R18作品です。
これまた前回とは趣を変えて。過激なレクリエーション。
(安易に自撮りを送ったり、露出写真を撮ってはいけません)
夜の公園はこの季節でも寒い───いまさらだけどそう感じる。
上に物を羽織っていても隙間から風が入り込む。腰かけた鉄の遊具から冷たい温度が上がってくる。
───リサちゃん、早く来ないかなあ。
遅れると連絡はもらっているんだけど、そう思ってしまうのはやめられない。だってやっぱりひとりだと、色々冷めちゃうじゃない。
「ごめーん!遅くなっちゃった!!」
明るい声が響く。───リサちゃんだ。よかった、来てくれた。
来るに決まってるでしょと明るく笑うリサちゃんはコートを羽織っている。その下は───いつもの格好、わたしと同じ。
黒いセーラーブラウスはおへその辺りで切り取られて、おへそが見えてしまっている───もちろん、学校の制服じゃない。スカートは───『スカート』という名前が付いているのがおかしいぐらい短くなってしまってるけど───は胴の周りを一周している、ちょっとひらひらしてるだけのフラフープだ。下着は黒いレース、隠せるところだけを隠して喰い込んでいる。脚を覆うガーターストッキングは黒いニットだ。黒いピンヒールの先は地面に突き刺さっている。
「はーい、撮影はいりまーす」
ふざけてリサちゃんがカメラマンの真似をして言う。スマートフォンを持った片手首に付けられた金属の輪たちが、アングルを変えるたびにしゃらしゃら鳴った。
───これが今夜のわたしたちの格好だ。
今よりもっと子供の頃、公園で漫画を読んだ事がある。『拾った』とはあんまり言いたくない雨でべちゃべちゃになったそれには、可愛らしい絵柄できわどい格好をした女の子の絵がたくさんあった。それがいわゆる『成人漫画』と呼ばれるものだと知ったのはもっと後になってからだった。
普通ならこんな物を見てしまったらショックで忘れたいと思ったり、恥ずかしがったり気持ち悪いと感じたりして見たくない、ひどい、と悩んだりするんだと思う。───でもわたしは、そうじゃなかった。
ときめきを感じたのだ、絵の中の可愛らしい女の子たちの格好に。
棒を拾ってぐちゃぐちゃに貼り付いたページを出来るだけ丁寧にめくった。ページをめくるたびにどきどきした。隠すべき部分が出てしまっているという事実に。それでもなお可愛らしさを保ったままの女の子たちの表情に。そして、そんな女の子たちの可愛さや体のラインを強調しても、『女の子のための服』って感じを忘れていない、フリルやリボンやベルトをたっぷり効果的に使った、その服に。
───いつか自分も着てみたい。
そんな気持ちはあの頃からもう、芽生えていた気がする。
リサちゃんと出会ったのは、こんな事をやり始めた少し後からだった。
高校に合格して環境が変わり、前より自由になる時間が増えた。
きっと自由なのは今だけだ、なら今やるしかない───そんな風に決心して、気付いたら通販サイトで色々そろえていた。思うような物が無かったなら、その部分は自分で作った。
着てみるとやっぱり恥ずかしかった。布地が食い込んでいたり肌にぴったりすぎるんだもの。けれどもやりきった───そんな満足というか充実感でいっぱいになってしまった。
部屋でしばらく鏡に見入って、スマートフォンで写真を撮った。写真の中のわたしはわたしじゃないみたいだった。メイクも少しはしているからっていうのもあるんだろうけど、もちろんそんな事が原因じゃなかった。どんどん気分が上がっていって、どんどんきわどいポーズをして、あの漫画の女の子たちみたいに───気が付くと、家を出て歩いていた。あとから考えると、長い上着で身体を隠す理性はあったんだなと、妙におかしくなる。
そうして着いたのは───公園だった。あの雑誌が落ちていた場所。きっかけになった場所。
まずは上着を着たまま、ベンチに座って写真を撮ってみた。ほとんど上着に隠れてしまって、何を着ているのかなんて分かりはしなかった。でもはじめとしては十分だった。
そこから色んな写真を撮った。何を着ているのかよく分かってしまうどころか、隠せない状態。学校でもどこでも、他の場所では絶対にしないポーズ。
気分がよかった。昔見た、あの雑誌の女の子の一人に自分もなった気がした。何度も撮って興奮した頭に(もう帰らないと)という考えが浮かぶまで、撮影を続けた。
こんな事を続けて何回目だっただろう。ある日、学校からの帰り道で知らない女の子に声を掛けられた。
別の学校の制服を着た、髪の長い切れ長の目の綺麗な子。───わたしの知らない子だ。
何ですか、と聞く前にその子は無言でスマートフォンを差し出した。指差す画面の中にはわたしが居た───スカートは妙に短く、黒いストッキングをガーターベルトで留めて。こうやって遠くから写されても分かるぐらいに浮かれていて。いつものわたしじゃない、あの公園のわたし。
おどろき過ぎて考えが追い付かないわたしに、その子はちょっとお話ししない?と笑いかけた。
