レオーニオと部下の方々の助力を受け、私とぽこべぇは、毒島が控えているというネムフリャの街の近く――その上空まで来ていました。
がおん、と低い音を立てながら機械の鳥の扉を開き、吹き荒れる強い風に羽織と髪をはためかせ――眼下に広がる異教の本拠地を臨みます。
「おーい、いろはちゃん! ホントにここでいいのか!? 少し離れちまうけど、もっと下まで降りた方が――」
「――大丈夫! レオーニオは早く、イサリビに戻ってあげて! それで……皆殿のことを、よろしく頼むでござるよ!!」
心配そうにこちらを見てくる大切な友人に対して、私は強気に笑んでみせました。
直前に入った連絡では、野盗や太陽志士が徒党を組み、異教の旗を掲げてイサリビへと近づいているようでした。さらに、海の向こうからは先遣隊として、数多くの兵器が飛来しているというのです。
陸からの侵攻には余さんとアマネ殿が、海からの侵略には私よりも少し若い姿の肉体に心を宿したマルテーサとその一味の皆さんが指揮を執り、イサリビ総動員で力を合わせて対応してくださっているようです。
――お屋形様が亡くなっても、自分たちの〝今日〟を己が手で守ろうとする意思が芽吹いています。その夢を実現するために必要だった力は、優しき友たちの手によって培えていたのです。
「…………わかった……! アンタも気をつけて――いや……!絶対に勝ってこいよ!! あたしも、みんなも――大好きなアンタのことを『信じてる』からな!!」
レオーニオやLEONの方々から大きくて熱いソウリョクを受け取り、私は彼女たちに力強く頷いて――たん、と機械の鳥から跳び降ります。四肢を弄ぶ大風を全身に受けながらぽこべぇを胸に抱き、広げた羽織を〝神鳥の羽〟に変え――目的地へと滑空していきました。
そびえ立つ壁よりもさらに高高度から、鋼鉄に囲われた都市の中へと鋭角的な侵入を果たします。かつて訪れたことがある、鉄と石で出来た洋風の町並みは変わっていませんでしたが――その中は、全てが変わっていました。
かつては、発展している異教の都市の中でも特に落ち着きがあり、おだやかな人の営みが広がっていたはずなのですが……。
……その……ええと、なんて言えばいいんだ……? あんまり、口にしたくはないのですが……一言で表すなら……〝やべぇ〟……なのかな……。
……と、とにかく、白い聖衣を着たマテルたちが乳房と股間を放り出し、いろんな色の汁やらケダモノのような嬌声やらを漏らして、様子がおかしい男たちや〝子供たち〟との時間を過ごしていたのです。
口をあんぐりと開けたまま硬直していたぽこべぇを抱く力を強めて、私は物陰に着地してから、足早に街中を駆け抜けます。その中でも特に大きな人だかりと、断末魔のような喘ぎ声が聞こえ続ける広場を避けて――ネムフリャの街を一望できる、白色の豪奢な西洋神殿である〝太陽の祭壇〟へと辿り着きました。
すると、そこには――。
「ふんぎっ♡ぎっ♡ひっ……ひぃいいっ……!!♡ い、息、できにゃっ――あっ♡あぇっ♡いきっ♡いき、イけるっ♡イげりゅっ♡イグ、いぐッ……ぐふぅうう~っ……!?♡」
――石造りの玉座で、背後を取られながら淫らに股を開かされた褐色肌の女神様が居ました。肉肉しい太腕で首を締められて歯を食いしばり、男の血管が浮き出た剛直でずぼずぼと貫かれて激しく乳房を揺らし――ぶしゃ、ぶしゃ、と噴水のようなおつゆを飛ばしていました。
「クク……わざわざここまで来たんだね、いろはちゃん。僕の予想どおりだよ」
「ぶ、毒島ッ……!! 貴方……コロリウムはどうしたの……!?」
「ハッハッハッ……!! 『どうしたと思う?』 君が抱いたその可能性こそが答えだよ」
「へっ♡へっ♡へげぇええっ……!!♡ ぶしゅじま、しゃまっ……ぐるじいっ♡あっ♡あぇっ……ひぎゅっ……ひぎゅううっ……!!♡」
「……!? ど、どういうことですか……!?」
「わからないなら、それも答えだ。彼女は彼女らしく生きているし、救済の道も担保してある。それよりどうだい? このネムフリャの街――いや、〝再誕都市〟の光景は! 素晴らしいものだろう?」
「ぐっひぃ~ッ!?♡ チ×ポ、止まん゛な゛ひっっ!!♡あーっ♡あーっ!!♡しぎゅうっ♡子宮にっ♡チ×ポっ♡チ×ポぉおおっ!!♡ おっ♡おっ♡めっ♡めり込んでるっ――ん゛ぅ゛おおおおっ!?♡」
「ちん……じゃない……!さ、再誕都市……!?」
……ち、違うんです……ござるさんがえっちなわけではないからな……!! あの、毒島のおっきくて立派な逸物がものっそい勢いで上下して、ぬっぽんぬっぽんと女陰を出入りし続けるから……気が散りまくっただけなの……!!
