※この作品はR-18です。

アオの夜R18SS   作:扇町グロシア

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アオき想いと流れる日々に  (千夏×大喜)

 さて、どうしたものか。幸せすぎる日々に、少しだけ戸惑ってしまう。もしかしたら自分は多少ネガティブな人間なんだろうか、幸せなのが不安なんだろうか。その辺はもうちょっと考えないといけないな。

 トラブルにまみれた刺激的すぎる時間はいつのまにか終わっていて、気が付けば穏やかな時間が流れていく。これからもずっとこうしていたい、と思ってしまうくらいに。まあ、それを維持できるかどうかは分からない。こればかりは運もあることだ、思い通りになるとは限らない。

 だけど、でも。出来ることならば。この人生が続いて欲しいものだ、うん。

 お腹を撫で下ろしながら、私はそんな事を考えていた。

 幸せは幸せなんだけど、先行きはどうなることやら。

 

 

 気配を感じたから眠りから覚めるのか、眠りから覚めたから気配を感じたのか。まあ、どっちでも同じことではある。

 意識は戻っても目は閉じたまま、それでも私は周囲の僅かな物音から空間把握能力を発揮することが出来る。

 相手を目で見ていたら試合では間に合わない、0.1秒隙があればあればもうガードを抜かれてしまう。

 身体が動き出す前に予兆を察し、あらゆる情報を総動員して先を読まなければならないのだ。

 ……そうやって培ったスキルを、何でこんな事に使っているんだろうなぁ。

 内心呆れはしつつも、私は仰向けのまま目を開けない。今起きてしまうと非(・)常(・)に(・)不(・)味(・)い(・)、寝たふりをしないと。

 近付いてくる気配、小さく軋む床。足音を殺し可能な限りスニーキングをしようとしているのだろうけれども、私には意味がない。

 今どこにいて何をしているのか、全てが手に取るように分かるんだよ――大喜くん。

 これでもう三日連続、深夜にこうして忍び込んでくる。そして毎晩、同じことをするのだ。

 掛け布団がそっと捲られ、寝間着がずりあげられていく。肌に触れる空気は空調のお陰で少しだけ冷たいけれど、でもそれ以上に大喜くんの手は熱を帯びているから寒くはない。ギシリと一瞬ベッドが音を立てたのは、大喜くんが乗っかったから。いつも通りに、私を跨いでいる。それはもう、目を閉じたままでもハッキリと思い描ける。

 両胸を刺さるようにそれぞれ外側から当たるのは、大喜くんの手だ。押し付けられて出来たであろうその谷間、そこへと熱い何かが挟み込まれていくのが感じられた。

 ――ああ、まったく。好きだねぇ、キミはさ。

 今何が起きているか、それがどういう行為なのか、私は知っている。

 今大喜くんは私の胸の間に、その……オトコノコを挿入した。パイズリだとかそういう名前のプレイで、男子が凄く憧れるシチュエーションなのだとか。要するに大喜くんは、私をそ(・)う(・)い(・)う(・)対(・)象(・)として使っているわけだ。

 初めてこうなったのは、四ヶ月位前。付き合いだして少ししてから、だったはず。

 最初はまあ驚きはしたけれど、男子ってそういうものだとは聞いていたから大きく取り乱しはしなかったな。

 お母さんからはもし万が一猪股家で誰かから「そういう事」を強要される事があれば、――そこまでいかなくても不愉快な思いをする事があれば、すぐにでも逃げ出すようにと言われていた。貴女は誰よりも何よりも自分を大事にしなさい、絶対に我慢なんかしちゃいけないのよと。

 でも、だけど。その時私は不愉快でも気持ち悪いでもなく、不思議な気持ちになったのだ。そしてそれは、今も変わっていない。

 私たちは恋人同士で、だったらそういう事をするのもおかしくはない。私だって大喜くんに触れたいと思っているんだし。なのにこうして眠ったふりをする私の上で悪戯するだけの大喜くん、いっそ可愛らしくある。

