※この作品はR-18です。

朽ちぬ木の葉は色褪せず   作:ナルキケーネ(ハーメルン支店)

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第三五話 救えぬ末に、なおも命を守るなら

 マルテーサの背後に浮かんでいた死霊が光の粒子になって浄化されていき――どたん、と大きな音を立てて、海賊船の長の背中が床に激しく打ち付けられました。

 

 その近くには、私が根元から斬り潰した黒い腕と、その手に握られていた銃が転がり落ちて……しゅわしゅわと燃えるように、黒い腕が靄に変わっていきます。

 

「や、った……はぁ……はぁっ……!!」

 

 全身の力をほとんど使い果たした私はその場で尻もちをついて、変身させていた暁をぽこべぇの姿に戻します。彼の助力……そして、私を支えてくれるみんなの力が無ければ、この微量な余力を残すことはできなかったでしょう。

 

『がふっ……! よく、やったな……風真……!』

 

 穴だらけになった羽織を揺らし、肩で息をしている私の隣に――ひゅごう、と大きな風を逆巻かせてお屋形様が舞い降ります。

 

 その周囲には雨を降らせたように大粒の血が飛び散り、ぼと、ぼと、と剥げた鱗と肉片をいくつも落としました。

 

「っ……お、お屋形様……! お怪我のほどは……!?」

 

『大丈夫だ……とは、言い難いか……はは……。少し……血を、流しすぎた……が、はっ……!』

 

「待っててください、今すぐに――」

 

『おれのことは、構わぬ……。それよりも……おまえには、叶えるべき願いがあったはずであろう……ぐふ……! 〝願われた者〟としての勤めを、先に果たすのだ……』

 

 お屋形様は、大太刀を杖のように突いて深く座り込みました。その視線の先では、仰向けに転がった竜禪の仇敵――胴体と頭だけが残されたマルテーサが、か細いうめき声を漏らしていました。

 

「げ、ふっ……おえっ……おええっ……! ここまで、かよ……あたし……このまま、死ぬの……ね……フフ……ウフフ……げほっ……ごぼっ……!」

 

「……マルテーサ……!」

 

 私はマルテーサに駆け寄り……抵抗する手段を全て失いながら、それでも生きている身体と命を抱いて、その顔を覗き込みます。

 

「……なによ、その辛気くさい顔は……。あんたをレ×プした犯人が死ぬんだから……もっと、嬉しそうに……しなさいよ……」

 

「……それは、もういい……! 待っててね……今、助けるから……!」

 

「…………ハッ……! なんの、冗談か……知らないけど……手遅れよ……げ、ほっ……がはっ……っ……!!」

 

 宙に向かって、穢れた血反吐を吐き散らすマルテーサ。その身体を守るように包んでいた妖しい力が解けて、赤い海賊の装束が霧消していき……元の白い修道服に戻ってしまいました。さらに、四肢の断面を覆っていた黒い塊が消滅し、剥き出しになった肉の断面から、どす黒い血がどぼどぼと溢れ出してしまいます。

 

 私は急いで服を脱ぎ、この場で神酒を搾ろうと考えていたのですが……マルテーサの黒い傷口を見て、それが無意味であることを悟ります。マルテーサの四肢は切れたのではなく〝この世から無くなって〟いたのです。

 

 神酒は深い傷を癒やせる便利な万能薬ですが、無いものを与えることはできません――如何に奇跡の力とはいえ、この世に無い物をまったくの虚無から作るには時間が足りなかったのです。

 

「……まぁ……おめ、でと……。敗者に、救いを…………勝者には……報いを……。それが……あたしたち、マテルの……役目だから……受け取んなさい……」

 

 力なく笑ったマルテーサの目元――二色の宝石の輝きに誘われて、私はよくわからずに顔を近づけます。すると、マルテーサが私の頬に接吻を交わし――覗き込む海のように深くて、母の抱擁のよう温かい力が、私の右目に宿りました。

 

「…………マルテーサ……其方は……」

 

