二年以上前のやつなので、当時まだ全然出ていなかった人を弄り倒した計算になります。
…………………まあ……………うん。
あと最近あんまり書いてない闇系話ですので、バカップル好きな方には向かないかも。
鹿野千夏、我らが英明中学高等学校女子バスケ部のエースにして次期部長候補ナンバーワン。美人で才能あって頭よくて、でも気取ったところが一切無いというパーフェクツなオンナ。まあ、足りないのは色気くらいじゃないだろうか。……ええ、私も人のことは言えませんけどね。良いんだよバスケに色気なんかいらないし。
クラスの男子とも普通に仲良いけど、浮いた話はなぜか何一つ無い。だからこそ、彼女持ちの針生くんも特に気にせず接してられるんだろうけど。あれで彼氏欲しいオーラとか出してたら、針生くんの彼女が嫉妬で倒れそうだ。
……とは言え、だ。家の都合で学校を辞めかけたり、親戚だかの家へ住まわせてもらう事になったりと色々大変な事情も抱えている。千夏は自分からそういう話はしたがらないし、こっちも根掘り葉掘り聞きゃしないけどさ。
千夏だって、苦労してるんだ。だから籠原の連中が、成長してないだの期待外れだの言ったときは腹が立って腹が立って。私らはみんな、千夏が大好きだ。千夏には幸せになってほしい。心からそう思っている。
だから、そう。千夏にちょっかい出そうとするのがいるなら、どんな奴か確かめないといけない。
「お……、千夏?」
商店街を通りすぎる姿に、一瞬足が止まる。千夏がこの辺を歩いてるのは、別に珍しいことじゃない。最近こっちに有名な整体師さんがクリニックを開業したし、学校から近い商店街だから私も帰りがてらちょこちょこ寄り道する。珍しいのは、その隣。
――男子が、一緒に歩いている。しかも、なかなかに親しげに。千夏が話しかける度に、動揺した素振りを見せてるけど。
確か千夏に兄弟はいないはずだし、誰だろう。顔は体育館かどこかで見た気もするけど、上手く思い出せない。しかし随分近いな、偶々会った知り合いって感じではなさそう。
まさか、彼氏か? いつの間にか、彼氏なんか作ってたの?
いや、まさか。まさかまさか。あの千夏が、あんなじゃがいもみたいなのを。まさかまさかまさか。
私は踵を返し、そっと二人の後ろに付いていく。尾行なんてあまり得意でもないけど、商店街の混み方を考えれば多分バレはしないはずだ。多分。
二人は仲良く買い物をし、そして。そして。……同じ家の中へ、入っていった。御丁寧に「ただいま」付きで。
千夏がいってた通りあそこが親戚とやらの家で、あの男子が従兄弟とかそういう間柄だとしても色々おかしい。そもそも親戚同士でも、同じ年頃の男子がいる家に女子高生の娘を預ける親なんかいるだろうか。だって男の子だよ、ケモノみたいなもんだよ絶対。そうなると、親戚って話自体が嘘かもしれない。親公認で彼氏の家に住んでる、って事なんだろうか。
……そうなると、そうなると。私はどうしたものか。
「猪股? ……ああ、大喜か」
表札に書かれていた姓を針生くんに尋ねると、あっさりその男子は見つかった。
針生くん曰く、「俺ほどじゃないけど、そこそこデキる」らしい。ただ「粘り強すぎてナマイキ」とも言ってたけど。改めて見ると、そういえば部活中によく見る顔だ。地味だから忘れてた。
猪股大喜くん、男子バドミントン部の一年生。結構な頑張り屋に見えるし、イケメンではないけどそこそこ可愛い。クラスに一人はいそうな、普通の男子。
それから暫く観察したけれど、特に変わった所はない。バド部の中でも、とりたてて強くはない。確かに針生くん程ではない、でも全力で追い付こうとしている。周りからも好かれているっぽい。
うん、つまりとっても普通。正直、千夏みたいなパーフェクト超人にはとても釣り合いそうもない。
……本人同士が良いなら、別に良いんだけどさ。
釈然とはしない。するわけない。あんな地味なのが千夏の彼氏とか。気の迷いにしてもちょっと不自然だわ。
これは、試してみた方が良さそうだ。
