まったく、大喜くんは可愛い。
そう、可愛い。あんまり可愛くて、からかいたくて仕方がない。
ほんの少し肌を見せるともう真っ赤になるし、ちょっと近づいて話しただけでアウアウしてしまう。あんなに可愛い男子もそうそういないだろう。一緒に住んでいて、飽きるという事がない。
もっともっと、可愛がりたくなってしまう。
そんな事を思いながら、私はベッドの上で目を閉じる。
神経を耳に集中し、微かな音も残さず拾っていく。バスケで鍛えた空間把握能力は、こういう時にも役に立つのだ。
反響しあう音の差から少しずつ、周囲の状況を組み上げていく。精度はそこまででもないけど、こうすれば隣室の様子も感じ取れる。
大喜くんは、まだ起きているようだ。
僅かに漏れる微熱混じりの吐息、水気の混じる摩擦音。ナニをしているか見当はすぐにつく。大喜くんは、シてるんだ。きっと、私を思い浮かべながら。
もし今こっそりと部屋を出て、そっと入っていったらどうなるだろう。私的には可愛い姿を拝めて眼福だけど、大喜くんは恥ずかしさで真っ赤になる所か泣いちゃうかもしれない。きっとその泣き顔も、やっぱり可愛いんだろうな。
でも、我慢だ。他の家族に気取られると不味い。なにかあったら、今のように大喜くんを愛でられなくなってしまう。
節度をもって、大喜くんをからかって遊ぼう。
そんな大喜くんだけど、とても距離が近い女子がいる。
蝶野雛さん、英明の生徒では私より有名な子。そして、周囲に感情がダダ漏れな子。
本人は大喜くんを好きなのを隠しているつもりなんだろうけど、はっきり言って大喜くん以外の全校生徒にバレてるレベルだと思う。
……大喜くんは可愛いけどバカだから、多分このままだと一生気付かないだろう。蝶野さんが告白したら、まあさすがに分かるだろうけど。
現時点では、ラブコメでよくいる幼馴染みポジションの子だ。「仲の良い女子」とは認識されているけど、恋愛にはならないタイプ。大体途中で負けヒロイン扱いされる子かな。
まあ、大喜くんと蝶野さんが仲良くするのは構わない。構わないけど、でも。
私のオモチャでいてくれなくなるのは、ちょっと困る。いっそ蝶野さんも巻き込んじゃおうかな、でもあの子結構濃いからキツいか。
初対面で彼氏いるんですかとか聞いてくるし、嫌いじゃないけど圧がちょっと……ねえ。
どうしようかな、と思いつつ体育館の中。部活の合間に、視線だけで大喜くんを探していく。
一応同居の事とかは隠さないといけないから、校内では基本他人のフリなのが一々面倒。
でもまあバドのエリアは決まっているから、程なく大喜くんの姿が視界に入る。
今日も大喜くんは頑張っているけど、やっぱりそこまでの成果は出ていないようだ。
大喜くんの仕事は可愛い事だから、別にバドを極める事もないと思うけどね。でも、頑張っている大喜くんも可愛いから良いか。
ふと、視線が交差する瞬間。私に気付いた大喜くんは、赤くなって顔を背けてしまった。
可愛いなぁ、オトコノコって感じで。
……そろそろ、頂いちゃいたくなる。でもまだ、我慢だ我慢。準備はしっかりとしておかないと。
猪股家の面々は、私を信頼してくれている。
鍵も渡されてるし、家の事は殆ど何でも任せてくれる。留守を預かる事さえある。
個人的には赤の他人をここまで信頼するのは、ちょっとおかしいとも思うけれど。
でも、お陰さまで動きやすくて良い。私表向きは優等生だし、信用を築くのはもはや特技のレベルかもしれない。
そんなわけで、私のコンディションと家族の不在が重なるチャンスを狙って数ヵ月余り。
その日が、とうとうやって来た。大人三人がそれぞれの理由で明日の夕方まで家を空ける、そして私の方も準備万端。そんな日が。
