自宅……。
テーブルには、お茶が二つ置かれている。
そして、対面して匠と由美子が向かい合っている。
沈黙が流れる。
また、部屋は昼なのに薄暗く、静かで不気味な空気に包まれていた。
そして、テーブルにはお茶とは他に離婚届と指輪が、置かれている。
匠は、神妙な面持ちをしている。
由美子は、俯き加減であり、匠の顔を見ていない 。
長い時間が過ぎてゆく。
美優と麗奈は、今は外出中のようである。
二人は無言である。
そうだろう、旦那にあんな姿を見られた上、あんな変態セックスされられた上に愛人にまでさせられたら……、何も言えないはずだろう、と思うかもしれない。
あれから由美子と匠は、会話をしていない。
由美子が行為が終わった後、匠は由美子に謝罪をしていた。
それから、何も喋っていないのだ。
匠自身も話したい事が沢山あるはずだがどう切り出せいいかわからない状態が続いているというところか。
自分の妻が性奴隷にされても、文句がいえないので、由美子には情けない奴だと思われているに違いないと思っているのである。
その沈黙を俯いていた、由美子が破った。
由美子「妊娠…………しました………。ごめんなさい……。離婚して下さい……。」と言うのだった。
その声からは悲しみの感情しか読み取れなかった。
由美子の身体から生気が失せたかのように見えた、それは絶望していた証拠だとも言えるが……。
その話を聞いたときも一瞬何があったかわらなかったようで目をぱちくりさせながら固まっていた、がその後理解をしたらしい顔色になった瞬間怒りに満ちた形相に変わった、そして震える拳を握っていた。
匠の目からは涙が出ている。
匠「……離婚は嫌だ!!……子供ができたからなんだ!?俺は、お前を愛している!!だから絶対に別れるもんか!たとえ、俺の子どもでない、子どもを妊娠したとしても……絶対に離婚しないから!」と言って怒鳴った。
それに対して「……うっううっうっ。あなたはいつもそうだわ。いつも自分より他人を優先する。あなたは、優しすぎるわ……匠さん……。私のことなんか、忘れて下さい……!」
と嗚咽混じりな弱々しい声で下を向いて、大粒の涙をこぼしながら、言い放ったのである。
それを見た匠の表情が変わり由美子の両肩を掴んだ後キスをして抱き締めた。
匠「馬鹿……、忘れないし、君を離さよ……!!」
と囁いて抱きしめると 、 そのあと匠は優しく接してくれるようになっていたのだ。
由美子はまだ匠のことは好きだが諦めなければならないと感じて涙を流したのである。
まだ、由美子は匠が仕掛けているとは、知らずに匠を愛し、信じ切っていたのだ……。