※この作品はR-18です。

この怠惰な女神に信奉を   作:熱心なエリス教

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いつも私の妄想にお付き合い頂きありがとうございます。

もう散々弄り倒したので、そろそろラブコメディに舵を切ろうと思います。ということで、先ずは気持ちの分からせ回です。数百年生きているのにクソ雑魚恋愛観しか無いウォルバクさんには、ここらで恋する乙女になってもらいましょう。

またお暇な時にでもお付き合いください。


この鈍感女神に初恋を

「『スタングレネード』!からの『ブレイズ・オブ・ウィンド』!」

カッ…パァン!!

 

カズマの投げた筒型の魔道具が、眩い閃光と炸裂音を放つ。それは襲ってきた獣モンスターを気絶させ、一緒に居た亜人種モンスターをパニックに陥れた。私もカズマに貰った格好いいサングラスが無ければ、きっと目を焼かれていたことだろう。こんな極悪なコンボ攻撃を食らうなんて、流石にモンスターに同情してしまいそうだ。

 

「魔道具を使って怯ませることで、限られた魔力を効果的に運用する……中々腕を上げたわねカズマ。魔道具に暴走も起きなくなったし、もう魔道具職人としては十分に食べていけるんじゃないかしら?」

 

今日の課題は、中級冒険者向けクエストを魔道具と魔法だけでクリアすること。カズマはそれを1つの魔道具だけで完璧にこなし、私に成長の成果を見せつけた。まぁ、これも私の指導の賜物と言えるわけで、村人レベルだったカズマをここまで育てたなんて、我ながら自分の才能が怖い。でも、私はこんな事ではしゃいだりはしない。私ならこれくらい出来て当然なの……だって私は、人を導く女神なのだから!

 

「……………」

パクパク

 

あれ、なんかカズマの声聞こえないわね?ちょっと爆発に近かった気もするし、ひょっとして私まで耳をやられたのかしら?直ぐに良くなるとは思うけど、やっぱり凄い魔道具だったのね。

 

「………………」

パクパク

 

えっ、なんかカズマの顔が近付いてくるのだけど?!両手が私の顔を挟み込む感じなのだけど?!まさかこれはキスの流れなの?!1人前になったからって告白とかされたの?!ごめん待って、聞こえなかったからやり直して!と言うかキスってどうしたら良いの?!取り敢えず目を閉じたら良いの?!

 

……………スポッ

 

「先生、耳栓取り忘れてますよ?それじゃ会話なんて出来ないでしょ?それに、サングラスも取らなきゃ色々見えづらいですよね?」

 

「あ、うん……うっかりしてたかも……」

 

違ったぁ!何これ恥ずかし!サングラスのお陰でキス待ちしてたのはカズマにバレてないようだけど、バレてたらもう顔見れなくなるところだったわ!

 

「ところで先生……俺、ずっと先生に聞きたかった事があるんですが……」

 

「ひゃい!」

 

や、やっぱり来るの?!今度こそ愛の告白が来ちゃうの?!「魔道具職人として1人前になったから、俺の妻になってくれませんか?」とか聞かれちゃうの?!落ち着くのよウォルバク!私は女神でカズマは凡人!そう来たら余裕のある顔で「魔法使いとして1人前になったら、考えてあげるわね」って言うのよ!

 

「先生……」

 

「た、大切にしてくだひゃ!」

 

「なんで教室のあった場所、屋外と言うか更地になってるんですか?」

 

「…………へっ?」

 

…………あっ、成程そっちね。うん、そりゃ気になるわよね!

 

…………………………

 

「魔法の暴走ですか……それで勉強会を昼にしたんですね?」

 

「えぇ。記憶を消す魔法の研究をしてたら、ちょっと魔法が暴走してね……」

 

「なんか、記憶以外も全部消えそうな破壊痕に見えるんですけど……」

 

流石に本当のことは言えないけど、これだって一応嘘じゃない。セレナは「な、何も覚えてない!うん、本当に何も!」って言ってたし、魔法なんて結果が伴えば経緯は多少はズレてもいいと思う。それに、深く追求されると私がカズマを好きだなんて勘違いさせるかも知れないし、そんな残酷な事はしたくない。

 

「と言うか、先生でも魔法の暴走とかあるんですね?いつも完璧にこなすイメージありますけど……」

 