「かわいいよねこういうの。ずっとあたしもやってみたかったけど、勇気が無くてね」
「まさか同じ趣味の子がいるなんて思わなかった」
「ねえ、もしよかったらあたしも一緒にやっていいかな」
友達になって、と色々言われた言葉を、わたしはどんな顔をして聞いてたのか、今でも想像出来ない。恥ずかしいやら誰かにバレてしまったやらで赤くなったり青くなったりしていたのかもしれない。
けどそんな中でも、この子を疑う気持ちはあった。
もしかして調子に乗らせて、友達の間で笑い者にする気なのかも。
嘘をついて、後で写真をばらまくつもりなのかも。
いえ、もしかしたら怖い人が後ろに居て、お金取ったりもっとひどい事にわたしを使ったりするつもりなのかもしれない。
疑う気持ちは確かにあった。あったけれど、わたしはその子の言う事を信じた。
信じたくなったのだ。頬を少し赤くして、目を輝かせながら幸せそうに笑うその子を。だまされてみたくなった、と言い換えてもいいかもしれない。居心地のいいその言葉を───リサちゃんを信じたくなった。
そうしてわたし達は、秘密の友達となった。
リサちゃんという仲間が増えて、わたしの遊びはもっと楽しくなった。
リサちゃんはスタイルのいい子だった。形のいい大きなおっぱいもすらりと長い脚もとても綺麗で、過激なコスチュームも完璧に着こなして、『そういうものだ』と思わせてくれる。
コスチュームに幅を持たせてくれたのもリサちゃんだ。リサちゃんが「ね、こういうのはどう?」と着てくるとハート型に打ち抜かれて乳首が見えてしまう胸当ても、何も着ない上から着た網状のボディタイツも、それを体の線を強調するベルトの紐(ボディハーネスと言うらしい)で固定するのも、『そういうものだ』と思えた。あまりの格好良さにためらうのが馬鹿らしくなった。
リサちゃんとはほんの少し前に会ったばかりなのに、もう何年もこうやって遊んでいる気がする。それほど、馴染んでしまっている。
リサちゃんと会うのはほとんどが真夜中の公園や外で、日が出ている内に一緒にどこかに遊びに行ったのは数えるぐらいしかない。夜とは違う、学校や他の子の他愛ないをしながらごくごく普通に買い物を楽しむ。それもこの上なく楽しい。リサちゃんと一緒に居るのが、リサちゃんの色々を知るのが、すごく嬉しい。
リサちゃんを他の友達───昼間の、高校や中学での友達に会わせた事は無い。友達の話を聞かれたら答えるし、向こうのお友達や知り合いの話になったら大人しく聞いている。余計な事は聞かない。───聞いてみたくはなるけど。
───他の子とも、あんな写真を撮りたいと思っているの?
リサちゃんは『撮影』の間、たくさんわたしに触ってくる。可愛い構図を撮りたいらしく、たくさん仕掛けてくる。手に指を絡ませるのに始まり、髪を撫でたり、ほっぺたをくっつけたり。撮る内に興奮して頭がゆだって来るのかもっと過激な事も、してくる。
「ほら、
そう言ってリサちゃんは頬にキスしたり、時には裸の胸を押し付けてきたりする。わたしはそこに自分の胸を絡ませてポーズする。頭が、のぼせる。
リサちゃんは楽しい事を楽しんでいるだけ。わたしも別にいやじゃない。それはいいんだけど───誤解してしまう。
わたしは、真夜中の写真は誰にも見せない。映っているものがものだからというのもあるけど、もしこれがもっと他の人に見せてもおかしくないものでもそうはしないだろう。見つからないような場所にしまって、時々眺めては取った時を思い出す。大切な写真なのだ。
リサちゃんはどうだろうか?リサちゃんも、そう思ってくれているだろうか。
写真でわたしと絡んだポーズをしているのは、可愛いからだけではない別の理由があるのかもしれない、と思ってしまう時がある。例えば、過激な自撮りとしてSNSに投稿しているとか、何かの理由で人を募集する掲示板とかに使っているとか。
もし、そうなら。
他の誰にもわたし達の写真を見せて欲しくないと思った。防犯上のうんぬんとか笑い者にされたくないとかじゃなくて、わたし達の色々を他の人と話してほしくないだけ。
もしもの話なのに、ここまで怒るなんて変な話ね。
そう自覚だけはあるけれども、このもやもやは消えそうに無かった。
そんなもやもやしている時だった。リサちゃんが声を掛けてきたのは。
「別荘で、お泊り?」
そう目を丸くするわたしにリサちゃんは続けた。
「夏休みに山で過ごすのが恒例なんだけど、さすがにこの歳になると家族3人だけっていうのは暇でさ」
「そうぼやいたら『お友達連れてきてもいいわよ』だって。特に今年はママもやらないといけない用事があるから───パパが遅れてくるのは毎度のことだけどさ、何日間かあたしだけになるの。だから暇しないように遊んでいてね、だってさ」
「紗代ちゃんに、来て欲しいんだ」
おどろいたままのわたしにリサちゃんは続けた。面白そうと思ってくれたらでいいの、色々聞かれても心配しないで、あたしがフォローするからとも。
とても嬉しい、でもいいのかしら?