 それに動きが激しくなってくると、私の名前を小さく漏らすのもなんだか可愛い。

 今だって譫言のように千夏先輩千夏先輩と繰り返している。うーん、こういう時こそ名前で呼べば良いのに。その不器用さも魅力なんだけど、さ。

 ……もしも今起き上がって「何してるの!?」とか叫んだら、大喜くんの人生が終わってしまうんだろうな。あと初日にならともかく今さら言うのもなんかなぁ……。

 なんて考えているうちに、抽挿の速度はどんどん上がっていく。

 胸の間は粘りけのある液体で溢れているんだろう、グチュグチュと音を立ててなんともえっちだ。……私って変態かもしれないな、こんな風に思うなんて。

 ――と。まるで硬直するように動きが止まり、代わりに熱い何かが迸り胸を汚していく。

 鼻をつく生臭さは、多分精液の匂い。すっかり慣れてしまったけれど、初めのうちはかなり困ったものだ。ベッドに匂いが染みたら嫌だな、とかこのまま汚れた状態で放置されたら大変かも、とか。

 まあそれは、大体が杞憂なのだけれど。大喜くんは毎回、ちゃんと綺麗にして帰ってくれるから。真面目というか、なんというか。

 胸から首もとまでしっかり拭いて、元通りに服を着せて。掛け布団まで直して、来たときと同じように忍び足で出ていくのを聞き届けて――私はそっと目を開ける。

 暗闇は変わること無く立ち込めて、でも気配の残滓は消えていない。

 僅かにある精液の残り香を嗅ぎながら、私は大きく伸びをした。壁越しにベッドが隣り合っているから、下手に動くと感付かれてしまう。それはまた気まずいし、ここは大人しくしているべき……なんだけどなあ。 

 あんなにも濃厚に接触したせいか、身体は疼いて仕方無い。寝入る前に一度オナニーしておきたいけど、どうしよう。

 こんな生殺しを三日連続、下手したら明日も。ああ、どうしたものかな。

 

 大喜くんは何か辛いことでもあったんだろうか、こんなに毎晩。その前は週に一回あるかないかだったから、どうも気になってしまう。

 二年になったから不安なのかな、先輩になったわけだし。中学時代と高校時代じゃ、その重さは余りにも違う。中学の時は学年が上がってもまだまだ先輩に頼れると思っていて、新入学してくる後輩たちはただ「一つ下の友達」くらいでしかなかった。

 でも高二になる直前は生活が変わったのもあるけど、引き継ぎもあってとても忙しかった。この先は先輩方を支えないといけないのに下からもせっつかれる、これから大変だという気配が三月のうちから感じられていた。

 大喜くんもきっとそうなんだろう、逃げ出したくなるような思いを背負って頑張っているのだ。私の胸くらい幾らでも貸すけど、貸すけど――もうちょっと考えてくれないかな、とも思ってしまう。さすがに四日目ともなると、ねえ本当にさあ。

 とは言えそんな気持ちも、愛しさに塗りつぶされてしまう。まったく困ったものだ。

 普段よりほんの数秒早く目を開け、去っていく背中を見ながらそんな事を考えてみてからもう一時間。草木も眠る丑三つ時、闇のなかで私は起き上がった。

 ダメだ、このままじゃ眠れない。オナニーしたい、いやそれじゃ満足できそうにもない。そうなればもう――やってしまうしかないのではないか。深夜の煮上がった頭はそんな思い付きを一々肯定し、私を急かしてしまう。

 どうせ大喜くんは私(・)と(・)違(・)っ(・)て(・)眠りが深い、一度寝たら充電が済むまで起動できない。小学生みたいなもんだし、小細工を効かせるタイプでもない。気配で起きて寝たふりをするような狡猾さがあれば、あの時「蝶野さんと付き合いだしたのですか?」と聞かれて平生でいられるものか。

 ならば大丈夫だ、行ってしまおう。仮定に仮定を重ねているのは分かっているけれど、それは躊躇う理由にはなってくれない。

 火照る身体を揺らしながら、私の足は力強くも物音をたてないよう静かに動き出した。

 

