※この作品はR-18です。

TENZIマジカル珍宝帖 ~私の嫁はラスボスでした~   作:ポチ&タマ

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 カグヤ視点での話です。
 かなり長くなってしまったので2つに分けました。


勝手に書かれたページ裏
1ページ裏 その1(カグヤ)


 ワラワがあなたと出逢ったのは、今にして思えば運命であったのでしょう。

 

 大筒木の使命のもと、イッシキとともにこの世界へ跳んだワラワは、この星の美しさに見惚れた。

 青い海と緑の森で彩られた美しき惑星。この星をワラワだけのものにしたい、その一心で邪魔者であったイッシキを排除したワラワは、この星に降り立った。

 

 出迎えは武器を携えた土着人たちであったか、それはどうでもよい。

 この地を統べる者を傀儡にして、この星をワラワのものにする。

 そう目論み、この國の王の元へ参ったのだが、そこで二度目の衝撃を受けることになる。

 テンジと名乗ったその土着人は、周囲の者とは違うどこか異質な空気を纏っていた。

 それが何かはワラワも分からぬ。言語化できない違和感とでも言うべきか。

 しかし、その異様性は目に見える形で目の当たりになる。

 

「……っ」

 

 謁見時にその場にいたすべての人間たちに暗示を掛けたのだが、何故かテンジだけ効かなかったのだ。

 他の者は皆、糸が切れた木偶人形のように崩れ落ちたのに、テンジだけ頭を振るうだけで解いてしまった。

 

 ――なんという強き心! 精神力!

 

 ワラワの暗示は並大抵の者では解けぬ強力な力。それこそミスリルの如き強固な精神力で己の心を律せねば、暗示を解くことは出来ぬ。

 事実、テンジ以外の人間は皆ワラワの術中にあり、これまでの惑星でもワラワの術を跳ね除けた土着人はおらぬ。

 此奴は危険だ。生かしておけばワラワの障害になるやもしれん。

 一層のこと、この場で殺めてしまおうか。そんな考えすら過ぎったのだが、当のテンジはのほほんとした顔で。

 

「カグヤさんですか、良いお名前ですね。どうでしょう、我が国に滞在なさるのであれば衣食住をこちらで用意させて頂きますが」

 

 その申し出はワラワとしても願ったり叶ったりであった。此奴の狙いが何であろうとワラワの力ならいつでも葬ることが出来る。

 ありがたくその申し出を受けると、テンジはさぞ嬉しそうに相好を崩したのであった。

 

 

 

1

 

 

 

 テンジが暮らす家ーー彼曰く宮殿に住まうこと三日。

 アイノという付き人がワラワに充てがわれた。

 聞けばテンジの元側近であり侍女。そして妾でもあると言うではないか。そのような重要人物を素性の知れぬワラワの付き人にするなど、もしやテンジは馬鹿なのだろうかとそう思ったのだが。

 

「逆ですよ。貴女を信用しているからこそ、一番信頼しているアイノを付けたのです。確かに貴女の素性は知れませんが、それが信用に値するかは別問題ですので」

 

 一層のこと清々しく思えるほどキッパリと言い切ると、ふにゃっと表情を緩め、

 

「それに、私は貴女のことが大好きですから。好きな人のことを信じるのは当然でしょう?」

 

 臆面もなくそう口にしたのだ。

 

「す、好き……!? な、なにを血迷ったことを」

 

「血迷ってなどいませんとも。いたって正常かつ真面目です。貴女を一目見た瞬間に惚れました。なので、是非とも私の妻になっていただきたいのですが、どうでしょうか」

 

「ど、どうでしょうかって……なぜ、そなたは平然とそんなことを言えるのです。普通はアレだろう、その……恥ずかしがるものでは?」

 

「思っていることを素直に口にしているだけですが……。恥ずかしがる必要がどこにあるのです? 好きなものは好きなのですから」

 

「ま、また好きなどと……! ま、まあ、よいでしょう。そこまで言うのであれば娶られてあげなくもない」

 

 妻になればコヤツを傀儡にするのも楽になる。なにせワラワに惚れておるのだからな。うん。

 そのような経緯でテンジの嫁となったワラワだが、アイノたちの勧めによりいつの間にか彼奴の正妻になっていた。

 

 ある日の夜のことである。ワラワはその日も夜空を見上げていた。

 ワラワはこの夜空が好きだ。黒いカーテンに星々を散りばめたような、美しき空が好きだ。

 まるで、星の川が流れているみたいで、時間を忘れて眺めていられる。

 この星に来てから好きになったものの一つが、満天の夜空であった。

 

「眠れないのですか?」

 

