きっかけは些細な嗜虐心だった。人を疑うことを知らないまことが、こういった事態に対してどういう姿を見せるのか興味がある、それだけだった。
それは兄である俺もそうだった。
昏い衝動は日に日にまことを汚したい欲望へと変わる。そうしてその日から始まる──。
自室に招いたまことはこれからされる事に無防備だ。
まことを壁に押し付け、胸元を吸いながら尻肉を嬲る。服の上からでも柔らかいそこは掌の中で自在に形を変え、奥に隠された秘部への侵入を許す。やめて、と震えながらまことが手を重ねるが、力は入っていない。それどころか自然と体をこちらへ預け、吐息に混ざる熱に気付かないふりをしながら、声を漏らすまいと必死に堪えている。
「……っ……っふぁ」
いじらしい姿に応えるべく指を増やし、動きを速め、突いたり揉んだりと存分に刺激を加えてやると、「……ぁ……ぁっ、ふあぁ」観念したように甘い声が耳朶を打った。
解き放たれた欲望と衝動のままに、彼女を愛し抜こう。隆起する欲望を前に、まことが息を呑むのがわかったが、止められる段階はとっくに過ぎていた。
彼女の部屋で軽い羞恥を愉しむ。
壁に手をつかせて立たせ、背後から胸を揉んでは乳首を勃たせて楽しむ。
いつ、どこで、家族が廊下を歩いて耳を澄ますか判らないスリルが感度を上げる。
「ふっ、ん……」
その下でぴったり閉じた太腿の付け根を、何度も分身が花芯を擦って弄んでいた。
「……はっ、…ん、あっ」
吐息は次第に甘く乱れだし、乳首は硬度を増し、分身の滑りも充分になった頃、花びらを一息に貫く。
「あぁっ」
不意の衝撃に崩れそうになるまことを抱けば、分身が奥を突く感覚があった。
「……っ……!」
声なき声と中の震え方が、まことが達したことを伝えていた。家族と共に過ごす彼女には派手に自室で喘ぐ事はできない……。
仕事という現実から離れた時間をこの快楽の時間に充てるのが俺の日課だ。
窓から差し込む日は高い。随分時間が経ったのだ、そう認識したまことの体は背面座位で固定され、その最奥には分身が刺さったままだ。
休憩と称して先ほどからずっとこの姿勢でいるが、適度に乳房を嬲られ、首筋には愛撫が、脈打つ分身は緩やかな刺激をまことへ送る。待っているのだ、自分が屈するのを。
意図はわかっているのに、濁流のように浴びせられた快楽を体は覚えてしまっている。絞るような声でまことが懇願するのと、行為の再開は同時だった。
それがこの日々の始まりだった。
「はっ、あっ……」
まだ明るい室内では背徳的な行為に溺れる俺たちは、淫楽を愉しむ。
秘所を隠さない下着姿のまことが震える指で花びらを拡げ、腰を落とす。ゆっくりと肉棒を呑み込み、ぎこちなく腰を動かし始めたが、拙い上にじれったい。
「……ん、は、あ、あぁ」
動きを体に刻むため腰を掴んで引き下ろし、一気に最奥まで突き上げた。
「ひぁっ、ぁ、んあ、あっ」
快楽に蕩けた顔をしながらも、花びらは分身を締め付けて離さない。
「奥にそれ……ああっ、むり、あぐっ……」
騎乗位を仕込むにはどちらも短気すぎる、嬌声をあげる肢体を突き上げればすぐに達した。
「っは、あぁ……あふれちゃうよぉ……」
うわ言のように漏れた声には悦びが滲み、かつてのような拒絶の色はどこにもない。まことが快楽に溺れはじめているのは明白だった。
そこから調教の日々は過熱していく。
彼女を隅から隅まで支配する為にこの仕打ちをしてしまう。
まことの室内では常に下着か裸になった上で玩具を前後の孔に咥えることを命じ、事あるごとに性的刺激を与えて弄ぶ。
着席する際は背面座位で犯し、入浴時に犯すのはもちろん就寝時は気を失うまで犯し抜く。常に支配されていることを体に刻み込ませるのは簡単だ。次は支配と歓びを結びつけさせる。
「はっ、あっ」
まことが家事を一つ行うたびに犯し、それを褒美だと囁く。皿洗いも洗濯も、料理も、何もかも──。
両親はそんな仲の良過ぎる二人を観てもさして興味を持たない。不思議なくらいに放任主義で、親も知っているかも知れない。
兄も妹も禁忌に溺れている事に。
「ありっ…がとぅ……ござい、ま、す……」
肉欲と日常の一体化。それが適う牝になる素地を、まことは間違いなく持っている。
夜の夕食が終わり、快楽の時間が訪れる。
口腔内には唾液と白濁の愛液が混じり、これ以上ないほど張った胸の先端はじくじくと甘い痛みを伴いながら上を向いて尖っている。体の最奥には先ほどから怒張した分身が何度も子宮を突き、その度に背筋を快感が走る。
「あっ、はぁ、ぁあぁあぁぁ」
少し前までこんなことは知らなかったし、自分がこんな風になることも知らなかった。戸惑いもあったが、最近はそんな自分を受け入れ始めてもいる。どうしようもなく牝としての本能が自身を支配し始めていることを認めざるを得なかった。
無為な時間を取り戻すように彼女は求める。
「あっ、イく……っ。もっとぉ、おかしてぇ……」
それは紛れもなく、まことの本心から零れた言葉だった。
まことが身も心も俺に堕ちた。蕩けきった声、呼応する躰、花びらから漏れる愛の痕跡、それが確信に変わった。
「これ、んっ、きも、ち……ぁっ」
浴室で、体を泡まみれにしたまことが喘いでいる。体を使って洗ってくれるはずだったのだが、肌が密着しただけで発情し、またこちらからの愛撫も相まって、目的を果たせずに乱れているのだった。
「……あっ、あぁぁあぁ」
対面座位で挿入し、突き上げるたびに乳首が擦れるとまことは喘ぎながら浅く逝く。開発しすぎるのも問題かと思ったが、まことの顔は蹂躪される歓びに満ちて快楽を受け入れているので、それもまあ良いかと嬲り続けてやれば、いつまでも嬌声が響くのだった。
「……そこ……好きぃ」
陶酔しきった表情でまことは思いを吐露する。対面座位で貫かれた花びらは欲望を咥えこんで離さないどころか、更に深い結合を求めて蠢き、後孔を犯す玩具で深く抉られては何度も達している。
「もっと、きもち、いぃこと……教えてぇっ」
犯されるたび、女から牝に作り替えられた。だが、その本能は初めから自分の中にあったのだ。どれだけ淫らな牝に成り果てるのか、それはまことにもわからない。
「やんっ、そこ、あっ、あぁぁあ」
また今日も、快楽がまことの新たな扉を開け放つ。そして背徳の扉も開ける。彼女が兄にそれを開かせる。
そうして──朝。
ベッドの上で組み敷かれたまことが頬を染め、潤んだ瞳で切なそうに呟く。
「めちゃくちゃにして……」
どれだけ体と心を快楽に堕としても失われぬあどけない表情で口づけを交わし愛を交わす。
さあ今日も、まことと愛しく淫らな時間を過ごそう。例え、血の繋がる兄と妹でも──。