※この作品はR-18です。

アオの夜R18SS   作:扇町グロシア

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悩めるアオい夜は更けて #C  (夢佳×宗介)

 一年は365日であり、大体52週。土日や祝日に長期休みを入れて、ざっくり160日ほどの休日が我ら高校生には約束されている。とは言え運動部員にとって休日とは「勉強を休む日」でしかなく、基本は部活で潰れてしまう。そんな中で全休の日なんぞ数えるほどしか無いのだけれど、その貴重な日を私はどうして――他人のノロケ話に捧げさせられているんだろうか。

 この一日を他の事に使えなかったかな、と思いながらも私はマカロニ&チーズをかじりつつナツと向き合っている。ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドでブラピが作ってたやつはグラタンっぽかった記憶があるけど、ここのはスナック菓子的なサイドメニュー。Falloutに出てきたやつに近いかもしれない。

 しかし奢ると言われたし来てはやったが、スタバじゃねぇか。こんなもん大した金額にもならんぞ、あんにゃろうめ。私立のスポーツ強豪校にいる割に金払いが悪いんだから、不思議なもんだ。うちなんか親が離婚して学費が確保出来なくなったのに。

 元々お前は恵まれすぎなんだぞ、わかってんのか。

 一応睨み付けてはやるが、根っからホエホエなナツは何処吹く風。そうだった、コイツ馬鹿なんだよな。それもかなりの。

 まあ誘われて無下に断るのもあんま気分は良くない、私らの距離感は現在そんなもん。いつも一緒にいた頃なら気が乗らないとか言って帰ってもやれるけど、今はそうも行くまい。会って会えない事はないとは言え、学校が違うし色々と問題も多い。

 遠くなったからこそ、機会が無ければ会えないからこそ、一回一回を大事にしたい。

 そうは思ったんだが、なあ。

 さっきっからもう濃厚にノロケくさってまあ、肖りたいやら金借りたいやらってなもんだ。

 しかしあのウインターカップ時点では付き合ってなかったのに、年明けて即かよお前ら。早い、早いよ。いやそれは良いんだ、まだそれくらいなら。

 ただ、だ。

 ノロケは百歩譲って許すとして、だ。

 でもなあ――……。

「お前は……! 白昼堂々スタバで生々しい事言うんじゃない、なんでこんなとこで下の話なんぞされにゃならんのだ」

 微に入り細に入り滔々とエロ話しくさってからに、このアホはもう。額をグリグリしてやると、痛い痛いと大騒ぎしやがるし。

 あのチキンタツタ野郎に男気なんか期待できないとは思ってたけど、お前が襲って跨がったんかい。ほんにまあ、いらん方向にばっかり行動力出しやがって。どんだけガラッパチなんだ。

 しかもなんだ、最近は向こうの方が盛んになってきて大変だってか。何処までノロケれば気が済むんだ正真正銘のバカップルどもめ、こんど片割れの方にあったら殴っておこう。理由はどうでもいいから一発殴らせろ、と凄んでやる。

 どうしてこうも私とナツは、対照的なのだろうか。だからこそ噛み合ってたし、だからこそ堪えられなくなったのだろうな。

 

『夢佳の彼氏くんはさ、そういうのはどうなの?』 

 そう聞かれて、私は応えられなかった。どう答えを繕えば良いか、分からないから。

 とりあえずそれっぽい一般論で話を終わらせ、逃げ去るのが精一杯。

 ……堕ちたもんだな、私も。あのアホなんぞに遅れをとるとは。

 でもまあ、うん。そんな事を言ってもいられないのだ、私の現状は。

「ちょっと待った、い……抜け! 裂ける裂ける!」

 のし掛かってくる宗介を殴りつつ、情けない声を上げてしまう私。人が見たら強姦でもされているのかといぶかしむだろうが、私らは恋人同士だしそういうプレイをたしなむ訳でもない。

 ただただ、上手くセックスが出来ないというだけだ。

 まさか周囲に相談出来る訳もなし、毎回貴重な時間を費やしても結局は失敗してしまう。……そりゃあ裂けても構わない覚悟で行けば済むのかもしれないが、痛くてそれどころではない。宗介にも毎度毎度頑張らせておいてこれでは、私もさすがに心苦しい。……と言うか、オロオロする宗介を見ること自体が……かな。

「うー……やっぱ今日もダメだわ。……ごめん」

 股を押さえながら謝る私に、やっぱり宗介は狼狽し続けている。まあ私が素直に謝るなんて、普段は絶対無いからね。

 最初はそれこそ当たっただけで異物感に堪えかねていたけど、なんとか先端くらいは埋まるようにはなっている。ただ、そこから更に進むとなると無理だ。痛いし、痛い。

 ナツはいきなり跨がって上手くいった、みたいに言ってたけどどうなってんだ。体格は変わらないし年も同じで、なんでそうなるんだ。もしやオツムと一緒でどっか抜けてんのかあれは。

