「ごめん。私、大喜が好き」
昼休みに首根っこを捕まれて、雛に校舎裏へと引き摺られ。
聞かされたのが、その一言。
重い重い、一言。
好き。それがどれほど重いか、俺は痛いほど知っている。
そしてそれを、雛の口から聞かされるなんて。
――頭が混乱して、目の前が白く染まっていく。
どうすればいい、どうすれば。どうすれば、どうすれば……。
何を言うべきか、それさえ分からない。
俺は雛を、どう思っているのか。そんなシンプルな事が、分からない。
「ごめん。返事は、今じゃなくて良いから。それだけ聞いてほしかった。じゃぁ……ね」
俺が何も言えないからか、それとも最初からそのつもりだったのか。雛は俺に背を向け、歩き去っていく。
一人残され、途方に暮れるしかない。
だって、俺は――。
何もかもグチャグチャで、部活ができるコンディションじゃなかった。と言うか惨憺たる有り様で、針生パイセンに「無理だけはするなって言っただろ」と怒られた上に帰らされてしまった。
ベッドに倒れ込み、ただ呆然としたまま動けない。
雛が俺を、好きだと言った。
でも雛は知っている、俺が千夏先輩を好きな事を。その上で、俺を好きだと言った。
どうすれば、……どうすればいい。
俺は千夏先輩が好きだ、でもだからって雛を嫌いな訳じゃない。中学の頃から一緒の、大事な友達。
雛を傷つけるような事は出来ない、でも。でも、だからって気持ちまで変えられない。
何をどうすれば、最善なのか。それが分からないから、苦しい。
堂々巡りのまま寝返りを打って、天井を仰いだまま。どれくらい、そうしていたか。
不意に聞こえたノックの音が、俺の意識を現実に引き戻した。
「大喜くん、大丈夫? 今日調子悪くて、部活休んだって聞いたけど」
心配そうに入ってきた千夏先輩の顔を見れず、咄嗟に俯せになってしまう。
今の俺じゃ、どうにもならない。失礼だとは思うけど、このまま遣り過ごそう。
「あ、平気……です。ちょっと、オーバーワークで……」
早く出ていって欲しい、と思ってしまう勝手な自分がイヤだ。でも他に手がない、まさか先輩に相談するわけにもいかないし。
「そっか。じゃあ、耳だけ貸して」
話をしたい、という事だろうか。このタイミング、なんて間の悪い。
何でも良いから早くして欲しい。
そう思っていると。
「大喜くん、好きです」
……とんでもない一撃が、飛んできた。
まさか、そんな。そんなバカな。そんなことが、起こりうるのか。
顔を上げようにも、重すぎる言葉が俺の頭を押さえつけて離さない。
身動ぎも出来ない俺に、先輩がもう一度言葉を投げ掛けてくる。
「返事は、また今度で良いからね。聞いてほしかっただけ。じゃあ、……おやすみ」
ドアがしまった音の後、顔を上げたそこには何も残っていない。
全てが、蜃気楼か何かだったかのように。
でもこれは、――現実なんだ。
「どうすればいい、ってそりゃお前が決めることだろ」
「匡冷たい……」
一人じゃどうにもならないから頼ってみれば、とりつく島も無い。
こういう時の為にメガネかけてんじゃないのか、お前のメガネは伊達や酔狂か匡。
「このままじゃ俺、猪股大喜どころか二股大好になっちゃうじゃん……」
誰が上手いこと言おうとして滑り倒せと言った、と匡がアッサリとカウンターをかける。
滑って無いし、そんなあっさり流されても困るし。
俺如きがあのスター二人を、天秤にかけていい訳がない。
それでも、選ばなければならない。例え今こうなっていなくとも、いつか必ずこの選択をしなければならない時が来ていた筈だ。
「特別な誰か」は、一人しか持てないのだから。
