カソカ村。
その名前を最初に聞いた時から感じていたが、まさしくその通りだった。
村について、始めに感じたのは、まるでファンタジー小説やRPGで出てくる最初の村を思わせる小さな村。
周りには木造の家が幾つもあるが、村人の数は100人程度。
そんな小さい村という事もあって、僕達はそのままグリムと共に、彼女を呼んだ村の住人が集まっている場所へと入る。
「おぉ、あなたが狩人組合から来た狩人」
「まさか、騎士様だとは」
そう、周りの皆が驚きを隠せない様子だった。
だけど、彼らが狩人だと思っているのはバーゲストだった。
「その、すみません。
私は狩人ではなく、ただの付き人なので」
「付き人?では、もしかして、狩人というのは、そちらにいる彼が」
「いえ、彼ではなく」
「私だ」
その言葉と共に、僕の上に乗っていたグリムは、そのまま地面へと降りる。
始めにバーゲストのような騎士だと思ったら、次は僕のような平凡な人物。
そうと思っていたら、僕に肩車をしていた少女が派遣された狩人。
その事もあって、村人の全員が驚きを隠せなかった。
「子供ですか」
「子供だが」
村長と軽く挨拶し、グリムが子供である事を確認するように村長は言う。
そして、僅かばかり時間が経つと。
「村を出ろ!」「荷物を纏めろ!」「もう村は終わりだぁ!」
そう、村人が騒ぎ始める。
その騒ぎの最中、僕はどうすれば良いのか困惑している時だった。
「っ」
感じた視線。
それは、どこからなのか分からない。
周りを見ても、誰が、こちらを見た分からない。
ただ、少なくとも分かるのは、何かが僕を狙っている事。
それに気づいたのか、グリムはそのまま僕に乗る。
「さて、まずは前金を受け取りたい」
「村長、組合に苦情を言いましょう。さすがにこんな子供では」
「望むならば、狩人を変更できるぞ。手数料諸々で銀貨200枚程かかるが、払えるか?」
「いっいえ、結構です!」
グリムの一言に対して、村人はさすがに戸惑いを隠せなかった。
「金金金、会って早々金の亡者という話は本当みたいだな。この村の事なんて、ちっとも考えていない」
それに対して、村人の中にいる少年がこちらを見る。
「この村の事なんて、ちっとも考えてない。そんな奴、信用できねぇよ」
それに対してグリムは何も感じなかったのか、ため息を吐く。
それと同時に、僕の頭に肘を置き、そのまま少年に向けて言う。
「よく聞け、少年。私達は正義の味方ではない。花屋が花を売り、大工が家を建てるように、私達狩人は、金を貰い人狼を退治する。ただ働きをするつもりはないしお前がどう思うと知った事ではない。引き金が引けないお前達は代わりに金を出すだけ、違うか?」
「あっ足下見やがって!」
そう少年が思わず突っ込む。
「抑えろ、ペロー」
それに対して、村長は慌てて、止める。
「ほほっ、子供」
「お前も子供だろ」
そんなペローと呼ばれてる少年とグリムの会話を見て、僕はどうすれば良いのか分からない。
「第一、お前だって、そこにいる兄ちゃんの上にいないと、何もできないだろ」
「ふむ、少し勘違いしているようだな、少年」
「勘違い?」
それに対して、ペローはグリムを睨み付けたまま言う。
「私は彼を必要とし、彼は私を必要としている。ただそれだけだ」
「どういう意味だ?」
「子供にはまだ早いという事だよ」
そう、グリムが挑発するから、また喧嘩が始まってしまう。
これは、何時まで続くのだろうか。
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