チュンチュン
チーピピピピピ
「ん…朝…?痛っ…」
ヒナタサカグチは鳥の囀りで目を覚ました。同時に頭痛を感じて顔をしかめる。昨日は何をしたんだったか、右手で頭を抑えながら上体を起こそうとすると…左腕が重くて体が動かなかった。
怪訝に思い左に顔を向けると、えらい美形が安らかに眠っていた。
「…は、え?リムル…?」
水色のサラサラで艶々の髪に白磁の肌、布団から覗く鎖骨が艶かしい。リムル=テンペストがスゥスゥと寝息を立ててる姿に、本当に美形ね、と思わず右手で顔にかかる髪をかきあげた。そしてふと気付く、二人とも全裸だった。
同時に脳裏に過る、昨夜のめくるめくロマンス。酔いへの耐性を切り、酒盛りを続け、なんとなくそんな気分になり、一晩中のくんずほぐれつ。
ヤっちゃった…。頭痛が増したような気がして頭を抑えるなか、リムルはヒナタの腕枕の中小さく身動ぎをした。長い睫毛が震えると、透き通るような金の瞳がヒナタを見つめた。
せめて主導権を、と強気な態度を取ろうとするヒナタ。
「あら、起きたかし」
「えへぇ、ヒナタぁ、おはよ」
それに対してへにゃりと笑うリムルに、ヒナタは雷に撃たれたような気分になった。そのままリムルはヒナタにすり寄ると、首に腕を回し、唇を重ねた。チュッ、と触れるだけのキスをして顔を離したリムルは、顔を真っ赤にして恥ずかしそうにはにかんだ。
そこまで見たヒナタの自制心はどっかに吹っ飛んでいった。
「誘ってるのかしら」
「へ?」
きょとんとしたリムルの両手首を掴んで布団に押し付け、覆い被さる。染み一つない美しい裸体に、布団に広がる水色の長髪。胸は薄いが桜色の突起が劣情を誘う。
手首を抑えたままリムルの顔を見つめると、みるみるうちに瞳が潤みだす。頬を染め、口元を綻ばせた。
「…ん、いいぞヒナタ、好きなだけ、俺を召し上がれ」
微かに残っていた理性も残らず破壊、捕食された?目の前にいるは魔王。魔性の魅力を持つ人たらし、自分はなるまいと思っていたのだけど。
「どうせ昨夜散々ヤっちまったし今更よね!いただきます!」
興奮は最高潮、目の前の据え膳は今が食べ時、食わぬは男の恥?ここまでされたら女でも恥よ!
自分の下で気持ちよさげに喘ぐリムルに、ヒナタは昨日の事をぼんやりと思い出していた。
ヒナタ『リムルを雌堕ちさせてしまった件』
――――――――――――――――――――――――――
「リムル様!?何を!?」
ラフな格好をした鬼、ベニマルの自室にその主であるリムルがいる。明日はベニマルのモミジとアルビスとの祝言がある。それを押し通したリムルは話があるとやってきていたのだ。
今リムルはベッドの上で身を引くベニマルに半分覆い被さりながら迫っていた。何処か艶めかしい表情を浮かべ、ベニマルの頬に手を添えた。
「明日、祝言だなぁ。ベニマル」
「え、えぇ、リムル様の後押しがあってこそ、覚悟が決まりました」
笑うリムルに、ベニマルは戸惑い、視線を合わせられない。それを不服に思ったのか、両手をベニマルの頬に添えて、二人の視線はしっかりと交差した。
「けど、二人も娶るんだ、女性の扱いに難があっちゃよくないよなぁ?」
「そ、そうかもしれないですね」
ベニマルはもうたじたじだ。なんでこうなっているのかがわからない。リムルは無性だが、見た目は完全に美少女で、ここまで近いと何処かいい匂いがする。
「なら、俺で練習しとこうぜ」
「なにうむっ!?」
瞬間押し付けられた唇に、ベニマルは目を丸くする。目の前にはリムルの長い睫毛、透き通った瞳。頬を抑えられているから動けず、所在無さげに上下するベニマルの両腕。
やがて部屋に水音が響き始める。ベニマルの口内をリムルの舌が蹂躙している音だ。されるがままのベニマルは目をグルグルにさせながら、顔を赤く染めていった。
「あむ、んちゅ…んっはぁっ」
水音とリムルの吐息だけが響いてた部屋、リムルの一際大きな吐息の後に静寂が訪れる。二人の口を繋ぐ銀の糸。プツリと途切れたのを見たリムルは、ベニマルを見つめながら妖艶に微笑んだ。