「…………君……今、なんか、ヘンなこと言いかけなかったか……?」
「言ってないッ!! あ、貴方はいったい、何を企んでいるのですか……!?」
「あ゛っ♡あ゛ぉっ♡おほぉおーっ……!?♡ ま、まだイくっ♡あっ♡あっ♡イきでぎな゛い゛っ!!♡ がっ♡はぁっ……げふううっ……!!♡」
「それはだな――」
「――おっ♡おっ♡そこやべっ――おっ♡おーっ!?♡ふほぉおおッ!?♡ あっ♡あっ♡ザーメンっ♡でてりゅっ♡ あちゅっ♡あっちゅぅいいっ……んぉおおおんっ……!!♡」
「……ふう……この豚女神のオホ声がうるさくて、会話すらできんな……。ほら、豚マ×コ。そっちで勝手にイッてろよ」
毒島は首を締めていた女神様の身体にたっぷりと子種を注ぎ込んでから、祭壇の脇に放り投げ、接合していた陰部を解放しました。ぬろり、でろり、と溢れ出た白濁汁が意思を持って女神様に絡みつき、乳首や陰核……そして膣内を辱めるように責め立て、「んほぉおおっ!!♡まだ続くのッ――おへぇえええっ!?♡」と大きな嬌声で背景を桃色に染めていきます。
「やれやれ。さすがにマ×コの具合は神がかっているな、あの豚オナホは。おかげで良い射精ができてしまったよ」
「………………ん、んっ……ごほんっ……! 下世話な話は、もういいですから……!この都市の目的を話してください……!」
「おっと……これは失礼。君、ヤることはヤっているクセになかなかピュアだな。君たちのためにも必要な準備だったんだ。許してほしいな」
「…………かざまたちのために……?」
「まぁ、僕はこう見えて身の程は弁えているつもりだ。そういうことだよ、風真いろは」
「…………ど、どういうこと……?」
「わからないならいい。理解など求めていないからね」
脂ぎった男は自嘲気味に笑ってから、断続的に私の視線を感じていたらしい剥き出しの男性器を衣服に隠して、極めて穏やかに語り出しました。
「僕は今、人類の進化をゼロからやり直そうとしていてね。我らの教義に与しない信仰――君たちに焚きつけられた〝世界統一〟における反乱分子を、根こそぎ『救いたい』と思っているんだ」
「……人類の進化を、やり直す……!?」
「そうだとも。革新へと邁進した天崇信仰を失くしてから、安寧を求めて怠惰に甘え――退化し続けてきた竜禪信仰とは、逆のことを為そうとしているのさ」
毒島は両手を広げ、ネムフリャの街を――いえ、此の地全体を示しながら口を歪めました。眼下に広がる、マテルたちが男を〝産み直している〟光景こそが、その理想だと言い切るように。
「君たちの勇猛のせいで、人々は〝履き違えた自由〟を知ってしまった――間違った希望を抱いてしまった。『異教に屈せずとも生きれる道がある』という、何の意味もない幻想の味に気づいてしまったのだよ。一度知ってしまった悪徳の甘美は手放せない――だから僕たちが、再び〝無知〟という幸福を与え、慈母の寵愛を授ける対価として〝命〟を消費させてもらうのだよ」
「…………人々が抱いた希望は、貴方にとって都合が悪い……と……。だから、人類の歴史を根底から覆して、やり直すと言うのですか……!?」
「有り体に言えばそうなる。そして、君たちが示した〝無責任〟を拡散してしまったことを償う意味もあるがね。竜禪信仰――つまり『進化を放棄するという生き方』に、要らぬ正義感を与えてしまったのは君たち――いいや、〝僕たち〟だ。そうだろう?」
「……ッ……!?」
言葉を詰まらせた私に代わって、毒島がどんよりと黒ずんだ空を仰いで言葉を紡ぎます。
「鎖された神域〝キョウ〟という小さな舞台ですら、竜禪は国というさらに小さなコミュニティを築くに収まった。法と民の安寧だけを守ろうとして、衰退の一途を辿った。相違ないか?」
「…………ありません……。きっと、お屋形様も……その事実は、絶対に認めるでしょうから……」
私はあまりの悔しさに歯噛みして、正義を誇ることができない竜禪の在り方を思い返します。
……これは、もしもの話ですが……『人類が進化することを善とする世界』であれば――竜禪の思想は、間違いなく悪側に位置してしまうでしょう。