 いつからそこに居たのであろうか。気がつけば隣にテンジの姿があった。

 夜風は体に障りますよ、と言って羽織を一枚寄越してきたテンジは、ワラワと同じように夜空を眺めながら不意にこんなことを呟いた。

 

「カグヤさんの故郷はこの宇宙――銀河系のどこかにあるのでしょうか」

 

 驚いた。土着人たちの文明から察するに、惑星は巨大な球体であることも知らないものと思っていたが、テンジはそれを知っていたのだ。しかも、この星の外には同じような惑星がいくつも存在することも。

 本当に、この者は何者であろうか。知れば知るほど不思議に満ちた男であった。

 

「分かりませんが、おそらく無いでしょう」 

 

 そもそもワラワたち大筒木の者は故郷を持たない。チャクラの実を回収したら次の惑星へ跳ぶ、延々とそれを繰り返し丹を生成する一族である。

 故に生まれ落ちた星などとうの昔に忘れ、覚えていたとしてもこの星々の中には無いであろう。

 なにせ、世界が違う故な。

 

「そうですか……。もし、寂しくなったら遠慮せずに仰ってください。私などに無聊を慰めることが出来るか分かりませんが、私に出来ることがあればなんだって致しましょう。何か、欲しい物とかはありませんか?」

 

「そなた……」

 

 思いもよらぬ言葉であった。

 まさか、ワラワを慰めようとしてくれるとは。

 少しの間を起き、ワラワは答えた。

 今にして思えば、ワラワはこの時からテンジに絆されていたのやもしれない。

 

「ワラワが望むのは、争いのない平和」

 

 争いが起きればこの美しき星が汚れてしまう。しかし、生き物にとって争いは生存本能に基づく行動である。

 争いがない平和など、力無き者では叶えることは出来ぬ夢物語。

 それを承知の上でテンジに願ったのは、彼に対するワラワの甘えか。

 それとも、ワラワでも測りきれぬ不思議な人間であるテンジならばあるいは、

と思ったのから。ワラワ本人も分からないが。

 ワラワの願いを聞いたテンジは困った顔で頬を掻くと。

 

「んー、それはまた難しい願い事ですね。まあ他ならないカグヤさんの望みです。私なりに頑張ってみましょう」

 

 と言ったのだ。

 

 ――むぅ、またか。何故、鼓動が高まるのだ……!

 

 最近のワラワは可笑しい。コヤツが側に居ると体が変なのだ。何故か胸の鼓動が高鳴り、下腹部の奥が熱くなってジンジンとする。

 決まってテンジが側にいると起こるこの症状。何かの病気であろうか。

 しかし、このワラワが?

 

 何故かテンジの顔を直視するのが恥ずかしくなったワラワは、思わず夜空を見上げたのだった。

 

 

 

 2

 

 

 

 テンジの妻となってから、彼は頻繁にワラワの寝所に来ては褥をともにするようになった。

 三日に一日のペースでアイノやアイナとともに寝ることもあるが、大体はワラワのところへ来る。

 そして、布団を共にしてただ寝るだけであるのに決まって例の症状が現れるのだ。

 間違いなく彼奴の仕業に違いあるまい。

 ワラワはテンジを問い詰めるため、アイナの元へ向かった。

 今宵はアイナと褥を共にする日である。そのため、アイナの部屋にテンジが居るはずなのだが――。

 

「な、何をしているのだ……?」

 

 そこには裸で仰向けになったアイナと、そんな彼女の上に覆いかぶさるテンジの姿があった。

 アイナと同じく裸体を晒しているテンジは、腰を強く打ちつけておった。

 テンジが動く度にアイナの口から聞いたことのない声音で、

 

「テンジ様、もっとぉ♡」

 

やら。

 

「テンジ様のオチ○ポ、ぶっとくて最高なのぉ♡」

 

だとか。

 

「もっと奥を突いて、アイナを孕ませてぇ♡」

 

 など、聞いているこちらが恥ずかしくなるようなセリフを口にする。

 活発で天真爛漫な姉のアイノとは違い、落ち着きがありいつも冷静なアイナからは想像もつかない姿であった。

 

 しかし、なるほど。これが人間による子孫の残し方か。些か衝撃的でがあるが、不思議と惹きつけられる。

 翌日、ワラワは昨夜、アイナに行っていた行為をテンジにさせてみた。

 人間の営みにも興味があったし、ワラワの体に触れて良いと思わせる程度にはテンジのことを気に入っているのも事実。

 異界から来たワラワでは子を成せぬであろうが、人間の遺伝子伝達方式を学ぶのは良い機会。

そう思っておった、が。今ではそのように吞気に構えていた当時のワラワに説教をしたい気分だ。

 

