※この作品はR-18です。

朽ちぬ木の葉は色褪せず   作:ナルキケーネ(ハーメルン支店)

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第四八話 〝偽物〟

 お屋形様と最後に愛し合ってからの時間――毒島に与えられた一ヶ月間は、目まぐるしい速度で過ぎていきました。

 

 お屋形様が此の地のあちこちを巡り、国や民を守りながら、密かに建造されていた軍事工場を破壊していたあいだに、私はお屋形様とは完全な別行動をとっていました。

 

 手分けをすることになったお話は、長くなるので省きますが……その間、お屋形様とは会うこともありませんでした。作戦行動を共にし、頻繁に連絡を取っていたレオーニオですらも顔を合わせることがなかったほどに多忙だったようなので、仕方ないことではありますが。

 

 ……『寂しくなかった』と言えば嘘になります。というか、ぶっちゃけるとすごく寂しかったですし、こっそり泣いてしまった日もあったのですが……お互いにやるべきことが目の前にあって、その難関を乗り越えた先にしか未来がなかったので、精一杯に身体を動かし続けました。

 

 ――進む道が一時的に異なっていても、目的地が同じながら、必ずまた会える。お互いにそう信じて、尽力した日々が過ぎ……そして、二〇日ほどが経った頃のことでした。

 

 真っ青な顔にどす黒い隈を浮かべて、目を真っ赤に腫らしていたレオーニオがお社を訪ねてきて……此の地に作られていた全ての兵器の破壊が完了したことと……数日前に、お屋形様と連絡が取れなくなったことの報告を受けました。

 

 LEONの方々がお屋形様を迎えに行ったときには、既に最後の工場が爆炎に包まれており……鎮火した跡地から、お屋形様が付けていた連絡手段の装置の残骸だけが見つかったというのです。

 

 ――「装置に残った情報は解析中で、行方も、生死すらもわからない」と。悲痛な表情で、言葉を詰まらせながらその事実を告げて……涙をこぼし、とうとう膝から崩れ落ちてしまったレオーニオは……嘘や冗談を言っているようには見えませんでした。

 

 私は思わず息を詰まらせて、レオーニオの震える肩を抱き……少しのあいだ、何も考えられませんでした。

 

 どれだけの時間が経ってしまったのかはわかりませんが……衰弱しきっていたレオーニオを、医療室まで連れ戻しに来たLEONの方々に任せて……私はぽこべぇと一緒に、再び各地を巡る旅に出ました。

 

 ……本当は、お屋形様が消息を絶った場所に向かって、しらみつぶしの捜索を行いたい気持ちもありました。でも、探し物が得意なLEONが総力をあげて見つけられなかったということは、〝そこにはもうお屋形様はいない〟のだと裏づけられていたのです。

 

 だから……「神様であるお屋形様が死ぬわけない」。「きっと今も、どこかで此の地のために戦っている」。なんて、何の根拠もなく、風が吹けば折れてしまいそうなほどに脆い支えを心に挿げて、自分に言い聞かせ続けて。私はお屋形様の言いつけを守り、竜禪全体や私個人、アマネ殿、余さん、そしてぽこべぇの力を最大限に引き上げることを目指しました。

 

 その中の一つが、竜禪信仰の強化でした。〝龍穴〟で気を高めて感覚を研ぎ澄まし、竜禪でも異教でもないソウリョクの存在――此の地に残っていた土着信仰の気配を辿って、〝竜禪への助力〟と〝竜皇による加護〟の等価交換を持ちかけていたのです。

 

 イワトでの経験から、竜禪の外から力を貸してもらえること――そして、私の力で手伝えることを増やしていきました。多くの村や集落を巡り、同意を得られた各地に〝ミヤ様の偶像〟を配置し、熱心な祈りを通じてソウリョクを注ぎ込んでもらっていました。

 

 いろいろなことを繰り返しているうちに……気づけば、毒島に予告された期限が数日後に控えていました。LEONや海賊団の人員を指揮し、イサリビの警護と発展に努めてくれていたクマルンの「協力者の声もちゃんと聞いておきなさいよ。〝いざ〟ってときに忘れられたら困るんだから」という助言もあって、私は竜禪に協力してくれる人たちのもとへ出向くことにしました。

 

「そうだよね……お屋形様や私のことを信じてくれている、大切な人たちだもんね。捧げてもらった祈りを引き受けるついでに、困り事があったら助けてあげようね!」

 