どちらを選んでも、どちらかが泣く事になる。そんなのは耐えがたいけど、でも。だったら。
「匡さんや、良かったら俺と――」
「すまんが俺はノンケだ。あと逃げ道に俺を使うな、爆発しろリア充」
……ダメか。いっそどっちも選ばず俺が袋叩きになれば、それで済むのにな。
行くも戻るも血塗れ、果てぬ躯の蕀道だ。ああ、どうしよう。
どうしよう、どうしよう……。
どうしよう…………。
………………。
そして俺はいつしか、考えるのをやめてしまった。
さいわい二人は、いつも通り俺に接してくれるから。
その中ぶらりんな状態で、可能な限り居続ける事にしてしまった。
それもそれで二人を傷つけるだろうけど、それでも事を急ぐよりは良いだろう。そう思ってしまった。甘えてしまった。
バカな俺は、考えたくないから。一番悪い選択をしていることに、気付かなかったんだ。
どっち付かずの日々が始まって、一週間になる。
どっちも傷付けたくない、と思いながら。どっちも傷つけている事には目を瞑って。バカで最低な俺は、都合の良い場所に甘えている。
わかってはいるんだけど、なあ。ウダウダ考えていると、不意にスマホがブーブー言い出した。
「ん、先輩……?」
通知にしたがってLINEを見ると、一枚の地図画像。そして、――ケープ君のアイコンが飛んできていた。
ゾクリ、と背筋が粟立つ。ケープ君が送られてくるということは、つまり。先輩に、なにかがあったという事。
考えている暇なんか無い、走らなければ。
滑って転んでそれでも駆けて、地図にあった場所に辿り着く。
そこに先輩の姿を見付け、ようやく胸を撫で下ろした。何があったかは分からないが、見た感じは元気そうだ。
「ほら、言ったでしょ。大喜くんを呼ぶなら、私の方が良いって。ねー、蝶野さん」
微笑む先輩の声は、目の前に立った俺を通り越して。後ろの方へと、飛んでいく。
雛がそっちにいるのか、と振り向こうとしたその瞬間。
まるで雷が落ちたかのような電撃音と、激痛が脇腹を駆け抜けていった。
何をされたのか分からないまま、意識が遠くなっていく。
視界が黒く染まる直前に見たのは、天使のように微笑む先輩の顔だった。
意識が浮かび上がると共に、身体が軋む感覚。手足は動かないし瞼も上手く開かない、耳鳴りまでする。
切れ切れに聞こえてくるのは、誰かの声。
二種類の、聞き慣れた声。
知っている。俺はこの声の持ち主たちを、知っている。
「流石に麻酔銃は不味いかなーって思ったから、スタンピストルにしたんだけど……」
「どっちにしてもヤバイ事には変わり無いでしょ……」
気合いで瞼を抉じ開けて、声の方を見ると、やっぱり。
物騒な話をしている千夏先輩と雛が、そこにいた。
なにしやがんだこいつらは。洒落にならないぞ。
「あ、大喜くん起きた? おはよう、気分はどう?」
「どうもニッケルも亜鉛化合物もないです、なんなんですか一体!」
立ち上がって小一時間問い詰めたいが、動くのは口だけだ。どうやら手首と足首を縛り上げられているようで、身動きできない。世が世なら犯罪だ。いや普通に犯罪だ。
「大喜が悪いんでしょ、何も言わないから」
「大喜くんを取り合ってケンカするのも、イヤだしね」
ねー、と仲の良い姉妹のように笑い会う二人。
いつのまに、とも思うが考えてみればこの二人。同じ整体院に通ってるし校内の有名人同士だ。仲が良くたって不思議じゃない。
仲が良い同士で、お互いに打ち明けたということなんだろうか。
「今じゃなくて良いとは言ったけどさ」
「今度で良いって言ったけどね」
転がされたままの俺を挟むように立った二人は、ニッコリと笑いながら、
