前回の話でやらかしたカズマが、取り敢えず表向き解決に向けて動き出す話です。すみません。夏休みで山に行ってて更新が止まっていました。引き続き酷い話です。
またお暇な時にでもお付き合いください。
愛する人と結ばれることは幸福である。日本のテレビは「愛は世界を救う」と軽々しく言うが、本当の愛の力を知るものは数少ない。そう、その数少ない本当の愛を知る男……それが俺である。
「いらっしゃいませカズマさん。本日のご注文は?」
「よぉロリーサ。今日も「いつもの」を頼むぜ」(イケボ)
先生との幸せなハプニングを経験して以来、俺は例の悪夢を見なくなり、またサキュバス店に通えるようになった。それどころか宝くじは当たり、精力は増し、日々の賢者モードの効果でヒット商品を次々と生み出して、まさに人生は順風満帆。ということで、今日も先生との思い出をリピートしに来た訳だ。
「ありがとうございます。巨乳先生とのお風呂でのエッチな思い出。時間マシマシ回数マシマシのおっぱい硬め入りま〜す!」
「いやそうだけども!なんでそんなラーメンみたいな注文になってんの?!アンケートには詳細書いてるし、略すならもう少しロマンティックな略し方あるだろ?!」
「そんなこと言われましても、一瞬挟まれた思い出でだけで一晩保たせろって中々の無茶ですし、素の柔らかさで再現したらすぐ出ちゃうから硬めにしろとか、そりゃ変な注文にもなりますよ……」
確かに一瞬の経験を引き延ばせと言ったのは俺だが、それにしたってその略し方はどうなんだ。俺と先生の美しい思い出だぞ?せめてデザート系の可愛い略し方は無かったのかよ……
「と言うかマシマシってなんだよ。ここはいつから飲食店になったんだ?」
「ちょっ?!最初から飲食店ですよ!変なこと言わないでください!営業許可を取るのも大変なんですからね?!」
「あっ、そうだった。ごめん……」
そう言えばここ喫茶店だったわ。完全に風俗感覚で通ってるけど、名目上はお茶に金払ってるんだよな。アレはあくまでアンケートだし……
「それにしても、カズマさんの先生って凄い身体してますよね。豊満なのにメリハリがあり、アレで垂れてないってどうなっているんですか……」
「えっ、エルフの女性ってそういうもんじゃないの?サキュバスだって皆エロい身体な訳で………すみません。何でもないです」
「謝られた?!馬鹿にされるよりそっちのほうが傷付くんですけど?!」
ごめん。俺、完全にロリーサのこと手伝いに来てる誰かの子供感覚で見てた。そうだよな。お前もサキュバスだもんな。まぁ、こんな仕事を手伝わせてる親が居たら、それはそれで大問題なんだけどさ。
「カズマさんはご存知ないみたいですが、エルフは本来スレンダーな種族なんです。エルフの世界で言えば、私は相当なグラマーなんですからね!」
「えっ、エルフってそうなの?!」
言われてみればスレンダーな弓の名手ってイメージはあるが、この世界で俺のイメージ通りなんて初めてのケースじゃないか?!耳長いだけで個体差があるとか、食生活で体型変わってくるとか、そういう生々しい話かと思ってたのに!