「おっ♡ おっ、おぉっ♡ な、なにこれっ♡ 知らない……っ、こんなのワラワ知らないぃ♡」

 

「カグヤはセックスを知らないのですね。では、女の幸せの何たるかも知らないはず。これは、夫である私が骨の――いえ、魂の髄まで教えなければいけませんね。安心してください、エロにかけて私の右に出る者はいません」

 

「ど、どこに安心できる要素があるのです、ぁ♡ だ、ダメダメダメっ、そこ奥っ、突いちゃダメぇっ♡ ホジホジもするなぁっ♡ んひぃいいいいいいいいっ♡」

 

「ふんふんふんふんっ! これぞ修行の合間に身につけた高速ピストン! 我が奥義は閉経した老婆すら呼び起こすのです!」

 

 甘くみていた。人間たちの交尾――テンジ曰くセックスは麻薬の如き多幸感と、強力な依存性があったのだ。

 アイナやアイノたちが度々テンジの寵愛を求めるのも分かる。いや、分からされた。

 あの感覚を一度でも味わってしまえば最後、もうテンジの元から離れることなんて出来ないのだ。

 なにせ、かく言うワラワがテンジの虜になってしまったのだから。

 

 

 

 3

 

 

 

 そして、テンジの妻となり三年。

 夜だけではなく朝も昼も、所構わずテンジはワラワを求めてきた。

 テンジに抱かれるたびに、彼の深い愛が伝わってきて、ワラワはすっかりテンジに骨抜きにされてしまったのだ。

 もはやこの星をワラワだけのものにするつもりはない。

 愛する人――テンジと、心を許せる友であるアイノとアイナ。そして、テンジが愛する臣民たちとともに未来を生きることができれば、それで良いと。心の底からそう思った。

 愛など、生まれて始めて芽生えた感情だが存外に悪いものではない。むしろこの感情がワラワに更なる力を与えているかのようでもあった。

 それは、目に見える形で現実となる。

 そう。テンジとの子が出来たのだ。

 これにはワラワもビックリである。まさか大筒木のワラワが、人間の子を成すことが出来るなんて。

 

 驚きの後には喜びが、そして不安と恐怖が押し寄せてきた。

 愛する人との子を産むことが出来るのは嬉しいが、果たしてテンジは喜んでくれるだろうか。

 異界から来たワラワの血を引く子供を、テンジは受け入れてくれるだろうか。

 一度芽生えた不安はどうしても拭うことができず、中々アイノやテンジに告げることが出来ずにいた。

 そのような最中に起きた、カの国との戦。

 どこか能天気で朗らかな笑顔を浮かべているテンジにしては珍しく、気落ちした様子を見せると、

 

「平和を望むカグヤの意に反することをしてしまいました」

 

 このようなことを口にしたのだ。

 この男は、テンジは、ワラワが冗談半分で言った世迷い言を本気で叶えようとしているのだと。

 愚かなワラワは、その時になって始めて思い知ったのだ。

 

 ――もう、そんなものはいい。ただあなたが生きていれば。あなたとともに生きていければそれで。それだけでワラワは幸せなのです。

 

 ワラワの想いを、嘘偽りのない気持ちを伝えたかったが、間が悪くテンジは部下を引き連れて戦地に赴いてしまった。

 逢えなかったのは三日だけ。されど、三日も逢えなかった。

 いつも常日頃から側にいてくれた日常を当たり前のものとして認識していたワラワにとって、この三日間は三年に等しい時間であった。

 怪我はしていないだろうか。

 ご飯はちゃんと食べているだろうか。

 ワラワが居なくて寂しくないだろうか。

 他所の女を作っていないだろうか。

 まさに考え出すと切りがない。戦地に赴く兵たちの妻は、いつもこんな不安を抱いて帰りを待っているのだろう。

 ワラワは始めて、この星の女人たちに敬意を持った。

 そして――。

 

「ただいま戻りました。大事なかったですか?」

 

 平然とした顔で帰ってきたテンジを見た瞬間、思わず抱き着いてしまったワラワ。

 こちらの気も知らないで、呑気な顔をして戻ってきて! どれだけ心配したと思っているのですかっ!

 言いたいことは山ほどあった。伝えたい言葉も山ほどあった。

 されど、出てきた言葉は。

 

「あなたが無事でよかった……」

 

 大筒木の者とは思えない、弱弱しい言葉。

 服を掴む手は震え、目からは止めどもなく涙が流れる。

 顔を見せまいと胸に押しつけるワラワを、テンジは優しく抱きしめてくれるのであった。

 

 それはそうと、ワラワをここまで不安にさせた責任は取ってもらいます。

 ワラワは一度機嫌を損ねるとしつこいのでな、存分に慰めるがよい……!