 しゃがんで顔を合わせた私の言葉に頷いてくれたぽこべぇと一緒に、協力者たちの生活圏の近くにある祠へと〝転移〟して……そこに住む人々の様子を窺う視察を繰り返しました。

 

 最初の数カ所は何の問題もなく、人々との交流を行いながら、貯まっていたソウリョクをお腹の中に移すことができたのですが……その次に訪れた〝サツの村〟では、ある変化が起こっていました。

 

「こんにちはー。竜禪の武士でござるー。あれから、何か困り事とかありませんかー?」

 

 私が村の入口を抜けると……つん、と生臭い香りの残滓が鼻を刺しました。そして、偶像への礼拝を約束してくれていた時間にもかかかわらず、人が定期的に集まるはずの広場には人影がまったく見えませんでした。

 

「……? なんだろ……誰も居ないし、なんか、臭いなぁ……。前来たときは、こんな感じじゃなかったよね……?」

 

「おっ!あんたァ、また来てくれたんか! 熱心なもんじゃねえのさ!」

 

 私とぽこべぇが並んで首を傾げていると……背後から、男の人に声をかけられました。

 

 突然すぎる大きな刺激で、一瞬だけどきりと緊張してしまいましたが……私はすぐに警戒を緩めて振り向こうとします――すると、近寄ってきた男性は……私の下半身に手を差し込んで、もぎゅり、と肌着の上から尻を揉んできたのです。

 

「ぎゃあんっ!? な、な、なななっ……何するんですかっ……!?」

 

「あン? なんだ、今日は生尻じゃねえんか……っちゅーか、あれだいな……なんかイモ臭い格好しとんのう。おとつい言ってた〝いめちぇん〟か?全然気づかんかったわ!がはは!」

 

「は、はぁっ!? っていうか……やんっ……!お、お尻、触んないでっ……!! もうっ……!!」

 

 私は、尻や股間付近を這い回り、あと少しで愛撫の域に達そうとしていた手の戯れ――今で言う〝せくはら〟から逃げて、慌てて装束の上からお尻を押さえました。

 

 尻を揉まれてからようやく顔を見た殿方は、何も悪びれる様子がなく、「なんだよ、急にかわいこぶっちゃってさァ」と鼻で嗤ってきました。

 

 ぽこべぇがぎりぎりと歯を軋ませて刀を抜こうとしていましたが、私はその優しい武士の怒気をなだめます。せっかく竜禪に助力してくれている方々ですし、まだ関係もそこまで深くはないので、事を大きくすることに抵抗があったのです。

 

「ぽこべぇ、抑えて……。その気持ちだけで嬉しいから……かざまはね、ちっちゃい頃から、こんなことばっかりで……お、お尻ぐらいは、まあ……だ、大丈夫だから……ね……?」

 

 私の必死な言葉を聞いて、ぽこべぇはとても不服そうにしながらも、握り締めた柄からしぶしぶ手を放してくれました。

 

 ほお、と胸を撫で下ろした私は、改めてその殿方と向き合いました……するり、とごく自然な動作で胸へと伸びてきた手を払い退けて、困惑しながら口を開きます。

 

「あ、あの……他の皆殿は、どちらに……? それと、ミヤ様の偶像が見当たらないのですが……?」

 

「……なんだ、格好だけじゃなくて頭までボケちまってんのかァ? あんなの随分前に、あんたの目の前で燃やしちまったべさ」

 

「……燃やしち………………え……? なに、それ……えっ……? どういう、こと……?」

 

 予想だにしなかったことが、あまりにも唐突に訪れすぎて――私は、耳に飛び込んできた情報をすぐに理解することができませんでした。

 

 その言葉を何度も頭の中で繰り返して、どうにか自分の意識に取り込もうとしていると……かんかんかん!とけたたましい木の音が聞こえてきて……何者かが、凄まじい速度で地面の近くを這い寄ってきました。

 

「ぎっ――きしゃまああああああああああっ!! よくも、よくも……よくも……!!のうのうと、この村に足を踏み入れたおったなァ!!」

 

「ひえっ……!? あ、あなたは……野盗に、家宝を盗られていたおばあさん……ですよね……?」

 

「ああ!?そうだァ!! そんで、今度はアホみてえに信じちまったおめえに……村の信仰まで盗まれちまった……バカ女さァ……!!」

 

 そのおばあさんは、しわが目立つ目元から大粒の涙をこぼして、私の足をがんがんと杖で叩き続けました。その鈍い痛みよりも……おばあさんの悲痛な表情と声音が、私の胸を強く痛めつけます。