「返事をしなくても良い、なんて言った覚えはないよ?」
と。俺に怒りの声を、ステレオで叩きつけてきた。
怖い。この人たち笑顔が怖い。
俺が悪いのは分かるけど、だからってこんな。こんな事をするなんて。
「だからね、いっそ共同所有にしようかなって」
「大喜に選ばせる必要なんか、最初から無かったんだよねー」
……こいつら最低だ。最&低だ。
まあ英明生徒のハイエンドである二人が、気付かないわけがない。俺に選択を委ねる事自体が、間違いだという事に。
二人はどっちも笑顔になる道を選んだ、ならそれでいいや。俺は酷い目にあってるけど、それは堪えれば良い。
俺の大切な親友と、俺の大切な先輩は、楽しそうに笑っているんだから。
結論が出てるなら、そろそろ解放して欲しい。一応そろそろ言った方がいいな、と口を開こうとした矢先だった。
「でぇ、なんだけどさ」
ニヘリ、と雛が蕩けそうな笑顔になり。そして先輩も。
「どうせだし、二人で大喜くん使おうって話したんだよねー」
輝くスマイルで、不穏なことを楽しそうに言っている。
使う。俺を。それは――。
「ちょっと待ってください、まさかと思うんですが先輩たちひょっとして」
こういうシチュエーション、何かで見た気がする。あれはヒロインだったと思うけど、縛り上げられて数人がかりで。
「そうだよ、大喜くんをー、……頂いちゃおうかなって」
「私たち以外に興味持てなくなるまで、ね」
つまりそれは。つまり。
「おとなしく手込めになりなさい、って所かな」
「生娘でもあるまいし、観念なさい」
俺を――犯す、という事。
ずらされた服で更に手足を拘束され、肌も露なまま動くことも出来ない。抗議の声をあげようにも、俺の口は二人分のショーツでいっぱいにされた上ガムテープで塞がれている。鼻が通っているから呼吸は出来るけど、息を吸い込む度に口腔から独特の匂いが上がってくる。メス臭さ、とでも言うんだろうか。
こんな状況なのに、それが興奮を誘ってくる。
意に反して、どんどん下半身が充血してくるのが分かる。
「おー、大喜くん元気だねー」
良い子良い子、と先輩に頭を撫でられて。その感触に、腰が痺れそうになる。
恥ずかしい。見られたくない。でも、気持ちいい。
「こっちの大喜くんも、なでなでしてあげるからね」
ビクン、と身体が硬直する。触ってくれる。先輩が。俺の、そこを。
妄想した事はある、何回も。でもその度に自己嫌悪で押し潰されて、懺悔の腹筋に励むことになった。
それが、今。
してはいけない期待が、溢れてきたその時。
「……なんか腹立つ」
先輩の手を先回りして、雛の足裏が俺の先端をグリグリとこねくりまわし始めた。
遠慮の無い、その足さばき。強烈で、そして何故か気持ちいい。足コキとか言うんだっけ、こういうのは。
文字通り足蹴にされて屈辱的な筈なのに、腰が動いてしまう。
「うっわ、気持ち良さそうな顔して。踏まれて何が気持ち良いのよ、このドM」
そんなことを言われても、刺激されればそれで気持ちよくなってしまう。男は、と言うか俺は、単純だから。
足裏の感触なんて、考えたことも無かった。こんなにも、良いなんて。
雛の蔑みさえ、心地よく思えてくる。そして。
「私も真似しよーっと」
よいしょ、と先輩の足もそこに加わってしまう。
先輩の足裏は雛より少しだけ固く感じるけど、それがゴソゴソ肌の上をはい回ると快感が面で襲ってきた。
こんなの、耐えきれるわけがない。
「ー、ー……っ!」
塞がれた口の中で叫びながら、身体がガクッと跳ね上がった。
普段とはまったく違う、爆発するような射精感に、目の前が暗くなりさえする。
