※この作品はR-18です。

アオの夜R18SS   作:扇町グロシア

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ちょっとフェチ度を上げてみました


アオく薫るその風に  (千夏×大喜)

 愛のかたちはそれぞれだ、とは言う。正解なんか元から無いのだな。真っ直ぐな人もいれば変化球ばかりのもいたり、そもそも相手任せだったり。私は他人と比べたら少々奔放な方かもしれないけど、それを恥じたりした事は無い。無いんだけど、さ。さすがにちょっと控えても良いんじゃないかと思いつつある。……大喜くん、若干に窶れてきてるからなぁ……。

 最近の私、大喜くんを精力剤みたいに扱いすぎてるかもしれない。でも本当に、私を動かす原動力になりつつあるんだよね。大喜くんからの、特(・)製(・)ド(・)リ(・)ン(・)ク(・)がさ。

 向こうだって悦んでるんだし、健康を損なわない範囲でなら構うまい。なんて心の中で言い訳しつつ、私は半端に伸びてきた髪を後ろで束ね大喜くんの脚の間へと顔を落としていく。ムッと来る牡臭さはもうすっかり慣れ、今ではただ美味しそうとしか思わない。

 血管を浮き立たせる大喜くんのオトコノコへ口づけて、そのまま根本まですっぽりと呑み込んでしまう。こないだ興味本意で写真撮ってみたら、ひょっとこというか馬面というか下品な顔になっていたな。でも私は知っている、そんな私を大喜くんは好きでいてくれると。

 私が変態であるように、大喜くんもまた変態なのだろう。ならばなにも問題はない、大丈夫だ。

 

 

 付き合い出してから暫くはバレないようにする為にも大っぴらに出来ず、そして校内では周知の事実となっても由紀子さんたちには隠さないといけなかった。だからこそキスさえ出来ない清い関係を保ち続けている訳だけど、さすがに辛いな。て言うか大喜くんが隣にいなくて寂しい、まだ三日だけどもう辛くなってきた。ほんとお父さん余計なことし過ぎ……いや違うか、大喜くんの行動力が斜め上過ぎるのか。何でお父さんと同棲してんの、やだよ信じて送り出した大喜くんがお父さんに寝取られてアヘ顔ピースビデオレターとか送ってくるの。

 まあでも、だ。隣室が静かだからこそ、オナニーも出来るんだけどさ。部屋の位置的に下へ聞こえることは無いにせよ、壁一枚向こうには絶対伝わってしまうのだ。勿論借り物の部屋を汚さないように激しくはしない、それでも学校の御手洗いでコッソリ済ませるよりはずっと良い。あまりエスカレートし過ぎると大喜くんが帰ってきたときに困るから自重はしたい、それでもオナニーは止められない。

 ああ、これは良くない。そう思ってはいるのに、私の身体はゆっくりと大喜くんの部屋へと入っていく。

 そっと開けたドアの向こう、僅かに感じた大喜くんの匂いで早くもショーツの中はうずき出してしまう。

 四つん這いになって入り込み、そして――気付く。漂う持ち主の気配のなかに、ひとつの流れがある事に。それを追っていくと、すぐに発生源は分かった。ベッドの下に仕舞われた屑籠の中、その更に底へ沈む丸められた紙からそれは香ってくる。

 震える手で掴んだそれは何故かまだ湿り気を帯びていて、鼻をかんだにしては明らかに重くすえたように生臭い。これはもしかして、もしかすると。顔を寄せて深く息を吸うと、その臭いは嗅ぎ覚えがあると気付いた。私がオナニーした後粘液に濡れた指を、興味本意で嗅いでみた時に近い。でも根本が異なる気がする、これはきっと精液の匂い。大喜くんが処(・)理(・)した後の物、という事。

 汚いと思わないわけではない、でもそれ以上にときめく胸に押されるままそれを開くと、部屋に空調が入っていないせいかそれとも底の底へと押し込められていたせいか、まだ乾ききっていない部分が少しだけ残っていた。殆どが紙に染み込んでしまっているも、中心に近い部分は粘液の塊としてそこにある。

 つまみ上げて感じたのは粘りけと、これを産み出した大喜くんへの思いだ。どういう気持ちでいたんだろう、何をオカズにしたんだろう。私は22時には寝てしまうから、その後でオナニーしたんだろうか。もしかしたら、私を思い浮かべながらしたのかもしれない。いや、そうに違いない。だ(・)か(・)ら(・)こ(・)そ(・)、(・)こ(・)ん(・)な(・)に(・)も(・)精(・)液(・)を(・)愛(・)し(・)く(・)思(・)っ(・)て(・)し(・)ま(・)う(・)の(・)だ(・)。

