「さて、色々と疑問があるが、なぜ貴様がここにいるんだ魔女」
そう、僕を抱えたグリムは、そのまま片手で抱えたまま、鞄の中から取りだした猟銃の銃口を真っ直ぐと魔女に向けていた。
「別に、予定と違ったと聞いたから、来てみただけよ。
そしたら、とんでもない奴が、そこにいるじゃない」
その言葉と共に向けられたのは、僕であるのは間違いない。
「とんでもない奴だと?」
「気づいていないのか?それともわざと言っているの?」
挑発してくる魔女に対して、グリムはそのまま首を傾げる。
「えっ、マジで分からない感じなの」
「知らないな、まぁ、どちらにしても」
そのまま、何の躊躇もなく、グリムは引き金を引く。
「お前をここで殺す事には、変わりないけどな」
「いきなり撃つっ」
いきなりの銃弾に、魔女は驚きを隠せない様子で、そのまま杖をこちらに向ける。
それと共に放たれたのは炎の球が襲い掛かってくる。
だが、それに対して、グリムは僕を抱えたまま走りながら避ける。
そしてその瞬間、彼女の足元には炎が広がり――まるで地面そのものが燃えたかのように広がったのだ。
それを見た僕は思わず息を飲む。……まさかこんな事になるなんて。
僕は自分の迂闊さを呪った。
同時に、この状況で、何もできない事に。
「君が君自身を責める必要はない。何より」
それと共にグリムは僕を強く抱き締める。
「私が守るから、安心しろ」
未だに諦める気配はなかった。
襲い掛かる攻撃に対して、素早く避けながら反撃する術を探る。
その動きには無駄がない。
「無駄だよ、まったく、その程度じゃって」
そう、魔女は余裕の笑みを浮かべていた。
だからこそ、グリムの行った行動に驚きを隠せなかった。
なぜならば、グリムは、鞄から取り出した巨大なハンマーで、村長の家を吹き飛ばした。
「銃弾で当てるのが難しいならば、家を吹き飛ばして、当てれば良い」
「えぇ」
その、あまりにも力業過ぎる行動に、驚きを隠せなかった。
「こんな家、燃やせば良いだけ」
そう、魔女は躊躇なく家を燃やした。
だけど、それが悪手だった。
燃やした家を盾に、グリムは、その手に猟銃を構えていた。
家が囮となって、魔女の視界を遮った。
「なっ」
「とりあえず、腕が邪魔だな」
そう引き金を引こうとした瞬間だった。
魔女の後ろから巨大な穴が現れる。
そこから出てきた腕は、そのまま魔女を掴んだ。
「むっ」
「覚えていなさい!!」
そう、叫ぶと共に魔女は、そのまま消えていった。
「逃がしたか」
そのまま地面に降り立ったグリム。
「グリム、さっきの魔女が言っていたのは」
「さぁな、私も未だに分からない事ばかりだ。
まぁ、どちらにしても、調べる事が増えたのは厄介だな」
そうしながらも、この、カソカ村での戦いは確かに終わりを迎えた。
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