見られながら、踏まれながら。そんな経験、勿論したことがない。することさえ、本来ならあり得ない。
「わー、噴水みたいだねぇ。初めて見たけど、男の子ってスゴいねー」
嬉しそうにはしゃぐ千夏先輩。そして驚いている顔の雛。そんな全く違うリアクションを取る二人の足は、俺の精液で等しく汚れていく。
他人を、それも女の人を、穢した。その背徳感は恐ろしく強く、そして。
取り返しがつかない状況に陥っている事を、嫌でも実感させられてしまう。
俺は今から、この二人に犯される。二人は躊躇わない、気が変わったりもしない。
そんな倫理観、この二人には無い。そんなものがあったら、もっと前に引き返している。
だって雛も先輩も、嫌がっていない。精液をかけられて尚、たじろがない。
恐怖と期待が、ない交ぜになっていく。
仰向けに転がされた俺を見下ろすように、先輩が跨いでいく。
開かれた脚の間は、濃い目の陰毛以外には何の遮る物も無い。そして指先で肉の併せ目を割り拡げ、内側を俺に見せ付けてくる。
女子の、ナカ。そこへ至る、アナ。
知識では一応知ってはいる、でも。こんなにも生々しく、卑猥だとは思わなかった。
開かれたまま雛の指でかき回され、後から後から汁気が溢れている。
「ぁー……、蝶野さん、上手いねぇ……」
惚けた顔の先輩が、少しずつ腰の高度を落としていく。俺の下半身は先輩の滴りでドロドロになり、それが呼び水となって更に俺を隆起させてしまう。
「でも私が貰っちゃって、良い……のっ? 大喜くんの、初めて……」
「あーはい、その方が良いですハイ。……先輩が平気なら、私もイケるだろうし」
俺の意思は無視か、というか先輩使って様子見する気かよ雛。
先輩も先輩で、その辺気付きましょうよ。
そんなどうでもいい事を考えている合間にも、どんどんと先輩と俺は近づいていく。
そして。俺の先端が、先輩の粘膜に密着した。
「ん、入る……かな……?」
まるで温かく柔らかい鑢に包まれていくような、感じたことがない種類の感覚がやって来る。
それが先端から根本まで、隙間無く広がっていく。
これが、先輩のなか。先輩を、感じているということ。
腰に感じる先輩の重さも、痛みを堪えている顔も、何もかも、愛しくて、気持ちよくて。
「あ、これ、いい……かもっ。なか……いっぱぁい、でぇ……」
ゆっくりと動き始めた先輩の身体を、下から見上げながら。込み上げてくるのは、充足感とそして。そして、もうひとつ。
さっき出したばかりなのに、再び射精欲求が膨れ上がっていく。
不味い、としか思えない。そんなことを、してしまったら。
考えうる、最悪の結果が待っている。先輩は夢を失うだけじゃすまない、立場も何もかも失ってしまう。
隔てる物も無く粘膜同士が接触しあっている以上、手遅れかもしれない。それでも、堪えなければならない。
押し寄せてくる快感が、拷問にも感じられ悶える俺に。
雛が、囁いてきた。
「全部、大喜のせいだからね。全部、大喜が情けないから悪いんだよ」
その声は嘲りでも悪意でもない、哀しささえ湛えている。
俺の、せい。俺が逃げ続けたから、二人はこんな事をしている。
「ま、もう良いけどね。私たちは、大喜の全部を貰っちゃうから」
雛が俺の額にキスをして、先輩の方へと向き直る。そして今度は、先輩とキス。
キスしながら、俺たちの接合部を指先で弄び出した。
頭の中が白く、弾けていく。
何もかも、消し飛んでいく。
抵抗さえ、出来なくなって――。
「あ……っ、なんか、出てる……?」
先輩の呟くような声で、ようやく自分が射精した事を認識する。
取り返しがつかない事をした、という後悔とそして。犯されたのだから仕方がない、という勝手な理屈が頭の中でグルグルと回っていく。