「ちょーっと良いかな?」
休日の昼間、家から出て商店街の入り口近くまで来た所を狙って声をかけてみる。逆ナンみたいだけど、まあそれは別に良い。
一瞬明らかに警戒した顔をする大喜くんだけど、ちょっと間をおいてそれが緩んだ。
「あー……、千夏先輩のチームメイトの人、ですよね?」
おや。何で知ってるのか。千夏が写真でも見せたんだろうか。そこまで親しいってことか。
「前に籠原の事で怒ってた、確か渚さ……」
そこまで言って、大喜くんは「しまった!!」の顔で目を逸らした。
そう言えば、そんなのを試合終わって学校にもどってから、ゴール出しつつ愚痴ったような覚えがある。……聞いてたんかい。
ま、良いか。別に隠すことじゃない。
「そう、千夏のチームメイトの渚。気軽に渚先輩と呼びたまへー」
先輩オーラを出そうとしながら手を握ってみる。バド部だからか、バスケ部の針生くんたちとはまた違う肉付きだ。頑張っている手なのは同じだけど。……この手が、千夏に触れたんだろうか。触ったんだろうか。弄ったんだろうか。そう思うと、知らず知らず手に力が籠ってしまう。
「これから、時間あるかな? おねーさん、君に聞きたいことがあってねぇ……」
しっかりと手を掴んだまま、大喜くんを引き寄せてそして。耳元で、囁く。
「千夏の事とか色々、ね」
どうやら大喜くん、女子には不慣れらしい。カラオケボックスに引っ張って行ったものの、女子と二人きりなのが照れるのかずっと顔を赤くして俯いている。まあ、可愛いけど。可愛いけど、彼女がいる男子の態度ではない。どうもこの子はよく分からないな。
「あの、千夏先輩の事、って……」
おずおずと口を開いた大喜くんに、一発直球を投げ込んでみる。
「君、千夏と一緒に住んでるよね? 彼氏とかそういう関係?」
見事直球は鳩尾に入ったらしく、大喜くんは変な声を上げてそのまま横倒しになってしまった。これは……なんだろう。否定か肯定か。まぁ、何にせよ探っておかないといけない。
倒れているのを揺さぶって更に聞いてみると、激しく動揺しながらも一応は声が返ってきた。
「そ……そういうじゃ、無い……です」
「じゃあ、セフレとか? あーでも、身体はともかく生活はセフレに預けらんないかー……」
大喜くんは倒れたまま、更に真っ赤になる。面白いなぁ、この子。
一応その後、時間はかかったけど大喜くんから色々と聞くことは出来た。千夏の母親と大喜くんの母親が仲良くて、その縁で日本に残る千夏は猪股家に預けられた事。
二人の間に「そういうこと」は無い事。
でも大喜くんとしては、千夏に好意があるという事。
そして、千夏のためにも同居の件は周囲から隠さなければいけない、という事も。
……不用意にそんな話はしないし、したとしても絶対出所は言わないと約束して、それはまぁお仕舞い。千夏が私にまで隠してたってのはちょっとショックだけど、でもこればかりは仕方ないか。心配かけたくないんだろうし。
そして、話は次へ。この地味ーな大喜くんが、千夏を任せられる男子かどうか、だ。
今はともかく、この先色々無いとも限らない。早いうちに、真贋を見定めておかないと。
とりあえず、第一印象は悪くない。女子に不慣れなのも、チャラチャラしてるよりよっぽど良い。
でも、不慣れすぎて手の上で転がされるようじゃ頼りない。そこはさじ加減だけどね。
ただ、こういうタイプは押しきられて色んな女の子と蛸足配線になりやすい。男の子は基本的にチョロいからね。
本当に一途か、試しておこうかな。まぁ、簡単な事だ。
「たーいーきーくーん」
肩に手を回し、そのまま大喜くんを引き寄せて。思いっきり身体を密着させる。ビクンと大喜くんの身体が強張り、赤かった顔が更に更に赤くなる。ウブだねー可愛いねー。ここでいい気になってグイグイ来るような軽いオトコじゃ、千夏はとても預けられない。
「千夏がいつも一緒じゃさーあ、色々タマってるんじゃないのー?」