大喜くんは今日明日私と二人きりだと知ると、すぐ真っ赤になってしまった。可愛いなぁ。
ここでチャンスだって襲いかかってくるような勇気はないだろうし、でも私と二人だけという事に期待はしている筈だ。
だって大喜くん、私の事好きだから。
一応裏は取ってある。私が中学バスケ引退試合の後で練習してるのを見て、それで好きになってくれたそうだ。
大喜くんと多分一番仲の良い友達、笠原くんから聞き出したから多分間違ってはいないはず。笠原くんは如才ない子で、可愛いとは思わないけどスゴく便利。あれこれと大喜くんの情報を聞かせて頂いている。
それに大喜くん、照れながらも私と一緒にいたがるしね。蝶野さんから好かれてる事に気付いてないくらいだし、私に気付かれてる事も分かってないだろう。本当に可愛い子だ。
二人きりの家のなかで、少しずつ距離を詰めていく。ほんの僅かずつ、大喜くんの間合いを侵食していく。ゆっくりと、ゆっくりと。
そして、ほんの少しだけ。大喜くんの手に、私の手を触れさせる。アクシデントを装って。
「あ、……っ」
頬を染めた大喜くんが、恥ずかしげに手を引っ込める様がなんとも可愛らしい。
私は元々体温低いし、今時期は特に低いはずだからすぐ気付いただろう。まあこれは明日明後日辺りまでで、そこからは上がるんだけどね、多分。そのために調整してきたんだから。
照れてはいても逃げ出さない辺り、期待はあるのだろう。オトコノコとして、そういう期待が。
視線が、絡み合う。「その気配」を感じたのか、それとも。大喜くんは、何も言わないまま私を見詰めている。
ああ――可愛い。あんまり可愛いから。
「ごめんね」
スッと顔を近づけ、一応謝って、そして。
私は、大喜くんにキスをした。
ちょっとだけかさついた唇を、私の唇で塞ぐ。
そして歯列をなぞり、舌を絡め、唾液を交換し、――口腔を犯していく。
美味しくて、気持ち良くて、気が狂いそうな程愛しい。キスなんて初めてだけど、ここまでスゴいとは思っても見なかった。
それはきっと、大喜くんも同じだろう。長い長いキスを終えて口を離しても、大喜くんは惚けたまま身動ぎもしない。
虚ろな瞳に光が戻るまでの、ほんの短い時間。それでも、私には十分すぎる時間。
大喜くんを抱き締め、そして。その顔を、服の上から私の胸に埋めてあげる。……まあ、大したサイズでもないけれど。バスケやってると育ちにくいらしいけど本当だろうか、逆にバレーボールしてると大きくなるとか。……転向しようかなぁ……。
「先輩、な、……っ」
正気に還った大喜くんは、自分がどうなっているか理解したようだ。
私の位置から見えるつむじの辺り、頭皮まで赤くなっている。相当に、興奮しているんだろう。もがく事さえせず、再び固まってしまった。
「可愛いなぁ……大喜くん本当に可愛い」
抱き抱えるように、もしくは捕まえるようにして。思わずそう囁いてしまう。
でも、仕方がない。だって大喜くんは、可愛いんだから。
「好きだよ、大喜くん。大好き」
続けて、そっと。耳から大喜くんの心を犯していく。
心臓の鼓動がうるさい程に強まって、私の胸は張り裂けそうだ。大喜くんはもっと激しくそうなっているんだろうけど。
身体を離したその時に、大喜くんは――固まったまま泣いていた。
嬉しいのか、困惑してるのか。それとも、私がこんなことをしたから哀しいんだろうか。
大喜くんは、私に憧れてくれている所もあるから。
ショックだろうな、と思わなくはない。でも、これが私だから。私は、こうなんだから。
「私はね、バスケの為だけに日本に残ったんじゃないよ。大喜くんが、欲しいから。大喜くんを逃したくないから、ここにいるんだよ」