 すやすやと天使のような顔で眠る大喜くん、そこに演技の色は見えない。完璧に眠っている、想定通りだ。それでも運動スキルの全てを使い、無音のまましなやかに私は近付いていく。ベッドの陰に隠れるようにして手を伸ばし、そっと捲る掛け布団の中。そこへと頭を突っ込んで下着をずらし、対面するのは……大喜くん自身だ。

 一応知識はあるつもりだし、胸に挟まれた質感から大体の形状は理解している。しているけれどでも、これはなかなか形容に困る形状だな。顔を近付けるとさっき胸元に感じたのと同じ匂いが僅かに漂う、さすがに供給元だけの事はある。って私は何を考えているのやら。

 そんな事を考えながら嗅いでいると、不意にその威容がビクンと蠢いたかに見えて一瞬背筋が凍りそうになってしまった。まさか起きたのか、とは思えどそんな気配はしない。どうやら反応しているのは、こっちの大喜くんだけのようだ。

 近付きすぎたせいなんだろうか、と怖々息を吹き掛けてみると再びピクピクと反応が帰ってくる。どうもこの子はかなり敏感らしいな、持ち主よりも大分。

 そうこうしてる間にも、どんどん角度が上がり太く逞しく首をもたげてきた。じっくり見ているとなかなか可愛いかもしれないな、うん。ちょっと撫でてあげたりしようかなと思ったとき、ふと私は渚たちとの雑談を思い出した。そのなかに確か、今この状況ですぐにでも出来そうなオトコノコのいじり方を聞いたはずだ。

 その記憶に従って私はグイっと顔を寄せ、口を開いて――大喜くんの先端をぱくりとくわえ込む。

 濃度の高い牡臭さが一息で口内に溢れ、鼻から抜けていく。決して美味しくはないけど、頭の芯が痺れるような風味。

 もっとそれを味わいたくて顔を進めていくと、すぐに毛足の長い茂みが鼻に当たってくすぐったくなってくる。それでも止まらない、根本まで完全に飲み込んでもまだ満足できない。

 喉の奥まで感じたくて、グリグリと頭を押し付けてしまう。

 舌を肉厚な幹に沿わせてなめ回し、少しでも口のなかで大喜くんの存在を大きくしたくて頬をすぼめてみたり。

 そして口に溜まってきた唾液と大喜くんの汁のカクテルを飲み干そうと一気に吸い上げた、その時だった。

「、……っ」

 喉の壁へと目掛けて何かが迸る感触に、思わず私は顔を離しそうになってしまう。

 しかしそれが射精だと認識し、どうにか力尽くで身体を食い止める。ここで避けたらベッドが汚れる、それは不味い。

 ドクドクと噴き出す精液は胸で感じたものより粘度が高く、その上大量で熱い。私に出すときは手加減していたんだろうか、そんなに器用なのか男子って。目を白黒させながらも喉を鳴らし、私は精液を胃の腑へ送っていく。

 どれくらいそうしていただろう、いい加減お腹がいっぱいになりだした頃になってようやく脈動が収まり、噴出が止まるのが舌先に感じられた。

 恐る恐る口を開けて顔を退け、精液の匂いが布団のなかに広がらないようサッと口を固く閉じる。多分溢してはいないだろう、ちゃんと拭いてから穿かせ直せば気付かれまい。

 本音を言えば、私はもう今ここで大喜くんとセックスしてしまうつもりでいた。経験はないけど跨がってしまえばどうにかなるだろう、くらいの気持ちで。

 しかしどうやら見通しが甘すぎた、というか考え無し過ぎる。大喜くんがさっさか片付けてしまうから簡単なことかと思っていたけど、射精ってこんなにも激しいのか。セックスとなればそれより更に賑やかになるだろう、大喜くんが起きかねないのは勿論寝たままであっても盛大に汚れるに決まっている。