ツーっと舌先で顔をなぞりながら、指を大喜くんの肌へと走らせる。ガチガチになった身体は、でも男子にしては少々弱っちそう。もっと逞しい方がモテそうなのに。……逞しい方が、ね。
身体を降りて行った手を、腰の当たりで止める。そう、逞しい方が良いんだ、ここは。
厚い布地越しにトントンと指で叩いてあげると、中からは蠢く気配。オトコノコだねぇ、敏感だねぇ。早く外へ出たくてウズウズしてそうだ。
でも、だ。大喜くんは、少なくとも本人は、抵抗したいようだ。譫言のように、やめてくださいと呟き続けている。力尽くで抵抗しない辺りは気になるけど、まぁ及第点だろう。ちょっと弄られた程度でホイホイなびいちゃ、さすがに頼りなさ過ぎる。好きな人がいるんなら、他からの誘惑をはね除ける精神力がないとね。
さて、続きだ。
「千夏にはナイショにしてあげるからさー、おねーさんと……しない?」
手の平全部で、大喜くんのそこを擦りあげる。幸いここの店長はうちのOG、顔が利く間柄だ。ここでなら、なにやったって問題にはならない。
手の速度を速めたり、緩めたり。手に伝わる熱さは、大喜くんの興奮そのものだ。
「あ……っ、俺っは……っ」
必死の顔で耐えている大喜くん、なかなかに可愛い。こういう所が千夏好みなのかな、千夏って割とSだから。でも、どこまで耐えられるかな。
左手で根本をなで回しながら、右手を布の下へと滑り込ませる。そして、そして。
「んー……、元気元気。こっちは乗り気だよー?」
中で震えている肉の塊を、引きずり出してあげる。パンパンに張り詰め今にも破裂しそうに勃起した、顔に似合ったサイズ。なかなかどうして、悪くない。
人指し指と中指を引っ掛けるように裏筋に当てて、そのまま先から根本を往復。何度も、何度も。たまに親指も沿えてみたり、左手の爪で尿道口を僅かに引っ掻いてみたり。たちまち透明な汁が溢れ出し、私の手を汚していく。
それでも。それでも大喜くんは歯を食い縛って耐えている。操を立ててる、ってことか。こりゃまた可愛い。
ここまでされても我慢出来るって、これは結構な一途さだ。こう真っ直ぐなら、千夏を任せても良いかもしれない。
後は、そう。
味見をしておこうかな、せっかくだし。
我慢強い男の子を陥落させるのは、結構好きだからね。
指二本ではなく、右手全部で竿を握り。左手は、先端をかきむしるように動かして。私の必殺パターンだ。
大喜くんは唇を血が出そうな程噛んでどうにか耐えているけど、それは想定内。
ここから、トドメの一撃をお見舞いする。
「おねーさんじゃなくて、千夏にしてほしいのかな?」
小さく、でもハッキリ聞こえるように。大喜くんの耳へと囁きを流し込む。ビクンと身体が硬直し、そして。
「――!!」
握りしめている私の手まで震える程の、凄まじい脈動が、やって来た。
張り詰めた意識が一瞬でも他所へ向かえば、どんなに我慢強くてもすぐに決壊する。余所見をさせてから殴ってダウンさせるようなものだ。
ドクドクと精液が迸り、床に白い染みを刻んでいく。やっぱりタマっていたのだろう、その量は一回の射精とは思えない。
「あ……あぁ……」
大喜くんは、真っ青になって涙まで浮かべている。……ちょっと、やりすぎたかな。そこまで純情だとは思わなかった。きっと、こう思っているんだろう。「千夏先輩を裏切った」とかなんとか。付き合ってる訳じゃないなら、浮気でも何でもないのに。まぁ、堅いくらいが一途で良いんだけど。
手を濡らす精液を一舐めしながら、考える。この、先を。
大喜くんは良い子だ、それはわかった。でも、どうせなら。
もうちょっと、味わっておきたい。千夏の前に。
「あーあ、出しちゃったねぇ……」
罪悪感で揺れているであろう心を、更に一押し。この手合いは方向さえ決めてしまえば、勝手にへし折れてくれるから。
摘まみ食いする時は、ちゃんと一回折っておかないとね。後で面倒な事にしたくないし。
だからこうして、傷を刻んでおく。私に強く逆らえないように。
勝手知ったるヒトの家、とはよく言うけれど。私にとっては、行き付けになっているホテルがそんな感じだ。