それは私の、偽らざる本音。
お母さん同士の事はずっと前から知っていたし、大喜くんの事も知っていた。朝練で会う度に抱き締めたくなっていたし、あの日は私に話しかけてくれるのを待っていた。……悔し泣き自体は本当だけど。
同居が決まって、どれだけ嬉しかった事か。でも大喜くんは、そんなの気付いていなかったんだろう。
私がバスケ一筋のストイックな人で、夢の為に他人の家に身を置く決意をしたんだと思っている筈だ。――そんなの、ほんの一面なのに。
私は貪欲だし、手段を選ばない。
「全部、大喜くんのせいだよ。大喜くんが可愛いから、悪いんだからね」
そしてもう一度、キスをする。今度はただ唇を合わせ逢うだけの、短いキス。
拒もうと思えば拒めるキスを、大喜くんは拒まなかった。彼は、私を受け入れてくれた。
受け入れるしか無いんだと、分かってくれた。
そして。
私たちの、楽しい夜が、始まる。
涙の跡を拭うように、舌を這わせていく。
目尻から頬へ、そして唇の端を舌先でなぞりながら、大喜くんの服を少しずつ剥ぎ取っていく。
そのまま舌は首筋を通りすぎ、ゆっくりゆっくり降りていって。
「あ……っ」
小さな乳首をつついてあげると、女の子みたいな可愛い声が漏れてきた。
男の子でも、ここは気持ちいいんだろうか。つつくだけでなく吸い上げたり指で弄んだりすると、すぐに喘ぎ声が立って可愛いったらない。
……そう言えば、大喜くんはドMなんだっけ。試しに軽く噛んであげると、小さく悲鳴のような嬌声と共に少しずつ乳首が隆起していく。
どうやら苛めてあげた方が喜ぶみたい、でもあんまり最初から強くするのも良くないかな。
それに乳首ばかり弄っても仕方無い。もう一ヶ所、固くなってきている所もあるんだし。
まだ下は脱がせていないけど、布の上からでもそれはわかる。手を滑り込ませてなぞると、ハッキリ伝わってくる。
――大喜くんの、オトコノコ。期待して熱く震えている、大喜くんの一番大切な場所。
あまり手荒にしちゃいけないらしいから、ゆっくりと。そっと軽く、その形を指先で確かめていく。
――と。
「あっ、先……輩、やめ……っ」
さすがに羞恥心が勝ったのか、大喜くんは身を捩って逃れようとし始めた。
まあ、こうなるのは想像していたけど。
私から逃げ出そうと後ろを向けた所で、そのまま布地を掴んでやる。そうすると、勢いがついた身体は止まらないまま――下だけをするりと剥ぎ取れた。可愛いお尻も、何もかも、丸見えだ。
そして脱がされた事で一瞬動きが止まった大喜くんを、仰向けに引っくり返してあげる。
当然大喜くんは抵抗し、脚だけでも閉じようとするけど――無駄だ。抵抗も反撃も、出来るわけがない。
「大喜くんが私に、力で勝てるわけないでしょう?」
私は幼稚園の頃からずっとバスケをしてきて、ミニバス時代から今までずっとエース。大喜くんがバドに本気になったのは、私に会ってから。そして精々が部内中位止まり。
地力がそもそも違うし、バドは瞬発力と持久力のスポーツだけどバスケはそこに腕力とタフネスが加わる。そこらの男子程度なら、力尽くで制圧するくらい朝飯前だ。
ケンカして負けた事なんか一度もないし、試合では私よりタッパのある選手相手でも当たり負けるどころか押し勝つ自信がある。私が小柄ながらに雑誌で取り上げられる地元の有名プレイヤーなのは、この腕力有ってこそ。
その両腕に力を込め、脚を押し拡げていく。
抵抗が成立したのは、わずかな間だけ。
すぐに大喜くんの脚は屈服し、その間にあるすべてをさらけ出してしまった。
「ほーら御開帳~」
泣きそうになりながら顔を手で覆い抵抗の意思を示す、可愛い大喜くん。でも、その抵抗はきっと形だけ。