そんな風に悩むわたしにリサちゃんは笑いかけた。艶っぽく、意味深な顔だった。
「パパとママと合流するまでの間、一緒に可愛くなろう?」
リサちゃんってお嬢様だったんだなあ、と迎えに来た車を見てそう実感した。お家に行った事も無く、家族の話もほとんどしていなかったので気付かなかったのだ。他で見る同じようなのよりも一回り大きくて丈夫そうなレジャー用の自家用車。車の事はよく知らないけど、コマーシャルとかでワンランク上のなんとかなんて言っているものだったと思う。
「あなたが紗代ちゃん?」
運転席から出てきたリサちゃんのお母さんはとても綺麗な人だった。リサちゃんによく似ていて、格好良い人だと、そう思った。
緊張するわたしにリサがいつもお世話になってます、この子わがままで困るでしょうとお母さんは笑いかけてくれた。わがままだなんてそんな、とあわあわと返すわたしを楽しそうにリサちゃんが見ている。車内での時間は楽しいひと時となった。
用事を済ませてからまたね、とリサちゃんのお母さんはわたし達を送り届けてからそのまま行ってしまい、別荘の中にはわたし達だけとなった。リサちゃんに中を案内してもらった後は、置いて行ってもらった材料で昼ご飯を作った。夏休みのお昼と言えばやっぱりこれでしょ、と笑う顔も、材料を刻む手つきも、綺麗だった。
その後は別荘の中で何となくゆっくりして、あっという間に日が暮れてしまった。夕ご飯の後片付けをして、何もしてないけど今日は楽しかった、あしたはどうしよう、と何でもない話をする内に、お互いの視線がぶつかった。ちょっと静かになった後、先に口を開いたのはリサちゃんだった。
持ってきた?という質問にゆっくりうなずく。聞かなくても知ってるでしょう、それもあって来たんだから。
わたし達の他は誰も居ないとはいえ、リビングでやるのはさすがに恥ずかしいような気がした。けれども、こんな時でもない限り出来ないのも、確かにそうだった。
ほらこれ、持ってきたのとリサちゃんが組み立て始めたのは三脚だった。リサちゃんの荷物をはっきり見た訳じゃなかったけど、何だか多いなあとは思った。こんな物を持ってきていたとは。もちろん三脚だけじゃない、立派そうなカメラもある。
どうしたのこれ、というわたしの疑問に、あたしのだよーと何でもない事のようにリサちゃんは答えた。何で重い物をもってくるのよってママにぼやかれたんだけどね、撮りたいものがあるからってわがまま言っちゃった、と。
───お母さんが言ってた「リサはわがままだから」っていうのはこういう所の事なんだな、と分かった気がした。
今日のリサちゃんは網になった全身タイツと黒いボディーハーネスで格好良く決めている。網目とベルトの締め付けが体の線を綺麗に強調して、何も覆っていない裸のおっぱいの白さや柔らかさを一層際立てている。
「あら紗代ちゃん、可愛いの着てるじゃない」
そんな風に言われたわたしの格好は、何の変哲も無いビキニだ。淡いピンクと白のストライプ、布地はかなり少なめに、おっぱいの先っぽや他の見えちゃいけない所をちょっと隠す程度。その上に腰に引っ掛ける様に太ももの先が見えるほどのピンク色をした制服風の短いスカートを履いている。
さあ、撮影開始!とリサちゃんの声が響いた。
紗代ちゃんは、本当に可愛いんだから、とリサちゃんが私の頭をなでる。
リサちゃんの声は、本当によく通る。どんな時でも、わたしの耳に。
あ、今の顔いいねぇとはしゃぐリサちゃんはカメラのタイマーをセットしに行った。そしてわたしの元に戻ると抱き寄せてきた。
「いい顔を、おねがいよ?」
そんな風に囁き、頬に何度も軽くキスをした。
リサちゃんはわがままで強引なな子なんだろう。それは分かった。
今こうやってわたしを、わたし達の姿を現像する必要のあるカメラで撮ろうとしているのも、それに対してわたしの返事もあんまり聞こうとしていないのも。それはいい。別にわたしもいやじゃないもの。
───でもわたしも、やりたい事をやってもいいよね?