「……勘違い、しないでよ……げほっ……。情にほだされたわけでも……あんたを、好きになったわけでもない……。ただ……『あたしに勝った』こと……認めた、だけなんだからね……」

 

「…………うん……ありがとう……大事にするね」

 

「…………ケッ……。あの、クソデブチ×ポ野郎なんかに……負けたら……許さないんだから……。地獄に、追って来たって……塩を撒いて、追い返して……やるからね……」

 

 私は、刺々しい憎まれ口を叩いている彼女の心に、確かな温かさを感じて……黄金色の光を放つ右目からこぼれた涙を頬に伝わせ、マルテーサの顔に、ぴとりと雫を落としました。

 

 マルテーサは、やわらかな温もりで濡れた頬をわずかに緩ませて……次第に、荒れていた呼吸をゆっくりとしたものに変えていきます。

 

「……死ぬの、って……こんな、感じ……なの……ね……。寒くて……怖い……想像どおり、なのに……ふふっ……悪くない、かも…………それに……眠くて……………………」

 

「あ……ああっ……!! だめ……マルテーサ……!! 死んじゃダメだよ……逝かないで……!!」

 

 マルテーサの瞳から生気が消えていき……全身から力が抜け、首が後ろに倒れてしまいました。死に招かれ、手が届かない場所まで命が連れ去られてしまう――その姿が、私のために〝命〟を尽くそうとしてくれた、カフの国でのレオーニオと重なりました。

 

「……ま……マルテーサっ……!! ちゃんと、意識を保って……! レオーニオのことを、壊してまで……全てを切り捨ててでも、生きようとしていたじゃんか……! だから……そんな簡単に、あきらめないで……!」

 

「…………レオ、たん……そうだ……レオたん……痛いこと、して……ごめんね……。ウェニちゃん……あたしの、せいで……酷い目に、遭わせて……ごめん……ね……。あたし……一番、偉い立場だったのに……わがまま、ばっかり……言っちゃった……ごめんねぇ……!」

 

 大粒の涙をこぼして、マルテーサが今際のきわで懺悔を続けました。それは、もしかしたら……彼女が生き続けようとしていたときには、誰にも見せられなかった弱さだったのかもしれません。

 

「……ごめん、ね…………キミ、たち…………。あたしの、こと……忘れて……幸せに、生きて…………っ…………やだ……いやだぁ……! 忘れられたく、ないよぉ……みんなの世界から……消えたく、ないよぉ……!」

 

「マルテーサ………………あれ……?キミ、たち……? 部下の男の人たちのこと……? 生き残りがいるの!?」

 

 私は湖の畔に浮かんでいた数多の死骸を見て、レオーニオから託された〝秘密兵器〟が使えなくなったと思い込んでいました。

 

 しかし――『マルテーサに絶頂の幸福を感じさせられる者』が生存しているなら、まだ手立てがあったのです。

 

「……くすん……船内の……牢屋の、中に居る……。ブスジマ様の〝祝福〟から……逃れるために、結界を張って……『使わない』ように……してたから……」

 

「それだッ!! マルテーサ、もう少しだけ頑張って……!! レオーニオが……貴方の命を救うために、作ってくれたものがあるから……!」

 

「…………レオたん、が……? あたしの……ために……?」

 

 私はぽこべぇにお屋形様の護衛を頼んでから、マルテーサの脱力した身体を抱きかかえて、血飛沫を飛ばしながら船内へと駆け込みました。

 

 迷路のようになっていた通路を大急ぎで駆け抜け、鉄格子で閉ざされた場所に辿り着き――部屋一つ分の大きさもない黒円の中に囚われていた男性たちと合流します。

 

「っ……その羽織……竜禪の武士と……あッ、船長……!? そんな……負けちまったのか……!?」

 

「チクショウ……! お腹の奴らを潰されて、ソウリョクが足りなかったんだ……だから、俺たちの命を使うように言ったのに……!」

 