「そ、そうね!新しい魔法を作ろうとすると、どうしても失敗の積み重ねになるからね!」

 

これからカズマも経験するだろうけど、実は新種の魔法を作るのはかなり難しい。実際に私が女神に戻る魔法を作ろうとしたら、魔力を込め過ぎて大爆発したことがある。本当は完璧な先生で居たい所だけど、そんな馬鹿な見栄は張らないほうが良いと思う。カズマの柔軟な発想は、下手したら何をやらかすか分からないとも言えるし……

 

「それにしても、カズマは本当に職人としての腕を上げたわね。複数命令なのに暴走しない魔法陣が書けるようになるなんて、本当にすごい進歩だと思うわ」

 

「そ、それに関してはまぁ……俺の世界で言う所の句読点があれば成立すると言うか、文字の間隔を狭めれば普通にいけたと言うか……言うほど難しい理論じゃなかったと言うか……」

 

「そうなの?!この古代言語が難しくないって、ニホンの言葉は凄く複雑なのね……」

 

句読点が何かは知らないけど、カズマのこの進歩は本当に大きい一歩だ。最近では専用魔道具のオーダーを受け、国の街道整備にも一役買っているらしい。本当、この短期間で立派になったと思う。

 

「所で、魔力コントロールの方はどうなのかしら?そろそろティンダーの炎を好きな形に出来るようになった?」

 

「うっ……それはえっと……手の甲から出せるようにはなったんですが、まだ未熟で……」

シュボ

 

カズマの出したティンダーの炎は、形が定まらずゆらゆらと揺れている。カズマの低い魔力でウィザードになるなら、魔法のコントロール精度をひたすら高めて効率運用するしかない。つまり、魔法使いとしてはまだまだ未熟と言わざるを……

 

「えっ、ちょっと待って?カズマ手の甲から魔法撃てるの?!私それ出来ないんだけど?!」

 

「そうなんですか?出した後の魔力をコントロールするより簡単だと思いますよ。ほら、元々手の平から出すか指先から出すかの調整は皆してますし、杖がある時には杖に伝えますよね?」

 

「そう言われるとそうなのだけど……と言うか良くやろうとしたわね……」

 

これは器用なんて言葉で片付けて良いのかしら……確かに魔法の発動に微調整は可能だけど、発動する場所を移動するなんて聞いたことがない。と言うか、そもそもそれに意味があるのかも分からない。肘や二の腕から魔法が発動したら、むしろ当てにくいと思うし……

 

「でも、それじゃ魔力効率は上がらないし、今日は楽しく精度を上げる授業をしましょう!教室再建の為のクエストも受けたいけど、それはカズマの宿題にするわね!」

 

「おっ!ついに楽しい実技が……って何かおかしな宿題出てませんか?!」

 

あっ、流石にこれは気付かれるか。カズマならお金も器用さもあるし、前のゴーレムとホーストに作らせたログハウスより良いものが出来ると思ったのだけど、そう簡単にはいかないわよね……

 

「そんなにお金がないならクエストにしませんか?今は楽しい授業より金欠の方が重要ですよね?!胸とか内蔵とか売られますよ!」

 

「わ、分かったわよ!そこまで言うなら、今日はクエストにする!むぅ、カズマはお金のことになると本当に厳しいんだから……」

 

そりゃ以前は内臓売るレベルの借金を抱えてた訳だし?お金に厳しくなるのも分かるけどね……

 

「はぁ……折角新しい水着を買ったから、水遊びを兼ねた訓練をしたかったのに……」

 

「さぁ早く訓練を始めましょう先生!お金なんて俺がどうにかしますから、今は新しい水着です!さぁ早く!」

 

「いや流石にそれは露骨過ぎない?!」

 

まぁ、私は悪い気はしないんだけど……

 

……………………………

 

「『クリエイト・ウォーター』!『クリエイト・ウォーター』!くそっ!これじゃ水着をじっくり拝めな……わぷっ!」

ビチャッ!