半分放心したままの大喜くんは、まだ状況が分かっていないようだったけど。
でもさすがに、部屋の様子を見て色々と感付いたらしく再び真っ赤になってしまった。
最初は逃げようともしたけど、「千夏の為だから」の一言で大喜くんは金縛り。
そこへ、更に畳み掛ける。千夏は私と違って、そういう経験が全然無いからね。大喜くんはオトコノコなんだから、いざという時はリードしなきゃいけないんだよ、ちゃんと出来るようになっておかなきゃ。滔々と諭すと、大喜くんは真っ赤になったまま小さく頷いてくれた。普通ならこんなバカみたいな話に納得なんかしないだろうけど、今の大喜くんは手負いだ。傷口を庇うためなら、嘘だろうとなんだろうと受け入れてしまう状態。思い通りに操れる、可愛いオモチャ。
服を脱がせて、足元へ跪かせる。こうやって立場の上下をしっかり抑えておけば、こういう子は逆らえないし逆らわない。
千夏に返す前に、あれこれ仕込んでおこう。きっとその方がうまくいく。はず。不器用がサマになるようなタイプならともかく、一通り教え込んでおけば千夏も楽だろうし。うん。
私も服を脱ぎ捨て、大喜くんを見下ろす。おっぱい触って良いよ、というとおずおずと手が伸びてくる。遠慮がちに、顔を背けながら。
日頃バドでラケットを握り締めているからか、その手はやっぱり結構がさついている。力の加減が分からないんだろう、おっかなびっくりな触り方がなんとも可愛い。千夏は私よりちょっと大きいけど、まあ参考にはなるだろう。
でも、ちょっと物足りないかな。大喜くんの手を掴んで、強引に胸へ押し当てて。ちょっと強めなくらいの力で、なで回させてみる。私のおっぱいは動きに合わせて揺れて動いて、大喜くんの手がどんどん熱くなっていく。ああ、可愛いねー。キスしたくなるけど、それはさすがに我慢。ファーストキスは大事だからね。
代わりに大喜くんを引き寄せ、その顔を両胸でサンドイッチしてあげる。……まあね、そんなに大きくはないですけど。ですけれど、これがオトコノコには効くんだ。
だって、ほら。
大喜くんはさっきから落ち着きなく腰をモゾモゾさせていて、谷間に伝わる吐息も焼けるように熱い。
ナニをしたいのかは、一目瞭然。だけど、私は何も言ってあげない。そのまま身体を放し、――軽く突き飛ばす。支えを失った大喜くんの身体は大きく揺れて、そのまま。仰向けに、ナニもかも晒して――倒れた。
呆然としたまま、お腹を晒して。丸裸で。無防備で無抵抗で、服従しか出来ない姿勢。ああ、可愛いねえ。脚に着けたミサンガは、千夏があげたものだろう。確か千夏も同じのを着けてたし。大喜くんからそういう事は……出来ないだろうなぁ。
倒れて尚天井を向いている、大喜くん自身を、足の裏でなで回す。ちょっと力の加減を間違えれば、潰してしまえる。目の前の相手を支配している、という快感。
足指で挟み、爪で擦り、肉の袋を踏みつけて。大喜くんに、屈服する快楽を仕込んでいく。男の子なんて、それくらいがちょうど良いんだ。あんまり俺が俺がと来られると、千夏も大変だろうしね。力を少しずつ強めていくと、不意に大喜くんの身体が大きく痙攣し、そして――
「っと、また出ちゃったの?」
迸った精液は大喜くんのお腹へと降り注ぎ、私の足と自分自身を汚していく。元々素質があったんだろう、こういうのには弱いんだ。まあ、スポーツ男子は基本Mだけどね。だからこそ自分を痛め付けて喜んでるんだし。
このままもっとあれこれ楽しんでも良いんだけど、もう二回出させちゃったしなぁ……。あんまり数を出させてヘバっても面白くない。と言うかさすがに可哀想だ。
さてじゃあ、頂いてしまおうかな。
普段だったらこのまま跨がる所だけど、もう一押し。完全に、折っておこう。
私はベッドに腰かけて、大きく脚を拡げる。ナニもかも、大喜くんからは丸見えだ。
「大喜くん、キミがしたいようにしていいよ。勿論、何もしなくても……ね」
