TENZIマジカル珍宝帖 ~私の嫁はラスボスでした~ 作:ポチ&タマ
非常に励みになります!
×月○日 晴れ
この世界にやって来てから二十年の月日が経ちました。
私の治世は民たちから受け入れられているみたいで、嘆願書は毎日のように届きますが今のところ反乱は発生しておりません。
それと、嬉しい報告としてアイノ、アイナ姉妹との間に子を儲けることができました。
アイノは三人の娘を、アイナは五人の娘という結果で、男の子は一人もいませんが私は十分に幸せです。大臣たちの「次こそは男児をお願いしますぞ。それと、いい加減正妻を娶ってくだされ」という催促が煩いですが。
正妻に関してはアイノたちのどちらかでいいと思うのですが、本人たちが頑なに首を横に振るので未だ決まっておりません。男児はそのうち産まれると思いますから、それまでお待ち下さい。
ちなみにアイノの長女は現在五歳、アイナの長女も同い年の五歳で、下の子は上から一歳ずつ下がっております。
はい、毎年頑張って頂きました。感謝申し上げます。
×月○日 晴れ
なんと、昨夜UFOと思わしき怪しい飛行物体が夜空を飛んでいるのを目撃しました。
それも私だけではなく、アイノたちもバッチリと確認しております。
飛行物体は北西の方角へ蛇行しながら飛んでいき、どこかに墜落したようです。あの辺は我が国の領土内ですので、至急捜索隊を編成して派遣しました。
UFOとのコンタクトは産まれて初めてなので非常に楽しみです。
映画のグレイやE.T.のような典型的な見た目をしているのでしょうか?
×月△日 晴れ
昨夜の飛行物体の正体が判明しました。
やはり、私が思っていた通り宇宙人のようで、本人はカグヤと名乗っていました。
意外なことに見た目は人間と変わりません。違いがあるとすれば、白雪のような白い肌と、眼球全体が真っ白な瞳のない目でしょうか。
それでも嫌悪感は感じられませんでした。むしろ、美しい顔立ちで凛とした姿に、しばし見惚れてしまったほどです。
カグヤさんは白い和服のようなものを着ており、その名前からまるで、あのかぐや姫を連想させます。この世界、月がないですけどね。
彼女、カグヤさんが何故この地球にやってきたのかは分かりません。本人曰く「ワラワは神樹を見守る者である」とのことですが、神樹とは我が国の誇る霊峰のことを指すのでしょうか……。
ともあれ、私は喜んでカグヤさんを王宮に迎え入れました。本人が承諾して下さるのなら妻として迎えたいと思います。
それはそうと、謁見時に起こったあの不可解な現象は何だったのでしょう。
その場にいた大臣や兵士たちが、糸が切れた人形のように崩れ落ち、私も目があった途端にクラっときました。
達人にでもなれば気当たりで相手の意識を狩ることも出来ますが、気の放出は見られませんでしたし。
うーん、不思議です。カグヤさんは宇宙人ですから異能によるものでしょうか。
×月□日 晴れ
カグヤさんはこの星から離れるつもりはないそうで、私のプロポーズも淡々と受け入れてくれました。アイノたちの推薦もあり、目出度く正妻はカグヤさんに決定です。
側近兼侍女として、一番信頼できる方々の一人であるアイノを宛てがいました。
アイノの話によると、彼女は夜になると決まって夜空を眺めているそうです。
私も気になって様子を見に行きましたが、どこか故郷に思いを馳せるようなその横顔につい「カグヤさんの故郷はこの宇宙――銀河系のどこかにあるのでしょうか」と声を掛けてしまいました。
彼女は驚いた様子で私の顔を見ましたが、やがて視線を再び夜空に向けると「分からぬが、おそらく無いであろうな」と小さく呟きました。
捜索隊の話によると肝心のUFOは見当たらず、その場にいたのは彼女だけという話なので、もしかしたら帰りたくても帰れないだけなのかもしれません。
ならば、せめてここにいるだけでも、その無聊を慰めてあげたいと強く思い、何か欲しいものはないかと聞きました。もし手に入るのであれば頑張って入手したいところです。
私の言葉にカグヤさんはしばし考え込むと、やがて私の方を見て「ワラワが望むのは、争いの無い平和」と口にしました。
…………すごい、難題が飛び込んで参りました。
×月□日 晴れ
久しぶりにカの国から使者殿がやって来ました。例の鴉の方と武人らしき方です。
