、マスター……! マスター、ごめんなさい゛っ! イク、イクイクイグっ!」みたいなことが時々起きる。そいつらはサーヴァント含めてこのカルデアから退場してもらったが、奴らの汁で汚れたベッドを捨てる時は本当に目が死にそうになった。

 

 魔術的にも物理的にも防護を重ねているはずなのだが、ちょっと頻度を落とす程度にしか効果が無い。はいはい、また聖杯聖杯。もう何のありがたみも無いわ。こんなのを求めて何度も聖杯戦争が行われたってマジ? 古物商できるくらい持ってるんだけど俺。

 

「あら、酷いですわマスター♡ わたくし殺生院キアラ、いつでも貴方の安寧の場であるつもりですのに♡」

「……いきなり現れて心を読むなよ」

 

 あと俺が完全にキアラに寄りかかったら捨てるだろ、お前。

 ビーストってそういう面倒くさいところあるよね。ネズミを池に投げ入れて必死に足掻く姿を見ながら「う、美しい……!」って感動してそう。

 

「うふふ、失礼しました♡ 素材回収のお時間です、マスターをお呼びに参りました♡」

「おし、了解。ありがとね。ごめんけど、まだ着替えてないから」

「はい♡ もちろん、お手伝いいたします♡」

「出てけって意味ね」

 

 もうそんな時間になってたか。キアラには悪い事したな。

 カルデアの戦闘服に着替え、キアラと並んで廊下を歩く。礼装の黒手袋をギュッと嵌めながら、今回の作戦について軽くブリーフィングを行う。

 

「今まで俺たちは、何度も何度も何度もゴブリンにサーヴァントを寝取られてきた。それは何故かというと、ちょっと目を離した隙にサーヴァントがどっかに行くからだ。逆に言えば、俺たちが見ている時にサーヴァントが寝取られた事は無い。……そこで今回は、常にサーヴァントから目を逸らさないよう心がける。加えて、サーヴァントを捕捉し続けるカメラも導入した。これなら、知らんうちにサーヴァントを連れ去られる事もない……ないはずだ」

「ほんとにそう思ってます? 語尾がちょっと自信なさげですけど♡」

「正直無理だと思ってる。まあいいんだよ、これは実験なんだから。まずはゴブリン共がサーヴァントを攫って行くメカニズムを解明しないと話にならんからな」

 

 もうサーヴァントがゴブリンに勝てるとは思っていない。カエルがヘビに勝てないように、この世界ではそういう法則が働いてるのだろう。なんて法則だよ。ならば対策としては、ゴブリンとサーヴァントが一対一にならないようにすればいい。複数で行動しており、なおかつ俺の視界に入っている時は、彼らだってゴブリンを倒す事が時々あったのだ。その後調子乗ってゴブリンの巣に突撃してったけど。

 その為にも、まずは何故サーヴァントたちがはぐれてしまうのかを解明したい。マジでなんなんだろう。瞬間移動とかしてたらウケるな。 

 

「こんな実験が100回失敗しても1000回失敗しても良い、こっちはたった1回人理を修復すりゃいいんだ。……というか、そう思わないとやってられない」

「うふふ♡ カッコいいですわ、マスター♡ 私、貴方のそういう所が大好きですの♡」

「はいはい、アミダアミダ」

「わたくしの宝具名を呪文のように唱えるのはやめてくださいまし♡」

 

 どうせこのままだったら一生キアラと二人で人理修復しなきゃいけないのだ。ちょっとでもサーヴァントを運用できる可能性があるなら俺は何でもするぞ。生命とは苦しみを積み上げる巡礼なのだ。こんな方向性の苦しみは想定していなかったけど。

 

 

 

 

 

 

 なお、結果。

 

 

「……キアラ。念のため聞いておくけど、何があったか見えた?」

「ごめんなさい、マスター♡ 戦闘に集中していたので、そもそも確認できていません♡」

「だよな……いいよ、謝らなくて。そういう役割分担だったもんな」

 

 最初は良かったのだ。

 

 サーヴァントにも俺の視界から離れないように厳命し、考え得る限りのテクノロジーを用いてサーヴァントたちの姿を捉え続けた。

 その甲斐あってか、しばらくの間は戦闘も好調だった。サーヴァントはゴブリンや触手などには恐らく一生勝てないだろうが、イカついドラゴンとかケルベロスとか、そういう寝取り属性が薄いものには強いのだ。最悪の三すくみが完成していると考えられる。