それをやれるのは、リサちゃんが油断しきっている今しか、無かった。
うっとりしながらわたしの頬にキスを繰り返す、リサちゃんを抱き寄せ、キスをした。唇と唇を合わせた、柔らかいキスだった。
あわてたように顔を放したリサちゃんは目を丸くしている。リサちゃんのこんな顔は初めて見た。
いきなりこんなことしてごめんね、と謝りながら、わたしは言葉を続けた。こうなってしまうともう、止めようがなかった。
「ずっと考えてたの。この格好でくっ付いて写真を撮るから、気持ちがハイになっているだけじゃないかって」
「でも、そうじゃない」
「わたしはリサちゃんと一緒に居たい。写真を撮る時だけじゃなくて、もっと一緒にお出かけしたり他のお友達に会ったり、他の楽しい事も。もっと一緒に、楽しみたい」
「わたしと、お付き合いしてください」
丸くした目のままで、リサちゃんがわたしを見つめる。わたしも見つめ返す。本当なの、と言う問いにゆっくりうなずく。リサちゃんの頬がどんどん染まってゆく。本当に、綺麗だ。
「まさか紗代ちゃんも、そう思ってくれてたなんて」
先越されちゃったな、と赤く染まった頬でリサちゃんは目を細めて笑った。それは、いいと言う事なの、と聞こうとしたわたしの口をふさいだ。唇同士が触れ合うなんてものじゃない、吸い付いた唇も、絡みつく舌も、痛いぐらいだった。
やっとのことで唇を放すと、よだれが糸の様に下がってきた。リサちゃんとわたしのが、混ざった証。
「ねえ紗代ちゃん」
「こんなあたしを、受け入れてくれる?」
口元を銀の糸で汚しながらそう笑うリサちゃんは、とても艶めいて見えた。
水っぽい音がする。水っぽい物を舐め取る音がする。
やめてよぉ、はずかしいよぉと口から漏れる自分の声をどこか遠くで聞いていた。
「いじるの初めてなんでしょ?それにしては反応いいじゃない」
嬉しそうなリサちゃんがまた顔をわたしのおっぱいにうずめた。右手でわたしの乳首をいじり、もう片方のおっぱいを舐めていじめている。布地の薄いビキニを少しだけずらして、吸ったり、つねったり、指ではじいたり、噛んだり。
本当なら痛くて恥ずかしいはずなのに、痛いとは思えない。リサちゃんにこんな事をされているんだという恥ずかしさはおっぱいの先や腰の奥を、甘く熱い重みでいっぱいにした。
もうすっかり、わたしは溶けてしまっている。
そんなわたしを、リサちゃんは分かってしまっているから。
もっと気持ちよくしてあげる、と胸の辺りにしていたキスの位置がどんどん動いてきた。胸の下、おへその周り、そして腰骨の辺り。
え、と思わず顔を上げた。何をされるのか想像は付いているけれども、そんな事をさせていいのかしらと、ぼんやりした頭で思ったからだ。
リサちゃんと目が合った。
「こわい?」
「あたし、こんな事を平気で出来ちゃう子なの」
「幻滅した?」
そう、顔をのぞき込んできた。全身の肌が色づいてしまった興奮した顔だけど、どこか冷静で真剣だ。
カメラはもう切ってしまっている。今のわたし達の姿は、お互いの目にしか映っていない。
こわくないよ、リサちゃんと一緒ならどんな事でもやってみたいの、というわたしに、そう、とだけ言ってリサちゃんはまたキスを始めた。どことなく嬉しそうに見えたのは、気のせいではないはずだった。
キスはどんどん進み、とうとうわたしの一番濡れている所に届いてしまっていた。リサちゃんは何のためらいも無く、そこにもキスをし続けた。奥深くに舌を入れとろけた所を舐め取り、敏感になった部分にキスをし舌を絡めた。
わたしはといえば脚を震わせ声を漏らすぐらいしか出来なかった。頭の中と視界に光の大きな玉が浮かび、それが柔らかくほぐれ、また浮かびを繰り返していた。
───慣れている。
光が生まれ崩れ続ける合間、気持ち良さの極限で妙に冷静になった頭にそんな事実が浮かんできた。リサちゃんはわたしと出会う前、どんな事をしてきたんだろうか。