ぞわぞわとしたものを感じるベニマルは焦って言葉を繋げる。
「リ、リムル様!俺は明日、祝言で…」
「大丈夫大丈夫、俺に全部任せな、それに…」
リムルがそう言いながら手を這わせたのはベニマルの股間、リムルとの深いキスで、既に興奮状態となっていたそれを撫でられ、ベニマルは快感に背筋を震わせた。
何処か手慣れた手つきで露出されたベニマルの一物は、ピンと天に向けて反り返っている。それをすりすりとリムルのすべすべとした指が直に撫でる。
「あっ…っぅ…」
「こんなにしてさ…説得力、ないよな?」
にこりと微笑んだリムルはゆっくりと顔をベニマルの一物に近づける。
ベニマルは、自分のそれにリムルが舌を這わせ始めた快感に顔を歪めながら、どうしてこうなったのかと天を仰いだ。
ベニマル『リムル様が夜這いしてきた件』
――――――――――――――――――――――――――
「セックス!」
「は?」
ピンクのツインテールを振り回しながら卑猥な言葉を叫ぶミリムに、アイスキャンディを咥えたままのリムルは呆けた声をあげた。同時に、今咥えてるアイスキャンディが突然卑猥な物に思えてしまって思わず『暴食』で消し去ってしまった。
「セックスしたいのだ!リムルと!」
「あー、セックスってのはな、好きな人同士とやるもんでな?番となって子供を残す行為で…」
ふんすふんすと鼻息荒く話すミリムに、どうしたもんかと頭を悩ませる。何処で聞いたんだか、仲良しがする究極系とでも聞いたのか?雄しべと雌しべとかそういう性教育からするべきなのか?等々思い悩むリムルを尻目に、ミリムはリムルの手を掴んだ。
「わかっている!大好きなリムルに、ワタシと番になって欲しいのだ!」
「お、おお…っと」
思った以上にちゃんとわかってたミリムに戸惑い、思わぬ不意討ちにドキリと胸を高鳴らせるリムル。憎からず思ってる訳でもなく、むしろ可愛いミリムに満更でもなさそうに口元を綻ばせる。
「リムル!好きなのだ!番になってほしいのだ!」
「お、おふ…う、うん俺も、ま、まぁミリムは好きだし…な、なってもいいかな?」
肩を捕まれ真っ直ぐに言われ心を揺さぶられるリムル、顔を真っ赤にしながら頷いてしまう。チョロい。
その返答に対してミリムは瞳をキラキラと輝かせ、リムルに抱きついた。
「やったのだ!番なのだ!リムルがワタシの番…ふふふふ、早速セックスなのだ!」
「い、いきなりか…?まだ真昼…だ、ぞ…?」
リムルを抱き締めながらピョンピョンと跳び跳ねるミリム。早速セックスをしようと言うミリムに、反論しようとしたリムルの言葉が詰まった。
理由は簡単、ミリムの普段着、下着のようなパンツから凶悪な一物が顔を出し、自分の腹、ほとんど胸の辺りを刺激していたからだ。みるみるうちに息を荒くし顔を上気させ、舌なめずりをするミリムに、両腕をがっちりと捕まれたリムルは小さく呟いた。
「あ、俺がこっちなのね」
ミリム『リムルと初エッチするのだ!の件!』
――――――――――――――――――――――――――
「やった…」
自由組合総帥ユウキ・カグラザカは執務室で拳を握りしめていた。
理由は一つ、目の前に立つ水色の髪の少女の姿をした、恩師の姿を借り受けた同郷、リムル=テンペストにある。
「やってやったぞ!」
いつも朗らかな笑顔で接してくる、距離感のバグったこの人に何度も試し、漸く通じたのだ。リムルの瞳に光はなく、ただ一点をボーッと見つめている。
「リムルさんの催眠に成功した!」
拳を振り上げるユウキの背後で、秘書のカガリがうんうんと腕組をして何度も頷く。
「くくく、こうなってはもう僕の思いのままですね、リムルさん…」
人差し指でリムルの顎をクイ、と上に持ち上げ、視線を合わせる。厭らしい笑顔を浮かべたユウキは、それに何の反応もしない事を満足そうに頷いた。
「これで、くっくくくく…」