 

「あ、あの……何が、あったんですか……!? 一〇日ほど前……かざまが最後に来た時から、いったい……何が……!?」

 

「きええええッ!?し、しらばっくれんでねえど! おめえがあの腐った異教に負けちまって……恥ずかしげもなく見世物にされてよ……この村は、もうしっちゃかめっちゃかだァ……終わりなんだァ……!!」

 

「……異教に、負けて……見世物に……? なに、それ……かざま、知らないでござるよ……?」

 

 知らないことばかりに直面し、私が戸惑っていると……村の外から、年老いた全裸の男性が股間をぶらつかせながら走ってきました。

 

「おお!ようやっとめっけたぞ! おめこ様がよ、おめえのぶっとい魔羅を欲してたんど! おらたちの老いぼれ魔羅じゃあ『物足んねえ』っつってよ! はよう来ィや!」

 

「おほっ! おいちゃん、それは本当かい! この、尻も触らせちゃくれねえ〝にせもん〟なんか放っておいていこうべや!」

 

「あーん? にせもんだぁ?」

 

 老けた全裸の殿方は、頭が働かなくて身動きすら取れない私に対して、おもむろに手を伸ばして……わしり、と乳房を鷲掴みにしてきました。その屈辱的な刺激を受けて、ようやく私の身体が動き始めます。

 

「ひっ……きゃああっ!? な、なぁっ……何を、するんですか……!! さっきから、酷いですよ……!」

 

「ヘン!こんなチンケな乳でよ、あの御方のにせもんが務まるかいな。その顔、まさに〝面汚し〟だっぺ」

 

「ッ……!? ぶ、無礼な……!貴方たちに、そんなことを言われる筋合いは――」

 

「あー、そういうのいいんだ、もうさ。おれらも、女共も……もう、あんたに用はねえから、さっさと帰ェれや、な!」

 

 むずむずと股間をいきらせた男たちは、私の全てを無視して、村の外へと走って行ってしまいました。それに合わせて、怒りに震えていたおばあさんや、いつの間にか私に敵意を向けていた女性たちが、石を拾って私に投げ付けてきました。

 

「この売女がっ……子種便所がっ……!! また来やがったらよお!その下品なおめこに鍬さ突き刺っからなあ……!!」

 

「いたっ……痛い……!! やめて……ごめんなさい、ごめんなさいっ……!! 去ります……去ります、から……いたぁいっ……!!」

 

 憎しみと憤怒が込められた石の雨に打たれると、私が知らずしらずのうちに悪いことをしたのではないかと不安になって……思わず、謝罪の言葉を口にしてしまいました。

 

 私を庇おうとしたぽこべぇを胸に抱き締め、羽織の浅葱色が風に映える背中に心無い投石を受けながら……私は、村を後にします。幸いにも、人々に忌まれて排斥されたことは何度も経験してきましたから……「ああ、またか」と、その痛みはすぐに割り切ることができました。

 

「……うう……でも、いったい……どうして……? 私……何か、しちゃったのかなぁ……? ぽこべぇ……何か心当たり、ある……?」

 

 眉を困らせて一緒に悩み、私の頭をよしよしと撫でようとするぽこべぇの心配そうな顔が、病みかけた心を救ってくれました。

 

 ……お屋形様のこともずっと心配だったので、彼が居なかったら、強くない私の心は折れてしまっていたと思います。本当に、今も昔も、ずっと頼りになっている相棒なんです……あの子は……。

 

 ……こほん。私は、久しぶりに味わった辛苦が尾を引かせる鈍痛に耐えながら、遠回りをして祠に向かって歩いていきました。すると、どこからか――ぱん、ぱん、と祭を盛り上げる柏手のような音が聞こえてきました。

 

「……ん……? なんだろ、この音……? 人……女の子の声も聞こえる……?」

 

 妙な胸騒ぎを覚えた私は、心を波立たせるような調子に釣られて、ふらふらと足を動かしていきます。聞こえていた〝楽しそうな音〟が少しずつ大きく、鮮明になっていき――。

 

「………………………………う、そ……?」

 

 ――先に、耳の良いぽこべぇが。そして、遅れて私が――聞こえてきた〝声〟に、心の臓を、ぐぢゃり、と握り潰されました。

 

 

 

『ああ、そうさ。今も生きている、立派な命で――あたしみたいな〝生粋の偽物〟の言うことを信じ、愛してくれている信者たちだよ。いわゆるファンってヤツさ』

 

 

 

