浮浪者の浮浪記録 作:えっどコンロ鎮火
「列車」の者たちにヤリーロⅥと呼ばれる星。そこに住まう者たちは自分たちの国のことをベロブルグと呼んでいる。街の外は極寒の厳しい冬が年中続き、そこで生活する人はまずいない。
街の中は装置により快適な気温が保たれ、人々が生活ができる環境となっていた。しかしレギオンと呼ばれる存在たちの侵食は続き、地上と地下は隔てられている。そうしたところで地上でも侵食は起きており、軍隊が常日頃からそれの対処に当てられている。それこそ死にものぐるいで。
このベロブルグを治める者は「大守護者」と呼ばれ、強大な権力を持っている。そして次期後継者も既に決められており、その者は娘として取り立てられ、後継者としての教育も施されている。
「……ふぅ」
その後継者であるブローニャは、ベロブルグを護る軍隊、シルバーメインを率いている。常に死線と隣合わせであり、立場上他人の命を背負っている。
これも自身の役目だと受け入れているが、気疲れはするものだ。勤務時間を終え、自室へと戻った彼女は椅子に座りひと息つく。
今日を振り返り、反省点に真摯に向き合う。職業病とまで言えるほど真面目な彼女の耳に、コンコンとドアをノックされる音が届いた。誰だろうと一考し、思い当たる人物が浮かぶと扉を開けた。
部下なら誰であれ名乗る。母親たるカカリアも同様。では、ノックしておきながら名乗らない人物は誰かと言えば、浮浪者であるあの男だけだ。
「……来てたのね。いつからこの街に?」
案の定その男だった。彼女と言葉を交えた男は部屋の中に招かれ、向かい合うように椅子に座った。
「あなたはお見通しなのね。実は──」
男はブローニャの立場を知っている。その苦労も聞いている。何かあったのだと聡く気づき、それを指摘して本人に語らせた。
彼女は決して弱音を吐かない。届かなければそれを己の未熟さ故と考え、次に活かそうと模索する。そんな彼女の言葉に男は耳を傾け、本心を聞き出し、立場を忘れさせて1人の少女として接する。
それは一歩間違えれば彼女にとって侮辱となるが、その一歩を男は間違えない。踏み外すことなく、彼女の内側へと踏み込む。
「ぁ……」
溜め込んでいたものを聞き終えた時には、2人の位置関係は変わっていた。ブローニャのベッドに男は腰掛けており、その膝の上に彼女は座っている。背中に感じる男の体は慣れることもなく、話を終えた彼女はドキドキと胸を高鳴らせ始めていた。
装飾もつけられている彼女の衣装は派手だ。それを男は丁寧に取り除いていった。腕を包む白い衣装は外され、ブーツも脱がされる。胸に留められているブローチも外され、留具も外されたことで上体を隠していた白い服もはだける。残されているのは腰回りの布のみ。
体のラインを表すようにぴっちりとレオタードがあり、鎖骨がくっきりと覗ける。肩周りは元より隠すものがなく、白い肌と脇が見えている。
「んっ……」
背後から回された手が、レオタードに被われている彼女の胸に伸びる。肌に張り付くように生地に覆われているため、その豊かな胸が大きく動くことはない。
成人男性であろうと掴めば手から溢れる豊かな胸。握るように押し込めば指が埋もれるように沈み、力を緩めると押し戻される。
文句など出ようもない、飽きることなく触っていられる。男は時間をかけ、その感触を愉しむように揉み続けた。
「ふっ、ん。……っ」
ブローニャは男との行為にまだ慣れきっていなかった。経験回数はまだ片手で数えられるほど。今回を入れてもまだ足りる。
そんな彼女は男に触れられることでたしかに感じているのだが、声を出すことに躊躇いがあった。そのため今も声を出さないようにと口を噤んでいる。と言っても、毎回最終的にはこれでもかと声を出さされるのだが。
「んん……」
両手を口に添えて声を漏らさないように抑える。子どものように小さく横に頭を振るが、男はそれを気に留めない。
押さえつけるように胸を揉んでいた手の動きが変わる。まるで牛の乳を絞るように、体側から先端に向けて力が加えられていく。やがて人差し指が彼女の乳首を布越しに掠めた。
「ふっ! んっ……、ぅぅぅ!」
くにくにと、傷つけないように丁寧に指でこねる。上下左右と気の向くままに刺激したかと思えば、かりかりと乳輪を爪で甘く掻く。歯が浮きそうになる甘い刺激に腰が揺れ、胸に負けぬプロポーションの尻が男に押し付けられる。