だからこそ、お屋形様は……異教に傾倒するウェニキスたちを排斥せず、心が幼かった私の考えを否定せず……国や法に反発した人々の意思も尊重する〝不干渉〟を、神として貫いていたのだとわかっています。
「一方で、我らの教義は発展と進化を望む。人々に苦痛を強いる側面がある一方で、それ以上の刺激と幸福、そして充足感を創出してきた。どちらに正義があるか、感性が若い君にならわかるだろう?」
……私は、かつてウェニキスに案内された鋼鉄の都市や、旅の途中で招かれたマテルの町のことを思い浮かべました。そこに溢れる活気や人々の笑顔、進んだ技術、竜禪では禁じられている〝欲望〟を出せる解放感――その全てが、国の民以外の人々を強く惹きつけていることには気づいていました。
民に棄てられていく教義、忘れられていく加護――それがあまりにもみすぼらしく見えて、お屋形様に抱いてしまった不義。竜禪信仰の在り方や武士の生き方に強い疑問を抱いて、マルテーサに折られてしまった心。はざまの地や国の跡地に暮らす、人々の肉欲的な考え方。触れてきた全てのものが、私の心を痛ませます。
――「本当に、これが〝正しい行い〟なのだろうか」。自分の心でもそのように感じて、疑問視していたからこそ、毒島の言葉は古い痛みを鮮烈に疼かせてきました。
「想いや信仰を力に変えられる此の地で生きた君たちならわかるはずだ。人々が望み、その手で選ぶものこそが〝人の在り方〟で――選ばれなかった竜禪は、偶然残ってしまった化石でしかない。正義などあるはずがない。善悪は明白だ。本当に、ここで刃を交えてまで残すべきものなのか?」
毒島は仰々しい物言いで、己の正しさを示すように〝勧告〟を行いました。それはきっと――彼にとって、無駄な血を流さずに済む最善手のつもりだったのでしょう。
ですが、私は――。
「うん。竜禪も、イサリビも……かざまを信じてくれる人たちの想いも……全部、残すべきものでござるよ」
――迷わずに、自分の信じる〝正しさ〟を告げました。
「……ふう……即答か。ずいぶんとまあ、潔いものだ。気持ちよさすら感じるよ」
私は、自分の〝信念〟を込めた刀をその手に握り――正論を続けようとする毒島を相手取ります。この選択も、力強い返答も……長い旅路を経る前なら、できなかったことでしょう。
――自分の道を信じきらず、善悪を疑いながらも――譲れなかった想いだけを洗練して、此処に存在させているのです。
父上やお屋形様のように、絶対的な〝正義〟を握れなくても、大切なものを守るために戦い続けた〝武士らしさ〟――私が誇りに思うその姿勢を引き継いだのですから。
「まったく……君が己の正義に酔える類の者だったら、もっと簡単に話を進められたのだがな。竜禪には、万に一つも勝ち筋がなかったのだから」
「それは、お互い様でしょう? 貴方も、自分の行いを正義だとは信じていない……だからこうして、余計なことだとわかっていながら、かざまを懐柔しようとしている。違いますか?」
「…………やりづらいんだよねぇ、君は……いろいろな意味で、だけどね」
毒島は、とても人間臭い苦笑を浮かべて、力なく目を閉じました。
「……無意味だろうが、礼儀として一応聞いておこう。『君の未来と安全を保証する代わりに、竜禪の首長として敗北を認める』という選択をするつもりはないかな? 一応、これが僕にできる最高位の譲歩だが」
「ありません。どうせ、保証するのはかざまの未来だけですよね?」
「フッ……当たり前だよ。退化を〝善し〟としようとする目障りな信仰なんだよ、竜禪は――よりにもよって、最も重要なこの土地に根づくなんてさ。やはり僕の人生らしい顛末だ。こいつだけは絶対に滅ぼさなければならないんだよ」
「……聞く前からわかっていたでござるよ。でも、そうまでして竜禪にこだわる必要があるのですか? 貴方はもっと広い世界で、もっと大きなことを為しているじゃないですか」
「あるんだよ。僕は未来なき怠惰を全て滅し、世界に普遍なる革新の光をもたらす。広まった竜禪の思想と希望は、進化への道筋を阻む衆愚の怠惰の最たる例だ。この歪んでしまった日本史を正す必要もある。看過できないよ」
「……人々を進化へ導く……歪んだものを正す……立派なことをいくつも掲げているのに、貴方は自らを正義と誇れないのですか」