 宗介だってこれじゃ大変だろう、ここまで硬く反り返らせておいて御預けなんて。

 ――まあ、そのままにはしないけどさ。

 役割を果たせなかったゴムを引き剥がし、私は剥き出しになった粘膜へと触れた。指先で裏筋をなぞりつつ、舌先を這わせていく。口で奉(・)仕(・)する、なんてのを知ったのはつい先日。参考にならないものかと長し見してみたAV由来の、適当きわまりない我流ではあるけど。しかしまあ、慣れてる人というのはあんなにすんなり入れられるものなんだろうかな。ちょっと信じがたいけど、まあそれは今考える事ではない。

 舌でチロチロとつつきながら形を確認して気付いたけれど、傘になっている部分が一番太い部位なわけだ。ならここが入ればもう平気なはずなのに、どうして無理なんだろう。太さより長さが原因なのか、それとも私のせいなのか。

 なんて思いながら、私は宗介の先端にキスしてそのまま頭を上から被せていく。上の口でならこの通り簡単に呑み込めるんだし、下でもいけそうなもんだけど。

 ガチガチに勃起した宗介自身から溢れる汁はたちまち口中に広がり、息をする度生臭さが鼻へと抜けていく。宗介でなければ、怒って咬み千切っているかもしれない。こんな事を平然と出来るのは、宗介が――好きだから、だろう。

 じゃあ失敗してしまうのは、愛が足りないからなのか。私は宗介を愛したい筈だけど、身体を自由にはされたくないとか思っているのか。

 良くない想像が頭の奥で膨らみ始めた、その刹那。私の口内でも宗介がブワリと膨らみそして、思いきり激しく跳ねた。

「ん、んー……っ、ぉ……ぅぁ」

 喉の奥へと撃ち込まれる、粘液の塊。熱い精液の奔流が食道を駆け抜け、胃の腑にまで落ちていくのが分かる。……出すなら言えって言うのに、こんにゃろう。そりゃもう呑めるけどさ、礼儀ってもんがあんだろ。最初に口で出されたときは、ちょっとひっぱたいてから口移しで呑ませ返してやったっけ。スゴい嫌そうな顔してたな、自業自得だけど。

 でもまあ、とりあえずこれで義理は果たせた。私のワガママに付き合わせたんだし、せめて射精くらいはさせてやらないと。

 ――次こそ、次の機会こそはちゃんと一から十までセックスをしよう。

 

 次こそ、今度は、そう思って何回夜を重ねたか。

 何が悪いのか、どう悪いのか。それさえ分からないまま、失敗だけが積み重なっていく。

 ギブアップした私はまたしても本懐を遂げ損ねた宗(・)介(・)を握り、しゅにしゅにと扱き立てる。前に自分でするのを見せてもらったし何度もしたけれど、どうもまだまだ勝手が掴めないな。私そこそこ握力あるし、あんまり手筒を激しくすると取れそうで怖い。まあ強くした方が気持ちいいらしいし、どうにかやってみるさ。

 逆に宗介も私(・)を触ったり舐めたりしたいとは言ってくれるけど、さすがにそれは断っている。自分でもあんまいじらない場所を他人に任せるのは抵抗があるし、何より気の毒だ。男子がイメージする程綺麗でも清潔でもないぞ、マジで。

 ……つまりはそ(・)う(・)い(・)う(・)事(・)、なんだろう。宗介にそこまで「深入り」してほしくないのだ、私は。出したくもない結論が胸の奥に沸き上がらせながら、私は手を加速させていく。