ユウキは肩を揺らす程に笑うと、執務室に仕掛けてある仕掛け扉をバーンと開け放った。
「『ドキッ!リムルさんとコスプレエッチ!(ポロリさせるよ!)』が実行に移せる!」
そこに広がっていたのはいくつものあっちの世界の衣装の数々…全てとある人物に合わせた少女サイズである。鼻息荒く宣言するユウキの背後でカガリがパーンとクラッカーを鳴らした。
「…ボス、こう、計画の為に利用するとかではないのか、こいつの成長性も有用性も確かだろう?」
ふにふにとリムルの頬を両側から触りながら問う。
「あははは、そりゃそうしたら多分相当上手く行くと思うよ?リムルさんは強いしドンドン強くなるし、やる事なす事面白いし。それに次は同じ事やって催眠出来る保証もない」
大げさな手振りで語るユウキ。肩を竦め、お手上げだぁ、とばかりに息を吐く。
「けど、それが面白いんじゃないか。リムルさんには真正面から、搦め手で挑ませてもらうよ」
ニィと笑顔を浮かべるユウキにカガリは面食らうが、諦めたように目を瞑って息を吐いた。同時にひょい、とリムルを抱え上げ、座り込んで膝に乗せる。
「矛盾した事を言ってるが、まぁ、言いたい事はわかりました。私も折角のこのボディですし、楽しませて…」
「オイオイオイオイ、何しれっと先に楽しませていただきますみたいな流れにしてるのかな?リムルさんの最初の相手は僕なんだけど?」
「はい?ボスは私に大分お世話になってますよね?こういう時くらい譲ってもいいだろう」
「あーあーあー出た出た、そういうとこ良くないよカザリームさん、そもそもいっつも世話になってるからって、いつもおやつ君に多くあげてるだろ?」
「それはそれ、これはこれだろう、おぉ、やわっこい」
リムルの臀部に指を埋めてむにむにと揉みしだくカガリに、ユウキの額にビキリと筋が走った。
「いい度胸だここで雌雄決しようじゃないか」
「いつまでも此方が下だと思わないで頂きたいですね」
一色触発の空気の中、二人がふらりと立ち上がり向かい合った。お互い同時に右手を引いて構え、睨み合い、裂帛の気合とともに拳を繰り出した。
「「最初はグー!」」
ユウキ『リムルさんと催眠コスプレエッチした件!』
――――――――――――――――――――――――――
「ん…寒…」
リムルが不意の寒気に目を覚ますと、見知らぬ天井だった。
「知らない天井だ…なんて言ってる場合じゃねーな。何処だこ…こ…」
思わず動こうとすると、ガシャリと重厚な鉄の音がして動きを止める。恐る恐る自分の体を見下ろせば、両手両足に鉄枷がされていて、自分が今寝ていたベッドに鎖で繋がっている。
「な、なんじゃこりゃ!?」
上体を起こせば首元でもガシャリと音がし、首枷までされている。服は気を抜いている時のシャツとズボンだけ…ここはどうにも気温が低く、枷の鉄部分に触れてる肌が冷たい。おまけにベッドの上だというのに布団の一枚もない。
回りを見渡すと何処となく見覚えがあるというか、一面氷な景色で。不意に意識を失う前の記憶が蘇る。
「えと、そいやギィにちょっとした用があって茶菓子を土産に行って…そのまま茶をしばいて…くそ、油断したか」
そこから先の記憶がなく、リムルの眉間に皺が寄る。相手はいくらある程度仲良くなったと思えど最初の魔王、原初の悪魔。
「俺を捕まえて何する気か知らないけどな、目が覚めたからには」
「何するつもりだ?」
横から聞こえた声にリムルは動きを止め、視線を真横にズラす。
そこには深紅の長髪の男、ギィ・クリムゾンが頬杖をついてリムルを見ていた。
「な、ななななな、いつからそこに!?」
「『ん…寒…』って言ってた時にはいたぞ」
「最初っからじゃねーか!」
リムルの突っ込みにニヤリと笑みを浮かべた。
ギィはそのまま立ち上がると、リムルのほうへと近づく。
「はぁ、それで?今回は何のつもりなんだ…?スキルも使えないし…」
「ん?あぁ、ちょっとお前に頼みがあってな」