「クク、結局は我欲を満たすためだからね。『退廃的な原野が広がる土地に〝バーチャルタレント〟なんて生まれない』。それだけは確かだ。僕は未来のために〝夢〟を握る――君たちの〝今日〟を蹂躙させてもらうッ!!」
毒島は、祭壇の隅で凌辱され続けていた女神様の乳房を握り潰し、乱暴に抱き起こします。背後から抱擁をするような体勢で持ち上げたまま、晒した剛直で女陰を貫き、がりごりと膣壁を掘削し――。
「ぐぉっほおぉおおおっ!?♡ おっ♡おーっ♡おぉおおおーーっ!!♡ あーっ!!♡イくっ!!♡イくぅううっ!!♡ すごいの、クるっ――裏返るっ――うっ♡ごっ♡ふほぉおおおーーっ!?♡」
――ぐるん、と女神様に白目を剥かせて、あちこちに嗚咽と汁を飛ばしました。すると、その瞬間――女神様の美麗な肢体が黄金色の輝きを放ち、宙に浮かびます。
乳房がたわわに実った胸の中心から輝きが漏れて、その背中に大いなる光の円を描きます。燃ゆるように揺らめく煌めきを背後に従えた麗女は、白き和装を身にまとって純光の羽を舞わせ――陽光色の神具と鎧殻を周囲に漂わせました。
『ぐふっ……くっ……ふ、ふふ……。この姿……どこか、懐かしいようにも感じますね……。目に見えぬ私ではなく……目に見ゆる〝天〟を崇め、己が未来を他者に託した民草の信心を感じます……』
空に反響するような声は、此の地のどこまでも透き通るようでした。世界を照らす光炎を具現化させたように神々しい御姿には、その物憂げな視線も含めて、頭を押さえつけられるような畏敬の念を抱かざるを得ませんでした。
空気を震わせ、熱風を渦巻かせるのは、かつて此の地の旧教にて崇められていた〝太陽神〟――〝アマテラスオオミカミ〟様が、私たちの目の前に君臨していたのです。
女神様は遥か空へと浮かんでいき、毒島が浮かべた三つの天輪を通り抜けて――此の地を照らしていたお天道様と影を重ねます。輪郭を揺らめかせ、雲の向こうに在るはずの存在と神格を同一化させていました。
「……今度の相手は……お日様そのもの、ということですか……!!」
「信仰は違えど、同じ太陽を神格化した存在だ。この時代のソルならば余裕だよ。さっきのセックスもこの下準備のためだったのだが――やはり、大して驚く様子もないか」
「……いえ、驚いてはいますよ。でも、やることは同じですから……そのために必要な覚悟は、とっくの昔に決めていただけです」
「……なるほど。君たちはどんな手を使っても動じず、折れることもないらしい。その凛々しい心に敬意を払おう。僕の〝世界統一〟において、最も厄介な敵として認めざるを得ない――いわゆる、ラスボスだね」
毒島は気取るように両手を広げ、その手に強大なソウリョクの光を握りました。さらに、天へと昇っていった女神様が降らせた黄金色の焔を身にまとい、純白の聖衣に神々しい陽光を彩らせます。
「な、なんて、力っ……!! このままだと、毒島に傷をつけることも……ッ……!」
毒島が見せた圧倒的な存在感に、私が戦慄しかけていると――自発的に絆を結んだぽこべぇが変身し、暁の姿で私の肩を叩きました。
月を見送り、日を迎える二色の面――そして若かりし頃のお屋形様の顔を持ち、四振りの宝刀を携えた武神は――私に力強く頷いてみせてから、遥かな天を仰ぎました。
「ソルドナーレ教王、毒島三段腹。そして、我らが唯一神であるソル=アマテラス=フレアニア。ここで全てを終わらせ――全ての始まりを迎えよう!!」
「竜禪が首長――風真いろはッ!並びに、天星竜暁皇命ッ!! 信じてくれる皆殿の――此の地の〝今日〟のために――いざ、参るッ!!」
暁が混色の煌焔を燃え盛らせ、天高く飛び上がります。炎を噴かせて直線的な蛇行を繰り返し、雲を散らすように突き破り――女神様が振り下ろした神なる刃の一撃に、四刀の一閃を重ね――天空に、衝突の轟音を響かせました。
同じ刹那――私も石床を蹴って低く跳び、自らの身体を砲弾の如く直進させて風を斬ります。力強く構えた〝信念〟を以て、毒島が振り上げた手に握る〝夢〟の波動に激突させ――額をぶつけ合うように身体全体で衝突し、最後の戦いに挑みました。