 

 

 

 4

 

 

 

 意を決してテンジに子が出来たことを伝えると、こちらが驚くほど喜んだ。まるで子供のようにはしゃぎ、ワラワのお腹を撫でてはニコニコと笑顔を見せて。

 そうだった、コヤツはこういう男だ。ワラワの心配など杞憂でした。

 ようやく腹が膨み始めたというのに、すでに生まれてくる子の姿を想像してか「この子たちは双子の男の子ですね。私には分かります」などと吐かしおって、まったく。もう少し落ち着かんか、まったく。

 まあ、この子が無事に産まれてくれるのであれば、男児であれ女児であれ構いません。ワラワと愛しき人との子ですから。無事に産まれてくれるだけで、それだけで十分です。

 それはそうと、ワラワがエッチ出来ぬ身であるからと、アイノたちと盛り過ぎではないですか? こちらはお預けを食らったようなものなのなのに、まったく。見せつけるかのように交わりおって。

 

 ――しかし、拙いな。そろそろ追ってが来るやも知れん。

 

 通常であれば神樹の実を収穫したら本部に連絡を入れるのだが、ワラワはこの地に降り立ってから本部との連絡を断っている。異変に気付いてやって来る可能性が高いだろう。

 

 ――今のワラワにテンジたちを護りきる力があるのか?

 

 ない。圧倒的な力不足だ。

 大筒木は二人一組で行動しておる。追っても必ず二人のはず。

 対してワラワは一人。行動をともにしていたイッシキはワラワの手で消し去ったのだから。

 

 ――対策が必要です。テンジを、我が子を、アイノたちを護りきる対策が……。

 

 とりあえずワラワ自身の力を上げねばならない。ワラワの手持ちに丹はないため、神樹の実を食らうしかないだろうな。

 神樹の実――別名チャクラの実には、膨大なチャクラが宿っている他、生命力の塊でもある。

 ワラワにはあまり効果はないが、テンジたちには不老長寿の効能を与えてくれるでしょう。

 なればワラワだけでなく、テンジ、アイノ、アイナの三人にもチャクラの実を食べさせるのが良いな。

 そうと決まれば神樹の元へ行かねば。

 

「最近、難しい顔をしていますが、何か悩みごとですが?」

 

 丁度よいタイミングでテンジの方から声をかけて来たため、これ幸いにと神樹の元へ連れて行ってほしいと頼むと、彼は小さく首を傾げた。

 無理もない。テンジ含め、この星の住人は、あれをただの大きな樹と思っている。

 隠し事をするつもりはない。むしろ正直に打ち明けて、テンジの協力も得られればスムーズに事が運ぶだろう。

 ワラワの説明を聞いたテンジは特に驚いた素振りを見せることなく「分かりました」と頷くのであった。

 まさか、テンジも予期していたとでも? あり得ない話し……と言い切れないがテンジの凄いところですね。アヤツにはワラワでさえ計りきれない何かがありますから。

 

「ふぅ、ふぅ……思っていたより結構、距離がありますね」

 

「姉さん体力なさすぎ。テンジ様とのエッチに夢中で鍛錬怠ってる?」

 

「なっ……! そ、そういうアイナこそいつもテンジ様にベッタリじゃない! それに鍛錬は怠っていませんっ」

 

「アイナはテンジ様の妾で侍女だから。いつもお側にいないと。ぺたり」

 

「またそうやってペタペタくっついて、ナメクジですか貴女は! 私だってテンジ様の妻ですもん!」

 

「うーん、まさに両手に花ですね」

 

 黙々と足を進める妾の後ろでイチャイチャするテンジたち。

 ワラワだけ除け者にするとは良い度胸だ。

 

「これ、そなたたちもその辺にせよ。そろそろ着きますよ」

 

 ようやく神樹の麓に辿り着いた。うむ、大分チャクラが溜まっている。

 これなら……!

 

「おや?」

 

 神術に実っていたチャクラの実を二つ、手元に引き寄せると、その内の一つをテンジに渡した。

 ワラワがチャクラの実を食べ始めるとテンジも実を齧る。その味に顔を顰めるテンジに思わず笑ってしまった。チャクラの実は絶大な力を宿しているが、不味いなんてものではないからな。

 それでも吐かずに食べるテンジの胆力に関心しておると、何を思ったのかコヤツ、実を三等分にしてアイノたちに食べさせたのだ。

 それ自体は良い。後ほどアイノたちにも食べさせようと思っておったのだから。

 しかし、何故「あーん」で食べさせる必要がある!? ワラワだってまだされたことないのにっ!