リムルはギィを下から睨みつけるように見上げる。その様子を楽しそうに眺めるギィは、リムルの顎下に人差し指を差し込んで引き上げ、自分と視線を無理矢理合わせた。
「俺様のモンになれリムル」
冷や汗をたらりと垂らしたリムルは視線を泳がせ、手でギィを押しのけながら口を開く。
「お前の下につけって話…?」
「わかって言ってんだろ?ま、拒否権は…ねぇけどな」
ギィはそう言い捨て、リムルの唇を強引に奪った。
「んんー!!!」
ギィ『リムルを拘束監禁して快楽堕ちさせた件』
――――――――――――――――――――――――――
「リムル様…此方はなんでしょう」
リムルは今、ピンチであった。
シュナを前に正座させられ、その前には前の世界で良く見た大人のおもちゃがズラリと並んでいる。自分が今女体だから、と興味本位で作り出し、試そうとしていたのだが、その前にシュナに見つかってしまった。
「あ、えと…マッサージ、器具…みたいな…」
「成程マッサージ!ではなぜ此方は男根を模っていらっしゃるのでしょう?」
所謂バイブ、前世の自分のそれより一回り大きいそれを指差して詰め寄るシュナに、言葉が詰まってしまう。
「そ、それは…」
ダラダラと汗をたらし、必死に視線を逸らすリムル。
「…お年頃ですから、こういう事に興味持つのもわかりますけど…」
「いやお年頃って…」
お前俺をなんだと思って、とリムルが言い返そうと顔を上げると、シュナの姿がなかった。あれ、と思った瞬間、後ろから垂れかかるように抱きしめられるリムル。
「仕方ありませんね、私がお世話して差し上げます」
「おせひゃっ!?」
かぷりと耳をかまれ、変な声を出してしまう。驚いてその場から離れようとすると、両手首がシュナに掴まれてて身動きが取れなかった。
それでも、と抵抗しているとシュナの舌がリムルの耳を舐めた。突然の刺激に力が緩み、その隙に穴の中に耳が入り込む。リムルは耳の中を音をたてて舐められ、未体験の感覚に背中にぞわぞわとした寒気を感じて脱力してしまう。
「は、へ…」
赤面するリムルの耳元で、シュナが囁く。
「精一杯気持ちよくさせていただきます、リムル様」
シュナ『リムル様をオモチャでイジメた件、です!』
――――――――――――――――――――――――――
それはリムルが女性体に慣れて来た頃の話。
いつも無性で過ごして来ていたが、心の何処かで性的な事をしたいなぁ、なんてぼんやりと思っていたリムル。しかし、男性体になる事を執拗に自分のスキルである神知核シエルに拒否されていた。
ならばと、いつも男風呂に入る事も拒否されるし、と思い切って女性体で過ごす事にしたリムルだった。そしてそれがまたあまり気付かれない。
しかし一方でえっちな事したいなぁ、という欲求は高まっていた、そんな時。自室でリムルは薄着となり、布団の上に腕を組んで正座をしていた。
「…よし、やるか」
これからリムルは一人でえっちな事をするつもりだ。やり方はよくわからないが、乳首を触るとか股を擦れば気持ちよくなる、らしい。
全てが前世の「資料」からの知識なのでどことなく不安に思う。けれど、積もり積もったえっちな事したい欲は止まらない。
いざ、と手始めに自分の薄い、けれど少しは膨らんでいる胸に手を這わそうとした時、突然頭の中から声が響いた。
『告。主様、申し上げます』
「うぉおっ!びっくりしたぁ!」
ビクリと肩を跳ね上げ驚くリムルに、様子を伺っていたシエルは淡々と続ける。
『性行為をするのであれば相手が必要であると想定されます』
「…いや、そりゃ知ってるけどねシエルさん、いきなり誰かとするってのはちょっと…ハードルが高いっつーか怖いっつーか…さ。わかるだろ?」
『…………』
苦笑しながら後頭部をかくリムルの言葉に、どこか不服そうな雰囲気で黙り込むシエル。リムルは正座から胡坐に足を組み換え、苦笑しつつ頬を染める。
『……了』