「ああ……そんな、腕も脚も失くしちまって……! た、頼むよ……俺たちの船長を、殺さないでくれ……!! あんたは知らないかもしれないが……もう……たくさん、報いは受けたんだよ……!酷いこと、しちまったけど……十分、酷い目にも遭ったんだよぉ……!!」

 

 マルテーサの部下たちは、涙を流しながら額を地面にこすりつけて、必死に懇願してきました。マルテーサは、きっと……この、愛すべき部下たちを守るために戦い続けてきたのでしょう。

 

 イサリビや国……自分の大切な人たちを守るために力を握っている私が、彼女の強い想いを否定することなど、できるはずがないのです。

 

 自分の敗北を覚悟してまで命を守り……同時に、その相手が自分の命を守ろうとしてくれる。その強固な関係性に、マルテーサがここまで慕われている理由を強く感じました。

 

「お、落ち着いてください……! 私はマルテーサを助けるために、皆殿に会いに来たのです!」

 

「へ……? 助けるため、って……このダルマみたいな状態から、どうにかできるんですか……!?」

 

「……いえ……傷を治すことは、できません……。でも……マルテーサの〝命〟だけは守れるかもしれないのです……! 今までどおりに戻れないかもしれません……愛のかたちが、変わってしまうかもしれません……それでも……! 貴方たちは……『マルテーサに生きていてほしい』と願えますか……!?」

 

 ――その先の人生を二分するような、とても大きな選択。その答えを今すぐに求めるかのような、私の圧が強めの問いに対し――彼らは、微塵も迷わずに首を縦に振りました。

 

「『このままだと死んじまう』ってのはわかりますよ……俺たちが生きているのは、『船長に生きていてほしいから』って理由だけなんだ……!」

 

「おうよ……!『生きててえらい』ってのは、そういうことだろ……! 武士……いや、武士さん……!俺たちは、船長のためにいったい何をしてあげられるんだ!?」

 

 海賊の一味が、私とマルテーサを取り囲み――おおう!!と勢いよく腕を振り上げて、牢屋の中に勇猛な声を反響させました。

 

 ……………………。

 

 幸いにも、マルテーサの損失した部分の傷口は、悪魔の力で張られた黒い結界の中であれば薄い膜で塞がって、現状維持をできるようでした――が、悪魔の力を既に失っているマルテーサはそれを再展開することはできないため、時間稼ぎにしかならないことは明白でした。

 

 一味の方たちには衣服を脱いで、牢屋の床に布団のように敷いてもらいました。私は、そっぽを向いてぐすぐすと泣いているマルテーサをその場所に寝かせて……道具入れから〝秘密兵器〟を取り出します。

 

 その兵器は……茶色い毛がもこもことしている、ぽこべぇと同じ大きさと丸みを持った小動物の身体でした。もにもにとした弾力があるお肉の生々しい質感と、血が巡っている温もりは〝生き物の身体〟であることを実感させます――その血色のいい顔は、マルテーサによく似ている美少女のもちもち顔が象られていました。

 

「……ん……? なんですかそれ? 船長とクマが合体したぬいぐるみ?」

 

「ええっと……かざまも、よくわかっていないんですけど……これ、マルテーサたちが使っている〝びーた〟と似たものみたいで……」

 

「ヴィータと……? ってことは……それを、船長の〝命〟の容れ物にするってことですか!?」

 

「れ、レオーニオの言い方的には……そうなりますね……たぶん……。し、死んでしまうよりかはいいかと……かざまも思うのですが……ど、どう思います……?」

 

「お、おおう……いや、たしかに船長はクマが好きだし……うーん……せ、船長が生きられるなら……なんでもいいや……! なあ、みんな……!生きてる方が大事だよな……!?」

 

 ちょっと複雑そうな顔をしながらも、殿方たちは納得してくれました。一応、マルテーサの様子を窺うと……。

 

「……な、何よあれ……超かわいくない……?♡ あたしがあんなファンシーな姿になるの、ちょっとキツく思われそうだけど……い、生きるためなら、仕方ないわよね……えへ……♡」

 