 

「むぐっ?」

 

 頭に来たのでワラワの実をコヤツに食べさせてやったわ。無論、ワラワの手でな! ほれ、正妻の「あーん」だぞ。しかと堪能してせい、馬鹿者!

 

「むっ」

 

 不意にワラワの体からチャクラが込み上げてきた。同時に、額に熱が集中し第三の眼が開眼する。

 ほう、これが噂に聞く輪廻写輪眼か。確かに凄まじい瞳力のようだな。

 この眼の使い方も直感的に分かった。

 この身を満たすチャクラといい、これだけでも相当な力が付いたと言えるだろう。だが、まだ足りぬ。

 見ればテンジたちの身にも変化が生じていた。アイノたちはワラワに次ぐチャクラを宿し、頭には小さな角が生えている。

 流石に大筒木の系譜に連なる者では無いため、輪廻写輪眼は開眼していないが、これでアイノたちもチャクラを使った術が使える上に不老となった。この先も一緒に過ごすことが出来る。

 しかし、予想外なのはテンジよ。外見の変化はアイノたちと同じく小さな角が生えただけであるが、そのチャクラ量はワラワを超えている! 何故、と思ったがすぐに思い至った。

 コヤツ、何気にワラワよりチャクラの実を多く食べていた! アイノたちと分けた三分の一と、ワラワが食べさせた半分。合計で四分の三も食した結果になる! 道理でワラワよりチャクラ量が多い訳だ。

 しかしその分、生命力も多く手に入れたということでもある。

 これなら早々死にはしまい。

 

 

 

 5

 

 

 

 ついにワラワとテンジの子が産まれた。

 驚いたことに双つ子の男児である。まさかテンジの予言が当たるとは……あの人には本当に驚かされる。

 ワラワたちは兄をハゴロモ、弟をハムラと名付けた。

 それにしても、これが我が子か。ワラワたち大筒木とは根本から違った繁殖方法であるが、お腹を痛めて産んだ分、不思議と愛おしく感じる。

 

 そして、月日はあっという間に流れ、十年が経った。

 修行バカのテンジはチャクラの使い方を覚えると、地道にコントロールする鍛錬を積み重ねてきた。

 その結果だろうか、テンジの術はどれも強力なものばかり。術のみでの勝負ならワラワすら上回るであろう。

 何よりも特筆すべきことは、その発想力。どこからそんなアイデアが思い浮かぶのか次々と術を開発している。この発想力の豊かさはテンジならではの素質だろう。

 ワラワの見込んだ通り、テンジたちはチャクラの実により不老長寿を得たようで、十年の歳月が経ったにも関わらず一向に老いる様子がない。今も昔も変わらぬ姿をしている。

 そして、この十年でワラワたちを取り巻く環境も大きく変わった。主にテンジのせいでな!

 アヤツ、性欲の権化ではないか! 毎日遠慮なく種付けして! 子供を身籠っても最初の数か月は自重してくれるが、妊娠後期になると問答無用でセックスを強請ってくる! お腹の子を考えてか普段より優しくしてくれてはいるが、アヤツの頭の中にはチ〇ポのことしかないでだろう!

 

 おかげで、今や十の子の母。すっかり子守にもなれてしまった。いや、決して嫌なわけではないのだぞ。それだけあの人に愛されているという証でもあるのだし、ワラワとテンジの子なのだから全員愛しいワラワの子だ。だが、それでも度が過ぎている! アイノ達なんてワラワより多くの子をこさえているし、まったく!

 

 なにが「ボテ腹最高」だ。こっちはチ〇ポ最高よ! いや、何を言っているんだワラワは……疲れておるな、うん。

 テンジとの子であるから出来るだけ人の手を借りず、ワラワの手で子の世話をしているが、さすがに全員を見るのは無理がある。大筒木の追っ手対策も佳境に入ってきたため、時間的に余裕がない。

 最近ではハゴロモやハムラに弟や妹たちの世話を任せっきりになってしまっている。あの子たちには苦労をかけるな。

 そうだな、すべての憂いを取り除いたら、皆で遠出でもしよう。アイノたちも連れて、見晴らしの良いところでピクニックだ。

 うむ、きっと楽しいに違いない。近くに温泉があればなおのこと良いな。

 フフ、その時が楽しみだ。そのために、なんとしても大筒木の襲撃からテンジたちを守り切って見せる……!

 

 





 続きは近日中に公開予定です。

本編と勝手に書かれたシリーズ、どっちを優先してほしい?

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