「えぇ、エルフ族は弓を用いる狩猟民族なので、基本的に弓の邪魔にならない貧乳の血筋が栄えているんですよ。長命種なので老化の遅いロリっ娘がモテると言う性的な志向もあり、巨乳の遺伝子は自然淘汰されできたんです」
「あっ、そこは意外と現実的な理由なのか……でも、今となっちゃ弩とかあるよな?あれなら別に胸はあっても……」
「エルフ族の収入の大半は観光収入ですからね。イメージが崩れる武器は使わないんです。なので、今もなお貧乳で弓の上手いエルフが高収入で人気者なんです」
「そんな理由で巨乳が滅ぶのかよ?!」
そりゃ弓を引くには邪魔だろうし、イメージ的にはスレンダーな方がエルフっぽいとは思う。でも、それで巨乳が滅ぶってマジかよ……男子の夢がそんな馬鹿な理由で潰えるなんて……
「ちなみになんだが、万が一巨乳が産まれるとどうなるんだ?まさか迫害されるとかじゃ……」
「何時までも若くて美人な希少価値の高い巨乳エルフですから、速攻で貴族の元へ嫁いで玉の輿です。まぁ、混血だと圧倒時に人間のほうが産まれやすいので、結局エルフとしての血筋は絶えますけど……」
「どちらに転んでもタダじゃ起きない辺り、やっぱりこの世界じゃエルフも逞しいんだな……」
ちょっと安心したような、なんか裏切られたような、個人的には何とも言えない気分だが……
「ということは、俺の先生は本来なら国中の貴族がこぞって求める最高の嫁候補ってことだよな?なんか悪いな〜。そんな美女を独占しちゃってさ!」
「へぇ〜、お二人の関係ってまだ続いているんですね?事故とは言え顔射なんてしたんですから、てっきり嫌われたのかと……」
「………あっ」
言われるまで気が付かなかったが、俺は先生にとんでもない事をしてしまったのではなかろうか?いきなり顔にかけるなんて、思春期男子でも間違った性知識だと分かる程の愚行だ。それをあんなピュアそうな先生にしたら………どう考えても嫌われるのでは?!
「ど、どどど…どうしようロリーサ?!俺、実は取り返しがつかない事をしてしまったんじゃ……」
「それ今ですか?!かれこれ3日もルンルン気分でリピートしておきながら、まさか相手のことを何も気にしてなかったと?!」
仕方ないじゃん!童貞男子が憧れの女性の胸で逝くとか、枯れるまでオカズにする大事件だもん!そりゃ他のことに頭回らないって!
「で、でもほら!ロリーサの夢だと「しょうがない子ね……」的な感じで許してくれるし、再現率高めの設定だから本物も許してくれるかなって……」
「精子かけられた時の反応なんて予測できませんよ?!あれはあくまでカズマさんの理想的な反応で、普通に考えたら顔射を笑顔で許してくれる女性なんていません!」
「で、ですよね〜…」
ヤバイどうしよう!これは菓子折り持って謝りに行くべきか?!いや駄目だ!今更それは流石に遅い!あの時、被害者と思われているのを利用して即帰ってサキュバス店に来てしまったが、それは先生が加害者だと認めたようなものじゃないか!本来なら、あのタイミングで謝るべきだったのに!
「ま、まぁ……私はカズマさんの精液ならやぶさかでは無いですけど?命を救われた恩もありますし、もしフラレたら私が慰めてあげても……」
「フラレたらとか言うな!まだ方法はある筈なんだ!こんなアホな事故1回で、俺の先生への真剣な気持ちが終わってたまるか!」
そうだ!まだ先生は俺の状況を知らない!怪我や病気で会いに行けなかったとか、仕方ない理由があれば軽蔑まではされないはず!何か良い方法は無いか?!今夜の授業までに実践できる方法は無いか?!
「むぅ……どうしてその前の言葉に気付かないんですか……まさか、本当にあの一件を忘れたなんてこと無いですよね……」
「忘れた……そうかその手があった!ありがとうロリーサ!やっぱりお前は最高だよ!」
ガシッ!
「ふぇ?!な、なんですかイキナリ?!」
ロリーサの的確な助言に興奮した俺は、つい無意識にロリーサの手を握ってしまった。しかしこれは仕方がない。ロリーサのお陰で以前成功した最適解を導き出せたのだから、興奮するなと言う方が無理な話だ。
「ロリーサのお陰で、今夜は最高の夜が迎えられそうって事さ……」(イケボ)
「えぇ?!そ、それはその……流石に急展開過ぎて困ると言いますか……私にも心の準備が……」
「いやぁ、さっきまで先生に会うのが怖かったけど!ロリーサの助言のお陰で授業が楽しみになったよ!ありがとなロリーサ!今夜はなんの懸念もなくお前の夢を楽しめそうだ!」
「………どういたしまして!」
あれ、なんだろう。なんかロリーサ機嫌悪い?