 程無く手の中に拍動は巻き起こり、白い飛沫を飛ばしながら半分固形化した濃い精液が華々しく吹き上がった。男子というのは単純で良いな、そう思うくらいに。

 今日も無駄撃ちなのに、宗介は私を責めやしない。むしろいつだって心配してくれる、それが……辛くなってしまう。

 放精が収まり白く染まった手を一舐めし、私はただ天井を仰ぐ。口から漏れでたのは、小さな弱音だった。

「潮時、なのかな」

 身体の相性が致命的に悪い、それが全てなんだろう。私以外の、普通にセックスが出来る人に宗介を任せてしまうべきかもしれない。

 いつまでもこうしているより、そっちの方が生産的だ。

 好きだから、好きだけど。嫌われる前に距離を置けば、傷付かず済む。苦しいだけで、死ぬ訳じゃない。

 そうしてしまえ、楽になるぞ。お互いもう、悩まなくてよくなる。

 察しの良い宗介は顔を強張らせ、私を見据えてきた。話が早くて助かるな、コイツは。

「私はさ、多分無理っぽいな。これ以上は……」

 無意味だ。

 無駄だ。

 不毛だ。

 そう終わりを告げようとした、その時。

「――好きだからしたい、ってのはあるよ。でも、しなければ愛してないって訳じゃないでしょう。俺たちは、それで良いんですよ」

 カウンターとして飛んできた宗介の言葉、それが真っ直ぐに私を居抜いた。

 それは、……それは。私はいつのまにか、ムキになりすぎていたのか。いつぞやのように。

 ただ楽しかっただけのバスケが、気がつけば重荷になっていた。私は人より優れていて当然、誰よりも先にいなければならない。そしてそれが通じなくなって、私は破綻したのだ。たった一年の違いは天地程に大きく感じられ、最強で無敵だった私はどんどん落ちぶれて。

 引退試合を不本意な結果で終えて、私は安堵していたじゃないか。これでもう、バスケを辞められるんだと。

 好きすぎて、貫きすぎて、嫌いになった。もう一度好きになれたのは、ナツのお陰だ。

 私はまた、繰り返す気なのか。私に着いてきてくれる大事な彼(・)氏(・)まで、嫌いになる気か。今度は誰も助けてくれない、それが分かっていても尚。

 そんなのを、許せるものか。

 握り締めた拳に込めるのは、自分への怒りと焦燥感。

 それに任せて私は、行き場を無くした感情を――目の前のメガネ野郎に叩きつけていた。

「生意気言ってんじゃない……! 宗介のくせに、お前はいつもいつも……!」

 ああ、八つ当たりだよ。宗介は間違ってないというか正しいけど、それでももうちょっとこっちの面子も考えてくれ。これじゃ私、ナツと変わらないじゃないか。アイツもあのチキンタツタ野郎を振り回しまくって、挙げ句の果てに身勝手な悩み方して私にまで迷惑かけてくれたもんな、うん。 

 我ながら理不尽ではある、そしてそれ以上に甘えすぎだ。このメガネは八つ当たりした位で私を嫌いになったりしない、そんな都合の良い事ばかり考えているんだから。

「あー……なんなんだよ。アホらし屋の鐘が鳴るわ、どいつもこいつも」

 一頻り殴り続け、段々馬鹿馬鹿しくなって漸く私は拳をほどいて宗介を抱き締める。全く本当に私と来たら、こんなんばかりじゃないか。自己嫌悪はあれど、それよりも強いのは脱力感。身勝手な話ではあるが、まあ向こう様はそれがわかった上で着いてきてくれている。

 それを示すように宗介は、言葉より何よりもストレートな表現――熱いキスをしてくれた。

 

 男の子の気持ちというのは、本当に分からない。

 無理してセックスしなくても良い、と言ってくれたのは有りがたいけれどさ。

 正直これは、変態臭くないか。

 ベッドの上で大きく股を開き、両手で自分自身を割り拡げてる私。それと向き合い、自身を全力で扱き続けている宗介。

 いや、いやいや。いやいやいやいや、なんだよこれ。

 どうも宗介的には、こうして「中」を見るのがスゴく興奮するらしい。コイツちょくちょくワケわからん事を要求するからな、ニーハイソックス履いてきてくれとか何処で買ったか知らない古い体操着……ブルマってやつ、あれ穿いた尻に擦り付けたいとか、髪の毛巻き付けてしごいてくれとか……。やっぱ変態なんじゃねえかな、このメガネ。

 それと、それに。こうしてると、自分で弄れなくてもどかしいんだよ。

「ふぅー……ぁっ、うぅぁ……」

 発情していく身体をもて余しながらも、向こうが達してくれないと止め時がない。気付けば二人の距離は近付き、体温が伝いあう程の位置にいる。

 激しくしごかれる竿はもう私のすぐそば、先端は入り口から一センチも離れていないだろう。見ながらしたいんじゃないんか、全くお前は。

 ――ああ、このまま出したいんだな。このまま噴出させてしまえば、遮る物も無いまま精液は膣内目掛けて飛んでいく。これで妊娠なんかしたら、笑い話なんてもんじゃないな。この私が処女懐胎だぞ、どこぞの聖母かよ。

 そうなったら宗介、どうするかな。やっぱりオロオロと狼狽えて、でも――私の思う通りにしてくれるだろう。愛してるとキスをして、責任とるとか言い出して、そして。ずっとずっと、幸せでいさせてくれるんだろうな。

 なんて妄想しながら、ふと考える。この姿勢から更に腰を突き出したら――、それで成(・)功(・)するんじゃなかろうか。ちょっとした悪戯心は、だからこそ程度を知らない。