 

「ほらほら!もっと気合い入れて反撃しなさい!私のこと濡らせたら、上に羽織っているシャツも脱いであげるから!」

 

私がカズマに提案した訓練方法とは、お互いに魔法で水を掛け合うという単純なもの。ただ、私は20m以内にカズマを近付けるつもりはないし、濡れなきゃ上に着たYシャツを脱ぐつもりもない。カズマが私の水着を見るためには、クリエイト・ウォーターを細く長く、水鉄砲のように発射する必要があると言うわけだ。カズマは欲望のためなら真剣になるし、これはなかなか効果的な訓練方法じゃないかと思う。

 

「先生!ちょっと集中する時間をくださいよ!思ったより反撃が激し…ぶはぁ!」

ビシャッ!

 

「実戦の相手がそんな時間くれるはずないでしょ!さぁ、もっと本気で撃ち込んで来なさい!」

 

「畜生!!先生の水着も見られないとか、結局何も嬉しい要素が……ぶふっ!」

びちゃ!

 

大丈夫!私は凄く楽しいから!

 

…………………………

 

「て感じで、今日もとても厳しい訓練をこなして来たわ!ついでにカズマが隠れ家も直してくれるって言うし、流石は私のカリスマと人望よね!」

 

カズマの成長を実感し、更に問題の解決策まで手にした私は、それはもう誇らしげに仮拠点(セレナと相部屋の安宿)に戻った。これで隠れ家が修復されれば、家賃節約の為の共同生活も終わり。折角の機会だから、今日はセレナにとことんカズマの自慢をしてやろうと思っている。

 

「………なぁ、いい加減認めちまったらどうだ?」

 

「なにを?」

 

「何をって……お前がカズマに惚れてるって事だけど………」

 

…………えっ、私がカズマに?カズマが私にじゃなくて?!

 

「な、何を言ってるのよセレナ!私達の関係はあくまで師弟関係なのよ?そんな浮ついた関係じゃないし、カズマは私のことが好きだけど、私は別にカズマなんて……」

 

「いや本当にもうそういうの良いから!取り敢えず自分の行動を振り返ってみろ!水着でおいかけっこしながら水を掛け合ったとか、可愛く見られたいから化粧したいだとか、言ってることが完璧にカップルのそれなんだよ!ただの師匠の為に家なんて建てねぇし!そもそも異性の師弟関係で一緒に風呂にも入らねぇから!」

 

「ち、違うわよ!その言い方が如何わしいだけで、言い換えれば普通の修行で……あれ?なにも言い換えられない?!」

 

そ、そう言われたら、確かにちょっと距離感が近い気がする。でも、カズマも「別におかしくないですよ。先生の背中を流すのは弟子の仕事です」って良い笑顔で言ってたし、決して如何わしい関係じゃないはずよね?!

 

「はぁ……自覚がねぇなら良いことを教えてやるよ。サトウカズマの隣に居る女の一人は、国王の懐刀と言われたダスティネスの令嬢だ。民を守るためにクルセイダーをやってるそうだが、以前カズマとの間に子供が居るなんて噂が流れたこともある。見た目良し、身体良し、家柄良しの女が側に居て、このまま間違いが起こらないと思うのか?」

 

「う、噂は噂でしょ!確かにカズマのパーティーは美人揃いだって聞いてるけど、別にそんな関係じゃないって本人から聞いてるもん!それに、私はあくまで師匠だし、弟子の恋愛まで口出しはしないの!」

 

そうよ!私はあくまで師匠だもの!カズマが幸せになれるのなら、それを応援する立場なのよ!それで恋愛関係がどうとか、別に私には関係ないもの!

 

「まぁ、それで納得出来るなら、あたしはもう何も言わねぇよ。ただ、後悔するのはお前だぜ?」

 

そう言って席を立つセレナへ、私は何も言えなかった。と言うか、そんな空気出されて隣のベッドに寝るのって中々キツイ気がするのだけど、そこら辺の配慮は無いのかしら………

 

……………翌朝……………

 

「寝不足の理由は何となく分かりましたが、それで何故カズマの観察なんて事になったのですか?カズマが誰と結ばれても、ウォルバク様は構わないのですよね?」

 

「誰でも良いっていうのは語弊があるでしょ。カズマは私の愛弟子なのよ?セレナみたいに性根の腐った奥さんを貰うことにならないように、あくまで!あくまで保護者として見守る義務があるでしょ!」

 

「はぁ…そんなものですか……」

 

セレナのやり取りの翌日。私はカズマの日常を観察するためにアクセルにやって来た。別にこれはカズマに告白をしに来たとかではなく、ただセレナみたいな性悪にカズマが騙されていないか確認に来たのだ。何せ器量良しで小金持ち、もっと言えば女に甘いカズマのことだ。騙そうとする女が沢山いても不思議ではない。

