バーゲストに乗った僕達が向かった先。
それを見ると共に、ペロー君は驚きを隠せなかった。
「あれは、案内するはずだった山小屋、なんでっ」
「ふむ」
それを聞いたグリムは冷静に周りを見つめる。
「聞きたいが、あの時に感じた悪寒は今はどうだ」
「…強くなっている。
それも、あそこから」
「なるほど」
それと共にグリムは既に猟銃を手に持っていた。
「猟銃を、今、なんで」
「既に人狼はあそこにいる。彼が教えてくれたからな。
さて」
それと共にグリムはそのままバーゲストを見つめる。
「お前は外にいろ。
中には私と彼と、そうだな少年も来い」
「なんで、お前が、というよりも、バーゲストさんも一緒の方が良いんじゃないのか?」
「別に構わんが、喰われても知らないぞ」
そう言いながら、グリムはそのまま僕から降りる。
「言っておくが、そいつは人狼など可愛く見える程の化け物だからな」
「まったく、信用がないようですね」
「信用するだけ、まだ一緒にいないだろ。まぁ、荷物持ちにでもなってろ」
それだけ言うとグリムは、カバンの中にある鎖を投げ渡すと、そのまま前に進む。
「…なぁ、バーゲストさんとグリムの間に本当に何があったんだ」
「いやぁ、なんというか、本当に複雑なんだ」
そう、ペロー君が疑問に思うのは無理はない。
だが、そのまま僕達は、真っ直ぐと小屋の中に入る。
それと共に見えたのは骨だった。
小さな小屋の中にある骨は、そのまま重なっていた。
「っ」
思えば、襲われる事はあっても、こうして人の死を直接見るのは初めてだ。
先程、食べられたばかりなのか、血の匂いも部屋に充満している。
「人狼はいないのか?」
そう疑問に思うペロー。
それと共に
「ペローかい?」
「大婆様!」
すると、クローゼットの中に隠れていた大婆様が姿を現す。
ペロー君はすぐに近寄り、安否を確認する。
「ふむ、喰われてから、それ程時間は経っていないようだ。
どうやら、すぐに逃げ出したようだが」
「っ」
人の死を直面して、身体に恐怖が駆け巡っているせいなのか。
いや、違う。
これはおそらくは獲物を狙う目。
それも、今、まさしく僕の背中から狙っている。
後ろをゆっくりと振り向いて、いるのはペロー君と大婆様だけ。
だが、窓の向こうから感じる視線は二つ。
しかし、それと共に僕に対して、獲物のように見つめる視線は3つ。
その内、一つは。
「…ふむ」
それと共にグリムは既に構えていた。
両手に持つ猟銃を構えていた。
それと共に、既に話を聞き終えたペロー君は、大婆様に対して、信じられないような目で見つめる。
「こんな小さな窓から、村長が逃げられる訳がない。答えてよ、大婆様、人狼は、どこにっ」
それを言った瞬間、大婆様は、人狼はその正体を現す。
同時に僕はそのままペロー君を抱えて、その場を避ける。
それと共にグリムは、猟銃の引き金を引く。
「一旦引くぞ」
「えっ大人になっている!?」
困惑するペロー君を他所に、グリムは僕とペロー君を抱えて、その場を逃げる。
「ちっ逃がすっ」
そう言おうとしたが、既に遅かった。
外にいたバーゲストが、鎖で小屋を無理矢理壊す。
「無事ですか!」
「無事だが」
「グリムには聞いていません。私は彼とペロー君に聞いているんです」
そうグリムとバーゲストは変わらないやり取りをする。
「ペロー君、大丈夫」
「俺は、大丈夫、だけど、さっきの骨って」
「…たぶん、あいつらの仕業だ」
「あいつら?」
僕の言葉を聞いて、首を傾げる。
「人狼は、さっきの大婆様だけじゃない。他にも二匹いる」
「っ」
それを聞いた、ペロー君は驚きを隠せない。
同時にグリムは、そのまま鞄の整理を行う。
「狙いは間違いなく彼だな。
ならば、一気に片づける為には、どうするか」
「人狼は面倒な相手ですからね」
そう、バーゲストも呟く。
「あぁ、さすがに3匹を同時には面倒だ」
「人狼に弱点はないのか?」
「人狼を殺すには、再生しない程の炎で焼くか、この弾丸で殺すしかないからな」
「…」
それだけ聞くと、僕は頭に、ある事が過る。
「…ペロー君、聞きたいけど、村の近くに洞窟とかないかな?」
「えっ、いや、あるにはあるけど、そんなに大きくないけど」
「いや、むしろそれが良い。なんとかなるかもしれないけど、あぁけど」
この作戦はかなり危険だ。
本当に、かなり危険だ。
というよりも、失敗したら、僕は確実に死ぬ。
それを理解していると、グリムはそのまま後ろから抱きしめる。
「言ったはずだ、私が守ると」
その言葉と共にグリムの言葉に安堵する。
「それじゃ、少し作戦だ。
とても単純な作戦だけどね」
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