…………………………
「こんばんは先生!今日もよろしくお願いします!」
「う、うん……よろしく……えっ?!」
その夜、俺は先日の事が無かったかのように先生に挨拶を交わした。そう、俺の考えた画期的な誤魔化し方とは、何もかもを覚えていないと言う回避法である。なにせ俺に記憶が無ければ、先生は黙っているだけでその事実を闇に葬る事が出来るのだ。あんな変態プレイに付き合わされたなんて事実、先生は消し去りたいに決まっている。なので、結果これが最適解なのである。
「ぜ、前回会ったときのこと……まさか覚えてないの?」
「あぁ、そう言えば旅館の仲居さんにも「何も覚えてないならその方が良い」と言われたんですが、俺はただ先生との風呂に舞い上がって逆上せたと言う記憶しかないんですよ。結局先生にも会わせて貰えなかったし、俺が逆上せた後で何かあったんですか?」
よし完璧だ。このカバーストーリーなら一切の穴がない。先生は純情派のままで居られて、俺が謝れなかった事にも正当性が生まれた。後は先生が何もなかったと言ってくれれば、この話はそれで終わる!さぁ、乗っかって下さい先生!俺達の良好な関係のために!
「そっか、覚えてないんだ……そうなんだ……」
「えぇ、本当に何も……」
先生は何かを考え込んでいるようだが、取り敢えずこれで俺達の関係が壊れることは無いだろう。後は何も無かったと先生が言ってくれれば、この件は無事終了だ。先生の羞恥心を利用するようで申し訳ないが、お互いの良好な関係のために、今回ばかりは許して欲しい。
「あのねカズマ、落ち着いて聞いて欲しいのだけど……私、カズマに穢されてしまったの……」
「………えっ?」
あれ駄目だった?!いや、確かに被害者の立場なら、無かったことにするより相手の断罪を望むこともある。それでセナさんを呼ばれたりして、嘘で誤魔化すなんて出来なくなるじゃないか!それなら、やるべきことはただ1つだ!
「そ、それは大変申し訳ありませんでした!!」
ダァン!
「土下座?!いや、ちょっと待って!流石にそこまですることじゃ……いや土下座レベルだった気もするけど!先ずは話を聞いて!」
「は、はい……なんでしょう……」
アクア直伝の土下座を敢行してみたが、謝罪したら良しとはならないらしい。だが、話をしてくれると言うのはまだ希望があると言う事。先ずは先生の言葉を受け止め、自分のやった事に誠実な対応をしよう。せめて警察だけは回避しなくては……
「き、記憶がないって言うのは可哀想だと思うわ。でも、だとしてもカズマがやったことの責任が消える訳じゃない。自分が何をしたのか受け止めて、その責任は取るべきじゃないかしら?」
「え、えぇ……それはその通りだと思います……それで、俺は何をしたんでしょうか……」
そんな純粋そうな顔で正論を言われたら、誤魔化そうとした罪悪感が凄いことになる。しかし、だからって今更覚えてると言うわけにもいかず、俺は先生の心の傷を再びえぐる事になってしまった。すみません。本当にすみません。
「な、何がって……それはえっと…私の谷間にカズマのが挟まって……赤ちゃんの元が私の顔にかかって……だからその……」モジモジ
あれ、何これエロくない?こんなエロい身体してんのに無垢って、逆にエロさが増してる気がする!いや何を言ってるんだ俺は!無垢な先生を辱めて喜ぶなんて最低にも程がある!ここは誠実に受け止めるって決めたじゃないか!
「先生すみません。ちょっとそれだと何したか分からないんで、出来るだけ具体的に、はっきりとお願いします!」
「そ、それはその……うぅ……」
一応誤解のないように説明しておくと、責任を果たすには正確な情報が必要である。勝手な思い込みで責任を果たしたつもりになっては意味がないし、先生が求める償いが何かは先生にしかわからない。それなら、詳しく話を聞くのは誠意の証ではないだろうか?そう、やましい気持ちなど何もなく!
