TENZIマジカル珍宝帖 ~私の嫁はラスボスでした~ 作:ポチ&タマ
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□月△日 晴れ
この頃、カグヤの様子がおかしい気がします。どこか焦っているような。
すっかりお腹も大きくなり出産も間近。そのことに不安を覚えているのでしょうか。
無理もありません。カグヤにとっては今回が初めての出産です。それも異星人である私たちの間の子なのですから、まさに奇跡の妊娠と言っても良いでしょう。正直、私も当初は妊娠できるとは思ってもいませんでしたから。
そのことで不安を抱えているのかと問うと、彼女はどこか迷うような素振りを見せた後、何かを決意した顔つきで私に向き合いました。
「あなたにお願いがあります。ワラワとともに神樹の元へ」
どういうことかと詳しく話を聞くと、どうやらそう遠くない未来にカグヤを追って同郷の者がこの地に降り立つようです。それだけなら何も問題はないのですが、どうやらその追っ手というのはカグヤの命とこの星の命を狙っているそうな。
詳しい理由はよく分かりませんが、ようするに地球侵略を狙う輩がいるということですね。その対策として神樹の元へ向かい、更なる力をつける必要があるとのことです。
かの大樹は霊峰として知られており、言わばパワースポット的な場所です。数千年前に突然と生え、たちまちあのような大樹になったと聞きます。それと、なにやらあの地に近づくと精魂が尽き果てて枯れ木のようになってしまうという噂もありますが。
なんにせよ、神樹に用があるのですね。ならば私に異論はありません。そこでパワーアップ出来るのなら行くとしましょう。
□月□日 晴れ
なるべく人目に付きたくないとのことでしたので、私とアイノ、アイナの四人だけで神樹の元へ向かうことにしました。臣下たちにはしばしの間、嫁たちと一緒に散歩をしてくると伝えてあります。
そんなこんなで、神樹の元へ出かけることとなり、歩くこと五時間。意外と健脚なカグヤに驚きながらようやく辿りつくことが出来ました。
ここまで間近から神樹を見たのは初めてですが、改めてその大きさに驚かされます。
日本の神社などによく、樹齢何百年という御神木が祀られていますが、神樹はその比ではありません。なにせ高層マンションほどの高さはありますから。
神樹の元へやってきたカグヤが手を掲げると、何やら光り輝く実が二つ落ちて来ました。その一つを手に取り食べ始めたカグヤは、もう一つの実を私に寄越してきます。
私も食べろとのことなのでしょう。光り輝く謎の実、正直不安はありましたが、幸い私には転生特典【健康で丈夫な肉体】があります。せいぜい腹を下す程度だと判断し私も食べることにしました。
毒味をしたところ味こそ問題はありましたがその他は大丈夫でしたので、実を三等分にして私とアイノ、アイナの三人で別けて食べます。二人だけのけ者にするわけにはいきませんので。
せっかくですから「あーん」で食べさせてみましたが、何を思ったのか自分が食べていたチャクラの実を半分に分けたカグヤに強制「あーん」をさせられてしまいました。同じ身を食べているので当然ですが、すごく不味かったです……。
ですが食べ終わった時、変化は唐突に訪れました。
カグヤの頭には大きな角が生え、その額には第三の眼と言える大きな目が出現。体から青白い光を放ち始めたのです。
カグヤだけではなく私たちにも変化がありました。とはいえ、カグヤほど大きな変化ではありませんが。
アイナとアイノの頭にも小さな角が生え、何やら気にも似たエネルギーのようなものを感じます。そしてアイノの話によると、私の頭にも同様な角が生えているらしいです。
私も体の内側から込み上げてくる力をひしひしと感じます。気ではありません。なんというか、生命力にも似た力強いエネルギーです。
それにしても、変貌を遂げたカグヤの今の姿、どこかで見たことあるような気がしますが。
そうして思い至ったのが――原作ナルトのラスボスです。
今の今まで気付きませんでしたが、額の第三の目と大きな角、そして白の和服を見てようやく思い至りました。
まさか、カグヤがあのラスボスその人でしたか……。
ということは、先程食べた光り輝く実が『チャクラの実』で、この内側から込み上げてくる未知のエネルギーが、チャクラそのものなのでしょう。
なんというビックリ仰天ニュース。この世界に転生して二番目の衝撃を受けることになったのです。
一番はもちろん、カグヤとの出会いです。
新たな力を得るというのはチャクラのことでしたか……。
×月×日 曇り
衝撃な事実から一夜が明けました。
私たちの身に起こった変化に戸惑う家臣一同。特にカグヤの変わりようには皆さん驚きを隠せないでいるようです。今は第三の眼――恐らく輪廻写輪眼と呼ばれるものは閉じていますが、それでも頭から生えた大きな角は隠せません。
