ベニマル『リムル様が夜這いしてきた件』
祝言を控えたベニマルは自室のベッドに腰掛けながら、刀の手入れをしていた。明日は祝言なのだから武器の手入れは必要ないと思わなくもないが、何処か落ち着かなさを感じて手を動かしていたかったのだ。
モミジとアルビス、二人ともいい女だ。咄嗟に進化を拒むくらいには彼女達を受け入れたいとは思ってはいる。だが改めて祝言となると…なんとも形容しがたい焦燥感が募る。
そうモヤモヤしていると、不意に部屋の扉がノックされる。誰だ?と思いつつも拒む理由もないなと考えた。
「開いてるぞ」
「よ、ベニマル」
そして入ってきたのは自らの主、リムル=テンペストであった。
「リムル様?どうしました?」
「ん、ほらこれ飲むかなって、ほっとはちみつれもん」
そう言うリムルの手には湯気の立ち上るマグカップが持たれていた。
「おお、甘くていい匂い…ありがたくいただきます」
ベニマルは刀と手入れ道具をしまいこみ、差し出されたマグカップを受け取った。
ふーと一息軽く冷ましてから早速一口、と口に含む。はちみつの甘さとレモンの酸味が感じられてとても美味しい…が。
「ん…?これいつものハチミツじゃないですね」
「おお、流石にわかるか、これ俺の記憶から再現したあっちの世界のはちみつれもんだからな、アピトのハチミツはやっぱ別格だよなぁ」
「成る程道理で…でもこれも充分美味しいですよ」
「そっかそっか、そりゃ良かった」
そう言って笑うリムルは、はちみつれもんを美味しそうに飲むベニマルをただじいっと見詰めていた。
「ご馳走様でした」
コトリ、とテーブルにマグカップか置かれた。
「いや、少し落ち着きました、なんかどうも自分でもわからない焦燥感みたいなのがあって」
はは、と笑うベニマルに、リムルは肩を竦める。
「まぁ俺からの進化も拒んで嫁二人貰うんだから、少しくらい焦って貰わないとな」
多分に皮肉のこもったそれに、ベニマルは言葉につまる。
「う、それは…」
「ま、進化終えたらまたいつも通り、今まで通りの活躍を期待してるよ」
それに対しベニマルは不敵に笑う。
「いえ、今まで以上の活躍を約束しますよ」
「お、いうねー…信頼してるよ」
その言葉に自信を込めて頷く。そんなベニマルの頼もしさに、リムルは顔を綻ばせた。
じっ、とそのままベニマルを黙って見つめるリムル。自信満々の顔を作りながら見返すのも限界になったベニマルは、へら、と表情を緩めて笑う。
「どうしました?俺の顔に何かついてますか?」
「いや…やっぱ好きだなぁって思って」
は?と聞き返す前にベニマルの体は、リムルに肩を押されてベッドに倒れこんだ。ギッと音のなるベッドの上で反射的に上半身を起こそうとすると、目の前にリムルの顔がありギョッとして動きが止まる。ギシリとなるベッドの上、ベニマルの体にリムルが半分覆い被さっていた。
「リムル様!?何を!?」
「…明日、祝言だなぁ。ベニマル」
そして、プロローグの場面へと時は進む。
「逞しいなぁ、ギンギンだ」
ベニマルの男性器を両手で握り、上下にこすり続ける。時折舌を這わせ、筋をなぞり、反応を楽しむように弄ぶ。
「リムル様…っ!」
「はむっ…んんー?ひふかにひてろぉ」
リムルが口に咥えながら話し、ちゅぽちゅぽと口で咥えたまま上下に動かし始める。手の動きは早くなり、口の動きと連動せず、その不規則な動きがベニマルに快感を与えていく。
「んはっ、出そうになったら遠慮なく出しな、受け止めてやるよ。んっ…」
一度口を離しそれだけいうとすぐに、ベニマルの男性器を咥えた。だんだんとベニマルの息が荒くなっていくのがわかる。咥えた男性器が脈打つ様子に自分自身が興奮していく。