その声とともに、リムルの中のスキルがいくつも起動する。ポン、と一匹のスライム、自分の分裂体が胡坐の中に出現し、それに首を傾げる間もなく、スライムは一気に体積を増やし自分と同じサイズとなる。
「うぉおお!?なんだなんだ!?」
驚愕の声をあげるリムルを気にすることなく、スライムはそのまま形を変えていく。あっという間にその変化は終わり、今のリムルと同じ姿となり、唯一違う赤いハイライトのない瞳で、リムルを見つめた。
「告。私が主様のお相手を致します」
「は、へ?」
リムルの分体に意識を移したシエルは、リムルの胡坐の中に座り込み、体を密着させ、首に手を回して首を傾げた。その様子に顔を真っ赤にしたリムルはわなわなと口を震わせていた。
「問。不服でしょうか」
そう問いかけ、至近距離で顔を見つめてくる、一糸纏わぬ、自分と同じ姿の相棒。その慎ましい胸が自分の胸と触れあい、お互いの形がふにゅりと歪んだ。それにどうしようもない高揚感を覚え、リムルは頷く。
「お、お願い、シマス…」
耳まで真っ赤にしたリムルはそう言ってシエルの背中に手を回し、ぎゅうと抱きしめる。シエルは身体を得て初めてのハグに身を震わせ、口元を少しだけ吊り上げた。
「…告。お任せください」
シエルは不適な笑みを浮かべてリムルの頬に頬ずりをした。
シエル『告。主様と感覚共有セックスを行います。の件』
――――――――――――――――――――――――――
ヒナタに男の影がある……。
ルミナスは近頃のヒナタにそんな雰囲気を感じていた。
最近一層妖艶になったヒナタは、時折とても艶々としていた。
夜伽に来ない訳でも、抱いた時の具合に違和感がある訳ではないが……。
何処か釈然としないものを感じていた。
そこでルミナスは一つ試して見る事にした。
夜伽のない日に、ヒナタの部屋へと唐突に訪れてみる、そんな試みを。
そして遭遇してしまう……誰かに覆い被さり、今にもおっぱじめようとしているヒナタを。
「な、なななななな!何をしておるかー!」
「ルミナス様!?」
「うぇっ!?ルミナス!?」
ヒナタの体の下で、一糸まとわぬ姿でいた何者かの驚いた声がするも、ヒナタの艶やかな肢体で隠れてよく見えない。
けれど、その声には覚えがあった。
ルミナスにとっては因縁の相手、忌まわしいクソトカゲ、暴風竜ヴェルドラの飼い主。
「リムル!お主、妾のヒナタを誑かしたな!?」
テンペストの主、自身と同じ魔王の一角、リムル・テンペスト。
ヒナタの乳房の下で、驚き狼狽えるその顔を捉えたルミナスは、リムルへと詰め寄った。
「……む?」
だが、そこで違和感に気付く。
リムルの肩が常より細く、少し胸が膨らんでいる。
はっきりとしたくびれに、ヒナタの一物が宛がわれている股間には、割れ目。
そして、近づいた事で感じる、発情しているメスの匂い。
「……成程」
ルミナスは、それににぃいと厭らしく顔を歪めた。
ペロリと赤い舌が唇を舐め、リムルを品定めするように見つめる。
その舐めるような目線に、リムルは思わず体をビクリと跳ねさせ、その胸と股間を手で隠す。
だが、その行動すらルミナスの興奮を高めるだけだった。
頬を紅潮させたルミナスの迫力が増していき、恍惚とした表情で二人を見下ろして、自身の指を舐める。
「ヒナタよ、妾も混ぜよ。お主ら二人、まとめて可愛がってやろう」
黒いシックなスカートが、ルミナスが興奮すると共に盛りあがった。
すがるように涙目を向けてきたリムルに、ヒナタは気まずそうに首を振った。
ルミナス『リムルとヒナタと3Pする件じゃ』
――――――――――――――――――――――――――
とある朝、廊下をぽよぽよとスライム体で移動してるリムル。その進行方向にヴェルドラの姿を見つけ、すぐにしゅるんと人型へと変化した。
「はよ、ヴェルドラ」
「おぉ、おはようリムル」
挨拶を交わすとヴェルドラは腰を曲げ、少し体を屈めた。それにリムルは目の前に立つと両頬に手を添える。そのまま自らの顔を近付けると、ちゅ、と音を立てて唇を重ねた。