 ぞわぞわと背筋が粟立つのを感じながら、引き込まれるようにそれを嚥下したその瞬間。

 私の視界は、一瞬で白く染まった――。

 

 ハッと気が付いて真っ先に目に入ったのは、白い天井パネル。

 そこはさっきと変わらず大喜くんの部屋、時計を見る限り10分程気を失っていたようだ。大の字で仰向けに倒れていたけれど、脚の間には粘つく感触が強く残っていた。

 何が起きたのか、どうなったのか。考えるまでもない答えは一つ、私の回りの悪い頭は強すぎる快感に耐えかねてブレーカーを落としてしまったのだ。

 ほんの一口、それだけで脳が揺さぶられるなんて。床に零れ散った愛液の残滓を拭き取るのももどかしく自室へ戻り、口に残った精液の味を必死で辿りながら私は再びオナニーに耽る。硬く隆起した乳首を扱き肉の裂け目を指でグチュグチュとほじくり、それでも身体は治まらない。普段は指一本で入り口辺りを擦り倒して終わらせるのに、中を掻き回さなければ気がすまなくなってしまう。

 ああ、何故大事にしなかったのか。一呑みで終わらせてしまって、バカか私は。幾度となく絶頂に達しても、心残りのせいか不完全燃焼。

 大喜くんはいつ戻ってくるのだろう、お父さんが向こうに帰るまでだろうか。あの二人付き合ってるんじゃないかってくらいに仲良いんだよね、どうしよう連れていくとか言い出したら。……その時は殴ってでも食い止めよう、私のためにも。

 とりあえず大喜くんが解放されるまでは我慢だな、辛いけど堪えよう。

 

 しかし私は、堪え性というものが無いのだな。そう痛感したのは、誓いをたてて数日あと。

 欲望を汗にしようと部活に励みすぎたのが悪かった、むしろ性欲ばかりが燃え上がっている。もう、どうにも堪えられない。

 二人の隠れ家になっているあの東屋で今私は、私と来たら。大喜くんを組倒しているのだ。目を白黒させている大喜くんの下半身へと顔を寄せ、布越しにその部分へと舌を這わせた。うっすらと感じる精臭が脳をとろかし、私を狂わせていく。

 フェラチオ、という行為があるのはこの前知ったばかり。直接精液を呑む、というのはどれほどの快感なのだろう。一度わいた興味は抑えきれず、私を強行手段へ走らせてくれた。それに身を任せて私は布地を掻き分け、大喜くん自身を解き放つ。

「わ。わー……」

 産まれて初めて見るそれは、およそ形容しようがない形状。寸足らずの蛇と言うか、なんというか。そしてガチガチに張り詰め、熱く硬い。これが勃起というものか、よく分からないけど拒んではないらしい。なので同意が成立したと見なして私は、――そこへとキスをした。

 大喜くんの身体は大きく跳ねるけれど、それより大事なのはその味だ。精液ほど強くはないけど、それでも鼻から抜けて脳が腐りそうな匂い。大喜くんのでなければ、えずくどころか吐いていてもおかしくない。なのにそれが、あまりにも心地良いから不思議だ。

 もっとこれを深く味わおうと喉の奥まで呑み込み、舌を総動員して溢れる滴をなめとろうとした矢先。大喜くんが悲鳴じみた嬌声を上げ、私の口内で熱い激流が一気に弾けた。

 これが射精なのかと感慨深くする暇もなく、勢いよく放たれる精液は私の粘膜を染め上げる。喉へと殺到するのは完全な液体ではない、ダマになったらしい半固形の部分が食道を引っ掻いて胃へと落ちていく。それに呼応して失禁したかのように暴発した潮は薄布では食い止められないまま床を濡らし、意識が暴力的な快感に刈り取られそうになるのを――力付くで引き戻して私は顔を上げる。