 

「『ライト・オブ・リフレクション』で姿を隠しているとは言え、大きな声を出したらバレるから、何があっても取り乱すんじゃないわよ?」

 

「りょ、了解です……」

 

こういう時、悪魔の存在はかなり心強い。悪魔の感知する悪感情とは、逆を返せば好感を持っている相手を選別することができる。カズマに好感を持つ女性を炙り出せるなら、後はその女が地雷かどうか確認すれば良い。差し迫っての問題は、要のホーストが怯えてることだけど……

 

「いつもの威勢はどうしたのよ……アクセルなんて、貴方からしたら雑魚の集まりじゃないの?」

 

「こ、ここには数人ヤバいのが居るんですよ……俺様を消しかねない凶悪なプリーストだったり、俺様の攻撃力でも沈まねぇクルセイダーだったり、何故か対悪魔戦闘に異様に強い盗賊だったり、俺様の残基を減らしたアークウィザードだったり……」

 

そう言えば、ここには英雄ミツルギのパーティーが居るのよね。確かにそのメンバーが相手だとホーストでも辛いでしょう。今回は偵察しかしないけど、もし攻めるなら作戦を練らなきゃ危険ね……

 

「ミツ…ギ…ミツルギ……」

 

「はっ?!今たしかに路地裏からミツルギを呼ぶ声がしたわ!まだパーティーメンバーの顔と名前は把握してないし!これはチャンスなんじゃないかしら!」

 

「そ、そりゃ確かにそうかもですが……なんか呼んでた声にも聞き覚えがあるような……」

 

「それじゃもう確定じゃない!きっとホーストを追い詰めたパーティーよ!静かに移動して、相手の顔を確認するわよ!」

 

「は、はい!」

 

カズマのことを調べに来たついでに英雄についても知れるなんて、今日はなんか幸先いいわね!

 

……………………

 

「ほらミツルギ……早く私の口に注いでよ……」

ずっちゅずっちゅ

 

「だ、駄目だよシルビー……そんないやらしく胸でされたら、口の中なんて狙えな……うぅ!」

※シルビーは愛称で、かの……彼は勿論シルビアです。

 

路地裏に忍び寄った私達の目に飛び込んで来たのは、豊満美女の胸にアレを挟まれるミツルギの姿……って、ちょっとミツルギ何してんの?あんた路地裏でナニしてんの?!

 

「外したら何回でもリトライさせてあげるわよ?それとも、お口でねっとり絞られたいかしら?」

 

「し、シルビーの口はその……気持ち良過ぎてクエストに響くから……」

 

「ふふふ……こんなに硬くして我慢するの?それなら、今日は特別に手加減してあげる……じゅるっ…じゅぷぅ…」

 

「あぁ!だ、駄目だよシルビー!と、溶け…あぁ!」

ビクッ!ガクガク!

 

情けなく声をあげるミツルギを無視して、シルビー(?)はその唇と舌を使ってミツルギのアレを責め立てる。あのミツルギが必死に声を抑えるしか出来ないなんて、シルビーは相当な手練れなのだろう。あんなのが私の恋敵だったら、正直勝てる気がしない。

 

「いつでも出して良いのよ?ここはミツルギの為の穴なんだから、我慢なんてする必要ないの……じゅるっちゅぷちゅぷ」

 

「い、いつも我慢なんてさせてくれないじゃ……くぅ!そこは本当に弱いのに!」

 

それにしてもシルビーのテクニックは凄すぎる。ミツルギが情けない顔で痙攣しちゃってるし、これはもう快楽による調教が完了しちゃってるんじゃないかしら。あんなの味わったら、きっと他の子なんて見られなくなるでしょうし……

 

「あのウォルバク様?あの二人はどちらも俺様を追い詰めた奴では無いのですが、なんか二人とも見覚えがあるような気が……」

 

「そ、それならあの女性の素性も調べる必要があるわね!別にあっちのテクニックとか興味ないけど!取り逃さないように最後まで見て、序にクエストでの活躍も確認しないとね!」

 

「りょ、了解です……んっ?クエストが序ではおかしいような気が……」

 

それにしてもなんて凄い奉仕なのかしら……舐めるとか挟むって知識はあったけど、あんな絞り出すような動きが出来るものなの?ミツルギの痙攣がどんどん激しくなって、もう英雄とは思えないような情けない声をあげ始めてるし……

 

「も、もう限界だよシルビー……本当にもう……あぁっ!」

 

「んっ、んん〜!ごくんっ……ごくっ……ちゅぅ……」

 

えっ、まさか飲んでる?!あれ完全に飲んでるわよね?!前にカズマの匂いは嗅いだけど、アレって飲んで大丈夫な物なの?!