迫害を受けないか心配でしたが、ある家臣が「そういえばカグヤ様は空から舞い降りた天女でしたな。であれば、我らとは違った容姿をしていてもおかしくありますまい」という言葉に一同納得したようです。彼には後で個人的に褒美を与えることにしましょう。
私たちの変化についても「テンジ様はカグヤ様と子を成したのですから、その影響かと思われます。アイナ殿らに関しては……一緒にいた影響でしょうか?」と都合よく解釈してくれたようで、なんとか混乱は収まりました。アイナたちについてはそれでいいのか些か疑問ですが。
家臣が侍女や末端の兵に至るまでこのことを伝えてくれたようで、さらに話は市井にも広がり、結果迫害と言う二文字は杞憂に終わることに。やはりあの家臣には褒美を取らせます。それもとびきりの。
そんなこんなで、私は早速チャクラの扱いに慣れるところから始ました。
【努力すればするほど成長する能力】、努力チート特典もあるので修行が楽しみです。
×月〇日 晴れ
とうとうカグヤが出産を迎えました。生まれてきたのは双子の男の子。そう、待望の男の子で、しかも双子です。
兄の名をハゴロモ、弟をハムラと名付けました。後の六道仙人その人となる子ですから。
ハムラの方は本人には申し訳ないですが、どのような活躍をしたのかちょっと覚えていません。ですが、きっとハゴロモ並みのビッグな人になったのでしょう。なにせ私たちの子ですから。
□月×日 晴れ
あれから十年の時が流れ、私も気付けば三十三のおじさんになってしまいました。
けれど、何故か容姿は二十代の頃から変わらないのです。カグヤやアイノたちも全然老いた感じがしませんし、これもきっとチャクラの実のせいですね。
チャクラの制御とその力の活用方法を重点に修行を行っているのですが、ヤバイです。もしかしなくてもチャクラ万能説が濃厚です。
私の場合ナルトを全完読破しているので忍術の知識――この場合は記憶といった方が正しいのでしょうか、があります。ですが、それを抜きにしてもイメージするだけで、その術が使えるのは少々反則ではないでしょうか。
しかも忍術ではなく術と呼ばれるものですので、印を結ぶ必要はありません。必要なのは緻密なチャクラコントロールと鮮明なイメージ。それだけで大体のことが実現可能となりました。もう空想具現化の域ですねこれは。マーブルファンタズムです。私、型月も好きでしたので。
私ほどではありませんが、アイノたちも大体似たようなことが可能なようです。何もない所に火を起こしたり、水を発生させたりと。これでお掃除を始めとした家事全般が楽になりますと大変喜んでいました。平和な活用方法でなによりです。
治世の方も順調です。併吞したカの国も当初は混乱こそしましたが、今やすっかりソの国に馴染んだ模様。法整備を始めとして新たな政策もどんどん進めています。
民衆の意見を目安箱という形で吸い上げており、一夫多妻制にしてくれという意見には即ハンコを押しました。ハーレムは男の夢ですからね。わかりますとも、名も知らぬ同士よ。
□月〇日 晴れ
ハゴロモとハムラ、それにアヤメやシオン、クオンにキョウカたちには苦労をかけます。アヤメとシオンはアイナの、クオンとキョウカはアイノとの子ですね。
子作りは今でも継続して行っており、カグヤはすっかり十児の母となりました。
アイノとアイナに関しても、それぞれ十三もの子を産んだ結果に。余裕でサッカーチーム作れますね。
宇宙からやって来たカグヤはともかく、アイナとアイノは頑張りすぎだと思いますが、チャクラの実を食べてから調子が良く、産後の肥立ちもあっという間に回復。すぐに次の子を産める準備が整ってしまいます。
本人たちの性欲も衰えを見せないので、もちろんそうなると万年ウェルカムな私とすれば断るわけがなく。結果、こんなに子供が増えてしまいました。
幸いにして私は皇なので、甲斐性だけはあります。
そして大変申し訳なく思いますが、ハゴロモとハムラ、アヤメとシオン、クオンとキョウカなどの長男長女たちに子供たちの世話を任せてしまうのが現状です。
もちろん私やカグヤたち母組もお世話をしますが、私は国政に鍛錬、カグヤは来る侵略者――恐らく大筒木一族の撃退に備えての準備。アイナとアイノはそんな私とカグヤのフォローで手が回らない様子。なので自然と兄弟たちの世話をハゴロモやアヤメたちに任せてしまうのです。
分かっています、もちろん相応のお礼はしますとも。
ハゴロモとハムラは休日の時に稽古をつけること、アヤメたちは甘味や可愛らしいアクセサリーなどが欲しいとのことですから。期待していてください。
今後は0時に更新します。
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