「か、カズマのアレが……私の谷間に……」
「アレ……と言うのは?」
「ふぇっ?!そ、それは……えっと……」
俺から予想外の問いかけを受けた先生は、顔を真赤に染めながら必死に上手い表現を探している。先生のこの恥じらい顔には、それなりのお金を払わなかゃ駄目な気がする。少なくとも、サキュバス店と同じくらいは……
「それで先生、アレと言うのはなんですか?アレでは何も伝わりませんよ?」
「だ、だからその……カズマのおちん◯んが……私の胸の間に挟まって……」
モジモジ
なんだこれ最高かも知れん。羞恥顔に淫語サービスなんて、本格的にサキュバス店と同じ金額を支払わないと駄目な気がしてきた。取り敢えず、今日の分は謝礼として次回渡すことにして、今は詳細な聞き取りに集中しよう。俺は誠意のある男だからな!
「胸の間って、それはどこら辺ですか?」
「えぇ?!そ、それは別に何処でも関係ないでしょ?!」
「場所によっては確信犯かも知れません!そこは明確にしておくべきです!」
「それ自分のやったことって分かってる?!」
例えそれが自分の罪だとしても、俺は真実を知って償いたい。俺のこの記憶が正確とも限らないし、やはり真実は先生から教えて貰う必要があるのだ。そう、決してやましい気持ちなどなく!
「こ、ここら辺だったと思うわ……丁度胸の中心くらいから、私の顔に突き付けるような角度だったから……」
「なるほど。普通なら胸の付け根に押し付ける所ですが、そんな半端な位置では事故の可能性が高いですね。そこらの巨乳程度では、その角度では挟めませんから」
「うぅ……人の胸に変な解説入れないでぇ……好きでこんなサイズじゃないのに……」
そのめぐみんが聞いたら卒倒しそうな言葉はさておき、取り敢えず俺と先生の認識は同じで良かった。事故なのは間違いないし、あとは誠実な謝罪をすれば……
「もう良いでしょ?後は胸の間で一往復したら顔に精液がかかったのよ……他に何も言うべきことは……」
「待ってください?それは本当に一往復でしたか?確かに健全な男子は興奮が高まったり溜まっていると射精しやすくなりますが、だからって一往復なんて事は早々無いと思いますが?」
「えっ、どういうことなの?記憶がない筈なのに、なんでそこだけ異様に食い下がるの?!」
そこは男子として譲れない部分だからです!そう断固としてそこだけは!夢や妄想ならまだしも、先生に早漏と思われるのはシンプルに超傷付く!と言う事で、どうかそれは勘違いしてて欲しい!
「い、一般的に考えてあり得ない現象では、先生が嘘を言っていると疑われる可能性があります。もし俺が先生のために弁明をするとして、そんな嘘くさい話では言わされているだけと疑われる可能性があるんですよ」
「そ、そう言えばそうね……男の子の事は良くわからないし、カズマの言い分にも一理あるわよね……」
うん、騙している俺が言うことじゃ無いんだが、この人少し純粋すぎるのではなかろうか……まぁ、今は好都合なんだが……
「で、でもそれならアレは何よ?!青臭くて苦くて、独特の酸味のあるあれは本で読んだ精液そのもの……ってカズマ?なんで前屈みになっているの?」
「何でも無いのでお気遣いなく……」
面と向かって精液の感想を言われると、メッチャエロく感じるのは何でだろう。と言うか先生ってどんな表情でもエロい。セクシーエロと可愛いエロしかない。女神か?
※女神です
「記憶がないので確実なことは言えませんが、それは多分先走りです。男性の尿道球腺から分泌される、弱アルカリ性の粘性がある無臭無色透明な液体です。一般にはカウパー腺液と呼ばれ、俗語として男性の性的興奮が高まった際、精液を射精する前に分泌されることから、射精を我慢している様子をとり我慢汁とも呼ばれることもある分泌液です。一応中に精液が混ざることもあるみたいなので、それで勘違いしたのではないでしょうか」
「いきなり饒舌になりすぎじゃないかしら……でも、混ざっているならそれはもう精液なんじゃ……」
「違います別物です。例えるならカップ焼きそばと焼きそば位違うものです。ソースが含まれていれば同じなんて考えは正しくありません」
「そんなに違うの?!それは認識を改めないとならないわね……」
先走りは直ぐに出ても恥ずかしくないから、今回の件ではそれくらいの差はあると思う。しかし、こんな誤魔化し方で良いって先生チョロ過ぎではなかろうか?やはり大人ぶってるけど処女説は間違いなさそうだな。
「そ、それならそれで構わないのだけど……取り敢えずそれを女将さんに伝えてくれない?私のことを性犯罪者と勘違いしてて、あれから温泉宿に行き難いのよ。カズマから事故って言ってくれれば、きっと女将さんの私を見る目も変わると思うの」
「あぁ、そんなことなら構いませんよ。事故とは言え悪いと思ってますからね。えぇ、事故とは言え!」
「随分と事故を強調するわね……まぁ、私としてはそこだけ解決すれば良いから、取り敢えず旅館に行きましょうか?テレポート先には登録済みだから」
良かった。なんとかセナさんは回避できそうだ。女将さんとやらに事情を説明すれば許してもらえるなんて、本当に先生は寛大だな!