だって大喜くんのオトコノコは、天を向いて聳えているのだから。期待している、という何よりの意思表示だ。
本気で抵抗するなら、顔を隠すより両手も使って暴れれば良い。まあそうしてきたら、私だって本気で武力制圧するけどね。殴りあいになれば私の土俵だ。
脚を押さえて動けなくしたまま、顔を近づけていく。ムッとくるオス臭さは決して愉快なものではないけれど、大喜くん相手なら我慢は効く。
まずは一つ、キスをして。ビクンと震える幹を、舌でなぞっていく。……うん、美味しくはない。と言うか、不味い。世の中のお姉さん方は、こんなことを日常的にしているんだろうか。女子力低いからね私、そういうのはよく分からない。でもま、大喜くんだから。大喜くんがよがる姿は、見ていて楽しい。
そして、その先を咥えてみる。僅かに歯を当てると、張り詰めた肉の感触に押し返されるのがなんだか面白い。大喜くんは逆に歯の感触が不安なのか、いつのまにか顔を隠していた手が外れ私を怯えた目で見つめている。……可愛いなぁ、このまま噛みきって女の子にしちゃいたいくらい可愛い。
溢れてくる生臭い汁と唾液が混ざりあい、口を動かす度にじゅるじゅると音が立っていく。歯と舌と唇、口の中全てを使って大喜くんのオトコノコを愛撫し続ける。手を使えればもっと楽だろうけど、今は両脚を押さえるのに文字通り手一杯。
息も出来ないくらいの集中で、大喜くんを追い込むこと暫し。体感的には何十分も楽しみ続けた、でも多分本当はもっと短い時間。それが、終わるときがやって来る。
脚を押さえつけている手がずれるくらいに、腰が大きく震える。そしてその拍動は、大喜くんの身体を通じて私の口にも伝わって――
「あ"、ぅあ"っ、ぁ……っ」
大喜くんが漏らした声にならない喘ぎ、それに応えるように。大喜くんのオトコノコが、破裂したかのように脈打った。
ドクンドクン、と断続的な震えと共に、熱く生臭いものが私の口に広がっていく。これが、射精っていうものなんだろう。
もちろん美味しくはないけど、でも大喜くんのだから。大喜くんの全ては、私のものだから。一滴も、逃がしてあげない。
「ん、――っ」
覚悟を決めて、喉の奥へと呑み下していく。その量は思った以上に多く、その上濃い。これは、結構大変かもしれない。
でもここで吐き出すのも悔しいし可哀想だから、なんとか気合いで飲み干してあげる。そして中に残っていた分も吸い上げて、やっと口を離す。
ヒクヒクと名残惜しげに揺れるその姿は、だんだんと可愛くも思えてくるから不思議だ。可愛がってあげたら楽しいだろうな。
しかし思った以上に、これは疲れる事なんだと実感した。まあ大喜くんはもっと疲れてるだろうけど、こういうのを何時間も続けるのは無理そうだ。世の中には一晩中続ける人もいるらしいけど。体力には自信があるつもりでも、使う部位が違うせいかな。
とりあえず口がスゴく疲れた、顎おかしくなりそう。別の事をした方が良さそう。
さっき唇でしごいたように、幹を手で握ってしごいてみる。さっき私の口のなかでは、こんな感じだったんだろうか。
確か男子はこうやってスるそうだけど、大喜くんはどんな速度どんな力具合でしてるんだろう。
よく分からないから、適当だ。そしてそのまま、尖端をなで回したり肉の袋をつまみ上げたり。どこをどう弄れば気持ちいいのか、実地で調べながらだから上手く行っているかは微妙だけど。
でも、大喜くんは切なげな声を上げているし脈動はどんどん強まっていく。たぶんこれは、成功している部類なんだろうな。可愛い可愛い。
とは言えやっぱり、これ腕が疲れる。よくこんなのを毎晩のように出来るもんだ、と変に関心してしまいそうになってくる。男の子はサカリがつくと激しいって言うけど、こういう事を言うんだろうな。