 

「おっ?終わったみたいなんでそろそろクエストですかね?さて、あの女の実力を確認しに行きますか?」

 

「悪魔ってこういう時ドライよね……まぁ、性別無いから仕方ないのかも知れないけど……」

 

なんか女神として色々汚れた気がするけど、これで英雄パーティーの素性が掴めれば安いものよ。えぇ、そういう事にしておきましょう。でないとノゾキみたいだし……

 

「そ、それじゃシルビーの発作の治療も済んだし、そろそろクエストに……」

 

「駄目よミツルギ……こんな熱くされた身体でクエストなんて行けないわ……だから、今度は下のお口にも出して……」

ぬちゅっ……

 

「ちょっとシルビー?!流石に屋外で本番は!と言うか街の人が困ってるのに……あぁっ!!」

ずぷっ!

 

「はぁん!こんな硬くしてたら説得力無いわよミツルギ……ほらぁ、今日もいっぱい中出ししてぇ……」

ぐちゅっずちゅっ!

 

「あっ!ちょっ!逝ったばかりなのに激し……あぁ〜!」

 

いやまだ続行するの?!なんか凄いグッチョグッチョしてるし!どんだけ積極的なのよシルビー?!

 

「うわぁ…始めちゃいましたか……人間の交尾は無駄に長いですし、もう少しこの場で待つことになりそうですね……」

 

「そ、そうね……英雄の素性を調べるためだし、これも見届けないとよね……」

 

そ、それにしてもこんな腰使いがあるなんて……私不器用だから出来そうにないけど、一応メモだけ残しておこうかしら……べ、別にカズマとするためとかじゃ無いけど!

 

……………………

 

「す、凄いものを見てしまったわね……」

 

「えぇ……まさかあのシルビーが肉弾戦担当だとは……見た目に依らぬ怪力でしたね……」

 

うん、ごめんホースト。悪いけど今回ばかりは貴方と共感できそうに無いわ。無性の悪魔には分からないでしょうけど、あの人は戦闘よりアッチの方が凄かったもの。まぁ、シルビーの戦闘能力も高かったとは思うけど、そんなの吹き飛ぶ激しさだったもの……

 

「よし!取り敢えず気を取り直してギルドに行くわよ!カズマは大抵ギルドかウィズの店にいるらしいから、カズマの何事もない姿を見て安心するとしましょうか!」

 

「何事もないと思ってるなら来る必要もなかったと思いますが……まぁ、それでウォルバク様が満足なら付き合いますけど……」

 

まぁ、正直心配なんてしてないのよ?カズマがモテるなんて全く想像できないし、詐欺にかかるほど馬鹿でもないもの。今後も私の事を一途に愛してくれるって確信めいたものさえ……

 

「ねぇねぇカズマ。あたしも手伝ったんだから今度はカズマが付き合う番でしょ?」

 

「それは駄目です!クリスの約束はつい最近の話ですから、先ずは私との約束を先に果たすべきです!」

 

「順番なら私が先だろう!以前約束した凄いことをしてもらってないぞ!」

 

「それなら私が1番なんですけど!早く魔王を倒してきてよ!」

 

「わ、私は後でも待ちますけど……でも、ちゃんと相手して欲しいかなって……」

 

えっ?何あのハーレム主人公!あれうちのカズマじゃない!私、貴方をそんな子に育てた覚えはないんだけど?!

 

「ねぇホースト!なんなのあの状況は!まさかアレ全部カズマが好きとかじゃないわよね?!マジでハーレム野郎なんかじゃないわよね?!って……ホースト?」

 

「す、すみませんウォルバク様!」

ダッ!