 大喜くんは呆然とした風で混乱を噛み殺しているようだ、それはそうだろうな。まさか私がこんなことをするなんて、思いもしなかっただろう。

 でも、だけど。これは私の望みで、これ以上我慢したくはない。思いを隠すのも取り繕うのも、もう止めたから。私はいつも真っ直ぐに、言うべき事を言うのだから。

「私は大喜くんが、好きです。だから触りたい、触ってほしい、――大喜くんの全部がほしい」

 大喜くんを傷付けたくない、一緒に感じあいたい。全て受け止めてほしい、それもまた偽らざる本音だ。精液を飲み下したいだけじゃない、愛があるからこそなんだ。

「愛してるから、したいの。大喜くんと……セックスを、します」

 ムードも風情もなにもない、頭の悪い告白はでも、通じてくれたのだろう。僅かな沈黙を経て、小さく頷いてくれたから。

 

 誰が見ているか分からないのに、もう身体は止まらない。ぐっしょりと濡れ使い物にならなくなったショーツを脱ぎ捨て、制服のまま私は大喜くんへと身体を押し付けていく。さっき口で味わった快感を、今度は別の場所で味わう為に。

 ぐっと下ろした腰の先、粘膜に感じる灼熱感。ああ、そうか。この為にこそ、これは有るんだ。膣口が拡げられ異物が入ってくるのが、ゾクゾクする程心地良い。私の内側が、大喜くんの形に拡げられていく。ゴリゴリと内壁が削られ、子宮が押し上げられていくのが分かる。

 粘膜の襞一枚一枚が精液を吸い上げようと躍起になって吸い付き、大喜くんを責め立てていくのだ。勿論私にだって型どおりの性知識はある、このまま射精させれば妊娠のリスクは低くない。しかし、だ。私の本能はその危険性を否定し、貪欲に精を求めていた。あの日初めて精液を口にしたときの快感を思いだし、それを再現しようと必死でいる。――全く、私の身体はどうしようもないな。

 ぐちゅりと一際高く粘った水音を上げ、私は腰を加速させていく。そうだ、私はいつだって一直線だ。折れず曲がらず突き進む、それでこその私なのだから。

 ――そして、その時は訪れた。

 大喜くんが呻き声を上げたその瞬間、まるでなにかが破裂したかのような爆裂感が全身に迸った。そして膣内の粘膜すべてが焼けるように熱くなり、脳がバチバチとショートし始める。目の前は焼ききれて真っ白になり、意識のすべてが一秒毎に絶頂して降りてこれない。胃の中にある精液まで逆流し、快楽を煽ろうとしてくる。

 あ、不味い。これはとても不味い、このままだと死ぬ。気持ちよすぎて、死んでしまう。白目を剥き口から精液臭い泡を吹き、ろくでもない顔で死ぬ。でももう我慢が効かない、今この瞬間に死にたい。

 いやそうは思えどもしかし、そこをどうにか繋ぎ止めるのは大喜くんへの愛。一方的に気持ち良くなって死ぬな、大喜くんが可哀想だ。私は大喜くんが生きている限り死んではいけない、結婚し子供もこしらえて大喜くんを幸せにしよう。全部終わらせてから、ちゃんと看取って死ぬのが良い。

 まあ考えるのは今度にしよう、今はもっと溺れたい。

 もっともっともっと、精液がほしい。

 

 

「……だから最近生臭いんだなお前。肌に染みこんでんだろ淫売」

「うんまあ変態で良いじゃないとは言ったけど、少しは考えなさい」

 揃って溜め息を吐く夢佳と花恋、その表情からすると心なしか私を小バカにしている気がする。て言うか生臭いはともかく淫売ってなんだ淫売って、私大喜くんにしか興味ないのにさ。

 女三人集まって下の話と言うのも不粋かなと思ってあまりこういう話はしてこなかったけど、せっかくだからとノロケたらこの扱い。全くこの親友どもは口さがないな、それだけ仲が良いって事だけどさ。

 残り僅かな高校生活は穏やか極まりなく、自由登校で授業もないから昼までクラスメイトと教室でダベって、午後はこうして夢佳や花恋たち外部の友達と過ごすのが日常になっている。バスケ部の練習に参加したい気持ちはあるけど、『引退したババァがいつまでも居座ってたら若いやつらが困るでしょうが』と渚に言われてからは行ってない。そりゃ小姑付きの部活は楽しくないだろうな、うん。

 にしても、だ。そうやって呆れているあんたらだって大概じゃないか、花恋は臭いフェチだし夢佳は彼氏さんの影響でどんどんマニアックになってるし。 類は友を呼ぶとは、こういう事なのだろうか。まあ良いか、うん。もう夕方だし、そろそろ今日もお開きだ。帰ったら大喜くんといっぱいえっちしよう、私はそうやって生きていくのだ。

 

 

 

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