国境にある、とある湖についてですが「我が国で発見した古文書によれば、あの湖は古来カの国の領地にあったもの。つまりはあれの所有物は我らのもの。なので所有者であるカの国に返して頂きたい」との話でした。
とはいえ、その文献とやらは持ってきていないようなので、情報の信頼性が欠けていると一蹴しましたが。
「我らが嘘をついていると申されるのか! 盗んだものは持ち主に返すのが道理であろう! ソの国に禍が降りかかりますぞ!」という文句も「嘘をついている可能性は無きにしもあらず。なので、我らが盗んだという証明にはなりません。禍とやらはよく分かりませんが、その時に対処すると致します」と素直な感想を述べました。
それを証明する古文書とやらを持ってきてから出直してきなさい。まあ、だからといって返すとは限りませんが。
それと、帰り際の「テンジ殿は天女を妾にしたそうですな。なんでも絶世の美女だとか。私も見てみたいものです」という言葉には「本人に聞いてみます」と答えておきました。嫌だと言ったら諦めて下さい。
〇月×日 晴れ
なにやら国境の村々に向けてカの国が悪戯を仕掛けているようです。なんでも農作に勤しむ村人の近くへ矢を射かけるとか。
何がしたいのかさっぱり分かりませんが、村人は非常にお怒りの様子。家臣の方々からも「民の怒りは限界です! 早急に対策を立てねばなりませぬ!」と仰っています。
私としては子供のする悪戯のようなものなので、無視するのが一番だと思いますが、そう言われてしまえば考えざるをえません。怒りが爆発してこちらに火の粉が降り掛かったら大変ですから。
かと言ってこちらから戦を仕掛けるには大義がないため、得策ではありません。子供の悪戯に本気になって大人が喧嘩を売り込むようなものですから。
うーん、何かいい考えはないでしょうか……。
〇月〇日 晴れ
最近、カグヤさんとの距離が順調に縮まっているように感じます。
当初はこっちに近づくなオーラが見て取れましたが、それもすっかり取り払われ、今では私の姿を目にすると微笑みを向けてくれるほどに。
感慨深いものです。私なりに色々とアプローチを掛けてきましたからね……。
そのため夜の性活も捗り、マジカルチ〇ポも乾く暇がありません。最近では抜かずの五連発もザラでして。彼女の体力も考慮してもっと加減しないといけないと分かっているのですが、どうも自制が効かないといいますか。
……美人過ぎる上に可愛らしいカグヤさんがいけないですね。うん。
△月△日 曇り
なにやらカの国の動向が怪しいです。諜報部隊の報告によると昨夜、大勢の軍勢を率いて国境付近に向けて進軍を開始したとか。
何かまた良からぬことを考えているみたいですね。民たちの怒りもそろそろ限界のようですし、もう一層のことこちらから攻め入りましょうか。でも、カグヤさんは争いを好まないようですし……うーん。
取りあえず軍を派遣したのは間違いないので、こちらも有事に備えて進軍しますか。
諜報部隊の報告では敵兵数は三千とのことですので、こちらも奮発して二千人出します。
我が軍の兵数は三千しかいませんから、残りの千人は防衛に備えてもらいましょう。
△月〇日 晴れ
カグヤさんとアイノたちを王宮に残し、警備を密にさせて第一級警戒態勢を敷かせました。
逃走ルートと避難先は予め決めてあるので、もし大事があってもそこへ逃げてくれるでしょう。
私も二千の兵を率いて国境に向けて出陣です。
国境には闇に紛れて大勢の兵が展開されていました。開けた場所なので、弓兵による高所襲撃はなさそうです。
こんな大軍を引き連れて何の用かと問いますと「軍事演習だ。有事に備えてな」との返答が。
国境付近で軍事演習ですか。明確な挑発ですねェ。
怒り心頭な我が兵士たちを宥め、私は言いました。
「よろしい。ならばこちらが現時点を以てこの状況を有事と判断します」
望んでいた戦争を始めようではないですか。
帰ったらカグヤに怒られそうですけど……。
△月△日 晴れ
こうして始まった戦ですが、思いのほかあっけなく終わりました。
三日。これが戦に要した時間です。
通常、戦では敵兵数の倍を用意するのが定石とされていますが、こちらは兵数が少ないので質をとことん高めて来ました。今では兵のほとんどが妙手の域に達しており、隊長各は達人レベルです。
A+の達人に至った者はまだいませんが、それでも十分と言えるでしょう。