「っっ! ふ、ぁ……!」
思わず出そうになる声をぎりぎりのところで耐える。瞼を閉じ、整ったまつ毛がふるふると僅かに震えている。
瞳を閉じたのは早計だったかもしれない。視覚という情報源を断ったことで、触覚により意識が割かれていく。どこをどう触られているのか。それを鮮明に感じ取れてしまっていた。
「はっ、ぁぁ……っ」
刺激を加え続けられていたことで、ブローニャの乳首は布越しでも分かるように固くなっていた。そこを人差し指と親指で軽く挟まれると、怖く感じるほどに優しくしごかれる。次第に呼吸が荒くなり、息が苦しくなってきた頃に彼女は体を小さく跳ねさせた。
それは小さな絶頂だった。甘く、不完全燃焼にさせる程度。彼女の体は物足りなさを覚え、もぞもぞと太ももを擦り合わせ始める。
触られていた乳首はすっかりと存在を主張し、下腹部が疼いている。
「ぁ」
閉じられている彼女の脚の間に男の手が割り込む。タイツに包まれた内腿を撫で上げると、連動するように彼女の顎も浮いていく。割れ目に沿って指を這い、陰核はすくい上げるように刺激を与える。
「っっ〜! っ、ぁ……!!」
腰が浮くほどの刺激であっても、声は出すまいと堪える。そのいじらしさは男を煽り、空いている手がレオタードの中に差し込まれた。形が整いハリのある豊満な胸を直接触り、まるで捕食するように指を動かしては布の奥へ奥へと、すなわち胸の先へと目指す。
その様子は当然目に見えるもので、甘い絶頂に思わず目を開けていたブローニャの目にも映っていた。羞恥からか耳が赤く染まり、しかし目はそこから離せないでいる。
「はぁはぁ……あん! ぁ、やっ……」
完全に胸に目が釘付けになっていた。そのせいで彼女の頭からは抜け落ちていた。下半身も刺激されているということを。
男もそれを見抜いていたのだろう。だから乳首に直接触れるよりも先に、彼女の陰核を先程よりも強めに刺激したのだ。
彼女にとって完全な不意打ち。思わず出てしまった嬌声は疑いようのないものであり、誰よりもそれを理解している彼女本人の顔はリンゴのように赤く染まっている。
「あ、っん、んん……!」
放心しかけていたものの、胸と陰核による刺激により意識が定かになる。一度は声が出てしまったがそれだけだ。それ以上の声は出すまいとブローニャは改めて口を噤む。
それに構うことなく男の指は彼女の乳首に直接触れた。その感触を愉しむようにくにくにと弄び、時には摘んで引っ張る。そうやって遊んでいると彼女の体にも変化が生じていく。久しいまぐわいによる緊張からか、固さのあった彼女の体も弛緩していき、秘所を隠すタイツもじんわりと滲んでいく。その下にある下着はもう濡れていることだろう。
腰回りのスカート部分はまだ残っている。そのため男からは何も見えず、そこを触った感触のみで男は把握していっている。
「やっ……、い、言わないでっ、……そんなこと」
濡れている事実を耳元で囁かれた。それだけのことだが、ブローニャにとっては大きなことだったらしい。意識させられたせいで、さらに秘所の湿度が高まっていく。
「あ、そこ……」
見えないながらに男は器用に片手でタイツに穴を作り、そこから指を侵入させて彼女の下着に触れる。それをさらにずらさせれば目的のものが出てくる。
ゆっくりと、焦らすように男の人差し指が彼女の秘所の中に差し込まれる。まずは第一関節。入り口をほぐすように指が動く。
「はぁはぁ、っ!」
呼吸が浅くなり、鼓動が高鳴る。それが息苦しさによるものなのか、それとも快楽なのか。彼女の脳は正しい判断ができておらず、緩やかに中に侵入してくる1本の指に身を震わせる。
「ふうっ! ぁ、ん……んっ! っ! そこ……!」
第二関節、そして指の根本までが差し込まれ、じっくりと膣壁を撫でてながら引いていく。そうして探り当てられた弱点にブローニャは分かりやすく反応し、男の狙いが定まる。
「んんっ! ん、はっ、ぁぁ……そこばっかり……だめぇ……!」
弱点が見つけられたことでそこが重点的に責め立てられた。彼女は抵抗するように男の腕を掴んだが、まるで力が入っていない。脚を閉じようとしても震えるだけで閉じられず、くちゅくちゅとわざと立てられる音に彼女の思考力が奪われる。