 ……ちらり、とこちらを見やって、その〝器〟に目を輝かせていたようなので、マルテーサの了承は得られたと考えました。

 

 ……この時ばかりは、異教が〝命〟を重んじてくれていて、本当によかったと思っていました。此の地に住まう方々だったら、ここまですんなりと受け入れてはくれなかったでしょう。

 

「それじゃ、さっそく使ってくださいよ! 船長、ホントに死んじまいそうだし……!」

 

「わ、わかりました……! では、えっと……皆殿で、マルテーサとえっちしてください!」

 

「よしわかった――――え?」

 

「ああ、エッチ――は……はぁあああああああああッ!? おまっ……急に何言ってんだ!? バカじゃねーの!?レ×プでクリとポルチオ開発したせいで狂ったんかよ!?」

 

 マルテーサは瀕死の重体で寝たきりのまま、怒声のような疑問をぶつけてきました。そんな彼女をどうにか宥めて、私は一味の方たちに説明をします。

 

「このクマさんは、びーたと同じで……幸せの絶頂を感じないと、当人の命を移動できないんです。私、女の子とえっちするの……その……そこまで、たくさん経験がなくて……責められてばっかりだったし……」

 

 実は……西側を旅していたときに、寒い夜に人肌恋しくなって、余さんとくっついて寝たことがあったのですが……八武信仰と神酒の話をしたら、彼女が面白がって、『こんな感じで搾れるの?』といたずらをされて……そのまま、一夜の過ちを犯してしまったことがありました。

 

 あのときも……いや、あの……余さんってば、もうすっごいお上手で……。ずっと、外とナカからくりくりと転がしてきて……私は、されるがままだったのです……。

 

「な、なるほど……対して、俺らは船長のことはイかせ慣れてるから……それで、俺たちの所に来た、と……」

 

「よ、よっしゃ……!それなら、さっさと始めようぜ! ここに閉じ込められてから、ずっとオナ禁してたもんな!」

 

「ちょっ、ちょっと待ってキミたちぃっ! やだ!やだ……他の人に見られながら、セックスすんのとか……無理だって……! あ、こらっ……いやぁんっ……!♡」

 

 殿方たちは大慌てで残りの服を脱ぎ散らかし、全裸になってマルテーサの顔と身体を覗き込みました。魅惑の女体を覆っていた聖なる装束を全て脱がし、たっぷりと柔らかそうに膨らんだ大きな乳房を晒させ……既に濡れていた秘部を、ぐぱぁ、と指で割り開きました。

 

「そう言いつつ、船長のマ×コも濡れてますけどね……武士さん、俺たちは普通にヤッてればいいんですか?」

 

「……うわ、でっか…………………………え? あ、はい……それで大丈夫です……」

 

「……武士さん、あんまり俺たちのチ×ポをジロジロ見ないでほしいっす……これ、一応船長専用なんで……」

 

「…………すみません……おっきいのばっかりで、びっくりしちゃって……。その……えっと……皆さん、お若いですね……♡」

 

 ……一味の方たちのそれは、とても立派に、野性的にもりもりと反り返っていました。まあ、お屋形様ほどではないですけれど……なんというか、生々しい大きさと血管の浮き出具合だったんですよね……ちょっと、つい……目を惹かれる感じの……。

 

 ……こほん……。私は胸の高鳴りを抑えられないまま、マルテーサの頭を膝に乗せて、首の横にぬいぐるみのような身体を並べました。

 

「あっ、この子かわいい……ぶ、武士さんも一緒にヤらないっすか? 見てるだけなのも寂しいっしょ?」

 

「おいこらてめぇおらァ!なにこんなガキンチョに鼻の下伸ばしてんだ!? くっそ、手と足があればお仕置きできたのにっ……このっ……!!」

 

「あっはっは、冗談ですよ、冗談」

 

「冗談にしてはチ×ポがギンギンじゃねえかよぉ!! ねえ、浮気とか……ホントに許さんからな……? あ、あたしのことだけ見てよ……お願い……捨てちゃ、いやぁ……!」

 

