雪山を越えた後、僕達は次の目的地に向かう事にした。
その目的地というのは、グリムが、どうやら本来受けていた依頼であり、ここまでの旅はその道中の偶然だったらしい。
「それで、その依頼は?」
「この業界ならばよくある人狼狩りだ」
そう、グリムは言う。
未だに僕がおんぶしている状態には変わらす、ついてきているバーゲストを警戒している。
「・・・それにしても」
「どうしたの?」
そんな会話を行っていると、グリムは何か疑問に思ったように、首を傾げた。
「何、この道中はあまりにも可笑しすぎる」
「可笑しいって、言われても、そんなに」
「当たり前だ」
そうグリムは答える。
「君と出会ってから、異形の存在と出会う確率が増えている。それもかなりのレアケースの奴らばかりの」
それと共にグリムはバーゲストを見ると共に。
「悪霊、ブラックドック、雪女。このどれもが本来ならば、出会う確率は低い存在ばかりだ。そして、奴も含めて、その強さは異常だ」
「そんなに」
「あぁ、まるで君に引き寄せられるように」
それを言われると、否定する事はできない。
僕自身が、この世界に来てから、まだ間もないという事もあって、それがこの世界の常識だと思っていた。
だけど、狩人であるグリムの言葉から考えても、これまでの道中で出会ってきた数々の出来事はやはり異常だったのだろう。
「僕自身もよく分からない。気がついたら、グリムと会った場所にいた。だから、グリムの言う通りかもしれない」
ここまでの道中で襲われたのは、全て僕のせいかもしれない。
「そっそんな事は「まぁ、それはそれで別に良いがな」えっ?」
バーゲストは、すぐに僕に対して、何か言おうとしたが、それよりも前にグリムが遮った。
「私の仕事は狩人だ。獲物を引き寄せてくれるんだったら、これ以上頼りになる存在はない」
その事に、グリムは否定しなかった。
それ所か、受け入れてくれた。
「お前が、どんなに怪物を引き寄せても、私が狩ってやる。だから、安心しろ」
「・・・ありがとう、グリム。
それにバーゲストも、ありがとう」
その言葉だけで、僕は安堵する。
「いえ、私は、何も」
そうバーゲストはどこか落ち込んでいた様子が見られる。
「それで、グリム、これから向かう村って、どこなの?」
「カソカ村。
山奥にある小さな村らしい」
「カソカ」
ここが別の世界だという事もあるが、名前だけを聞くとあまり良い気分にはならない。
それでも、その村が、グリムの仕事場所ならば、行く必要がある。
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