※この作品はR-18です。

愛欲の日々   作:翔田美琴

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雪菜の場合 〜会社と快楽の二重生活〜

 誰かのものになるくらいなら自分だけのものにしたい。共に時間を重ねる関係なら他にもいくらだってあったはずなのに、どうしてそれを選んだと問われても、明確な答えはなかった。

 

 昏い衝動は日に日に雪菜を汚したい欲望へと変わる。そうしてその日、賽は投げられたのだ。

 ソファで浅い昼寝をする雪菜に覆い被さる。

 

「……んっ」

 

 眠りから目覚めた時にはどう動いても逃げられる隙はないほど、両者の体は密着していた。ソファは少し軋み二人の体重を支える。

 

「ゃ、んっ、んんん」

 

 頭を抱えながら唇を塞ぐ。淫らな水音と荒々しい吐息、衣擦れだけが長く長く部屋を支配する。

 

「はっ、ぁっ……」

 

 長い糸を引きながら唇が離れると、雪菜は全身から力を抜いており、衣服に手をかけても抵抗する様は見せず、代わりに甘い息を漏らすのだった。

 また長い口づけを交わした。彼女も抱かれる事を受け入れているのか。

 解き放たれた欲望と衝動のままに、雪菜を犯そう。湧き上がる欲望のままに雪菜を抱いた。

 ベッドの端に座り、その上で雪菜を後背位で犯す。

 

「あっ、ひゃわっ、はっ」

 

 反射的に閉じた雪菜の太ももを自らの足で割り、そのまま大きく広げさせると、ずぷずぷと分身がより深く強く沈み、雪菜は声にならない声を上げ続ける。

 

「……っ」

 

 反った雪菜の上体を支えつつ愛撫を与え、腰を細かく揺らして律動を刻み付ければ、強張った体からたちまち硬さが消え、心地よい重みとともに雪菜がしなだれかかってきた。

 乳首を指で抓る。その刺激を与えるとしなだれる彼女は激しく俺の唇を貪る。

 

「あ……っ」

 

 深く口づけした後は、親指を口に差し入れ、顔をぐいと向けさせる。そこにあるのはすっかり抵抗する牙を抜かれ、快楽に溶かされた顔だった。

 こうして雪菜を朝まで犯し、朝が来てもなお犯し続けた。

 

 

 昼間は真っ当な会社員。

 しかし俺のマンションに帰れば最高の娯楽がそこにいる。

 仕事を終えて帰ると雪菜が食事を作り待っていてくれた。

 そうして雪菜が作る温かい食事の後は愛しい、愛しい、快楽の時間だ……。

 

「あなたに抱かれると何もかもどうでもよくなっちゃうの、何故なのかな」

 

 雪菜から漏れたそれは、犯されている現状へもそうだが、それ以上にそれを受け入れつつある自分自身へも向けられていた。長時間嬲られているにも関わらず、飽くことのやまない体。何度絶頂を迎えたかもわからないのに、それでも感じているのは渇望だ。

 

「あっ、ああぁっ」

 

 満たしても満たしても穴の開いたバケツのように満ちることがない。ずっと犯されていたい、薄暗い感情の発露に雪菜は気付いていなかった。

 それがこの日々の始まりだった。

 雪菜はそれを望んでいた──。

 

「あっ、ぉ、おく、あたっ……!」

 

 温かな夕食の後はマンションのベッドルームが愛の巣になる。

 背面座位で雪菜を抱きしめながら、分身で奥を突く。初めはくちゅくちゅと優しく、次第にごつごつと抉るように強く。形と強さを体に刻みこみ忘れぬように、しばらくそうして抱きながら犯すのが最近の日課だ。

 

「……っ、くる……」

 

 雪菜の体が上気し震える。子宮と分身の感覚が噛み合い始めた合図だ。その瞬間、離さないとばかりに強く抱き締め、奥で吐精するのと雪菜が達したのは同時だ。ずるりと分身を引き抜くと、深い口づけを交わしたように、愛の液は呑み込まれて零れず、花びらは再び訪れを待つようにひくついていた。

 

「っは、あぁ……よすぎる、よお……」

 

 うわ言のように漏れた声には悦びが滲み、かつてのような拒絶の色はどこにもない。雪菜が快楽に溺れはじめているのは明白だった。

 そこから調教の日々は過熱していく。

 

「んっ、あぁ」

 

 何日目の夜からだろうか?