 ――〝偽物〟。村人たちが軽率に放った言葉が、かつて敵対していたレオーニオの皮肉めいた呟きと重なり合って反響し……気持ちわるい衝撃が脳の中で何度も跳ね返って、頭を酷く痛ませました。

 

 戦慄の氷血が管を巡り、全身が冷えていくのを感じながら……私は足をもつれさせて、声の発生源まで転げるように辿り着きます。すると、そこには――。

 

「あ、あっ……あああっ……!! おめこ様のほとがっ……マ×コ……たまんねぇっ……!! 締まって、うねって……うおおおっ……!!」

 

「んぢゅるるっ♡んぽっ♡んぽっ……ふほぉおっ……!!♡ あっ♡あっ……♡やっぱ、このおじさんチ×ポっ♡いい~っ……!♡ 年寄りチ×ポとは違って、ちゃんと芯が通って――んほぉおっ!?♡ 子宮口っ――くぅうう~んっ……!!♡」

 

「ほれ、おめこ様! わしの魔羅も……はよう、魔羅を舐めとくれよ……! 『生きててえらい』んだべ……!?」

 

「んぁっ♡あぅうんっ……! はい、はぁい……っ……♡ 順番っ……だからねっ……あっ♡やっ♡ぁあんっ……!♡ そんなっ♡ガスガスっ♡突き上げないでっ……!!♡」

 

「おおい、こっちも頼むよぉっ……!! ああ、魔羅が痒いっ……早く、舌でしごいとくれ……!!」

 

「はぁっ♡あ、あぁんっ……!!♡ もぉ~っ♡このド腐れよぼよぼチ×ポどもっ、わがまますぎっ……!!♡ そんな、ほっぺたにくっつけないでっ……あ~……んっ……♡ぢゅぽぢゅぽっ♡ぢゅるんっ……!!♡」

 

 ――淡い黄葉色の髪を振り乱して……剥き出しにした、鞠のように大きくて丸い乳房を弾ませて――男の腰上に跨り、幾本もの男根を手玉に取っているおなごの姿がありました。その乱れきった痴態は、ウェニキスと初めて会ったときのことを思い返させます。

 

 ……あの時はまだ……爛れた淫行が、別世界のような――どこか〝他人事〟のように感じていました。でも、今、目の前に広がっている光景を〝そう〟とは思えません……乳房の大きさこそ全く違いましたが……その髪色も、顔も、声も……全てが、姿見の中に居る〝私〟と瓜二つだったのです。

 

「はっ♡あっ♡はぁ~ッ……♡ あー、ちょっとイくっ――あ、ん……?♡ なんだ……もう、見つかっちゃったぁ……♡」

 

 淫靡に身体をくねらせ、肉と水気を弾けさせて快楽を貪っていた少女が、私と同じ顔をこちらに向けました。そして、勃起した陰茎に囲まれている様子を強調するように……舌をだらりと伸ばして、震える亀頭を淫らに舐めてから……ぱっくり、と口内へ迎え入れました。

 

「んぽっ……ぐぽっ……くぽぉっ……!!♡ ん~っ♡ひんぽ、おいしすぎ~っ……!♡ かじゃまぁ、ひんぽ……だいひゅひぃっ……♡ む、んぽっ……ぐぽ……んぽぉっ……!♡」

 

「な…………なっ……なに、言ってるの……!? 貴女は、かざまじゃない……!! 勝手に……そんなこと、言わないでよ……!」

 

「んふぅ……ぶぅっ……くふぅうっ……♡ そんなの、あんたが勝手にイッてるだけ、じゃんっ……♡ こいつら、マ×コとおっぱいさえあれば、どうでもいいみたいだしっ……あんっ……♡」

 

 背後から近寄った年寄りの男性が、しわの目立つ筋張った手で……わっしり、と大きな乳房を掴みます。

 

「おおっ……これだぁ……この世の、幸福そのものだぁ……! とろけるわい……儂、生きてるわい……おほぉ……!!」

 

「あぁんっ……♡ おっぱい、取れちゃう……もぉ~っ♡ チ×ポもロクに勃たないスケベジジイのクセに、ちょっと上手いのやめろっ……あぁ~んっ……♡」

 

 おじいさんは、手の平で掴みきれない大きな果実をこねるように握り、先端に咲いていた大粒の蕾をつまむように引き伸ばして……〝私の声〟を甘く喘がせました。

 

