マックとマレーネが演舞場でシゴかれている頃、レクチャーの誘いを断って自室に戻ったラードとマリアは木人を前にしていた。
初夜の興奮に時間を忘れて求めあっていたマックたちとは異なり、夜明けから部屋を出て規則正しい生活をしていたラードが、ハウスキーパーに命令して食機を運ぶついでに持ち込ませていた。
「では改めておさらいをしよう。マリアは僕が繰る糸に合わせて動くんだ」
「貴方こそ遅れないようにね」
「わかっているさ」
ラードは気愛いで編んだ糸を指先から伸ばし、マリアの身体にまとわりつかせた。
この糸は昨夜の初夜の時点でマリアの身体に編み込まれていた愛の糸を可視化したものであり、可視化は互いのエネルギーが循環していることを示している。
元々は人形などに自分の精気を注ぐことで遠隔操作するマリオネットと呼ばれる術法がこの糸の正体。
シヴァの加護を授かった夫婦はあらゆる意味で繋がっているためこのようなパスを結ぶ必要は無いのだが、ラードがあえてこの術法をマリアに仕込んだのにはからくりがあった。
完全に操る人形相手とは異なり、繋がった相手との連携も大事になるこの術法を扱うのには慣れが必要。
だがマリアは一発でラードに息を合わせた。
「初めてなのにズレのない連携が出来るなんて流石はマリアだ」
「庶民の貴方には驚きでしょうけれど、わたしにかかればできて当然ですわ」
「フフフ……この調子で明日も頼むよ」
「あんな庶民の二人なんて貴方抜きでも軽く捻り潰して差し上げますわよ」
「油断は良くないよ。それに僕抜きだなんて寂しいじゃないか」
「んあっ♥」
慢心気味な態度を見せるマリアに対してそれを御する為なのだろう。
人目につかない自室というのも手伝ってラードは指先をクイッと動かす。
するとマリアの口からは気品あふれる貴族令嬢とは思えない艶やかな声が漏れた。
その声は彼女の身体に纏わる糸のうち乳首などの敏感な部位にかかるものが擦れて彼女を刺激してのもの。
一晩かけた調教でラードの前でだけ溢れるようになった感じている証拠である。
「ご、ごめんなさい。そういうつもりではなくてよ」
「そうだよね。マリアは僕がいないと寂しいのだから」
だが軽い愛撫だけ乱れた様子のマリアに対してラードは面倒な愛情をぶつける。
糸を手繰り寄せることで彼女を天井に釣らし両腕の自由を奪うと、彼女のスカートをめくって下着を脱がせた。
「だけどこんなに早く僕を求めるのは感心しないな。はしたないじゃないか」
「脱がせた下着を見せつけて放つ言葉ではないわよ」
マリアは反論しつつも自分の身体から溢れた蜜の量に関してはラードに内心同意していた。
こんなに濡れたつもりがないほどに彼女の下着に出来ていたシミは大きく、クロッチ部分は濡れてぐっしょりである。
どうして自分はこんな下劣な男に欲情しているのだろうかとさえ思っていた。
「あれだけの辱めを受けて王国からも強要されている以上は文句を言っても仕方がないのでしょうけれど、やはり貴方のような下劣な庶民がわたしの夫というのは──」
「煩いお口は少し塞ごうか」
マリアはラードを罵倒するのだが、ラードはまるで気にしないどころか嬉しそうな顔をしてから下着で彼女の口を塞ぐ。
湿った下着をくしゃくしゃに丸めて口の中に放り込み、唾液を吸い込んだ下着は余計にぐしゃぐしゃである。
モゴモゴと罵倒を続けるマリアだが下着のせいで上手く喋れず、下着も顎に張り付いて吐き出せない。
そんな彼女をラード抱きしめた。
「でも人前では今みたいに高飛車でもいいから気品を保ってほしい」
(やっぱりコイツ面倒くさい)
「そんなキミが好きだ」
(でもコイツに好きだと囁かれると、わたしの胸が変になる。いくらわたしが嫌がろうとも、名目上はもうわたしたちの婚姻は確定しているし、何より純潔を奪われている。シヴァの加護もくっきりと浮かぶくらいにコイツとわたしは繋がっていて運命共同体なのは否定出来ないわ)
「意地悪をしてすまない。僕もそろそろキミを補充したい」
服の下で隆起する息子を擦りつけながらの告白。
謝罪の一環としてマリアの口に入れた下着を取り出すと、ラードは空いた唇に自分を重ねた。
(それにシヴァの加護で繋がっているからか、辱められても受け入れてしまう自分がいるわ。今まで心の奥底に眠っていた何かが彼に心惹かれているみたい)
「そろそろ脱がせてあげようか」
「愛し合いたいんなら素直にそう言いなさい!」
「ま、マリア⁉」
好きだと言いつつも辱めるラードに焦れたマリアはそう言うと、腕の力で吊るされた身体を支えながら脚を彼に絡ませた。
トラバサミのようにガッシリと掴んだ脚はラードを離さない。
「貴方のそういうところは大嫌いよ。だけど素直になれば許さなくもなくてよ」
マリアの脚が掴んでいる位置はラードの腰で、先程から大きくなっていたラードのものが布越しにマリアのお尻に触れる。
このままズボンを脱げばそそり勃つモノをねじ込むのも容易だろう。
ラードはマリアが望むようにズボンを脱ぐのだがそこから先は焦らす。
ここから先はキミが自分でやれと言わんばかりに。
「素直に脱いだのは褒めるけど昨日と違って何もしない気? 昨日はわたしが嫌がってもあれだけしたのに」
「フフフ」
「ひゃん♥」
強気な態度で自分を求めるマリアに喜んで笑みがこぼれた。
そのままラードは糸の拘束を緩めてマリアの体重を使って床に寝そべる。
有り体に言えば騎乗位の姿勢に持っていくと、可憐なお尻に沿う尾てい骨に届く勢いで反り返るおちんちんの先でマリアにキス。
変な感触にマリアも年頃の女の子らしい声を上げていた。
「今日はキミの好きなように」
昨日は強引な婚姻からの交淫ということで、すべてラードにされるがままだったマリアから強引に押し倒すという構図。
傍目には面倒な性癖をしたラードには願ったり叶ったりの状況に彼の頬は緩んでいた。
さあ、このまま僕を飲み込んでくれ。
彼の顔にはそう書かれていた。