 そうだな、行ってしまえ。女は度胸、だ。

「ん、んー……ぁっ」

 不自然な体勢のまま根性で尻肉を動かし、僅かに前へと進むこと一秒未満。

 ぐにゅりと軟らかくも粘っこい感触を経て、内側が押し拡げられる独特の感覚がやって来た。いつものような痛みは無く、具象化出来ない不可思議な快感だけがそこにある。

 さしもの宗介も何が起きようとしているか気が付いたか、手を離して腰を引こうとするが、もう遅い。

 まるで導かれるように私の腰は突き出され、そのまま。あっさりと、宗介を根本まで呑み込んでいた。

 なるほど、これか。これが、セックスか。

 お腹の奥まで宗介が到達している感じ、奇妙だが癖になりそう。宗介もそれは同じなのか、動揺した様子はあれど抜こうとはしない。

「ぁ、あぁー……。こう、かぁ……」

 手でしごいてやった時、口でしてやった時。それを思い出しつつ、膣内でそれを再現しようと私は腰を揺すり出す。そうなると私自身も中をグリグリと抉られて、これもなかなか悪くないな。

 ――と。何の気無しに見やった宗介は、目を硬く閉じ、なにかを必死で堪えているように見えた。それがなんなのか、理解するまでの時間は一秒か二秒か。なんにせよ察した私は、繋がったまま宗介の耳元で囁く。

「良いから、出……せっ。私の中で、このまま……さぁ……」

 もうじき排卵予定日の私は、世に言う危険日だ。妄想じゃなく現実として、避けられない事実としての妊娠が迫ってくる。下手をしたら二人揃って破滅するかもしれないのに、背筋のゾワつきは治まる事を知らない。 

 そうなりたい、なってしまいたい。何処までも、一緒に。

 反論を許さない私の性格を知っている宗介は、一際大きな喘ぎと共に身体を震わせ――私の奥で果てていく。

 その瞬間、頭の裏側に稲妻が走った――気がした。それほどまでに激しい快感が、一気に爆発したのだ。ドクドクと精液が注がれるのに合わせ、一瞬一瞬違うベクトルで脳が焼かれていくのが分かる。

 ああ、そうか。AVで膣内射精された女優が壮絶なイキ顔を見せていたのは、これだったんだ。そう冷静に分析している私と、快楽に狂う私。そのどちらが「本当」なのかは、もう分からない。

 ただこの時間だけを貪るように味わいながら、獣の声を上げ私は宗介と交わり続けていた――。

 

 夢を追うのは、楽しい。二人一緒なら更に、だ。

 もうじき人生で一番熱い夏が来る、最初で最後のインターハイを目指す夏。それが終わったら、どうしようか。宗介と二人、新しい夢を見ようか。

 叶わなくても、夢は夢だ。見ている間は楽しいし、無意味だとはならない。壊れた夢も、欠片を拾い集めて額にでも入れればそこそこ見られるインテリアにはなる。そしたらまた、新しい夢を見れば良い。

 まあ、叶えるけどさ。この私が、どうあろうとも素直に負けてなんかやるものか。

「夢佳、あんまり無理しないでよ」

 練習に向かう私に、宗介はいつものようにこう言ってくれる。人間の出来たヤツだよ、変態の癖に。メガネかけてるだけの事はあるな、うん。

 結局まあ、あの時点では子供ができたりはしなかった。次以降は宗介が徹底して避妊するようになったし、まだまだ先へは進めなさそうだ。もしできてたら、こんな風にバスケを続けるわけにはいかなかったけど。……しかしまあ、あの狂い方が恋しいのも事実なんだけど。安全日だから生でしろ、って言ってもあのメガネ変なところで真面目だから聞かないし。

 引退したら心置きなく出来そうではあるけど、この調子じゃあどうなることやら。もしかしたら卒業まで御預けになるかも。しかしそうなると、私もナツみたいに跨がっちゃうな。

 そういやナツのとこはあれから色々あったそうだけど、まさか私に先駆けて当たってたりはしないだろうな。栄明のスターティングメンバーにいなかったらどうしよう、それこそ一発ひっぱたいてやらんと。チキンタツタ野郎の方は先日殴ったんだけど、ナツはまだなんだよね。そろそろ強烈なのを食らわせてやらんと。

 ……とりあえず、考えるのは今度にしよう。まずは練習練習、終わってから宗介とイチャイチャしようじゃないか。

 私は貪欲でワガママだ、欲しいものは全部取るししたいことは全部やる。

 さあ、天才様の御出陣だ。雑魚共を蹴散らし、コートを乗っ取りに行こうじゃないか。

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