 その間も、男根を握った手や亀頭を吸う唇、子種を搾り取ろうとする腰は、ぬぽぬぽ、ぬる、ぬる……と常に動き続け、男体を悦ばせていました。

 

「んっ♡んぅっ……♡ ほぉら、チ×ポ君……見てぇ……♡ 私のおま×こ、ね……? そこに居る澄ました顔の女と、まったく同じ感触なんだよ~……♡」

 

 私と同じ顔をした人は、私と同じ声で男を誘引し……肉竿から垂れた粘液で濡れた指で、私の股間を指し示しました。

 

「おおっ……これが、あの清楚ぶったおめこの感触なんかっ……! くぅ~!よおく濡れて、よおく締まる肉じゃねえか……なあ……! よっしゃ!次は直接犯してやんべ……!」

 

 少女の秘壺を下から突き上げていた殿方――先ほど、私の尻を掴んだ人がこちらを見ながら、間接的に私を犯そうと腰を激しく上下に振り始めました。その、〝性欲の捌け口〟として使われている嫌悪感は凄まじく……私の全身にぞわぞわと鳥肌が立ちました。

 

 その恥辱に合わせるように、少女を取り囲んでいた野獣の双眸が全てこちらを向き……女の肉体を犯しながら、へこ、へこ……と私の心を踏み躙ってきました。

 

「おー、こりゃあ……もう、出る、出るぞお……! おめこ様……一番奥にっ……!!」

 

「こ、こっちもだ……! あー、出る、漏れるっ……ううっ……!!」

 

「あ゛ぁ~、とろける……融ける……! もう、幸せが……あぁっ……!!」

 

「んふぅうっ……!♡ んぱっ……♡いっ♡イイよっ……出せっ……情けなく、チ×ポ汁噴いて、イっちゃえっ……!!♡ んぼっ♡ぼぉっ――んぶぅううっ……!!♡」

 

 風真いろはの顔を淫らに歪めて男根を喰らい、風真いろはの手で刀ではなく年老いた肉竿を握ってしごき回し、風真いろはの腰を蠱惑的に揺らめかせて陰茎を膣肉で揉み洗い――その〝私ではない少女〟は、幾本もの陰茎を同時に絶頂まで導きました。

 

 どくん、どくん……と、目に見えるほどに激しい吐精の鼓動を奏でながら……びゅるびゅると多方向から噴き散らされる白濁で、私と同じ顔や髪を汚されていきます。そして、男たちが腰砕けになっている隙に――いつの間にか手に持っていた装置を男性たちの身体に突き刺して、幸福に満ちていた身体を光の液体に変えてしまったのです。

 

 永久の眠りに就き、幸せな夢を見始めた人々の身体が……さらさらと、搾りかすのように輝く粉になって、衣服を現世に残したまま光の中に融けていきます。その神々しい煌めきの中で、淫靡な陰影に肉体の立体感を強調させた少女が私を見つめてきました。

 

「ぐぷっ……ごきゅっ……♡んふっ……♡ふぅっ……ふぅっ……♡ ちょっと、おやつを食べるつもりで、立ち寄ったクソ村に……まさか、あんたが来ちゃうなんて……♡ 運が良いんだか、悪いんだか、って感じだよねぇ……♡」

 

 その人は喉を鳴らして、射精された白濁液を美味しそうに舌で転がします。それが、〝命〟が遺した最後の子種――とても貴重なものであるとわかっていながら、味わうように飲み干しました。

 

「あ、あ…………あなたは……いったい……?」

 

「……んへっ……♡ 聞かなくても、わかるっしょ……?♡ 私は〝あんた〟の偽物で……あんたよりも、下劣な人間たちを幸せへと導ける存在……ってトコかな……♪」

 

 性交の余韻に浸っていたはずの少女は、ふらり、と身体と乳房をひねりながら立ち上がり……どろり、と股間から逆流した白濁を垂らしました。そして、両手で大きく張り詰めた瑞々しい乳房を持ち上げて、ふる、ふるん、と肉厚な先端をしならせながら――。

 

「んっ――げぇ~っぷっ……!!♡ んひっ……私ィ、カザマいろはで~っす……♡ ゴミカスチ×ポ、ごちそうさまでござる~……♡げぇっぷっ……ひっくっ……いひひひっ……♡」

 

 ――酷い性臭が混ざった吐息を、わざとこちらに向けて吹きかけてきました。それがただの挑発だとわかっていたはずなのに……私の中では、心の裏側を逆撫でされたように怒気が噴き出しそうでした。

 