 私の胸を使ってから小一時間しないうちに大喜くんは夢のなかに行き、簡単には起きない。それがわかれば、少し睡眠時間を削るだけでオナニーは出来る。

 じゃあとりあえず、問題はあるまい。

 胃から上がってくる精液臭いゲップを堪えながら、私はそそくさとしかし静穏を心掛けつつコソコソと元来た道を遡り始めた。

 さぁ、部屋に戻ってオナニーして寝よう。うん、そうしよう。

 あれこれ色々と狂ってるけど、どうにかなるさ。

 

 ……バカは考えないんじゃない、考えた末に一番悪い選択をする。そんなのを昔聞いた気がするけれど、なんだったかな。まあいいや。

 あれからちょこちょこ大喜くんの寝込みを襲うも一切気付かれないまま、数ヵ月が過ぎた。

 いつのまにやら高校最後の夏も終わり、秋の風が吹き始めた頃。この爽やかな時期に私と来たら、私と来たら。私と来たら布団の上で、大喜くんを組倒している。なんなんだ、一体。

 去年みたいに誕生日を二人で祝おう、と泊まりに来た民宿。せっかくだしちょっとだけ悪(・)い(・)こ(・)と(・)もしてみようよ、と缶のカクテルなんか開けた所までは覚えている。――うん、そこまではしっかりと。

 ただその先は切れ切れで、なんとなくしか思い出せない。いやまあ実際、思い出したくもない。どんな経緯でこうなったか、アルコールが回った頭では考えない方が良さそうだ。

 と言うか、これは本当に現実なんだろうか。酔っぱらって見ている夢ではないか、自分の意思が反映されているかのような質感は所謂明晰夢というものなのかもしれない。いやきっとそうだ、そうでなければこんなことが起こるものか。

 夜の悪戯は互いに一方通行、大喜くんは私の胸を勝手に使うし私も大喜くんを勝手に味わうだけ。起きている間は手を繋ぐのにも勇気がいる、甘酸っぱい関係を維持している私たち。そんな二人が煌々と灯りに照らされる中で、こんな体制になれるわけがない。

 夢か、夢なんだな。なら、何をしても構わない。

 私はずっと大喜くんと、こうしたくてたまらなかったんだから。

 腕を押さえ付けたまま顔の高度を落とし、大喜くんの顔へとキスの雨を降らせる。困惑の色は唇が触れる度に薄れ、蕩けていく。そうだ、これが現実なら大喜くんだって抵抗するだろう。やっぱりこれは、夢なんだ。

 夢なら何をしたって、許される。だって夢なんだから。

 

 灯りの下ではまだ見たことがなかったオトコノコ、そこに手を添えて天井を向くように微調整。うんまあ、思った以上に大きいし熱いけど夢だから大丈夫だ多分。ショーツを脱ぎ捨てて大喜くんの腰を跨ぐと、私からこぼれ落ちる粘液が大喜くんへの「順路」を作るかのようにトロトロと溢れていく。

 このまま、腰を落とせばいい。そうすれば私は大喜くんと、セックスする事になる。恋人同士でする事、そのハイエンドへと辿り着くのだ。

 ゆっくりとしゃがんでいくと、私の入り口に大喜くんが押し当たってグチュリと音をたてる。あ、そう言えば聞いたな。最初は痛い、とか。まあこんなサイズの異物が入ればそりゃあ裂けたり歪んだりするわな――現(・)実(・)な(・)ら(・)。

「んじゃ、ぁ……行くから……ねっ」

 グッと力を込めて腰を振り下ろす瞬間、やって来たのは僅かな異物感と圧倒的な熱量。痛みは何処にも無く、それどころか高度が落ちるにつれてお腹の奥が押し広げられていくのがなんだか心地いい。

 程なくストンと着陸した私は確信する、やはり夢なんだと。覚めるのが惜しくなるくらいに、都合のいい夢。

 まあ、良いじゃないか。年に一度の誕生日だ、こういう事だって起こるさ。

 それより大事なのは、この時間を楽しむ事だ。

 グリグリと腰を押し付けると、一番奥が突き上げられるかのようで気持ちいい。少し腰を上げてみると、その過程で内壁がガリガリと削られて気持ちいい。そして再度落下すると、一瞬子宮の内側まで衝撃が突き通って気持ちいい。