「ぁ、あぁぁ……やだ……。んっ、そんな音……」
男の手から逃れようとしても、上体を揺らすだけに終わる。髪に隠れていた彼女の耳が覗き見えると、男はそこに甘く息を吹きかけた。
「ふぁ、ぁぁぁ……!」
彼女はびくんと体を震わせ、弱々しい声をあげた。指が入れられている膣内もキツくなり、愛液が溢れ始める。
「そこは、だめ……変になっちゃ、んんっ!」
彼女が言い切る前に男の指が弱点を撫で上げた。慣れていない彼女のために丁寧に刺激は繰り返され、確実にその体を敏感にさせていく。胸、秘所、そして耳。どこを触られても彼女は反応を示し、同時に責めることで容易く浅い絶頂を迎える。
そうすることで彼女の中の疼きが大きくなり、見上げるように振り返った彼女の瞳は、すっかりと蕩けきっていた。
「はぁはぁ……」
視線が重なると彼女はごくりと喉を鳴らした。その瞳は期待を灯し、その体は受け入れる準備を整えている。
「ぁっ……ん。ゃ、ちが……」
何が違うのか。自分が男を求めていることか。それとも未だに浅い絶頂しか迎えさせてもらえていないことか。
思考力が低下しているブローニャの耳元でそっと囁かれる。いったい何が望みなのか。何を求めているのかと。
彼女はこの時、自分が何と答えたのかを覚えていない。
「ん! やっ! はぅ! あっ! ああぁ!」
肌がぶつかり合う音と彼女の綺麗な嬌声が部屋でこだまする。ぎしぎしとベッドが軋む音は、彼女の声でかき消されていた。
彼女はベッドの上で四つん這いになっており、広げられたタイツの穴から男根が秘所を貫いている。手前まで引いては奥へと突き込む。彼女の秘所は男根を完全には受け入れ切れず、男は根本まで入れられずとも彼女の膣内を掻き乱すことで良しとしていた。
「やぁっ! あっ、ふ、あん! うっ!」
前戯のときとは打って変わって強引な攻めだ。すっかりと絆されていた体に叩き込まれる強烈な快楽に、ブローニャは目の前がバチバチと白く明滅する。肌がぶつかれば揺れるのは魅惑的な尻だけでなく、その豊満な胸も同じ。乳首の擦れも彼女に快楽という電流を流し込む。
「あぅ! あああっ! あぐっ、はぁ、ひぅ! や、っっっっ!!」
びくりと背中が跳ね、膣内がこれでもかと男根を締め付ける。彼女が絶頂を迎えたのは間違いなく、シーツに皺を作っていた手が枕を手繰り寄せた。彼女はそこに顔を埋め、荒い呼吸を落ち着かせようとしている。さらにはそうすることで、声を抑えようという狙いもあった。
思考できたわけじゃない。羞恥心からそういう行動になっただけだ。
「ひぅっ!? はぇ、ぁ……や、やだ。こんな……! あぁん!」
彼女が落ち着くのを待つことなく続けられる。美しい髪が舞うように暴れ、快楽から逃れようとする彼女を男は引き寄せた。
細い両腕が握られ、上体を引っ張り上げられる。彼女は枕という声を抑える道具を失い、さらには両腕も抑えられたことで手を使うことも叶わない。
「ふあっ! あぅ! ぁ、ひゃぁっ! ぅ、〜〜っ! はぁ、ぁっ! あぁ!」
嬌声をあげる羞恥。与えられる快楽に絆される事実。いずれ国を治める大守護者にならねばならぬ身でありながら、たった1人の男によって乱される。
そのことを恥じる心も体を重ねる毎に減っていき、残すは最後の砦のみ。それも今突き崩されようとしていた。
膣の奥を突かれることに悦びを感じ始め、それを否定しようとしているところだ。彼女は確信していた。これを認めてしまえば、自分は完全に堕ちると。
この男に対して濡れやすくなっておきながら、彼女の中ではまだ堕ちていないらしい。
絶頂を迎えようとも止まらない男根。それに絡みつくヒダとうねる膣。求めるようにへこへことお腹は勝手に動き、感じやすいようにと腰も揺れる。
「うぁ、あっ……ん、ぐっっっ!! んん!!」
大きく痙攣を繰り返しながらも、下唇を噛むことで絶頂時には耐えようとする。別に彼女は男を拒んでいるわけではない。むしろ好感を抱いてすらいる。
それでも最後の牙城を残しているのは、その先が怖いからだ。快楽を完全に受け入れては二度と戻れない気がしていた。
それ故にブローニャは、無自覚に男を受け入れる体になりつつも、結合部から愛液を溢れださせてシーツを濡らしていても、まだ耐えようとしている。
「はぁはぁ、ひぅっ! や……まっああっ!」