直ぐに離れた二人は素知らぬ顔でそのまますれ違っていった。ヴェルドラは上体を起こし、リムルはスライム体に戻って。
哀れにもそれを目撃してしまったシュナは、目を見開いて固まっていた。
人間体でリムルが執務室で作業をしている時、ヴェルドラは大概ソファでマンガを読んでいるが、今日はリムルにちょっかいを出す日のようで、後ろからリムルにのしかかっていた。リムルの頭を撫でるように髪に指を通して笑みを浮かべていた。
「ふんふん……じゃあこの計画はそのまま進めてくれ」
それをまったく気にすることなく書類を差し出すリムルに、ベニマルは内心戦慄しつつも受け取った。
すると、ヴェルドラはリムルの首元に腕を回し、リムルの頬にキスを落とし始める。ちゅ、ちゅ、と音をたて、頬に軽く歯を立てる。
その様子を見せつけられるベニマルの手から書類がふわり、と抜けていった。
「もうちょっとで終わるから、ちょっと待ってな」
リムルはそう言って頬に口づけするヴェルドラのほうを向き、負けじとヴェルドラの頬にキスを落とした。それに更に笑みを深めたヴェルドラは、首元に回した腕に力を籠め、リムルの頭に頬擦りを始める。その様子にリムルはヴェルドラの頭をわしわしと軽く撫でてやり、何事もなかったかのように作業に戻るのだった。
茫然としたままのベニマルはかくかくとした動きで落とした書類を拾うと、ぎこちない動きで部屋を出て行くのだった。
作業を終えたリムルは、執務室のソファに仰向けで寝転ぶヴェルドラの胸に、スライム形態で抱かれていた。ひんやりしてて気持ちがいいと、くしゃりとした笑顔で告げるヴェルドラに、リムルも思わず平べったくなってリラックスしていた。
「ん……ひと眠りしたら飯いく?」
「おぉ、そうするか。ここの飯はなんでも美味いからなぁ」
不意にしゅるりと人間体となったリムルの身体はうつ伏せで、体全体がヴェルドラと密着していた。それをヴェルドラは気にする事なく、改めて背中に腕を回して抱きしめた。
リムルはしっかりと押さえられた自分の身体と触れているヴェルドラの身体に安心感を覚え、その胸に頬ずりをして、四肢の力を抜いた。
「くくく……愛い奴め」
ヴェルドラはそう笑いつつ、腕を動かしてリムルの頭を撫でる。リムルの心地よい抱き心地を感じながら、ヴェルドラもゆっくりと目を閉じた。
そんな二人の仲睦まじい様子に、執務室にやってきたシオンがノックアウトされ、茫然自失な様子で廊下を歩いている姿が目撃されるのだった。
ヴェルドラ『リムルといつも通り過ごすだけの件』
――――――――――――――――――――――――――
「……は?なんて?」
「いやだから、その……いつもなんですけど……近くないですか?」
テンペストへ遊びにきていたマサユキは現在、リムルの私室で話をしている所だった。
近況等を話し合い、やがて話は前世、転移前の世界の話に移っていく。
そんな中でリムルが作り出した漫画本を読む時間や、あっちを知っているリムルとの会話はマサユキとしても貴重な時間なのだが……。
漫画を読んでいる時や話している時等、妙に距離が近いのである。
言動こそまるっきりおじさんなリムルであるが、その容姿はまさに美少女。
どうしても視線は向いてしまうし、近くにいれば多少強張る。
顔なんて近付けば、否応なしに反応してしまうのが健全な男の性であった。
そんな事を丁寧に、一部曖昧にしながら、マサユキはリムルへと語った。
そして一言、きょとんとした顔で言い放った。
「それって……俺に興奮してるって事か?」
リムルの言葉に複雑な顔でマサユキは重々しく頷いた。
そんな様子にリムルは、暫しそのまままじまじとマサユキの顔を見つめ続けた。
「っ……」
するとマサユキは顔を赤くしてふいっと視線を反らす。
その様子を見た目たリムルは……。
にまぁ~
その端正な顔をいやらしく歪めた。
胡座をかいて座るマサユキにその身を擦り寄せ、膝に手を乗せた。
ビックン!
