奈津子は匠との行為後、妊娠しないようにアフターピルを飲んだはずだった。
[newpage]
1ヶ月後、奈津子は哲也は入籍した。
哲也から入籍を気に違う島で暮らさないか?と聞かれた。
新規一転したいという哲也の希望だった。
奈津子は、断る理由もなく了承した。
そして奈津子と哲也、毅は緑島から星島に引っ越すことになったのだ。
緑島から星島は船で4時間。
奈津子は、船のベッドで横になったている。
奈津子「おかしい……船酔いなんかしたことないのに…気持ち悪い、早くつかないの……」と言う。
哲也「奈津子さん、大丈夫ですか?」
哲也が心配してくれる。
奈津子「うん……大丈夫……」と言うが全然大丈夫ではないようだ。
奈津子はトイレに駆け込んだ。
奈津子「う゛っ……おえぇぇ……」と嘔吐している。
哲也「奈津子さん!大丈夫ですか?」と言いながら背中をさする。
しかし、吐き気は治らない。
奈津子「はぁ……はぁ……うっ、おえぇぇ……」と嘔吐を繰り返す。
哲也は心配そうな顔で見ているが何も出来ないでいた。
奈津子はまだこの時気づいていなかった。
奈津子の胎内には匠との赤ん坊を身篭っていたことに……。
そして、奈津子はその事に気付くのはもう少し後の事である。
[newpage]
星島で新たに生活を始めた3人。
奈津子と哲也は共同で弁護士事務所を立ち上げた。
事務所はすぐに軌道に乗った。
気がかりなことがあり奈津子の体調が優れなかった。
吐き気が止まらず、食欲もあまりない。
奈津子は妊娠していることに気付いていなかったのだ……。
結婚して夫婦の営みをしているので、妊娠してもおかしくはない。
哲也と奈津子は一緒に病院に行き検査をしてもらった。
すると、妊娠していると告げられたのだ。
奈津子は驚いたがそれ以上に哲也は喜んでいた。
しかし、妊娠期間が結婚する前だった為、奈津子は動揺した。
奈津子は帰り際、車の中で泣きだす。
奈津子「どうしよう……私、妊娠しちゃった……」
哲也「奈津子さん!僕嬉しいですよ?僕たちの子供ですよ?」と優しく声を掛ける。
しかし、奈津子は泣き止まない。
哲也はそんな奈津子を見て、そっと抱きしめる。
哲也「大丈夫ですよ?僕がついてますから……」
と言って優しく頭を撫でてくれる。
奈津子「哲也くん…違うの…赤ちゃん…哲也くんのじゃ無いの……」
哲也「えっ?どういうことですか?」と聞く。
奈津子は泣きながら答える。
奈津子「私……哲也くんと結婚するって決めてから匠に手切れ金を渡した日に……私…匠に……」
哲也「えっ!?どういうことですか!?」と驚いた様子で言う。
奈津子は泣きながら答える。
奈津子「私……あの日、匠に犯されたの……」
哲也は、驚いた顔をした後悲しそうな顔をして言う。
哲也「奈津子さん、そんな大事な事どうして言ってくれなかったんですか?」
奈津子「ごめんなさい……言えなくて……」
奈津子は泣きながら答え泣きじゃくる。
哲也「わかりました。とりあえず家に帰りましょう?話はそれからです」と言い車を走らせる。
家に着くと奈津子はソファーに座って泣いている。
哲也は、そんな奈津子の隣に座り肩を抱き寄せながら言う。
哲也「奈津子さん……どうして言ってくれなかったんですか?」と聞く。
奈津子は泣きながら答える。
奈津子「言えなかったの……ごめんなさい……」
哲也は、少し怒ったような口調で言う。
哲也「どうしてですか?僕はそんなに信用ないんですか?」と悲しそうな顔で聞く。
奈津子は泣きながら答える。
奈津子「違うの……哲也くんのせいじゃないの……」
と泣きじゃくる。
哲也は、そんな奈津子を見て、そっと抱きしめる。
そして耳元で言う。
哲也「産んでください。宿した命なのだから。」と優しく言う。
奈津子は、泣きながら答える。
奈津子「産んでいいの……?」
哲也は、少し怒ったような口調で言う。
哲也「当たり前じゃないですか。奈津子さんの子供ですよ?僕は奈津子さんとの子供が欲しいんです。」
と言って優しく頭を撫でてくれる。
奈津子は泣きながら言う。
奈津子「ありがとう……哲也くん……」
哲也「これからは、何でも言って下さいね?」と言う。
奈津子は泣きながら言う。
奈津子「うん……ありがとう……」
と言って抱きつく。そして2人はキスをしたのだった。
[newpage]
それから日々は過ぎていき、奈津子は出産を控えていた。
奈津子は、陣痛に苦しんでいる。
奈津子「う゛っ……あ゛ぁっ……」と苦しそうにしている。