 ふと気付けば指が絡み合うことが増えた。毎日潰れるまで犯しているというのに、そこだけは恋人にように優しく絡み、温かな熱を交換しあっている。だが別に嫌ではない。だから互いに解かないし、離れない。

 

「も、だめっ……」

 

 雪菜が達することを伝えるように握り合う。調教と開発しきった体の快楽は反射にも似ている。だが、この指だけは今のありようを映す鏡のように素直だった。

 

「やっ、はっ、あっ、あ、ああ」

 

 何か考えていた気がしたが、奥を抉る一突きですべてが霧散した。別に今に限ったことじゃない。いつだって、その熱く滾った分身に貫かれ、犯されるたびに頭の中が真っ白になってしまうのだから。

 

「あ、あっ、ああ、ん」

 

 きもちいい、すき、やめないでほしい。

 

「もっ……とぉ……」

 

 最後の一線で抗っても、結局快楽で塗り潰されてしまう。なら、最初から素直でいたならそこにはどんな世界が待っているのだろう。湧き上がる好奇心を止めることはできなかった。

 

「もっと抱いて……もっと」

 

 それは紛れもなく、雪菜の本心から零れた言葉だった。

 雪菜が身も心も堕ちたという確信は、快楽に蕩けた声、昂りを締め上げる肢体、その現状に陶酔しきっている瞳、すべてが表していた。

 会社でのありふれた日常を終えて、マンションに帰れば雪菜の妖艶な顔がそこにいる。

 彼女の夕食を食べて、つまらないテレビを消し去ってベッドルームへ向かうと……

 

「ね、犯して」

 

 そう言って雪菜がすがりついた。

 我慢できないと、快楽の海へ溶かされる為に俺に縋り付く。

 

「もっと欲しい……」

 

 着たままで行為に及べる下着から覗く孔は物欲し気にひくつきながら情事の名残を垂れ流し、そこに自ら指を挿れ腰を揺らして分身をねだる。何度目かわからぬ雪菜からのお願いだった。前戯も抜きに一突きしてやるとすっかり形を覚え込んだ花びらがまとわりついて締め上げる。

 四つん這いにした彼女を分身で嬲る時間は俺にとっては最高の娯楽であり、趣味でもある。

 

「あっ、ぁっあああ」

 

 全身で快楽を享受する雪菜に何度も腰を打ち付け、望むままに嬲ると雪菜は悦びの声を上げ、よがり続けた。

 

「……っ、はっ、あぁ……」

 

 何度目かわからぬ精を受け止めながら、雪菜は自身を貫いているものを下腹部越しに愛おしく抱き、中の怒張を確かめる。

 

「ぁは、んぅ」

 

 腕を腰に回して背面座位にする。

 乳首を指で嬲られ、舌が唇を割って入れば積極的に絡めて迎え、一つの快楽も逃さないと体を密着させる。交歓する唾液は甘く、乳首を胸板で擦ると快感が背筋を走る。収縮する子宮に呼応したように分身が一回り膨らんだことを感じとると、自然と腰が揺れた。

 

「あぁぁ、いぃ──」

 

 この体は牝として悦ぶためにある。開発されきった体を突かれながら雪菜は幸せそうに喘いだ。

 

 そうして朝がくる。ベッドの上で組み敷かれた雪菜が頬を染め、潤んだ瞳で切なそうに呟く。

 

「私達、結婚するの?」

 

 どれだけ体と心を快楽に堕としても失われぬ初々しさに思わず口付けを落とし、舌を絡める。 

 

「結婚しようか?」

 

 自分だけを求め、支配されることを望んだ可愛い宝物。

 さあ今日も、雪菜と愛しく淫らな時間を過ごそう。その為に今日も俺は会社員としての日常を過ごす。

 

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