「わかってますって! それじゃ、船長……行きますよ……!」

 

「えっ!? ま、待って……心の準備っ……あっ♡あぁああっ……♡ き、キミのっ……太いの、入って……はぁんっ……!!♡」

 

 勃起がマルテーサを襲うように囲んで、その中の一つが麗女の膣内に挿入されていきました。興奮を持て余した男の手が西瓜のように実った乳房を揉みしだき、膨らんだ乳首をつねり……マルテーサの嬌声によって、私の近くで滾る陰茎たちがどんどん角度を持ち上げていき、雄臭を放っているのがわかりました。

 

 ぱん、ぱん、ぱん、と肉を打つ音が牢屋の中に反響していき、泡立つ蜜の音が激しくなっていきました。私がこの場所に捕らえられて、女陰を執拗に犯されていることをどうしても思い出してしまいます。

 

「あっ♡あぁっ……あ、ぁんっ……♡ すごいっ……♡チ×ポ、ガリガリきてるっ……!♡ あたしっ……ホントに、オナホにされちゃってるっ……ぅうんっ……!♡」

 

「船長……船長……っ……! くっ……もう、出ますよ……うっ……!!」

 

「きゃ、あんっ……!♡ あっ♡あっ……熱いの、出てっ――あっ♡イくっ……あたし、もっ――イッ……くっ……♡ ~~ッ……!!♡」

 

 マルテーサは背中をくねらせて、揉まれる乳房を左右に伸ばされながら絶頂に達しました。かくかくと震える股間から飛沫を飛ばして、首を張って、私にはしたない顔を晒しながら……膣内に精液を注がれる快感の余韻に浸っていました。

 

 すると、その時――マルテーサの膣内を犯していた男が顔をしかめます。わずかに見えていた、陰茎に刻まれていた烙印が、ぼんやりと黒く輝いて――マルテーサの胎内にずるずると吸われていったのです。

 

「ぐ、おっ……い、今のは……!? ブスジマ様の刻印が……なくなってる……!?」

 

「ふのっ……♡はぉぉおんっ……!!♡」とマルテーサを喘がせながら、男がずろりと陰茎を引き抜くと――そこには、他の肉棒たちとは異なり、聖なる祝福の痕が刻まれていませんでした。

 

 私はその立派なおち×ちんの――いや、違う……! 刻印! 刻印の違いを交互に見比べてから、呼吸を乱しているマルテーサの顔を覗き込みました!

 

「マルテーサ……これって、どういうこと……?」

 

「し、知らない、わよっ……♡ あたし、今は……悪魔の力、失ってるから……『浮気した』って判定を受けたんじゃない……?」

 

「……? 浮気をすると、解放されるの……?」

 

「……はぁ……はぁ……♡ す、少なくとも……船の外に逃げた子たちは、あたしを裏切ったから自由になれてたし……。それに、ソウリョク――〝信心が生む力〟を使ってるんだから……執着を捨てれば効力が弱まるのは、たしかに道理だわ……」

 

「…………なるほど……じゃあ、今のマルテーサと皆殿が順番にえっちすれば……全員、助かるってことだよね……?」

 

「ええ、そうだわね…………え゛ッ……?♡ いや、待って……それって……つまり……!?」

 

「よしよし! まだまだ船長を最高の絶頂にブッ飛ばすには足りなさそうだなぁ。次は俺の番っすね!」

 

「ちょっ、こらっ、ばかぁっ……!♡ まだ、余韻が残って――あぅううんっ……!?♡ や、ぁんっ……!♡硬くて、熱いっ……あぅううっ……!!♡」

 

 男は同胞が吐き出した精液のことなど気にせず、続けざまに挿入して、ずぶずぶ、ぬるぬるとマルテーサの秘部を責め立てていきました。

 

 水面を手で乱すような水気の多い性交の音を奏でていき……子種をびゅうびゅうと吐きながら抽挿を重ねて、じわじわと刻印を啜られていきました。

 