ちらりとベニマルの様子を見てみれば、何かを耐えようとしつつも気持ちよさげだ。
そして、不意にその時が訪れる。
「くっ、出ますっ!」
「うぶっ」
あまり馴れてないからか、本当に不意に起きたベニマルの射精に、性器と口の間から精液が噴き出される。リムルはこれ以上溢さないようにと喉奥まで咥えこんだ。
そして勢いよく吐き出される精液をごく、ごく、と音をたてて飲み始める。ちら、と見上げたベニマルの顔は快感と今の現状の意味不明さに滅茶苦茶で、髪の色に負けない程に真っ赤な顔をしていた。
やがて射精が終わる。リムルは亀頭を咥えながら、男性器の根本から亀頭までを強く握りしめて動かしていく。そして中に残された少量の精液すらも、亀頭を吸い続けていたリムルの口の中に吸い込まれていった。
「ちゅるんっと。んっく、ふうー、いっぱいだしたなぁ?」
「はぁ、はぁ、はぁ…」
ベニマルは下半身全てが溶けてしまったような快感に、息を荒げるだけだった。
先程は天を仰いでいた立派な男性器も、へにゃりと力を失っている。
「おいおい、二人も嫁にするのに一回で終わりか?」
すりすりとベニマルの男性器を手で擦り、頬擦りをするリムル。その蠱惑的な笑みに、知らずベニマルの喉が鳴った。
そんなベニマルに更に笑みを深くし、擦る手を早めつつ、舌先で刺激していく。萎えて少したるんでいる皮を男性器の根元から引っ張る事で伸ばし、皺をなぞるように舌を這わせ、カリの根元を舐めあげる。
みるみる盛り上がっていくベニマルの男性器の亀頭に、キスを落としたリムルは体を起こした。
「あは、やっと勃ったな、すぐ復活しないと二人ちゃんと抱けないんじゃないか?」
鼻歌でも歌い出しそうな機嫌の良さで、ズボンとパンツを止める間もなく脱ぎ捨てたリムルは、上体を起こしたままのベニマルをベッドに押し倒した。
そしてベニマルの腹の上に跨がり、見下ろしながら笑う。
汗が流れていて、息がほのかに荒い。眼は潤み、紅潮していて、ペロリと舌が唇を舐めた。
喰われる。率直にそう思った。
ベニマルはその時理屈ではなく感覚で、捕食されるものの気持ちを感じ取っていた。
腰を浮かしたリムルは右手でベニマルの男性器を掴み、自分の女性器へとあてがう。くちゅり、と音がしてベニマルと亀頭とリムルの膣口が触れ合った。
「ん…わかるかベニマル…俺のが濡れてるの。それにほら」
リムルは左手でベニマルの右手を取ると、自分の左胸へ当てる。ふにゅ、と薄いが柔らかい感触がしてベニマルが狼狽える。
その左胸からドッドッドッドッと激しい鼓動が手から伝わってきて、伝播するように自分の鼓動もはねあがってる気がした。
「すっごい、ドキドキしてるんだ、俺…ずっと、こうしたいって思ってたんだ…」
「ず、ずっとですか…?」
そうベニマルが問い掛けると、先程まで恍惚としていたリムルの表情が少し曇った。
「はぁ…そういう所だぞお前…」
「へ…?」
リムルはベニマルの反応を無視し、腰をゆっくりと下ろし始めた。だが、ベニマルのものは大きく、リムルの中は狭すぎた。リムルが体重をかけてもゆっくりしか入っていかない上に、自分の中を掻き分けられる未知の感覚にどうにも躊躇ってしまう。
「っふー…っふー…でっか…」
大きく呼吸をして、どうにか奥まで挿入しようと試みるが、めり、と自分の中から聞こえた事のない音がする度に動きが鈍る。
チラ、と自分の下を見ればベニマルの男性器はまだ半分も入っていない…嘘だろ?という気持ちであった。