「えへへー、大喜くん大好きー」
俺が罪悪感に押し潰されそうな事なんか、知りもしないような顔で。
千夏先輩が幸せそうに笑っているのが、逆に辛い。
「はいはい先輩、交代しますよー。可愛い顔してないで、どいてくださいねー」
押し退けるように雛が俺を跨ぎ、にへらっと笑う。
「大喜がどっちを好きでも、どうでもいいからさ。えっちして赤ちゃんも作って、一生私たちのモノで居続けてくれればそれでいいの」
……つまり。俺の人生を、寄越せと。どっち付かずなんて許せない、と。
雛は笑顔で怒っている。きっと、先輩も。
何処かでちゃんと結論を出せば、誰かが泣く事になっても傷は浅くて済んだんだ。揃ってダメにならなくても良かったんだ。
俺がバカじゃなかったら、良かったのに。
もう、遅いけど。
何もかも馬鹿馬鹿しい気分のまま、雛が俺の上に腰を下ろすのを呆然と見送る。
やっぱりわずかに痛そうな顔を経て、雛は俺を呑み込んでしまった。
感触に違いがあるかどうかなんて分からない、でも。身体は敏感に、反応する。持ち主の意思よりも、刺激に対して反応してしまう。
どっちが気持ち良いかなんて、考えることも出来ないけど。単純に、気持ち良い。
もう、良いや。
何も選べない俺は、全部持っていかれる。それで、良いや。
諦めたせいか、今度は何の抵抗もなく一直線に射精欲求が突き抜けていく。
ドクンドクンと尿道が脈打ち、雛の中を汚していく。世界を獲れる天才を、台無しにしていく。
その責任は、全て俺にあるから。だから雛は、幸せそうな顔をしている。
「もっ、出た、かな? 先輩より早かったーってことは、私の方が気持ちよかったとかー? うりうり」
ニヤケ顔で俺を小突く雛には、さっきの哀し気な色は見えない。楽しんで俺を犯している、としか思えないくらいに。
そして、千夏先輩も。にこやかに微笑む姿には、一切の毒気がない。
二人はとても、幸福そうで。だから俺は、どんどん追い詰められていく。
「っはぁー……、もうこれ、結構キツいわー……」
俺の上で跳ね回っていた雛が、ようやく動きを止めた。
もう何度目か、数えるのも億劫なほど。それでもちゃんと交互に、俺は犯され続けている。
しかし二人とも、どんどん動きは鈍くなっていく。
千夏先輩も、すっかり疲労困憊な顔。
「そろそろ、大喜くんも限界みたいだね。どうする、蝶野さん」
「そーですねー……、今日はもう入んないかなー……」
お腹を撫でながら、雛は俺を見下ろしている。帰して貰えるんだろうか。
でも解放された所で、自由になる訳じゃない。この先、ずっと。
俺は、俺の全ては、この二人のモノになってしまったから。
俺たちの関係がこうなってから、一年が過ぎた。
雛と先輩は揃って英明を退学し、俺も学籍こそ残しているものの自主休学の状態になっている。
理由は勿論、……子供が出来た事。先輩も雛も、競技者としての未来を捨てる道を選んだ。
そして俺は蝶野家と鹿野家と更に自分の家族からも散々に糾弾され、平謝りに謝って命だけは許して貰えたが立場も信用も全部無くしている。
バカは悩んだ挙げ句に最悪の選択をする、とはよく言ったものだ。
それでも二人は、俺を好きだと事ある毎に言い続ける。俺を、愛してくれる。
三人の歪な生活も、慣れてしまえば幸福だ。……まあ、二人乗りベビーカーを三人で押しながら歩いてるとご近所の視線がスゴく痛いし、先を考えると頭も痛いけど。
でも愛情と幸福で縛り上げられた俺は、何も言えなくなって。
ただ、過ぎた日を悔やむばかり。
何処かで、言っていれば。きっと俺達は――。