前へと逃れようとしても、男に掴まれていることでそれもできない。体の奥から生じる電流を寸分狂わず受け入れさせられる。
きゅうきゅうと柔らかくも強く締め付ける膣は、男の形をだんだんと覚えている。
連続して訪れる絶頂は彼女を追い込み、呼吸も荒くなっていた。息が苦しくなり、酸欠になりかけていたところで、男は彼女の腕から手を離した。
「んっ、はぁ、は、ぁ……はぁはぁ」
体に力が入らず、解放されたブローニャはベッドにそのまま倒れ込む。挿し込まれていた男根が抜けるときにもビクリと体が震え、彼女の秘所から愛液が垂れ落ちていく。
「ふぇ?」
休もうとした彼女だったがその思惑は外された。うつ伏せから仰向けに変えさせられ、男は彼女の太ももを押し上げた。M字になるように開かれ、秘所に男根が擦り当てられる。
「あっ!」
陰核に当たり分かりやすく反応する。また手で口を塞ごうとすると男に手を取られた。男の片手に自身の両手を頭上で纏められる。恐怖を抱いても良い状態だが、彼女の蕩けた瞳は熱く男を見つめている。
「ん。へぅ、んっ、ちゅ」
ぷりっとした唇を舌でなぞられた後、口を重ねた。舌を差し込まれる経験は初めてなのだが、ブローニャはそれを受け入れた。舌が絡み、深いキスが始まる。初体験による動揺が抜けると、彼女の方からも拙いながらに懸命に男を求め始めた。
「んっ、ふ、んん。んっ! ふぁ、はっ!」
行為に夢中になっていた彼女の中に再び男根が挿れられた。中全体を刺激するように動かれ、Gスポットや奥を刺激される度に彼女の体が震える。
「ぷはっ! はぁ、ひゃっ! まっ、て! わたしすぐに、あんっ! また、またきちゃう。あっ、あああっ!!」
口が離れるとブローニャはすっかり声を出すようになっていた。最後の砦は、溶け合うほどの深いキスで崩されたのだ。
それを確認した男は彼女の両手も解放する。その手は口には伸ばされず、顔の横でシーツを強く握っていた。
「あんっ! ああ!」
白い喉を晒して喘ぐ彼女に男は動きを緩めることはなかった。自身が達するために腰を動かし続ける。
「はぁはぁ……っ! ひぐっ! ぅぅ、んあっ! ああっ! ん、んんっ!!」
激しく乱れていた彼女の動きが止まる、訪れるソレに耐えるように。迎えたくないわけではない。男にも訪れるのを待っているのだ。
「んんっ! くはぁん! うぅぅ! ん、あ、なたも……! ああん!」
耐えながら紡がれたその言葉に反応し、男のペースが上がる。さらに強まった快感にブローニャは歯をガチガチと鳴らしながら必死に耐えた。
「はぁ……! はぁっ……! ん゙んん! わたし……もう……!」
ガクガクと体を何度も跳ねさせるほどの強い痙攣。吹き出しそうになる愛液も懸命に耐えさせた。その我慢の限界は近く、気が狂いそうになるほどだ。
感じやすくなっている体で弱点を容赦なく突かれ続ける。奥に当たる度に意識が飛びそうだった。それでも堪え切ったことで、彼女の中で男根が震え始め一番奥に大量の精液を注ぎ込まれた。
「ふぐっ、んん! ぁ……、ああああぁぁっ!!」
それと全く同じタイミングでブローニャは耐えることを辞め、かつてないほどの大きな絶頂を迎えた。背中が弓なりにしなり、豊満な胸が男の胸に押し当てられる。男根で塞き止められているはずなのに、僅かな隙間から溢れた愛液がベッドの上に飛び散る。
「ぁ、ぁぁぁっ……。っ、はぁはぁ」
訪れた衝撃が収まると彼女はベッドに埋もれ、ぼんやりとした眼差しで男を探した。視界がはっきりとしないせいで目の前にいるのも分からず、そんな彼女に男は唇を落とした。
「ん……」
いるのだと分かり、ブローニャは目を閉じて男の首に腕を回す。力など入らない。引っ掛けるように乗せただけ。今は余韻に浸りながら、男とのキスに夢中になりたかった。
「ちゅる、ふっ。ん……んっ! っ!? ぇ?」
彼女はまだ知らなかった。男が一度で満足するわけではないことを。
今までは抑えてくれていただけ。彼女が全てを受け入れるようになった今日から、溶け合うほどのキスのように、溶け合うほど重なり合う。
「ぁ、え……その……」
困惑しながらも理解した彼女は、自分から唇を重ねると恥ずかしがりながら目を見てたしかに伝えた。
「や、やさしくして」
幸か不幸か。その言葉通りにやさしくされたことで、彼女は途中から記憶が抜け落ちるほど達することとなった。