「う、ぁっ……♡あっ♡あんっ……♡はぁああんっ……!♡ う、動けないっ……♡快感、逃がせないんだってっ……!♡ こ、これっ……激し、すぎるわよぉっ……!!♡」

 

「……マルテーサ……すっごい、えっちな顔をしてるでござるな……♡ かざまも、ちょっと…………んっ……♡ ちゅ、ぅっ……♡」

 

 たくさんの勃起が汁を垂らして順番待ちをしている中で、その臭いと熱気にあてられたのか……私も、お股が熱くなって、我慢できなくなってしまいまして……つい、マルテーサの唇に自分の顔を寄せてしまっていました。

 

「はっ……!?ちょっと、今、キスなんて――んぅ~っ……!?♡ ふみゅっ……くっ♡ふぅっ……んっ♡んくっ♡くっ♡くッ――ふぅうううんっ……!!♡」

 

「あー、イくっ……船長、出しますよ……! 出る出るっ……うっ……!!」

 

「ふごっ……♡ぉおおっ……!!♡ ふんほっ……♡ほっ……ほほぉおおっ……!!♡」

 

 びゅぐ、びゅぐ……と粘液が肉膜をほじくる鈍い音が胎内から響き渡り、マルテーサを再び絶頂に押し戻しました。幸か不幸か、性感に慣れていたマルテーサの身体は、たった二度の射精では幸福の絶頂に達することができませんでした。

 

「んくぅっ……ふぅっ……ぷ、ぁあっ……♡ ぜ、へぇっ……へぇっ……♡ ちょ、ちょっと……休憩、させて……♡ チ×ポで、死ぬ……溺れ死ぬ……!!♡ 拾った命、マジで落とす……からっ――ぁああんっ……!!♡ ま、また……チ×ポ、入ってっ――くぅうんっ……!!♡」

 

 それから間髪入れずに、次の殿方が汁まみれの肉棒を突き入れて……性器同士を叩きつけるように激しい情事を始めました。しばらくのあいだ、牢屋の中には、マルテーサの切ない声が反響し続けたのでした。

 

 ……………………。

 

『……風真、遅いな……何かあったのではあるまいな……』

 

 竜人の姿のまま座禅を組み、傷を癒やすことに集中していた守護者が顔を上げる。いろはが船内に駆け込んでから一刻……そしてさらに半刻が過ぎようとしていた。

 

 守護者が最愛の存在のことを心配し始めた、ちょうどその時――船内に通じる扉が開かれ……ぞろぞろと、一仕事を終えて良い顔をしていた面々が甲板に姿を現した。

 

『風真……! ずいぶんと時間がかかったな』

 

「あ、あはは……すみません……ちょっと、いろいろとありまして……」

 

『…………どうやら、そのようだな……』

 

 眉をひん曲げた守護者は……甲板で陽光を浴び、身体を伸ばしている海賊たちの姿を見やる。その中で、最もリーダーシップがありそうな男の腕の中では――マルテーサと似た顔を持つ小動物が暴れていた。

 

「うわ、わわっ……!? ちょっと!ちゃんとバランスよく抱っこしてよぉ!! け、けっこう地面遠くて怖いんだけど!?おしっこ漏らすぞ!?」

 

「勘弁してくださいよ……! おしっこするなら、手で持って船の横から突き出しますんで――」

 

「ざッけんじゃねえよ!? 女の子に野ションさせるとか変態すぎんだろ!? あ、こらっ、ホントにヤんの――ひぃいッ!? こ、湖面が遠いっ……あっ♡やだ、ホントに漏れるっ……♡ あっ……あっ……あぁ~……♡」

 

 束ねている赤髪を切なげに震わせて、子熊のような小さな生き物が……ちょろちょろと陽光に虹を輝かせる。マルテーサの一味たちはすっきりした様子で、爽やかに笑いながら、その元・美少女の痴態を見守っていた。

 

「ふ、ひぃ……はぁ……♡ も、もう……お嫁に行けない……サイアク……!」

 

「お、おい……次は俺に抱っこさせてくれ……! ほうら船長、こっちだぞぉ!」

 