なにせ一騎当千という言葉が現実になる光景を目にすることが出来ましたから。
敵は数を頼りにした雑兵の群れ。対してこちらは寡兵ではありますが、達人級の強者たちです。千程度の兵数など誤差の範囲と言えます。
弓兵の精鋭部隊が次々と敵将を仕留めていく中、私も闇夜に紛れて行動を開始。
天地と気を一体化させて自然の中に姿を溶け込ませる圏境に至った私は、敵兵に気付かれることなく、敵本陣の陣幕へ潜入。
そこには、なにか妄想しているのかニヤニヤとした顔で考えに耽る使者殿と、青白い顔で戦場を眺める将軍らしき人物がいました。
あっさりと将軍の背後に回った私は、その首に腕を回し頸椎を外して速やかに処理。
傍から見れば突然現れ将軍を殺したように見えるでしょう。動揺を隠せない使者殿の口を塞ぎ、胸部に浸透勁を流し込んで心臓を破壊した私は速やかに現場を離れました。
私が陣幕から随分と離れた頃にようやく事態に気づいたのか、敵本陣に大きな乱れが生じました。その隙を見逃さず各隊は大きく進軍。あっという間に蹂躙して見せた、というのが今回の戦の結果です。
このままカの国の宮殿まで進軍し、制圧するとしましょう。いい加減、カの国の存在も鬱陶しく感じていましたし、なによりおちおちカグヤさんたちとイチャイチャすることもできませんから。
そうして、速やかにカの国の宮殿を制圧した私は、此度の戦争の責任をカの国の皇に取らせ、併吞。
ソの国の一大国家を築くことに成功するのでした。
△月□日 晴れ
案の定と言いますか、カグヤさんの機嫌が悪いです。
ですが、アイノから聞いたところ、どうやら戦争をしたことに対してではなく、私が危険を冒したことに怒っているのだそうですが、はて。今回の戦に危険なんて一切なかったのですが。
そう言うと、カグヤさんはますます機嫌を損ねてしまいました。困りました、前世の嫁である美雲さんの時もそうでしたが、女性の機嫌取りは非常に苦手なのですよ私。
何度も謝り、もうカグヤさんに心配を掛けるような真似はしないと約束してようやく、機嫌を直してもらいました。
本当はよく分かっていませんけど、それは言ってはいけないことだというのは流石の私にも分かります。
今宵、私は滅茶苦茶カグヤさんの相手をさせられることでしょう。
私としては願ったり敵ったりなのですが、そこはかとなく寒気を覚えるのは何故でしょうか……。
〇月△日 晴れ
カグヤを正妻に迎えて三年が経過しました。
彼女との仲は良好です。側近として控えさせたアイノやアイナのことも気に入ってもらえたようで、よく会話をしているところを目にします。
もちろん、私もアイナたちとは良好な過程を築いていますよ。相変わらず子宝にも恵まれ、今ではアイナは五児の母。アイノも七児の母です。相変わらず、男の子は一向に生まれてきませんが。
なんでしょうね。私のマジカルチ〇ポには性別操作の機能はないのですが……。
ちなみにマジカル珍宝の機能で把握している点としては、
1.異性に対して発情を促すフェロモンを分泌可能。
2.逸物の大きさや長さなどサイズ調整が自由自在。
3.挿入すると自動でその方が一番感じるサイズに調整される、オート機能搭載。
4.妊娠の可否をこちらの意思で決めることが出来る。
5.射精時に願いを掛けると大抵成就する祈願成就機能付き。
安産祈願、健康祈願、無病息災、厄除け祈願、開運除災など。これには一番驚きました。
このおかげなのでしょうか。私を含めてアイノたちも風土病や流行りなどに罹らず、一度も病気にならずに健やかに過ごせているのは。
衛生レベルは現代から大分劣るこの時代において無病息災はほぼ奇跡と言えますから。
そしてついにカグヤも妊娠しました。妊娠三カ月目だそうで、時折嬉しそうに自分のお腹を撫でているのを見ると、何だか胸の内が暖かくなるのを感じます。
マジカルチ〇ポの恩恵を受けて、無事に生まれて健やかに育ってくれるのを願います。
――それにしても、アイノやアイナの時もそうでしたが、腹ボテというのもまた違った魅力があって良いものですよね。
しかしカグヤさんは身重の体。無理をさせるわけにはいきませんので、この時期はアイノやアイナに相手をして頂いているのですが。
カグヤさん、そんな物欲しそうな目で見られるとこちらも理性の限界が……。
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