聞こえているのか、いないのか。大喜くんの視線は怯えていて、でも、一点に釘付けだ。
こういう子だし、ネットで無修正を見るとかそういう機会も無かっただろう。理性ではなく雄の本能が、雌を求めてしまう筈だ。相手が誰であろうと、オトコノコは必ずそうなる。どんなに一途でも我慢強くても、絶対に抗えない。
現に身を起こした大喜くんは、少しずつ私に近付いてきている。身体は身体で、素直になってしまうものだから。好き嫌いじゃなく、本能がサカろうとする。操を守ろうとしたって無駄だ。
そして強制ではなく、あくまで自分の意思で裏切らせるのが大事。一度そうなった心は、二度と癒えない。私に、二度と逆らえなくなる。
大丈夫、千夏好みになるまで、私が育ててあげるからね。
ギシリ、とベッドが軋んだ。もう、あと数センチ。大喜くんが大人になるまで、或いは千夏を裏切るまで――数センチ。
まだ堪えようとしているのか、その間はなかなか縮まらない。でも、そんなのは形だけだ。もう、止まれるわけがない。誰だって、そうだから。恋とかそういうのは、快感に勝てない。分かりきっている事だ。
「ん、あ……っ」
緩い水音と、肉が掻き分けられる感触。大喜くんが、私に入り込もうとしている。大喜くんはこの先、何度となく千夏とセックスするだろう。でもその度に、私を思い出す。顔も名前も忘れても、身体は私を忘れない。私のオモチャだから。私から千夏へと贈る、オモチャだから。
腰の振り方なんか知りもしないんだろう、ガクガクとぎこちなく震えるように動くばかり。これもちゃんと教えてあげないとね、一人前になるまで育ててあげよう。
大喜くんは目を瞑ったまま譫言のように、先輩先輩と繰り返している。……千夏先輩、なんだろうな。まぁいいけどね、そこまで深く堕としても悪いし。堕とすのは、途中まで。逆らえないくらいに折っておくだけ、完全に心を潰す必要はない。身体はちゃんと仕込んでおくけど、心の奥は千夏の事でいっぱいにしていればいい。
ぱちゅんぱちゅんと鳴る音と、大喜くんの可愛い喘ぎ声。それが部屋を満たしていく。さぁ、そろそろかな。
「大喜くーん、気持ちいいかなー?」
「あ、は、……いっ」
息も絶え絶えな大喜くんに、一言。たった一言、投げ掛ける。
「大喜くんはー、誰が好きなんだっけー?」
幸せそうでさえあった表情が、凍り付いた。熱気に浮かされていた頭を、現実に引き戻してあげる。そうすれば、思い出す。自分が、何をしでかしたかを。身体の求めるままに、してはいけないことをしている事を。でも、身体は止まらない。大喜くんが困惑している間も、腰は加速し続けていて。そして。
「あ、あっ、……ぁ……」
絶望に染まった瞳が見開かれ、大喜くんの身体がビクビクと震えた。私の中、その奥にまで染み透る熱が心地良い。大喜くんの心が、折れた証。三度目とは思えない、長い長い射精の果てに、大喜くんは糸が切れたように崩れ落ちてしまった。
これで良い。目を覚ましても、罪悪感から逃れる為私に従うだろう。恋する心は千夏にむけたまま、他の全てを支配できる。
私が、作り替えてあげるからね。千夏が喜ぶ、最高の彼氏になれるように。
それから数週間が経って、私は千夏から相談を受ける事になった。勿論、大喜くんの話だ。
私が教えた通りに告白したみたいで、付き合うことになったんだとか。
まあ、今までバスケ一筋だった千夏がそうそう大胆になれる筈もなく、キスさえまだ出来ないらしい。
……キス、か。さすがにキスは仕込めないからなぁ。そういうのは恋人同士で学びあうものだし。私は大喜くんに「その先」を仕込み続けているけど、役に立つのはいつになる事やら。でも大喜くんは呑み込みが早いし、どんどん千夏好みに仕上がっていっている。この先二人がセックスすることになっても、問題はないだろう。女の子の扱い方も、ちゃんと出来るようになってきたし。
千夏の幸せは、私の幸せ。
私は千夏が大好きだからね。
千夏がもっと幸せになれるように、これからも大喜くんを鍛えてあげないと。