「何言ってんだ!次は俺の番だ! クマ船長!一緒におやつの笹を取りに行こうぜ!」

 

「パンダじゃねえわ!! ハチミツ採ってこいよ!ハチミツをよぉ!! あ、ちょっ……こらぁっ!♡いくらカワイイからってぇ、あたしのために争うのを止めてくだたァい♡」

 

 生き残りの男たちと、その中心でぽんぽんとお手玉にされているクマっぽいマルテーサたちは、心底楽しそうに笑い合っていた。その様子を見て、いろはが顔を綻ばせる。

 

「ふふ……♪ ちょっとだけ、姿形は変わってしまいましたけれど……あの様子であれば、仲良くやっていけそうですね」

 

『ふむ。マルテーサの命を、あのようなかたちで守ったのだな。それにしても、風真……おまえ、顔が赤いぞ。いったい何をしてきたのだ』

 

「…………お屋形様のえっち」

 

『何故そうなる!! おれは何をしていたのかを聞いただけで――ムッ!! 避けろ!風真ッ!!』

 

「えっ――なぁっ!?」

 

 緩みきっていた空気に、一瞬のうちに緊張が走り抜ける。船内からズルズルと這いずるように現れた白濁の怪物が、いろはの胸元に抱きつくように吸着した。

 

 船内の牢屋では、マルテーサの肉体の消失に伴い、闇色の結界が崩壊していた。その中に封じられていた、男たちから剥がされた聖なる刻印が一つに連なり――人の頭ほどの大きさがある蜘蛛型の怪物となって、竜禪への敵意を剥き出しにしていたのだ。

 

「ぎゃっ……ううっ……! くっ……これ、取れないっ……!! なんで……!? く、そぉっ……!!」

 

 マルテーサの救済でソウリョクを完全に使い果たし、刀の形成すらもおぼつかない状態のいろはが必死にもがくが、精液のように流動する半固体の物体は掴むことができない。

 

 その白濁の性獣は、天を覆う三つの輪から破壊的なエネルギーを注ぎ込まれて、次第に輝きを孕み始め――ボコボコと膨らみ、ひび割れた爆弾のように光を漏らし始める。

 

「あ……あぁああっ……!! これ……どうすれば……!? も、もう……爆発、する……!!」

 

『ッ――危ない!風真ぁッ!!』

 

 表情を絶望に染めたいろはを、守護者の血まみれの腕が掬い上げる。大穴がいくつも空いた翼を広げて上空へ跳び上がり、ソウリョクを込めた爪で白濁を引き千切って宙に放り投げ――その瞬間に起こった爆裂と閃光から、少女の身体を背で庇った。

 

『が、ぁああああああああッ……!!』

 

「ッ……!? だ、大丈夫ですか……お屋形、さまっ……! お屋形様ぁあああああっ!!」

 

 竜鱗に守られていた背面が、象徴的だった大翼ともども抉り飛ばされる。身体を構成していた肉と骨の半分を失った守護者は、いろはを抱いたまま落下していき――湖面に大きな水柱を作り、そのまま、陽光が届かない水底へと沈んでいく。

 

 ごぼ、ごぼ、と血に濡れて光を失っていく気泡の中で――目を見開いていた少女は、遥か昔から続いている生命の煌めきを見つめていた。

 

 

 

『――〝龍神〟よ。どれだけの人を喰らえば、その腹は満たされるのだ』

 

 

 

『おれは忌むぞ。おれは憎むぞ。命を喰らうばかりの貴様を――貴様を〝善〟として祀る蒙昧の信仰を』

 

 

 

『おれが守る。守ってみせるのだ。胡乱で愚鈍な信仰から、大切なものを――おれの家族を、この命に代えても守り抜いてみせるとも――』

 

 

 

 ――どこかで聞いた声が、いろはの頭の中で反響する。その記憶を辿る暇もなく――少女の意識は、荒れ狂う泡の中で、ゆっくりと――意識を沈めていった。

 

 

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