あの戦いから、僕達は狩人組合の本部へと向かう準備を行っていた。
今回の戦いで、無事に人狼を退治する事が出来た。
だが、グリムは向かう前から、何かを探るように、森を探っていた。
「グリム。どうしたんだ?」
「少し疑問があってな」
そう、グリムは、今回の村での出来事を考える。
「狼とは、なわばりの中で生きる動物。普通は一匹しかいないはずだ。だが」
その言葉と共に、グリムは人狼の痕跡を調べながら言う。
「今回は、3匹いた」
「あぁ、以上だ。群れを作るが、それでも村の住人が減ったのは、人狼の犠牲者と人狼本人だった大婆だけ。残りの2匹は、この村ではない外部の人間だ」
「それって、あり得るの?」
「普通は、あり得ないな」
その言葉と共にグリムは断言した。
「自分の縄張りに、わざわざ別の人狼を引き入れても、自分の食べる分を減らすだけだ。何よりも、この村には驚異となる人間もほとんどいないのに、わざわざ他の人狼を入れる理由がない」
「つまり、この村の人狼には、何か異変が起きたという事」
それに対して、グリムは頷く。
「まるで、何かに引き寄せる。いや、この場合は、何かに引っ張られて来たと言うのが正しいのかもね……」
「この村に何があるって言うんだ?」
「とにかく、村を調べてみようか」
そう言って僕達は、まず村の入口にある村長の家に向かう事にした。
すると、その道中で村人達に声をかけられた。
どうやら人狼騒動について詳しく聞きたいらしい。
僕はそれに応じて村人達に話を聞くことにした。
人狼が現れた時期、場所、方法等を調べるため。
村の人達が協力して調査を進めることにした。
既に人狼が倒されたという事で、村は和やかな雰囲気の中で、僕はふと気になる場所があった。
「ここは、確か、村長さんの家」
それは、今回の人狼の1件で犠牲になった村長さんの家。
村の皆からは慕われていた彼の死を悼んでいる人は多く、葬式も行われた。
僕は、そんな村長さんの家になぜか気になって、仕方なかった。
「やはり、多くは売られて、ないか」
組合への依頼料の為に、家具のほとんどが売られて、残ったものも売れずに放置されていたり、壊れている。
そんな家の中を探っていると、本棚があった。その本を手にとってみると、どうやらこの村の昔話が書かれているようだった。
その中で、一つのページに気になる事が。
「少年ペローが住む村で、人狼被害が頻発していた。次々と食い殺されていく村人はって」
そこから、僕は思わず、読んでしまう。
それは、この村で起きた人狼での惨劇。
それらが書かれていた。
それも、人狼が3匹いた事。
そして、村は巨大な人狼と魔女によって、滅ぼされる。
「どうなっているんだ、これは」
僕は、驚きを隠せなかった。
「あれぇ、もしかして、見ちゃった?」
聞こえた声、それと共に見つけた先には、小さな子。
魔法使いを思わせる格好をしている子が、そこにいた。
「何やら気配があって、気になって見に来たら、へぇ、そうなんだ」
彼女は、そう僕を見つめる。
「物語が進まなかったって聞いて、見に来たら、へぇそうなんだ」
何やら、僕を観察している。
このままではまずいと思ったが、身体が動かない。
「さて、君には色々として貰いたい事があるんだ。
悪いけど、一緒に」
そう魔法使いが呟きよりも前に、僕は引っ張られる。
窓の外から、来た鎖が僕をそのまま外へと連れ出される。
「誰!?」
そう、魔法使いが見つめた先には。
「人の物に手を出すとはな、魔女」
「いやぁ、怖いねぇ、グリム」
グリムが、僕を抱えたまま、魔法使いを睨み付けていた。
次回作のジャンルは
-
時代劇
-
世紀末
-
ロボット
-
カードゲーム
-
ファンタジー