途端に肩を跳ね上げたマサユキに笑みを深めるリムルは、そのまま膝から太腿へと手を滑らせた。
「あっ、ちょっ、リムルさんっ!?」
ぞわぞわとした感覚が背筋に走り、マサユキは目を白黒させる。
すぐそばにいるせいで、いつも感じる甘い香りがふわりと香り、マサユキの鼻を刺激した。
たらりと、冷や汗が額を伝う。
「じゃあ、もしかして、こんなんしたら……」
リムルは太腿を撫でながら、更にマサユキに身を寄せる。
顔をずい、と近付け、いやらしく……ではなく妖艶に笑みを浮かべて。
マサユキは更に強く香る甘い香りに、一瞬目眩を覚え、そして……下半身に血が一気に集まるのを自覚してしまった。
ムクリ
「わぁ」
見事にマサユキのズボンはテントを作り、その様子をまじまじとリムルに見つめられていた。
にんまりと笑みを浮かべるリムルは、すりすりと太腿を撫で、否応なしに反応してしまうマサユキのテントが震えた。
「勃っちゃったな」
その言葉にマサユキは、真っ白になって燃え尽きたのだった。
マサユキ『リムルさんに土下座して筆下ろしして貰った件』
――――――――――――――――――――――――――
ヴェルザードは激怒した。
必ずやあのスライムを打破せなばならぬと、その足を早めた。
きっかけは些細な事、ギィがよく白氷宮を留守にするようになった事だった。
ヴェルザードとしては特に気にする事もない、いつものギィの気まぐれ、いずれ自分の所に戻ってくるならそれで良いと、そう思って何かを探る事もなかった。
けれど、それが二桁続けば話は違う。
気付けばギィはほとんど白氷宮に居着く事なく、帰って来ても共にいる時間はほとんど無くなっていた。
そこまでになれば、如何に寛容なヴェルザードとて気になってくる。
「ねぇギィ、最近何処にでかけてるの?」
今すぐ縛り付けたい衝動を抑えながら、久し振りに共に過ごしていたギィへと、努めて静かに問い掛けた。
それに対してギィは、ひどく楽しそうに笑って言うのだ。
「テンペストだ。リムルと遊んでたんだよ」
「そう……テンペスト……リムル、ね」
新たな魔王となったリムル、新たな魔物の国であるテンペスト。
それらをギィがとても面白そうに語っていた事を思い出したヴェルザードの機嫌は、一気に悪くなっていった。
ヴェルザードはなんとなく理解した、ギィがリムルに対して、なんらかの感情を抱いている事を。
故に、ヴェルザードの行動は早かった。
テンペストへとたどり着き、応接室でリムルと相対し……。
メスの匂いをさせるリムルをソファーに押し倒していた。
「は?へ?ヴェルザード……さん……?」
肩を掴んで押し付け、見下ろしながらヴェルザードは思う。
これはクロだと。ギィはこのスライムに誘惑されたのだと。
「ギィの前に出られないようにしてあげる」
華奢な体に整った顔立ち、青みがかった美しい銀髪、何処かオスを誘うような雰囲気……。
その証拠にか、ヴェルザードは股間に熱が籠っていくのがわかった。
そして、状況証拠は揃いつつあった。
「な、何の話!?ギィ!?確かに最近よくきてるけどさ!?」
慌てふためくリムルに、ヴェルザードはゆっくりと顔を近付けていく。
近付けば近付く程、メスの匂いは強くなり、その顔が照れからか赤く染まっていく。
そんな姿に、ヴェルザードはひどく興奮する自分がいる事に気付いた。
なんとも魔性なメスだ、とヴェルザードは自身の股間部分のスカートを盛り上げさせながら思った。