そしてリムルは決心する。ビビらずに一気に押し込むと。
「…っーの…っふ、ふぉあっ!?」
ずちゅん、と自分の奥を貫く感触に、目の前に電流が走った。腹の奥からビリビリと背筋を走る快感に、子宮口を刺激する初めての感触に、リムルは背筋をピンと伸ばして絶頂した。
「り、リムル様!?」
リムルはそのままくたりとベニマルの体に被さるように倒れた。真っ赤な顔で焦点のあわない目をして、息を荒くしている。
「ぉほぇ…はーっ…はーっ…んっく、イ、イッちゃった…」
快感の余波に体をビクビクと震わせてリムルはへへ、と照れ臭そうに笑うと、腰をグリグリと動かし始めた。
「んぐ、リムル様がイッたなら終わりでは…!?」
「っは、ばぁか、セックスってのは…んっ!メスの腹に種仕込むまでだろっ…!」
「練習では…!?」
ベニマルの悲鳴じみた声を無視し、絶頂の余韻から回復したリムルは上体を起こす。そしてベニマルの胸板に手を置きながら腰を上下に振り始めた。
リムルとベニマルが密着する度に、薄いリムルの腹は盛り上がり。シャツが揺れてチラリと見えた光景にベニマルは興奮してしまう。
それに気付いたリムルはにやぁと笑うとシャツをたくしあげ、盛り上がる自分の腹に指を這わす。腹越しにも関わらず撫でられた男性器がピクリと震えた。
「んふ、変な所で興奮するんだな、じっくり見ていいんだぞ?」
ぐりぐりと体を横に動かせば、腹の中の男性器もリムルの腹を刺激しながら少し動く。その様子に知らず生唾を飲み込むベニマル。
その様子に、リムルはベニマルの興奮が最高潮に達していると察した。そして腰を上下に大きく動かせ始める。
パンパン、という音からパチュンパチュンと湿った音に変化していき、ベニマルの男性器を包み込む膣の動きが激しくなる。
「あっ、あっ、あん、あ、あんあっあっあっ」
リムルの喘ぐ声と腰が動くスピードが早くなっていく。否応なく高まっていく射精欲に、ベニマルは堪えきれずに男性器を大きく脈動させた。
「り、リムル様!また出ますっ!」
「あっ、あぁあああん!」
どちゅん、と一番奥に入った瞬間、ベニマルの男性器は精液を吐き出した。リムルが狙って子宮口と亀頭がキスするように奥に挿入した瞬間の射精は、ビュルビュルとリムルのまっさらな子宮を満たしていく。相当な量の射精。リムルは矯声をあげながらもお腹に手をあて、中を満たされる感覚に恍惚とした表情を浮かべていた。
やがて射精が終わるとリムルはゆっくりと腰を浮かす。にゅぽん、と抜けた男性器の先からは射精の名残が残り、リムルの女性器からは愛液と精液の混じった液体がポタリと溢れた。
「はっ、はっ、はっ、はっ」
自分からは動いていないと言うのに快楽で息の荒いベニマルに、リムルはへにゃへにゃな男性器の先を咥えてやる。
「うっ、うぅ、もう出ません…」
情けない声をあげるベニマルを尻目に、じゅるちゅるる、と残った精液を吸いだし、ごくり、と音を立てて飲み込む。
「…精のつくもんでも食わんと一夜で二人抱くのはきついか」
量は凄かったけどな、と自分の腹を擦りながら、一回目よりはるかに薄いそれに、そう吐き捨てる。
リムルはそそくさと脱ぎ捨てたパンツとズボンをはきなおすと、ベニマルに向きなおった。
「それじゃ、ベニマル、御馳走様。練習になったか?明日の祝言には精のつくものたっぷり用意しとくからな!」
晴れ晴れしい表情を浮かべてリムルはドアを開ける。
「じゃあな…おやすみ。寝坊すんなよ」
「は、い、おやすみなさいませ…」
そう言ってリムルは部屋のドアを閉めていった。
一方ベニマルは未だに射精後の虚脱感が抜けず、そのまま眠りについたのだった。
