「・・・」
僕達の旅に、新たにバーゲストが加わった。
だが、その雰囲気は、かなり険悪だ。
これまでの旅は、一緒に歩いていたグリムは常に僕に肩車をするように要求していた。
子供の体型であり、肩車は簡単に行う事ができるが、背中に背負っている鞄はかなり重い。
「・・・グリム、そのままでは彼があまりにも大変です。いい加減、そこから降りたらどうですか」
「悪いが、お前が何時、襲うか分からないからな。私が離れた瞬間に、食う可能性があるからな」
「何度も言ったはずです。私はそのような事をしないと」
「狼の言う事を信じるとでも?」
そう、グリムはまるで信じようとしなかった。
「グリム、その、少しは信じても」
「まだ、出会って、数日。その間に、こいつを信用する君も少しは冷静になれ」
僕の言葉に対して、グリムは聞く耳持たないように、睨み付ける。
そう言われたら、確かに反論できないけど。
「えっ、いや、それを言うと、グリムもじゃないかな」
「・・・」
確か、僕達が出会ってから、まだ1週間程度しか経っていないような気がする。
その事を聞くと、少し黙る。
それから数分、沈黙が訪れる。
その結果。
「まだ、出会って、数日。その間に、こいつを信用する君も少しは冷静になれ」
「同じ台詞を言った」「なかった事にしましたね」
僕達は思わず呟いてしまう。
「それにしても、ここの吹雪凄いね」
「まぁな、この周辺にも様々な種族がいるからな」
「種族?」
それに対して、僕は首を傾げる。
「雪男などの存在が多くいる。
それらは、この吹雪を利用して、襲い掛かる」
「なるほど」
「だからこそ、こうして、暖を取る必要がある」
「それを、抱き締める理由にはなりませんよ」
そう、バーゲストはかなり厳しい言葉を言う。
そうした時だった。
大きな揺れが起きる。
「これは、まさか、襲撃」
「いや、これは」
そうしていると、見つめた先。
それは。
「雪崩っ!?」
「まさか、いきなり!?」
そう言っている間にも、襲い掛かる雪崩。
そう、驚きを隠せない間にも、僕達はそのまま、雪崩に巻き込まれる。
抱えていたはずのグリムは離れる。
「やばいっ」
雪崩によって、僕の身体から体温が奪われる。
気絶しそうになりながら、必死に身体を動かす。
「・・・人間」
聞こえた声、それと共に見つめた先にいたのは1人の女性。
雪を思わせる透き通る青い髪をした女性であり、それらの特徴を見る限りでも、雪女だと分かる。
「さすがに、このままでは危ないですよね」
その言葉を最後に、僕の意識はゆっくりとなくなっていく。
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