……………………
「嘘をつくんじゃないよ!アレは確かに精液だったろ!」
この世界のどうでも良い所で躓く設定というのは、どうやらアクアにだけ付与されたものでは無いらしい。「お風呂でエッチな事して御免なさい。これは性犯罪じゃないんです」と伝えるだけなのに、俺は新たなボスキャラと遭遇してしまった。
「本当です!本当にカズマのアレが私の胸に触れたのは一往復だけです!それで射精なんてしないって本人も言ってましたから、私を性犯罪者扱いするのは辞めてください!ほら、カズマからも言って!」
「あ、アレは本当に事故なんです!俺と先生はお風呂でお楽しみしてた訳ではありませんから!ついでに早漏でもありませんから!」
良く考えたらこの状況、温泉宿で痴女行為も大問題であるが、そもそもお楽しみするのも大問題である。ついでに俺が早漏であることを認めない場合、実は女将への説明は物凄く高難易度になってしまう。だって普通なら事故で射精なんてしないもの。偶然触れてしまった手で相手がイク痴漢冤罪とか、それどんなエロゲーだよ的な発想になるもの。
「あんたが痴女じゃないとしても、風呂でおっぱじめる馬鹿は出禁に決まってるだろ!それに、あの味は間違いなく長く溜め込んだ童貞の精液だったよ!下手な嘘で私を騙そうとは、随分と舐められたもんだね!」
「おい待てババァ。むしろ舐められたのは俺な気がしてきたんだが?なんで味知ってんだよ?!と言うか誰が童貞だよ!……童貞だけどさ!」
何この全く嬉しくないエロゲー展開?!エロ可愛いサキュバスに「うふふ、童貞さんの味だ……」って言われるなら納得もするが、しおれたエルフのババァに精液の味を診断されるってなに?!もう完全に罰ゲームなんだけど?!
「誰がババァだ!これでも私は300年夜の女王を務めた女!エルフの若い身体に熟練のテクニックの数々で、私に溺れない男は居なかった……そんな私を精液で騙そうなんて、100年早いんだよ若造が!事故だとしたら、そりゃあんたが早漏ってだけだろうさ!」
「そ、そそそ早漏じゃねぇし!アレは決して精液じゃねぇし!お前の味覚が老化で劣化したんじゃねぇのかよ!」
畜生!なんて嬉しくないハイスペックババァだ!凄くエロいのに誰も得しないじゃねぇか!
「ちょっとカズマ!相手は行きつけの旅館の女将さんだから!喧嘩しても結局出禁になるから!」
「ははははは!もう遅いよクソガキ!若き日の私より美人な女が、若い男連れて連日来るのには腹が立ってたんだ!この機会にあんたらは出禁さ!そして、また私の天下が戻ってくるのさ!」
「いや天下は戻らないと思うわよ?!私が居なくなったとしても、女将がもう劣化してるじゃないの!」
「うるせー!ここは私の宿なんだ!何をしようと私の勝手さ!」
くっ!このままでは先生が行きつけを失ってしまう!しかし何故だろう、このババァには絶対に頭下げたくねぇ!