 

「えっ!ちょっとホースト?!」

 

まるでトラウマを抉られたかのような顔で、ホーストはギルドから走り去っていった。そんな反応をされたら、いくら鈍い私でも察してしまう。カズマは彼女たちに愛されていて、カズマも彼女達を愛しているんだと。嘘をつけない悪魔だからこそ、あえて無言で走り去ったのだと……

※ただトラウマ連中が揃っていたので逃げただけです。

 

「そうよね……貴方にはちゃんと居場所があるんだものね……私は師匠なんだから、それを喜んであげないと駄目よね……」

 

そうよ、私は最初からそう言ってた筈だもの。大切にするのは師匠としてで、カズマの恋愛に口出しはしない。カズマがちゃんと幸せになれるなら、私はちゃんと祝福しようって……それなら、私より彼女達と結ばれたほうがきっと……

 

「なんでよ……どうして涙なんて出てくるのよ……カズマはちゃんと楽しそうなのに……私が居なくても幸せそうにしてて、安心してあげるべきなのに……」

ぽたっ、ぽたっ

 

胸の奥から込み上げてくる熱いものを、私は自分では止められない。それは勝手に目から溢れ出て、私の頬と胸を濡らしていく。あぁ、遂に私は自覚してしまった。カズマとの日々がどれだけ楽しかったのか……その時間がどれだけかけがえのない時間だったのか……カズマがどれだけ、私にとって特別だったのか……

 

「どうして……どうしてカズマの存在がこんなに大きいの……あんなスケベでクズな男が、なんで頭から離れないの……どうして誰にも渡したくないなんて、心の底から思ってしまうの……」

 

私はギルドを離れながら、必死に自問自答を繰り返した。カズマは私に釣り合うはずがない。あんな最低男の何処が良いのか。頭に浮かぶだけカズマの欠点を並べ、なんとかこの感情を否定しようとした。でも、それが無駄なのは自分が1番良く分かっている。カズマは私を称えなかった。カズマは私を利用しなかった。カズマは私を恐れなかった。カズマは私を疑わなかった。ただ、一人の女として優しくしてくれた。私が1番欲しかったものを、カズマは何も言わずに差し出してくれた。きっとそれで十分なのだ。誰かを好きになる理由なんて……

 

「私をこんな気持ちにさせたのは、貴方が初めてよ……カズマ」

 

あぁ、もうその名前を呼ぶだけで、私の鼓動は早くなってしまう。人より長く生きてきて、こんなにも胸の鼓動を大きく感じたことは無かった。こんなの、もう言い訳なんて……

 

「はいカズマです。今呼びましたよね?」

 

「えっ、カズマ?!なんで貴方がここに居るの?!」

ビクンッ!!

 

あっ、どうしよう。今ので最高心拍がまた更新された気がする!今のは流石に間が悪すぎない?!来てくれたのは嬉しいけど、思い出の美しさが半減したじゃない!

 

「なんかプレゼントした香水の匂いがしたんで、ひょっとして来てるのかなって思って……まさか抜き打ちチェックを掻い潜ってサボるために渡した香水が、こんな時に役立つとは思いませんでしたけど……」

 

「女性へのプレゼントに余計な説明つけないでくれる?!そういう所は男として減点だからね!」

 

「あっ、すみません……」

 

なんて、例えどんなふざけた理由だとしても、これが何気なく取った行動だとしても、カズマが私を追ってきてくれただけで私の心は晴れてしまった。あぁ、これはもう誤魔化しようがない。私はやっぱり、カズマが好き……

 

「それで、どうしてこんな所で泣いてたんですか?そんなに目を赤く腫らして、まさか寝起きとかじゃないですよね?」

 

「……そうね。この涙の理由は、カズマが今の課題をクリア出来たら話してあげる。だから、これからも訓練頑張ってね?」

 

「なんですかそれ?!気になるから先に教えてくださいよ!」

 

「だーめ。知りたかったら頑張りなさい。私も一緒に頑張るから……」

 

カズマが1人前になる頃には、ちゃんと好きって言えるようにね……




最後までお付き合い頂きありがとうございます。

なんか変なの出てきたと思っている方も居ると思いますが、ミツルギとシルビアは準レギュラーとして、二人をいやらしい雰囲気にする為に活躍してもらいます。ちなみにミツルギにはまだシルビアが♂とはバレてません。エッチですね。

また不定期ですが、お暇なときにでもお付き合いください。
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