「それで、えっと、工場へと攻め込む為に改造しているんだよね」
「そうだ」
そう言いながら、グリムの指示の元、僕達が向かったのは、以前、大量の背負い蟹達がいた場所。
そこには、あの時に壊した戦車の残骸や、背負い蟹達が捨てていった物が多くあった。
「これをどうするつもりだ」
「こういう風に改造するつもりだ」
そう言って、取り出したグリムの改造案を見て、僕達は驚きを隠せなかった。
「えっと、本気で」
「あの攻撃を搔い潜りながら、攻めるには、これしかないからな」
その一言に対して、多少の納得はした。
「それで、ここに来たのは、その材料集めか」
「あぁ、元々戦車がこの周辺にはある。
材料を集めにはうってつけだからな」
その言葉と共に、僕達は、すぐに作業を始めた。
「それにしても、ライザは年齢的には結構若いと思うけど」
「まぁね、本当だったら、今も畑仕事をしていたけど、私の故郷、滅びちゃったから」
「えっ」
それに対して、僕は何も言えなかった。
「私の村の近くにいる海に生息する人魚海岸近くの町や村に海産物を提供する代わりに繁殖期に若い男と子作りするの。
まぁ、どこの村でもある感じの。
けど、その人魚を狙ってか、半魚人達が来たの」
「人魚と半魚人って、違うの」
「うん、全然違う。その時に、私や僅かな村人しか生き残らなかったの。偶然なのか、私には錬金術の才能があって、隠れる事はできたけど」
そう言った彼女の顔は暗かった。
「そんな時に助けてくれたのが、グリムさんなの。
グリムさんは、覚えていないようだけど」
そう言いながら、グリムは未だに作業を続けている。
「だから、今度はグリムさんの助けになるって、頑張っていたんだ。
けど、また、助けられちゃった。
少し情けないよね」
そう、ライザは落ち込んでいた。
「そんな事、ないと思うよ」
「えっ」
僕の言葉にライザは戸惑う。
「この戦車を改造するには、ライザの錬金術が必要なんだ。
だから、グリムもきっと頼りにしている」
「そうかなぁ」
「当たりまえだよ」
今、この状況の中で、僕が未だに頼りない。
そう考えれば、僕よりもずっと頼りになる。
「ありがとう。そう言われると、元気になってきたよ」
そう言ったライザは笑顔を見せた。
「おい、ライザ」
「あっグリムさん!」
そうしていると、一通り作業が終えた後、ライザに近づくグリム。
それに対して、ライザは笑顔を見せる。
「すまないが、お前に作ってほしい物がある」
「なんでしょうか?」
「あぁ、明日の作戦の為に必要な物で、できればすぐにでも作ってほしい」
「それは一体」
僕も思わず聞く。
「精力剤を頼む。あと媚薬」
その言葉に対して、ライザは笑顔が固まった。
それには、僕は、どう反応したら良いのか、分からず、困惑してしまう。
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