「先生、この温泉はババァの偏見に汚染されています。行き付けの旅館なら別の場所を探しましょう」
「お、女将に不満はあるけど、この温泉の効能は本物なのよ。肩こりにも腰痛にも効くし、泉質だけなら間違いなくこの国でトップなの……だから、ここを失うのは本当に痛手で……」
「ほぅ、痴女のくせに温泉を見る目は本物みたいだね?でも駄目です〜!現役時代の私が霞むからアンタは出禁です〜!」
もはや理由変わってんじゃねぇか!寂れた温泉宿の癖に面倒なことしやがって!
「……先生、仕方ないのでこの女将の説得は諦めましょう。もう少し良い手があります」
スッ
「えっ?まさかお金の力でオーナーに掛け合うの?!そんな簡単にいく?」
「ははは!うちの旅館は金には屈しないよ!そんな端金でどうにか出来ると思わないことだね!一昨日来やがれ!」
俺が取り出した札束を見て、先生はそんな方法を考えついたらしい。しかし、こんな頑固女将を採用しているオーナーがそう簡単にコントロール出来るとは思えない。なので、ここは一旦引く。
「ね、ねぇカズマ?これでも一応老舗旅館だし、こんな喧嘩の売り方は逆効果なんじゃ……旅館を買うとなれば凄い金額になりそうだし……」
「いえ、ここに来る為の山道は1つなので、そこの土地を買い取ります。そして、入山料として5000エリスほど請求すれば、旅館は実質5000エリスの値上げになるので、客足は絶望的なことになるでしょう。潰れかけの旅館なら安く買えますから、オーナーとの交渉はそれからです」
「えっ、いや流石にそれは人としてどうなの?!本当に実行する気なの?!ちょっとカズマ?!」
悪いが俺はやる時にはやる男だ。このまま早漏が露呈するくらいなら、ババァの旅館を地上げしてやる!男の尊厳のためならそれくらいするさ!
………………………………
「ま、まさか本当にオーナーを泣かせるなんて……我が弟子ながら凄いことするわよね……なんか、私のせいでごめんね?」
あれから1週間。俺の合法的かつ効果的な地上げは成功し、取り敢えず先生の出禁は取り消しとなった。あの女将は元々美人に嫌がらせをして問題視されていたらしく、クビにするきっかけを作ったことに関しては、オーナーに裏で感謝されてしまったくらいだ。1週間の営業妨害に感謝の言葉が出るって、一体どんだけやらかしてたんだよあのババァ……
「俺はただあのババァが気に食わなかったのと、こうしてまた先生と風呂に来たかっただけです。先生が気に病む必要はありませんよ」
「でも、それにしたって安く済む話じゃないでしょ?だから、ありがとねカズマ……私のために……」
「そういう事なら、どういたしまして……」
1週間の売上補填も行ったため、それなりに財布の痛む方法ではあった。しかし、先生と良好な関係を守れ、尚且つ俺が早漏でないと分かって貰えたなら、それ以上に望むものなど無い。これからも罪悪感無く先生をオカズにする為にやったことだし、むしろ日頃お世話になっているのは俺の方だしな。
「あっ、そう言えば、女将はまた夜の蝶に返り咲いたらしいわよ?そっちの世界じゃレジェンドだったから、老け専の店でのし上がってるんですって」
「うわぁ、マジでエルフって逞しいな……300越えたババァなんて、どこに需要があるんだよ……」
例えどんなにテクニックがあったとしても、流石にそんな化け物に抜いて欲しいとは思わない。やはり、お金を払うなら先生のような若くて美人なエルフにお相手を……
「………私先に出るわね。需要ないみたいだし」
「えっ、なんで先生がそんな不機嫌に?!俺なんか気に触ること言いましたか?!今の話は300超えのババァの話で……」
「そうよね!300超えてりゃそりゃババァよね!良いの真実だから!誰にも需要ないのも真実だから!!」
「ちょっと先生?!先生〜〜!!」
この後、カズマは1週間ほど口を聞いて貰えず、御機嫌取りのプレゼントで更に財布を痛める事になるのだが………それはまた別のお話し
最後までお付き合い頂きありがとうございます。
最近ちょっと個人的な理由で更新が滞っておりますが、ちゃんと完結まで走るので許してください。
今後も不定期ですが、またお暇なときにでもお付き合いください。