 しかし――その隣で、私以上に怒り狂って鼻息を荒げていたぽこべぇが、とうとう刀を振り抜いてほぼ全裸の少女に飛び掛かりました。村人から辱められた私を見て、限界まで昂っていた勇士が……ぶちり、と感情の堰が切れて、放たれた弾丸のように地面を蹴っていたのです。

 

「ん~?♡ そこの魔羅タヌキ、ビンビンに盛ってんじゃん……♡ でもぉ、カザマぁ、ヤるならチ×ポがいいな~♡ 勃起ぐらいしてよ~♡」

 

 すると、少女は――光の液が詰まった装置をぬかるんだ膣にずぶずぶと突き刺しながら……〝ついで〟のように、空いていた手で虚空から光の西洋剣を取り出し、ぽこべぇの苛烈な突進をいとも容易く弾き返しました。

 

「……ッ……!? い、今のは……かざまの……技……!?」

 

 その反撃体勢は、まるで……そう……私の、写し鏡のようでした。私が慌てて受け止めたぽこべぇもそのことを察していたのか、怒りよりも強い警戒心を逆立てて精神を研ぎ澄ませます。

 

「ありゃ……なんか、いろいろバレてるっぽくない? なんだよ~、ネタバラシの時間には早いじゃんねぇ……そこの魔羅タヌキのせいだぞ~? 責任とって射精しろ~?♡」

 

「っ……貴女は……こんなことをして……! いったい、何を企んでいるのですか……!?」

 

「は……? 何って……見りゃ、わかるくない? 異教のカスチ×ポを狩って、ついでにリューゼンをぶっ壊してるだけですけど?」

 

「ぐッ……!? ど、どうして、そんなことを……!?」

 

「……目的とかは知らないけど……〝あんた〟が、そういう顔で絶望して――〝風真いろは〟を棄ててくれるかもしれないから」

 

「………………え……?」

 

 その少女が、一瞬だけ……へらへらとしていた笑みを消して、真剣な眼差しで、私に純然たる敵意を向けてきました。

 

 言葉の真意を量ろうとしていると……今まで以上に私と同じように見えた顔は、すぐにへらりと軽薄な表情を張り付けてしまいます。

 

「……ハァ……鈍すぎ。ダサすぎ。チ×ポ臭すぎ。こんなヤツの〝偽物〟とか、マジ勘弁なんですけど……コロリウムとかいうダッセェ名前の方が、まだマシかもしれんくない……?」

 

 コロリウム――その名前を忌むように漏らした少女の身体を、突然、光の祝福が取り囲みました。その〝転移〟の輝きは、以前にも見たことがあり――この企みの首謀者をすぐに判明させます。

 

「げっ……!またあのアブラマシマシチ×ポ豚の呼び出しィ……!? あのドリル調教、マ×コ壊れそうになるからめんどくさいんだよなぁ……こういうダルい仕事こそさ、あんたがイくべきだと思わね?」

 

 少女は気だるげに笑いながら、「ま、そのおっぱいじゃ〝私〟の代わりにはなれないか♪」と私を小馬鹿にしてきました。そのまま、〝違う道を辿った風真いろは〟とも呼ぶべき姿が、光の粒子に呑まれて存在感を失っていきます。

 

「ま、待って……! その見た目で、悪いこと……もう、しないで……!! 私は……かざまは、あんなこと……言わないよ……!! 偽物だとしても……そんなの……!!」

 

「ぎひっ……♡ぎへへへっ……!!やだよーだ!ぶぁーかッ!!♪ あんたが嫌がること、全部!ぜぇーんぶ!!余すことなくヤってあげるから!! いひひひっ……いひひひひひっ……あーッはぁっはっはァっ!!♡」

 

 コロリウムは嫌味な高笑いの残響と、命を搾り取った殿方の残骸だけをその場に残し――さあ、と太陽の光の中に消え去ってしまいました。

 

 あまりの衝撃と感情の激動に、私とぽこべぇは……しばらくのあいだ、呆然とその場に立ち尽くすばかりだったのですが……サツの村から来た方々が、「この阿婆擦れが男衆を喰っちまったんだ!」と怒声を発して、動けなかった私の背中を強く蹴り飛ばしました。

 

 私たちは、その場に悔しさや虚しさの涙を落とす時間も与えられないまま……「ヘビ女」、「淫魔」、「くそおめこ妖怪」などと罵詈雑言を浴びせられ……投げ付けられる土着信仰の呪具や大きな石などから逃げるように、イサリビに帰投するしかありませんでした。

 

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