 大喜くんを使うのって、こんなにも気持ちいいのか。もっと早くこうするべきだった、何を躊躇う事があったんだ。起きたら現実でもやってみよう、きっと大喜くんは許してくれる。だって、気持ちいいんだから。

 快感に集中する中で腰は加速し、パチュンパチュンと水音を弾かせる。こりゃ大分布団を汚してるな、まあ夢だし良いや。

 もっと早く。

 もっと強く。

 もっと熱く。

 更なる高みを目指しながら一気にギアを上げた、その時だった。

 日頃胸の谷間で、そして口の中で感じた拍動がお腹の中で弾けとぶ。子宮口目掛けて叩き付けられるその凄まじい勢いは、まさしく射精のそれだ。

 膣内射精ってこんな感じか、いやまあ夢だから本物とは違うんだろう。今まで受け入れてきた射精の記憶から再現されただけ、イメージでしかない。いずれは本当にしてみたいな、なんてね。

 恥ずかしい事を考えつつ、私はまだ動きを止めない。何度でもこれを味わいたい、もっともっとセックスがしたい。

 どうせ覚める夢ならば、今は浸っていようじゃないか。

 獣のような嬌声を上げながら、私は大喜くんの上で舞い踊る。夢のような時間を、夢が覚めるまで楽しみ尽くすために。

 

 

 ――まああれだ、うん。お酒は人の本性をさらけ出すだけで、人を変えはしない。あと未成年は飲んじゃダメ。そしてあんなに都合のいい夢なんて、あるわけがない。

 起き抜けに私はそれを痛感し、加えて自分のバカさに底なんか無いのだと知ったのだ。

 夢なわけあるか、そんなバカな事あるもんか。部屋はグチャグチャのドロドロ、大喜くんは息も絶え絶えで倒れたまま、そして私は股から白濁液を垂れ流している現状は、紛れもなく現実でしかない。

 大喜くんにも従業員さんにも土下座してどうにか場を納め、逃げ帰ったあの日。18歳になった最初の朝は、どうしようもなくメチャクチャな日になってしまった。

 でもまあ、あれは契機にはなってくれた。中途半端だった関係を、強引にではあるが進められたのだから。

 帰りの電車の中で話し合った結果、私たちは由紀子さんたちに交際の報告をする事になった。勿論安定のジャパニーズ土下座スタイルで。更に私は棚上げにし続けていた進路を、三年生の秋になってようやく確定させた。

 猪股家への滞在を一年延長し、大喜くんが栄明を卒業したら結婚する。そしてそれから独立し、新しい生活をする。それを猪股家と鹿野家に認めて頂き、これでどうにか話は丸く収まった――筈だったのだけれど。

 あの夜のらんちき騒ぎは現実だった、そして現実とは未来へ繋がっているものなのだ。

 そう、未来へと。

 まだ由紀子さんたちには話していないけれど、私は今――絶賛妊娠中。まあそりゃ膣内で精液を受け止めるというのは、そういう事だ。私だって健康な女子高生ですもの、そりゃあ妊娠だってする。夏の時点で引退したからウインターカップは後輩たちに任せたし、本格的にお腹が目立ち出す前に卒業式は終えられそう。

 だけどそのあと、どうしよう。さすがに怒るかな、みんな。いやでも結構喜んでくれるかも、だって孫は子供より可愛いって言うし。……それはちょっと都合よすぎか、もう少し真面目に考えないといけない。て言うか大喜くんにもまだ言ってないんだよね、まずそっちを何とかするか。

 結局は忙しくなるのか、穏やかに生きられない性分なのかもな私は。

 まあでも多分、どうにかなるさ。どうにかするさ、なんとでもなる。私の人生、行き当たりばったりでも破綻はしてないんだから。

 さぁてと、始めましょうかね。私たちの明日の為に、次の一歩を踏み出そう。

 

 

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