哲也は、そんな奈津子を見て、オロオロとしている。
そんな様子を見て奈津子は言う。
奈津子「大丈夫だよ。心配しないで。」
と優しく言う。
哲也「奈津子さん、僕どうしたら……」と言う。
そんな様子を見て奈津子は、微笑みながら言う。
奈津子「手を握ってくれるかな?」
哲也「はい!」と言い手を握る。
奈津子は、その手を握り返すと安心したのか少し表情が和らいだように見える。
そして数時間後……。
奈津子「う!ううっ……あ゛ぁあっ!」
と言う声と共に赤ちゃんの産声が聞こえてきた。
奈津子「はぁ……はぁ……」と息を切らしている。
哲也は、そんな奈津子に声をかける。
哲也「奈津子さん!大丈夫ですか?」
奈津子「うん……ありがとう……」と言う。
そして、赤ちゃんが産声を上げた。
元気な女の子だ。
哲也は、そんな赤ちゃんを見て、微笑みながら言う。
哲也「奈津子さん、おめでとうございます!」と言う。
奈津子は嬉しそうに微笑んでいる。
私はこの人と結婚して良かった。
そう心から思った。
名前は美月と名付けた。
子どもの血液検査をするこてになり、夫婦で美月を連れて病院へ。美月は、まだ1歳にも満たない。
しかし、血液検査の結果がわかった。
哲也と奈津子は驚く事になる……。
美月の血液型はO型だった。
奈津子の血液型はA型。
父親の可能性である匠は、A型。哲也はAB型。
生まれ子供の血液型はO型だった。
奈津子は、美月が匠の子だと勘違いした。
奈津子は、叫びそうになり口元を抑える。
匠の子供じゃない?
じゃあ誰なの? 美月が匠の子じゃないなら、私は誰に……。
奈津子は、混乱して泣き出す。
そんな様子を見た哲也は、奈津子を抱きしめる。
奈津子「違う私…誰とでも寝ないわよ……。信じて……」
哲也「わかってますよ……奈津子さん」と優しく言う。
しかし、奈津子は泣き止まない。
そんな様子を見て、哲也は美月を連れて家に帰る事にしたのだった。
家に帰ると毅が出迎えてくれた。
毅「おかえり、赤ちゃんは大丈夫だった?」と言う。
哲也「ああ、大丈夫だ。それより美月の血液型がわかったんだ」と言うと毅は驚く。
毅「えっ!?美月ちゃん血液型O型だったの!?」と言う。
哲也「ああ……そうだ。」と悲しそうな顔で言う。
毅は、少し考えた後、口を開く。
毅「じゃあ、僕と同じだね!僕もO型だから!」と嬉しそうに言う。
哲也「えっ?そうなのか?」と言う。
毅は、笑顔で答える。
毅「うん!そうだよ!」と言う。
奈津子は、そんな毅無邪気な姿を見て、顔を引き攣る。
そんな様子に気付いた毅は、奈津子に聞く。
毅「どうしたの?お母さん?」と言う。
奈津子は答える。
奈津子「なんでもないわ……ただちょっと疲れちゃっただけよ……」と言う。
毅は、そんな奈津子を見て心配するように言う。
毅「お母さん……大丈夫?」と言う。
哲也「奈津子さん、少し休んだ方がいいですよ?」と言う。
奈津子は「そうね……そうさせてもらうわ……」と言って寝室に向かう。
毅はそんな後ろ姿を見て悲しそうにしているのだった。
嘘よ…ありえないわ……。
でも、この血液型の一致は一体どういうことなの?
奈津子は、自分の血液検査の結果を見て動揺していた。
A型のOだったら、わかる……。
匠の子だ。
でもO型のAって…。
ありえない……。
でも、匠と同じ…血液型なら生まれるもの……。
勘違いよ……。
奈津子は怖くなり哲也に内緒で遺伝子検査をすることにした。
結果は……。
奈津子は、ライターで紙に火を付けて燃やす。
毅「どうしたの?お母さん?」
奈津子は満面の笑みを浮かべて毅に言う。
奈津子「なんでもないよ。ほら学校行きな。」
毅「うん!」
99%の数字が燃えて行く。
奈津子は、その紙を見て絶望する。
やっぱり……。
私は毅の子供だった。
匠との子供じゃない……。
奈津子は、その場に泣き崩れるのだった。
こんなこと……ありえない……。
[newpage]
それから10年経った。
哲也との結婚生活は順調で、正真正銘哲也の子供を5年前に出産した。
毅は16歳になり、全寮制のある高校に進学した。
あれから毅が奈津子を異性としてみることはなかった。
美月は、10歳になり、奈津子に似ており可愛らしい容姿をして、活発な女の子に育っていた。
奈津子は、美月の成長を見る度に嬉しくなる。
奈津子は、この10年何もなかった事に安堵していた。
そして、この生活がずっと続けばいいと思っていた。