ちょっとしたやり取りを描いた小咄(4.5話その3)です。
可愛らしい?やり取り→R18行為に誘って……という回です。
『いーくん』はナツメとのやり取りでは年下らしく甘える事もあります。(普段はそっちがデフォですが、情事の時は責め立てるタイプになる)
多忙の為更新頻度が減る・
メインストーリー執筆の為にかなりのお時間頂く事になります。
(どの小説も投稿しない!全て休載だ!という形はなるべく取りません)
また色々回復したら10000字前後~越えの本編を月2のペースで執筆出来ると思いますが、しばらくこのような投稿形態を取ります。ご了承下さい。
いーくんは本来可愛らしい人だ。
体格こそ均整取れて逞しいけれども、顔立ちは甘く、人によっては『幼い』とすら思うかもしれない。それはまさにその通りで、普段こちらに笑いかける顔もデート中にちょっとした事を促す素振りも、常に柔らかく可愛らしい。
だから、こんな可愛いおねだりをされても、何の不思議でも無かった。
「ねえ、ナツメさん。これ、一緒に食べません?」
いーくんが手にもって示したのは棒状のチョコレート菓子だ。目の前で封を開け、片側を咥え、ん、と促される。
『一緒に食べよう』というのは方便なのだなと思うより先に、甘い熱に頭がぼやけるのを感じた。
───かわいらしい。
歳相応の可愛らしさ。年上に無邪気に甘える所もあるのを時折忘れそうになる。付き合ってしばらく経つ。妙な遠慮は無くなったし、「甘えるのを良しとしない」と必要以上に避けている訳でも無い。けれども夜の面に引き摺られてしまっているようだ。別に常にああいう態度という訳でも無い。むしろ細やかで優しいのがいつもの姿で、強引さなんか微塵も無い。
───そう、いつもなら。
甘くねだる様子を可愛らしいと思いながら、咥えている菓子のもう片側に口を付けた。音を立てながら噛み砕き、距離を詰めてゆく。いーくんも同じようにこちらに向かってくる。お互いに無言だけれども、お互いの含み笑いが伝わってくるのが分かった。
ベタだ。『恋人達の甘いやり取り』の典型だ。それでも、ときめくのは止められない。
サクサクとした軽い音に、こちらの鼓動が乗っかってゆく。
ベタもいいものね、なんて思っていると、とうとうお互いの唇に到着した。
軽く表面を触れ合う所から始め、やがて奥へと舌を進める。
「ん……ふぅ、んっ……」
声が漏れる。浮ついた気持ちはこちらをせっかちにさせる。もっと、もっと、味わいたい。もっと奥深くで、絡み付いて果てたい。
せっかちは良くない、なんて言えないわ。だって、こんなにも声を漏らして露骨に悦んでいるのは私だけなんだから。
ナツメさん、といーくんが言う。声は少し掠れ、それでも穏やかだ。ほら見てごらんなさい、こんなにいーくんは上品で節度がある。
どんな時でも、それこそ行為中でも、いーくんの清らかさは揺るがない。
だからこそ、それを揺さぶってみたくなる。
ねえ、と声を掛けた。なるべく優しく、裏にある欲望を瞬時には悟られない様に。
「ねえ」
「ねえ、こっちにも食べさせて」
座った膝の上にまたがった腰。スカートをたくし上げ、隠された部分を見せつける。小さな布地は既に湿って重たく、クロッチは敏感な部分に張り付いて痛い。溢れて来る蜜は既に布地から零れ、太腿にまで迫ってきているのが分かる。
───はやく、引き剥がして。
もう少しこうやっていちゃいちゃさせてくださいよと、いーくんが呟く。
言葉とは裏腹に、声は更に掠れ、眼の鋭さが増す。それでも、たくし上げている下には触れてくれない。ただ、口付けを。こちらの奥底に深く絡めて来る。
ずいぶんと板に着いてきたわ、とぼやけかけた意識で思う。こんなやり取りを続ける内に、甘い顔立ちもこの熱く厳格な様と不似合いではなくなっている。『なくなってしまった』と言った方がいいのかしら。
口付けの激しさはそのままに、別の部分を見る事も無く、服の上から乳首をつままれた。軽く跳ねる身体を気にせず、力が籠められる。敏感な先端が、親指に押し潰される。下着の上からだ。直接触られた訳じゃない。
それでも、十分な刺激だった。
「あっ、あっ……ふうっ……」
乳首が、敏感な部分が、更に尖る。腰がかくかくと震え、愛液が溢れた。
ブラウスの前を自ら開き、ブラジャーのホックを外した。彼の手を、しなやかな指を取り、直接乳房に触らせる。指が曲がり、意図して掴んでくれたのが分かった。指の動きに合わせ、尻肉が跳ねあがる。
まだ奥底から溢れてくるのを感じる。もう下着は完全に用を成していない。
もし今、成せる用があるとするなら───
浮いた腰を居るべき場所に───彼の雄の部分に押し付けた。濡れた中心を、彼の部分に押し当てる。張り付いた布地越しに、彼の固く煮えた熱を吸い取ろうとした。
こうなれば後はもうほんの少しの根競べだ。
お互いにもうじき耐えられなくなる。どちらが先かは分からない。分からないけれど、どちらでもいい。どちらでも、同じ事だ。
───せっかく可愛らしいやり取りをしてくれようとしたのに、結局はこっちに持っていってしまうのよねえ。
そんな自分への呆れも熱に飲まれて、ジッパーに触れようとした手が彼の手に覆われて。
───勝負なんてもう、どうなったか分からなくなってしまった。