高潔な精神に垣間見える幼さは、まだ紗栄子が成熟しきっていないことを表している。危ういバランスで成り立っているその姿に、だからこそ惹かれた。
昏い衝動は日に日に紗栄子を汚したい欲望へと変わる。そうしてその日、賽は投げられたのだ。
「や、だ……っ」
紗栄子が自分がこんな事をやる人間とは思ってなかったのだろう。
紗栄子の両手首を後ろ手に縛るとベッドに転がす。服をはぎとり、豊満な裸身に手や舌を滑らせ肌を重ねると、悲鳴を上げながらびくんと反応を繰り返した。
「あっ……はぅ」
拘束こそ手荒だったが、壊れ物を扱うかのように丁寧で優しい愛撫を繰り返すと、非難の声を出し続けていた唇も次第に甘く柔らかくなりはじめる。少しずつ自分に傾いてきている。心も身体も。
「──っ!」
拘束を解いたところで、これだけ全身が蕩けては逃げようもない。あっさりと崩れ落ちる。そして俺の身体へ預けた。
「ぁっ、はっ」
最後に残しておいた唇を、甘く優しくついばむと、熱い吐息が迎え入れた。
解き放たれた欲望と衝動のままに、紗栄子を犯そう。隆起する欲望を前に、紗栄子が息を呑むのがわかったが、止められる段階はとっくに過ぎていた。
「あまり、そこっ……だけ、ぁっ、ぁあん」
宵が深くなれば人間の裏が出るのか──。
対面座位で犯されながらのけ反る紗栄子の乳首を口に含むと、弱々しい声が上がった。乳輪に沿って舐めたり、乱暴に吸い上げたりすると、感じていることを裏付けるように締め付けが加速する。
しばらくそうして転がすように舌で遊んでいると、不意に紗栄子の腕が伸び、胸を顔に押し付けた。乳首を口に含んで、頂を重点的に舌先でちろちろと刺激する。今までの反応からして、ここが弱いのは明白だ。
「……噛ん、で……」
消え入りそうな声が要求するので、望み通りに歯を立てると、嬌声と共に紗栄子の中が一際大きく収縮した。
こうして紗栄子を朝まで犯し、朝が来てもなお犯し続けた。
窓から差し込む陽の暖かさで紗栄子は夜が明けていたことを理解した。周りを認識できる程度には小休止なのだが、体に律動を叩き込まれていないだけで、未だに己の裸身は後ろから抱きかかえられる形で分身に貫かれたままであり、愛撫は続いている。
「あっ、ぁんっ」
体は重く疲れ切っているのに反応してしまう己が恨めしく、しかし疲労は擦れた声となって表れていた。──正気に戻りたくなかった。紗栄子が思ったのはそれだった。全て見られ犯された。このまま壊れてしまいたい。その内心を察されたのか律動が再開し、紗栄子を塗り潰していく。
「あっ、あぁ」
紗栄子は考えることを止めた。
それがこの日々の始まりだった。
「もっ、ゃだ……っ」
愛しい壊れ物を誰かに観られるのは嫌だ。
だからこそ、俺はこの子をベッドルームから出られないように拘束してしまった。
ベッドルームからせめてトイレに行けるくらいには長い縄で繋いで、しかしそれ以上は外には出させない。
ベッドの上で散々嬲られた紗栄子が大粒の汗を浮かべながらぐったりとしていた。ベッドが彼女の愛液で敷布を濡らしている。
「はっ、あ、ああ」
視界を目隠しによって遮られ、次に何をされるかわからない緊張は紗栄子の感度を大幅に高めているらしい。軽く触れるどころか、衣擦れだけで達するような有り様だ。そんな状態で犯したらどうなるのだろう。
「ぁっ、ぃやあ」
花びらに指を挿れると、昂りきった体がガクガクと震えだす。犯される前から何度も達する紗栄子の嬌声は、今まで聞いたことのないほど熱く乱れていた。
「っは、あぁ……あっ、イく……」
うわ言のように漏れた声には悦びが滲み、かつてのような拒絶の色はどこにもない。紗栄子が快楽に溺れはじめているのは明白だった。
そこから調教の日々は過熱していく。
紗栄子を抱いて数日が経過する。
世間は何てことのない日常の繰り返しだが、俺達もこの淫楽が日常になってきている。
目を覚ますと共寝していた紗栄子が股間に顔を埋め、自然現象で昂った分身を口に含んでいる。
「……んっ、ぅうん」
そうして愛の液を飲み込むまでが朝の流れだ。
「あっ、んっ」
そのまま裸体を押し倒す。昨夜の交わりの名残が生々しく残る体を視姦すれば、恥じらい身じろぐが、それも挿入すれば嬌声にとってかわる。
「ああぁあぁ」
雄を誘う淫らな雌孔は、極上の動きで分身を迎え入れ、乱暴に犯されているのに恍惚の表情を浮かべながら達するその姿は、紗栄子の支配が完成に近づいていることを表していた。
対面でこれ以上ないくらい体を密着させ、貫かれながら唇を交える。下も上もぐちゃくちゃに溶けており、淫らな獣の上気で部屋は満ちている。
「んっ」
ただ受け入れるだけだった躰は、快楽を積極的に貪り、自身からねだることも増えた。何もかも全て流し込まれたい。奪い尽くしたい。貪欲な願いが体と心に芽生え始めている。
「ね、もっとぉ……」
これは自分の意思で、願いの果てだ。熱い吐息を一つ零し、心のままに腰を大胆に動かすと、同時に深く舌も絡めた。
「もっと、ほしい……っ、もっと犯して」
それは紛れもなく、紗栄子の本心から零れた言葉だった。
紗栄子が身も心も堕ちたという確信は、快楽に蕩けた声、昂りを締め上げる肢体、その現状に陶酔しきっている瞳、すべてが表していた。
「これ、んっ、きも、ち……ぁっ」
絶頂に達して汗だらけの体をお互いに流し合いをしようと浴室に行く。
朝の浴室で、体を泡まみれにした紗栄子が喘いでいる。体を使って洗ってくれるはずだったのだが、肌が密着しただけで発情し、またこちらからの愛撫も相まって、目的を果たせずに乱れているのだった。
「……あっ、あぁぁあぁ」
対面座位で挿入し、突き上げるたびに乳首が擦れると紗栄子は喘ぎながら浅くイく。開発しすぎるのも問題かと思ったが、紗栄子の顔は蹂躪される歓びに満ちて快楽を受け入れているので、それもまあ良いかと嬲り続けてやれば、いつまでも嬌声が響くのだった。
「悦かった……」
湯に浸かり、紗栄子は分身を咥え込んだままの下腹を愛おしそうに撫でる。
「でも、もっとぉ……あっ」
悦いところに当たるよう腰を動かすと、分身もまた的確に応えるので、紗栄子は簡単に達する。
「あはっ、あっ、きも、ちぃ……っ」
両胸を揉まれながら乳首を指で擦られると、連動して子宮が収縮を繰り返す。すっかり肉の歓びを覚えた体は快楽に従順だ。それでももっと淫らに堕としてほしい、恍惚の表情で紗栄子は体を委ねた。風呂場で激しく愛に溺れる俺達だった。
何度目かの朝。ベッドの上で組み敷かれた紗栄子が頬を染め、潤んだ瞳で切なそうに呟く。
「あっ、イく……」
どれだけ体と心を快楽に堕としても失われぬ初々しさに思わず口付けする、自分だけを求め、支配されることを望んだ可愛い宝物。
さあ今日も、紗栄子と愛しく淫らな時間を過ごそう。そしてこの世の淫楽を貪り尽くそう──。