次の日の朝、食事をとっている一同に爆弾を抱えた主、リムル=テンペストが現れた。
「おはよう諸君ー今日はベニマルとモミジとアルビスの祝言だから、朝は準備の為にちゃんと食えよー」
リムルの腕の中ですやすやと眠る、おくるみに包まれた赤ん坊。
空色の髪で、額から二本角の生えた鬼。
全員の視線がベニマルに集中した。
「え?な、は?」
ベニマルは困惑していた。確かにリムル様とそういう行為をしてしまったが、それは昨日の事で…子供など産まれる筈が…。
「あ、この子?昨日妊娠したんだけど、すぐに産みたくて、頑張ったんだ」
そう言ってぺかーと輝く笑顔を見せるリムル。
成る程なーそう言う事かー。
ベニマルを見る視線に敵意が混ざりだした。
「産まれてきてくれてありがとうな『ソラマル』」
ベニマルの背後にプレッシャーを感じる。
リムルの秘書の二人の姿が見えないなー、何処いったんだろなー。
言葉もなく愕然とするのは今日祝言の筈のモミジとアルビスである。まさかの婚姻直前の寝とりである。
そんな二人にリムルは朗らかな笑顔を浮かべる。
「祝言は勿論予定通りあげて、第一第二もそのまま。俺が入る気はないよ。ただ…ベニマルの初めての子供を産んだのは俺だ」
最後にリムルは二人に対して勝ち誇ったような表情を浮かべて鼻で笑った。
途端に大騒ぎである。リムルの口から明らかにその赤子がリムルとベニマルの子であると明言したのだから。
モミジとアルビスの受けた衝撃も強かったが…それよりも優先する事があった。
「「ベニマル様!ならば私ともすぐに子作りしてください!」」
二人同時に詰め寄る。ベニマルの背後のプレッシャーに剣鬼も混じり始めて冷や汗が止まらない。
「お兄様…」
「シュナ!助け」
「自業自得です…リムル様のアプローチをあれだけ無視しておいて…」
「アプローチ…?」
頭を捻ってなんの事かまったくわかっていない様子に、シュナは深く深くため息を吐いた。
「処置なし…好きにしてください」
「くっ」
途端に逃げ出そうとした時、既に自分が糸でがんじからめになっている事に気付いた。
背後のプレッシャーは膨れ上がり、殺意満点である。
ベニマルの悲鳴をよそに、リムルはソラマルを抱き、笑顔を浮かべた。
「平和だなぁ」
リムル「一番ひどかったのはあれだよ、スライムの黒蜜和えが好きだっていうから俺を食べさせた時。自分の一部を相手が受け入れたら番じゃん?(この話特有のスライムの常識)美味い!って言ってたし、その後俺が嬉しくなってピッタリくっついてあーんもしてあげて、これはもう番や婚姻通り越して子作りだとその夜期待してドキドキで待ってたらまったくこないで。朝になっちゃって、鬱々としてたらベニマルと出くわしてさ、なんて言ったと思う?『あれ、どうしたんですか、元気ないですね、しっかり寝ましたか?』だってよ?なにそれってなるだろ?しかもなんかテングと交渉に行ったら娘と婚姻みたいな話になってベニマル自体はそこまで拒否感なかったしさ、アルビスともいつの間にかいい感じになってさ、なんだよあれだけ俺からのアプローチ無視しやがって、体密着させるなんてベニマルにしかやってないのに顔赤くすらならないし、甘味試作品なんかであーんも沢山やったし、蜂蜜食べさせる為に直接指を舐めさせたりまでしたのに…進化拒む時の心残りだって俺なんて眼中になかったし…あー、くそ…あのヘタレ…俺の何がいけなかったんだよぉ…ベニマルぅ…あああああん…」
ーリムルのアプローチを知ってるものだけで開かれたリムル様残念会においてのリムルの発言