――と。大喜くんのオトコノコが、再び蠢動する。
ドクン、と力強い拍動を手に感じた刹那。まるで噴水のように、白く濁った粘液の塊が打ち出された。
その勢いは結構な強さで、私の手を染め上げるどころか顔まで届くほど。ああ、こんな風に私の口の中で射精したんだな。実際に見ると、これはなかなかに壮観だ。
小さな口から頑張って精液を吐き出す大喜くんのオトコノコは、なんだか愛らしい。さすが大喜くんの一部。
でもさすがに、こうも飛び散られると回収は無理だ。残らず飲み干そう、とさっき思った手前出来れば飲んでしまいたかったんだけどな。まあ考えてみたら、露出状態で射精させた私が悪いか。
それはそれ、別にそれだけが目的でもないし。
そう、この先だ。これからが、正念場だ。
普段はあまり中までは弄らないけど、することがすることだから。指を深めに入れて、内側を解していく。
身体の中を掻き回すと言うのは馴れないけど、指よりは大分長い太いモノが入るんだし一応準備は必要だろう。
……勢い余って裂けたりしたら嫌だなぁ。そういう意味じゃ男の子は楽なんだろうな、きっと。
もう抵抗しようとさえ思えなくなったのか、大喜くんは虚ろな目で遠くを見ている。……こういう顔はあんまり可愛くないけど、とりあえず今は仕方ない。後でまた、だ。
中から溢れる液を指で掬い上げ、大喜くんのオトコノコへと垂らしてみる。落滴が感じられるのか、ビクビクと反応するのは何処か可愛らしい。やっぱり大喜くんの一部なんだな、と改めて思う。
面白いから何度も何度も汚していくけれど、その反応が止まることはない。口のようになった部分が物欲しげに見えて、まるで誘ってるようだ。
そこへ、そっと指の腹を当てて揉み解していく。このまま解していけば、色々入れても平気だろうか。……さすがに無理かな。それに、あんまり急ぐ必要もないんだし。明日も明後日も、同居は続く。隙はいくらでもある。
二人の粘液でドロドロになったオトコノコを跨いで、腰の位置を調整して。
――さあ、いよいよだ。
「じゃあ、行くよ……?」
内心不安はあるけど、それでも顔には出さずに微笑んでおく。この瞬間、それだけが気掛かりだけどきっと大丈夫。
根拠はないけど、きっと。
腰を沈めていくと、お腹を押し広げる感覚と共に大喜くんの先が私の中に埋まっていく。
さっき解し足りなかったのか、それとも別の理由なのか。私の内側は意に反して若干の抵抗を見せ、大喜くんの侵入を阻んでくる。……持ち主に逆らうとはナマイキな。教育を、くれてやろう。
「ん、……っと」
力を込め、更に腰を深く落としていく。お腹の奥で何かが破ける感触を経て、「はぃ、ったぁ……」私の身体が大喜くんの上に軟着陸を果たした。
これは、スゴいかもしれない。内臓が押し広げられる圧迫感と、私を灼き尽くすかのような熱量。放心していた大喜くんも目を見開いているから、あちらとしても想像を越える感覚なんだろう。
それでも、これで終わりじゃない。もっともっと、先がある。
それをイメージしながら、ゆっくり腰を揺すろうと――
「お"、あぁ……!」
した、矢先。大喜くんがまた悲鳴のような声を上げて身体を震わせた。
お腹の奥へと広がっていく、熱の波。大喜くんがまた、射精したんだ。さっきブチまけられたのと同じ大量の精液たちが、今度は私の子宮目掛けて突き進んでいくのがイメージ出来た。
「ふふー、出しちゃったねぇ……」
幸せそうな頬を、指でなぞってあげる。
ここで私が本当の事を言ったら、どんな表情になるんだろう。少なくとも、こんな顔ではいられない筈だ。