───でもそんな事はいいの、こうやってわたし達、出会ったんだから。
大きな光の玉がもろもろと崩れてゆく。体が大きくはね、口から悲鳴が漏れる。リサちゃん、だいすき、と脚をつっぱらせて痙攣した。
すき、だいすき、これを一晩で何回叫んだのか、最後にはよく分からなくなっていた。
次の日は一日中絡み合って過ごした。食事にも時間を取らず、お互いにキスし合って触れる事に費やした。着替えもせずあの格好のままで、でもスマートフォンもカメラも使わず、お互いの目だけにお互いの可愛らしさを映した。
「わたしも舐めたいの、リサちゃんの」
そんな大胆な事を言ってみて、リサちゃんを驚かしたりもした。
網目に覆われていないおっぱいは妙に目立ち、またこうやっていじられるのを待っているように見えた。顔をうずめて舐めてみる。興奮してよく分からなくなって、動物の子がお乳を吸うようなムードも何も無いような感じになっていたような気がする。そんな不器用なわたしの腰を抱きながらリサちゃんが指を入れる。秘密の場所、昨日散々リサちゃんに舐められた、リサちゃんの場所に。うめくわたしの口の動きに合わせて指を動かしてくる。リサちゃんは本当に、予測が付かない。
下を舐めるのは難しかった。服を脱いでしまおうかと気遣ってもくれたのだけど、このままでやってみると答えた。網目状のタイツとベルトの一筋で隠された秘密の部分は、何だかおごそかにすら見えた。
上手くは無かったと思う。それは言える。けれどもリサちゃんは本当に喜んでくれた。何度も身体をのけぞらしながら、焦らすのがうまいんだから、と笑った。その夜は抱き合って眠った。本当に、気持ちが良かった。
その次の日は着替えて普通に過ごした。当たり前の朝食が、外への散歩が、こんなに気持ちがいい物なんて、知らなかった。昔からよく来るから綺麗な所はたいがい知ってるんだ、というリサちゃんに案内してもらって遠くまで足を伸ばした。小高い岡から見える景色は、夏の爽快感とリサちゃんが側に居るという事が重なって、何だかとても特別な物に見えた。
綺麗だね、というわたしに、でしょう?と笑いかけるリサちゃんの顔は本当に綺麗で、それだけで幸せな気分になった。もっと色々見せたい所はあるけど一人じゃいけない所だから、また今度ね───そんな約束を、信じたいと思った。
リサちゃんのお父さんとお母さんに合流したのは、その次の日だった。二人ともとてもいい人で、暖かい気持ちになった。「二人だけの時、リサの我がままに困らなかったかい」と聞かれて、いいえ、よくしてもらえて楽しかったです、の後にうっかり余計な事まで付け足しそうになってあわてたのは、内緒だ。
そうしてリサちゃん一家と一週間を過ごし、わたしは家に帰った。
そうして日常は戻って来た。何かがすごく変わったわけじゃない、今まで通り。ただ、リサちゃんとわたしは昼間でも一緒に遊ぶ事が多くなった。お互いの家を行き来し、お互いの友達と一緒に遊ぶようにもなった。
もう、わたし達は、『秘密の友達』では無くなったのだ。
そうして夜も外では無く、屋根のある所で集まる事が多くなった。親がほとんど帰ってこないわたしの家だったり、ご両親が帰ってくる時間を見計らって、リサちゃんのお家に行ったり。
今日はわたしの家で、お互いに抱き合いながら、用を成していない短いスカートの下に手を入れ、秘密の部分をいじり合っている。撮影はしていない。お互いに可愛いコスチュームを着合って絡み合っても、もう撮影の道具は必要無かった。
あなたって本当に可愛い、と荒い息でリサちゃんが笑った。
リサちゃんもね、と笑い返した声が、中で曲げられた指で悲鳴に変わった。重ねるようにリサちゃんが笑う。その目の中には、わたししか映っていない。
今のわたし達に必要なのは、わたし達だけだから。お互いの目にお互いを映しているという事実、それだけで十分だった。