 

 魔獣たちを倒し、素材を剝ぎ取った。ここまでは順調だったはずなのだ。いっつも独断専行でどっかいくサーヴァントたちも、今日はちゃんと指示に従ってくれてたし。

 

 しかし、次の瞬間。理屈を超越した出来事が起きた。

 

 どこからともなく、謎の光が差し込んできたのである。気色の悪いピンク色をした、訳の分からない光が。

 

 謎の光。そう、青少年の健全な育成のために女性の際どい部分を隠すあの光だ。

 今思い返してみても、あれを何と表現すればいいか分からない。どこから差し込んでいるのかとか何が光ってるのかとか、そういう理屈を超越した不思議な光だった。俺とは視点が違うはずのカメラでも捉えられなかったし。

 

 そしてその謎の光が晴れた時、もうそこにサーヴァントたちは一人も残っていなかった。

 

 ……い、意味が分からん。どういうこと? 人理くん、もう理屈とかどうでも良くなっちゃったのか? あの謎の光は何だよ。光源はなにで下手人は誰? 明らかに陽の光とかじゃない、なんかピンク色の光がサーヴァントたちを包んでいったんだけど。なにあれ、史上最低の変身バンク?

 

 俺が持ち込んだ、最新鋭のはずのテクノロジーたちは何も答えてくれない。ただ彼女たちにつけた発信機だけが、ゴブリンの巣穴にサーヴァントが囚われている事だけを教えてくれる。

 

 クソがよ……次から次へと、訳の分からん胡乱な出来事が起きやがって……! 抑止力はどうした!? ガイア! アラヤ! お前ら揃いも揃って寝てんのか!? この惨状を見て何も思わないのか!?

 

「…………いや、諦めるな俺。これでまた一歩、新しい手がかりを手に入れたんだ。そう考えないとやっていけない」

 

 理屈に合わない不条理な出来事に、俺は何度も遭遇してきたはずだ。

 

 高濃度の神秘を内包しているはずのサーヴァントになぜか効く魔術の数々、俺がゴブリンに勝ち、ゴブリンがサーヴァントに勝ち、サーヴァントが俺に勝つという気の狂いそうな三すくみ、何度意識改革を試みても寝取られてる事に気付かないNTR主人公サーヴァント、何回潰しても這い出て来る竿役たち……!

 

 それらすべてに、俺は負けなかった。そしてこれからも負けん。

 

 万感のため息をつき、キアラに向きなおる。

 

「……今回の実験も失敗だった。だが、有意義な失敗だった。次回はカメラに遮光レンズを取り入れ、俺も軍事ゴーグルの使用を検討する。素材も手に入れたし、なんなら四捨五入すればむしろ成功だったとも言える。100点満点だ」

「うふふふふふふふふふふふふ♡ そうですわね♡ 私もそう思いますわ♡」

「……流石に苦しいか。まあいいや、次だ次。さっさとサーヴァントを回収しに行くぞ」

 

 もうこの作業にも慣れてしまっている自分が悲しい。よくよく考えなくても哀れな存在である。誰にも何も頼んでないのにこんなイカれた世界に転生させられ、相棒は俺が苦しむ姿を見て愉しむ自称アルターエゴ。

 頼む……俺以上に優秀で人理解決に熱意のあるマスター、出てきてくれ……! 聖杯が無から生えてくるんだ、マスターの一人や二人くらい畑から採れてもいいだろ……!

 

「せめて寝取られないサーヴァントが欲しい……ちゃんとゴブリンを倒せるサーヴァントが……」

「あら、嫌ですわ♡ そんな人がいたら、私のポジションが奪われちゃうじゃないですか♡」

「それくらい譲ってやれ、キアラ一人でどれだけ独占してると思ってるんだよ」

 

 ホームズポジもフォウくんポジもその他諸々も全部お前じゃん。ボボボーボ・ボーボボの人気投票だってもっと慎みがあったぞ。

 

「うふふ、そうですわね♡ なら私、マスターの恋人以外は他の人に譲って差し上げようかしら♡」

「そんなポジションは過去未来全てに渡って無い」

「ああん、いけず♡」

 

 サーヴァントは全員ゴブリンに敗北していたし洗脳されていた。ゴブカスどもから奪った聖杯をまた一個倉庫にブチ込み、今日の探索は魔獣の素材たくさんに聖杯1個の成果で終わった。やったね、大成功じゃん。 

 

 

 

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