こんなのと
「ギィを取られた腹いせよ。今から貴女を犯し尽くしてやるわ」
「…………へ……?」
リムルはきょとんとした顔でヴェルザードを見上げ、お腹に熱く、硬いモノが押し付けられている事に遅れて気付いた。
ヴェルザードのスカートの中から、股間から伸びるその棒状のものに、リムルは頬をひくつかせる。
勘違いだと、やめてほしいと、リムルが懇願しようと口を開いたが……もう遅かった。
「いただきます」
ちゅー
「むー!」
ヴェルザードに唇を奪われ、もがくリムルの姿がそこにあった。
ヴェルザード『リムルを腹いせに手籠にする件』
――――――――――――――――――――――――――
それはクロエがふと思った事だった。
リムルと手合わせをする時、止まった時間の中で手合わせをするのが常だった。
自分は勿論、リムルの鍛練にもなるし、と物理法則がどの程度働くのか等の検証も交えながらの手合わせ。
そんな最中、クロエは不意に思い至った。
今時間が停まっている中、同じ要領で時間を止めたらどうなるんだろう?と。
「よし、次は―――」
その答えは目の前でリムルが突然動きを止めた事で、理解する事が出来た。
「あ、あれ、先生?」
周囲と同様に完全に動きを止めたリムルから返答はなく、目を瞑り得意そうな笑みを浮かべたまま、完全に固まっていた。
つんつんと頬を突いてもやはり反応はなく、至近距離でその端正な顔を見つめてしまったクロエの喉が知らず鳴った。
「睫毛長……」
なんとなしに伸ばした手が、リムルの前髪をかきあげた。
不意に頭に浮かんだのは、幼少期、リムルが先生だった頃に読んだ覚えのある『プリンセス・リムル』という絵本……。
それと、いつか見たことのある、眠り姫……キス……。
「……停まってるんだし……ちょっと、だけ」
気付けばクロエはその顔を、リムルへと近付けていた。
チュ
「っ……は」
はりのあるぷるんとした唇に、自らのそれを押し付けた。
柔らかな感触と温もりに、停まっててもこんな感触なんだ、と、ゆっくりとその唇を離した。
リムルは何の反応をする事もなく、ただ止まったまま……。
その様子に、クロエの中で邪な思いが浮かび始めるのは自然な事だったのかもしれない。
クロエは、自身の中で何かが鎌首をもたげるのを感じていた。
「―――これを……あれ?」
「先生、隙ありです」
「うわっ!え?いつの間に背後に……全然わからなかった。何したんだ?」
きょとんとした顔でこちらを見つめるリムルへと、クロエは妖艶に笑った。
「……秘密、です♡」
クロエ『リムル先生を時間停止レイプしちゃった件』
――――――――――――――――――――――――――
ソウエイ『リムル様と集団レイププレイさせていただいた件』
――――――――――――――――――――――――――
ディーノ『リムルを睡眠姦した件』
――――――――――――――――――――――――――
原初五人娘『白「リムル様を」緑「5人で」黄「犯し」紫「尽くす!」青「件!」』
――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――――
次は何が読みたい?
-
ギィ
-
シュナ
-
シエル
-
ルミナス
-
ヴェルドラ
-
マサユキ
-
ヴェルザード
-
クロエ
-
ソウエイ
-
ディーノ
-
原初五人娘
-
その他(希望は活動報告に)