今の私は基礎体温から計算すると排卵予定日前日か前々日、スゴく危険な日だから。それを知ったらきっと、悩みに悩むだろう。もし当たったなら、本当に絶望するかもしれない。間違いなく当てるために、この日を待ったんだけどね。
私は大喜くんが好きだから、大喜くんのすべてを支配したい。台無しにしたい。私以外に何もかも、一切残らないくらいに。
でもそれは、少しずつで良い。今急いで大喜くんを潰してしまうより、時間をかけて楽しまないと。じっくりじっくり、私のモノにしよう。蝶野さんの事も何もかも、忘れさせてあげよう。
だから今は、何も言わない。
繋がったまま、その唇にキスをする。キスしながら、腰を振りたくる。上と下、両方で大喜くんを愛する為に。
大喜くんのオトコノコは焼けた鉄の棒のようで、私が動く度にお腹の中をゴリゴリと抉ってくれる。初めての事だけど、これはなかなか気持ちいい。
内側から快感が吹き上がる感覚に、普段一人でする時とは比べ物にならない速度で高まっていくのが分かる。
「うわ、……あー……」
絶頂を飛び越え、更に高く。
油断すると意識まで刈り取られる快感の濁流は、きっと大喜くんにも伝わったのだろう。
私の奥で震えた大喜くんのオトコノコは、ドクドクと精液を放ち続けている。まるで箍が外れたように、止まることさえ忘れてしまったのかもしれない。私のと違って持ち主に忠実なんだろう、大喜くんは可愛いけどバカだから。
何度精液が注ぎ込まれただろう、何度目の前が白く染まっただろう。私のお腹の中は容量をすぎたのか、抜き差しする度にぶしゅぶしゅと音を立てて精液が溢れ落ちてくる。
果てることなく、延々と愛しあい続けた私たちにも、ついに限界が来ようとしていた。
腰も頭も、既に持ちそうにない。明日は一日立てないかもしれない、どころか暫く腰痛が残りかねない。
それでもこれが最後、と激しく腰を上下させ続ける。
頭の奥で、バチバチと火花が散っていく。
意識が焼けて、脳がショートしていく。
身体の奥で、声がする。――いのちは、ここです。
暴力的な快感の応酬が、遂に致命傷を与えあう。
もう、終わる。そう本能が感じ取った。
身体も心もグチャグチャにしてしまう、凄まじい奔流が私たちを呑み込んでいく。
「あっ、はぁ……あぁあ、――っ!!」
その喘ぎがどちらのモノか、もう分からない。
ただスイッチが切れたように視界がブラックアウトし、そのまま私は倒れこんだ。
その直後に聞こえた粘液質の音はきっと、私の中から萎えきったオトコノコが抜け落ちる音。
幸せだ。そう、幸せすぎる。一番好きな子を、独占することが出来る。ずっとずっと、私だけのモノに出来る。
これが幸せでなくて、なんだろう。
「ごちそうさま」
そう呟きながら、目を閉じる。幸せの続きを、瞼の裏に描きながら。
楽しい夜が終わって、私たちは元の関係に戻った。私は期限付きの同居人、先輩後輩の間柄。あの日のことは、一時の気の迷い。大喜くんは、そう思い込む事で自分を守ろうとしている。
敢えて蝶野さんとも仲良くし、必死で振りきろうとしている。
そんな後輩の可愛い抵抗を、先輩としては立ててあげなければ。大当たりの事も、今は黙っておくし。
まあそれに便乗して、蝶野さんが告白準備に入ったのはちょっと見過ごせないけれど。
整体院で私に相談してきた辺り、鞘当てのつもりなのか単に頭が悪いのか。
別に構わないと言えば構わない、どうせ玉と砕けて終わる話だ。大喜くんは、私が好きなんだから。押しきって完全勝利、オーバーキル上等の総攻めが私のスタイル。
それに長くても半年程すれば、嫌でも気付くことだ。その時に大喜くんがどんな顔をするか、今から楽しみで仕方ない。
ああ、やっぱり大喜くんは――可愛いなぁ。